今回は前回の話に引き続き、レネにスポットを当てて描いて行きたいと思います!原作とは多少話の順番が違うかもですけど、そこら辺は暖かい目で見てくださいませね♪
これは公式からの発表がありましたが、書籍版「異世界はスマートフォンとともに。⑲」が2019年12月21日土曜日に発売予定です!それと同日に、ドラマCD限定特装版も同時発売されます!イセスマ好きはGETして損は有りませんよ〜♪
そして、冬原パトラさんのもう一つの作品である「VRMMOはウサギマフラーとともに。」も同日に書籍版&コミカライズ化が発売予定!私はなろう版で少ししか読んでませんが、この作品は『ソードアート・オンライン』を読んでる人なら、興味を持てる作品なのかな〜と思ってます!ぜひ、其方も併せてチェックして見てくださいね!
長くなりましたが、それでは本編の内容に移って行きましょうか♪それではスタートです!(後書きにお知らせを載せてるので、宜しければ最後までお付き合い下さい♪)
汚れた顔を近くの水道で濡らしたタオルで拭くと、レネはなかなか可愛い顔立ちをしていた。……待て?スリをしてたって事は、服とか無いよね?
「なあなあ、兄ちゃん。何食わせてくれるんだ?」
「食事の前に、先ずは身なりを整えるよ!……と言ってもその格好だと目立つなぁ…。よし!」
僕は羽織っていた黒いコートを、レネに羽織らせる。間に合わせの物かもしれないが、少し我慢して欲しい。その足で近くの服屋に入り、レネに見合うサイズの服を何点か購入する。
そして購入した一着をレネに着せ、二人で近くの屋台で串焼きを数本買い、近くの公園へと訪れた。
「……はいこれ。タオルは自由に使って良いからね。それと、簡単だけど食べ物も用意したよ」
僕はレネに【ストレージ】から取り出したタオルと、包みに入った弁当箱を渡す。実は先程レネに渡した弁当はと言うと、この前の魔法書の読み直しをする際に、お腹が空いては余り出来ないという事で、クレアさんに自ら頼み込んで用意した物だ。
そして購入した串焼きを手渡して、僕はレネの様子を見守る。食べっぷりが八重にそっくりで、彼女とは良い勝負だなと思えてしまう。
「レネはさ、何処に住んでるの?」
「決まって無い。公園で寝る事もあるし、路地裏に泊まる時もある。前は父ちゃんと一緒に宿屋に泊まってたんだけど……」
「……何も聞かない。余計な詮索はしないから、ゆっくり食べなね」
僕はレネの言葉を聞くと、そんな言葉を返した。……この子には多分、身近に頼れる人が居ないんだろうね。ある程度は知識が有るから分かるけど、このパターンは『両親の顔を知らない』若しくは『両親は既に他界していて、親戚は居るが会った事は無い』と言うパターンだろうか?
そんな気持ちもお構い無しに、レネは目の前の食べ物をガツガツと食べて行く。よっぽどお腹が空いてたんだな……。
「そう言えばこの南区って、君みたいな子たちが沢山居るの?」
「うん。近くに孤児院とかあるから、多分そのせいだって」
そうなのか……。となれば、孤児院に預けるのが普通なんだけど、この子の場合はもう『スリ』って犯罪を犯しちゃってる訳で。何処かのお店に連れて行って雇ってもらうか……いやいや、そもそもの話、犯罪者を雇う職場なんて有る訳ないし……。
……周りの人からは『甘い』だの何だの言われそうだが、此処で見捨てる事が一番申し訳ない!
「……レネ、うちで働く気はある?」
「え?」
「住む所も食べ物も心配無用。ただ、キチンと働いて貰うよ。勿論……それに見合った賃金も出すし、君のサポートもしよう。どう?」
「えっ?えっ?働かせてくれるの?ホントに?」
僕の提案を聞いたレネが、キラキラとした眼で僕を見て来る。個人的にはこれだけのやる気を見せられたら、雇わずには居られないんだけどなぁ……!
寸でのところで僕は踏み止まり、レネに右の掌を向ける。厳しいかもしれないけど、社会更生の為にはこれが効果的なんで!
「ただし!二度とスリの技術を使ったり、それに及ぶ行為をしないと言うのが最低雇用条件!守れる?」
「う、うん!二度と使わない!約束する!」
「よし来た!」
勢い込んで頷くレネの頭を撫でる。……何か最近、慰めの為にユミナの頭を撫で始めてから、すっかり癖になったかもな〜この行動。ま、ユミナの魔眼で性質を判断はして貰う予定だけど、良い子だと思うよ、レネは。
普段なら【ゲート】を使って自宅に帰るのだが、レネに場所を覚えて貰うためにも、今回は歩いて行きますか♪
「あれ?こっちじゃないの?」
「ああ、東区の事を言ってる?……実はこれが違うんだな〜。僕の家は西区だよ」
「……!?西区!?」
東区の方向を指し示していたレネが、僕の言葉に驚いて振り向く。……ああ、何となーく想像が着いたよ。
レネを連れて南区を抜け、西区に入る。だんだんと広がる住宅街を通り抜け、高台へ向かう緩い坂を登って行く。ま、これくらいの坂なら楽々かな♪
「ひょっとして…颯樹兄ちゃん、貴族様なのか?」
「うーん、違うかな。貴族では無いよ。まあいっぺん、貴族にされかけた事はあったけど」
場違いな場所に不安を感じて来たのか、レネがそんな事を尋ねてくる。貴族なら外周区じゃ無くて内周区に住むだろうけど、一概にそうとは言えない。地位が低い貴族や、没落貴族とかが移り住んで来る事もある。ちょっとした金持ちの商人とかも、此処ら辺だしね。
高台を登り切ると、赤い屋根の我が家が見えて来た。それを見上げると唖然とした顔で、レネが僕の方を見つめて来る。
「こっ、ここが颯樹兄ちゃんの家!?」
「そうだよ。あ、トマスさんお疲れ様です」
「おや、旦那様が門から帰宅とは珍しいですな」
笑いながら門番のトマスさんがそんな事を言って来る。まあ、何時もは【ゲート】で往復をしてるから、そう言われちゃうとね……。
門の横にある通用口から敷地に入る。そのまま庭の歩道を歩き、玄関の扉を開くと、ちょうど玄関ホールをラピスさんとセシルさんが掃除をしていた所だった。
「あら、旦那様?お帰りなさいませ。玄関から帰って来るなんて珍しいですね?」
「お帰りなさいませ〜。あらあ?その子は〜?」
「ただいま帰りました。……えっと、今日から此処で働く事になったので、指導よろしくお願いします」
「うぁ……レネ、です。よろしく、です……」
マジマジとレネを見つめるセシルさん。その視線がちょっと怖かったのか、レネは僕の陰に隠れてしまった。
……何か、借りて来た猫みたくなったな…。緊張してるのかな。ま、いきなりこんな所に連れて来られたら、誰だってそうなるわな。
「ライムさんは今何処に?」
「リビングにユミナ様へお茶を持って行きましたよ」
レネを連れてリビングへと入る。彼女を椅子に座らせて、ライムさんに事情を事細かに分かり易く説明をして行く。ユミナは黙ってそれを聞きながら、じーっとレネへ視線を向けている。魔眼で見ているのだろう。やがてユミナが小さく微笑んだ。やっぱりね、根は悪い子では無いんだよ。
その事を横目で確認すると、ライムさんが口を開いた。……ここから先はお願いします。
「なるほど、事情はわかりました。ですが、中途半端な考えで仕事をされては迷惑です。レネと言いましたね?」
「う、うん」
「本当に此処で働きたいと思いますか?失敗したり、私たち使用人に迷惑をかける事、それ自体は構いません。そこから学び、逃げ出さないと約束できますか?」
射貫く様な視線でライムさんが問い掛ける。……確かに僕もそれは気になっていた所だ。もし仮に迷惑を掛けてしまって、それを気に病んで逃げ出す様なら、もう一度考えを改めようかと考えてた所だ。
少しの逡巡の後に、レネがゆっくりとだけど、自分の思いを伝え始めた。
「……うん、あたし、此処で働きたい。颯樹兄ちゃんの所に居たい」
ライムさんの瞳を真っ直ぐ受け止め、レネは確りとそう答えた。それを見たウチの執事は、フッと表情を緩めて微笑みながら立ち上がった。
「セシル、レネを浴場へ。隅々まで洗ってやりなさい」
「は〜い。レネちゃんおいで〜。お風呂入ろうね〜」
「えっ?えっ?」
セシルさんに連れられて、お風呂場へとレネが連行されて行く。それを見届けたライムさんは、次にラピスさんに指示を出した。
「ラピスはあの子に合う服を何着か買って来なさい。ああ、メイド服も特注で注文して置くように」
「あ、私服の事ならご心配無くです。帰って来る際に買って来ました。お店の人にサイズを見て貰ったので、レネに似合う筈です」
「……わかりました。では、メイド服を特注で注文して置くように」
僕の返答を聞いたライムさんは、ラピスさんにそう指示を出す。……何か、仕事を取っちゃってごめんなさい。そして僕は買ってきた服の入った袋をユミナに渡して、レネの居る所へと運んで貰う。
……はぁ、疲れたぁ…。ユミナが出た後、僕は疲れを体現する様にソファーへと倒れ込む。やがてライムさんがやって来て、目の前に紅茶の入ったカップを置いた。
「……勢いでレネを雇ったは良いけど、実際は犯罪者を匿ってる事になるんだよな〜。どうしよ。やっぱり孤児院に預けた方が良かったかな」
「それはレネが決める事だと思います。今は旦那様が一人の少女を貧困から救った事実だけを受け止めればよろしいかと」
……さすが、元王様のお世話係。口が上手いよ。一々気にしてたら、確かにキリが無いもんね。それにレネの人生だから、それは僕たちがとやかく言わなくても、レネ自身が決める事だからね。
それでもレネのやった事は、れっきとした犯罪である訳で。ここら辺はキチンと償ってもらわにゃ。そこをちょっと国王陛下に聞いてみよっかね。
「……ん?何か、音がする」
「どうかなさいましたか、旦那様」
「いやね?誰かが廊下を勢い良く駆けて行く様な、そんな音が……」
僕は突如として聞こえて来た音に、耳を傾ける。そしてその予感は見事に的中し、リビングのドアが勢い良く開け放たれた。そこにはバスタオルを身体に巻いたレネと、レネに抱え挙げられている琥珀が居た。
「さ、颯樹兄ちゃん!虎だ!虎の子が居るぞ!」
『主……この童女は何者で?』
「!?虎が喋ったぁ─────!?」
心底ウンザリそうな顔を浮かべる琥珀。……まあ、気持ちはよく分かるよ。……って、レネは服を着なさい。みっともない。レネが加わった事で、益々賑やかになるねココは。……ん?
レネの首から何か提げられている。形を見る限り、ペンダント…かな?
「レネ、そのペンダントは?」
「これ?父ちゃんがくれた母ちゃんの形見だよ。これだけはずっと持ってたんだ」
「少し見ても良い?」
レネが僕の手にペンダントを渡してくれた。その後彼女は袖を捲ったセシルさんに、お風呂場へと再連行されて行く。忙しないなぁ……。
手にしたペンダントを眺める。これ、金だよね……相当な値打ちモノだと思うけど……。翼を広げた様な意匠で中央に逆三角形の宝石が嵌め込まれている。これは……宝石と言うよりも、魔石?風の魔石だ。裏には紋章が刻まれていた。
「ライムさん、この紋章って……ベルファストの貴族の物ですか?」
「いえ、グリフォンと盾に双剣、月桂樹……見覚えがありませぬ。グリフォンの紋章が多かったのは、帝国では無いかと」
「帝国……ベルファスト王国の東に位置する《レグルス帝国》の事ですね。もしかしたら、レネの母親はレグルス帝国の貴族なのかも……」
「それは何とも言えませぬな……」
微妙な顔を浮かべながら、僕は再びレネのペンダントに目を向ける。……レグルス帝国、か。機会があったら少し行ってみようかな?でもベルファストとは仲があまり宜しくない感じだからな〜。
ま、色々考えても仕方ないし、余り大っぴらにはしないで置こうかな。何時かレグルス帝国出身の人に会った時に、それとなく聞いてみようかな。
今回はここまでです!如何でしたか?
次回は自転車の話をした後に、国王陛下とのやり取りを入れるつもりです。その後には少〜しだけ、リーンたちとのやり取りが入るかも……?なので、楽しみにしていて下さいね!
さてさてさーて?この「異世界はスマートフォンとともに。if」ですが、あらすじにも描いているように、アニメストーリー終了後は、ラノベやなろう版を準拠にしたストーリーを基本に、所々でオリジナル話を挟もうかと考えてます。募集自体はまだ掛けてませんが、先んじてお知らせして置きます。
オリジナル話の内容は、基本的に話の流れ通りになる様にコチラで作成します。ですので、先ず先に原作を読まれてから、ご提案をよろしくお願いします。主人公を望月冬夜くんから変えてるだけなので、基本的にはそこまで大差は無いです。ですが……それだけだとあんまり面白くないので、今回の運びになりました。どうかご協力をよろしくお願いします!
それではまた次回です!次回の投稿日は、来週の月曜日である……11月18日(月)深夜0時です!
最後に宣伝です。Sayuki9284さんの方で、ついにイセスマ二次創作のR-18小説が登場しました!その名も「異世スマ 改 R-18」です!なかなかそれっぽい話に仕上がってますので、18歳以上の方……是非とも覚悟を決めてから読まれて下さい!(見る人にとってはかなりOUTな内容かも……)それと併せて「異世界はスマートフォンとともに 改」もよろしくお願いします!