さてさて、今回の話は……アニメストーリー第10章《海、そしてバカンス。》からお送りします!そして深夜アニメの殆どで必ずやっている、皆さんお楽しみの水着回の降臨であります!
「異世界はスマートフォンとともに。」の原作でも同じ様に水着回が用意されてたので、私もそれに追従して作る事にしました!どんな出来になるか、楽しみにしていて下さいね♪
そのせいか……サブタイが原作そのままになってしまった気が否めませんね。……ま、そんな事はどうでも良いでしょう(^_^;要はオリジナル要素を出せば良いんですから!
ちなみに、次回はお話の大半をオリジナルPartで占めるつもりです。勘の良い皆さんなら、ここで私がメインに誰を持って来るのかは……察しが着いてますよね?
前書きが長くなってしまいましたが、それでは「第33章:海、そしてバカンス。」スタートです(サブタイがこれしか思い付かなかった……それは許して)!
山本完助や鬼面兵達との戦いから、三日が経った今日この頃。僕たちは八重の実家である道場を出立し、島津領にある《ニルヤの遺跡》へと向かう事にした。
武田領の新しい頭領は、真玄の息子である武田克頼が務める事になり、四天王達はその補佐をするのだとか。何とか落ち着きを取り戻したは良いけど、数年後に武田滅亡の報せを聞くのは御免蒙りたいわなぁ。
「では父上母上、それに兄上と綾音も。行って参ります」
「ああ、気を付けてな」
「颯樹さん、娘をよろしくお願いしますね」
オエドの八重の実家から遺跡へ旅立つ別れの挨拶の時に、七重さんに深々と頭を下げられてしまった。どう返したら良いか分からずに、僕もそれに連られて頭を下げた。その七重さんの横では、重太郎さんと綾音さんが笑って僕らを見ていた。
「今度また、ゆっくりと遊びに来ますよ。その時はベルファストの我が家に招待しますね」
「楽しみにしているよ」
そう言って重太郎さんと握手を交わし、目的地である《ニルヤの遺跡》への【ゲート】を開く。遺跡がある島津領へは、馬場さんが小さい頃に訪れた事があるとの事で、出発の前日に【リコール】でその場所の記憶を回収させて貰った。
八重の家族に手を振りながら光の門を潜ると、そこには辺り一面真っ青な海と白い砂浜が見えた。マップで確認して見ると、どうやら島津領にある小さな孤島に出た様だ。……孤島と言っても、200mも泳げば陸地に着くのだけどね。
「凄っ……綺麗……」
「わあぁ〜、綺麗ですね〜」
僕が想像以上の海の美しさに目を奪われる横で、ユミナは白い砂浜を歩いている。……もちろん、彼女も僕と同じく目の前の海に目を奪われている。彼女の足下に居る琥珀は歩きづらそうにしてるのに、ポーラは何故か軽快にその場を駆けていく。……ほんと、どうなってんのポーラって。
そのポーラのご主人様はと言えば、何処からか取り出した黒い日傘を差して、優雅に砂浜を歩いている。
「海なんて久しぶりね〜」
「そうだね、お姉ちゃん」
双子の姉妹も潮風を身に受けながら、砂浜を歩いて行く。八重がその後に続こうとして、途中で草履と足袋を脱いで素足になった。砂が入るので煩わしくなったのだろう。……だがそうした結果はと言うと……。
「熱っ!あちっ!あちちち!」
そりゃあ熱いでしょうよ。しかし、これだけ熱いと頭がボンヤリしてきそうだな……。そう言えば、目的地である《ニルヤの遺跡》は確か『海底にある』って話だったな。僕はそれを思い出して、直ぐ様スマホを取り出してマップアプリの検索欄に〘遺跡〙と打ち込んだ。
「検索結果は……?おっ、出た」
「どうかした?」
「あ、いやね?遺跡が何処にあるか探してたんだけど、そうしたらこんな結果に……」
僕が声を発したのを不思議に思ったのか、リーンが問い掛けてくる。僕はスマホの画面をリーンにも見える様にする。そこに表示されていた結果は、悪い意味で僕の予想を裏切らない物だった。
「見事に海底にあるわね……」
「リーン、水の中で活動できる様な魔法って、何か知らない?」
「水の上を渡る魔法ならあるけどね。確か無属性魔法で、水の中でも呼吸できると言う魔法を聞いた事があるけど、興味無かったので覚えてないわ」
いやいや、そこが肝心な所じゃん……。まあ、今回訪れた目的が《古代遺跡探し》という事だから、それ以外にはあまり興味が無いのかな。そう思いながらその横を見ると、先程の4人が波打ち際で水を掛け合って遊んでいた。
「冷たくて気持ちイイわね〜。あー、これで水着があったら泳ぐんだけどなぁ〜」
「……チョイ待ち、あんの?水着」
「…?店に行けば売ってる、かと。最近では地方によって、色んなタイプの水着が売られてるとか、聞きます」
エルゼが発した言葉に、一瞬フリーズしてしまった僕だったが……リンゼの説明のお陰で何とか理解できた。
そっか、普通にあるのね…水着って。折角海に来てんだし、楽しまない訳には行かないよなぁ〜。それじゃあ、目一杯楽しんじゃいますか!
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その他諸々の準備と、何やかんやあって……今し方着替え終えた所だ。途中から『僕だけ働いてるかな?』とか思えたが、今更な気がしたので追求しなかった。
前世では部活動もやってたし、今も冒険者として動いてるからカラダつきはそんなに悪くなさそう?僕が着けてる水着は、フリーサイズの黒のトランクスと言った所だ。
「取り敢えず、水の中で溺れない様に、軽く身体は解しておこうかな」
「あ、颯樹も泳ぐの?」
「エルゼ。ん〜、ま、そんなトコかな」
身体を解す為のストレッチをしている僕の後ろから、いきなり声を掛けて来たのは、水着に着替えたエルゼだ。その姉の後ろにはリンゼも居る。
二人ともお揃いのビキニではあったのだが、エルゼの方は赤の上下に白のボーダーが入った物、リンゼの方は青の上下に白のボーダーが入った物と対照的な色違いで、下はサイドを紐で留めるローライズである。
更に言うなら、リンゼの方は恥ずかしいのか……パステルブルーの長めのパーカーを、水着の上から羽織っていた。これは言うまでもない事だが、二人ともスタイルが非常に良い為に目のやり場に困ってしまう。リンゼの方が大きいのは、普段からよく知ってるけど(何故だ)。
「じゃ、あたしは先に行ってるわね」
「OK」
エルゼはそう言って、身体をストレッチさせてから海へと走って行った。それを見た八重が「今度は自分も」と言った感じで、エルゼの居る所へ駆け出して行った。と言うか君は何時の間に……?
八重の水着はホルターネックとサイドを紐で結んだ、薄紫色のビキニだ。……しかしまぁ、改めて見てみると…なかなか良い物をお持ちのようで……。
「ん?リンゼは泳がないの?」
「あ、わ、私はあまり泳ぎは得意では無いので……日陰で休んでます」
そう言ってリンゼはサンシェードの中へと入って行った。……リンゼはあまり身体が丈夫って感じでは無さそうだから、熱中症とか起さないか心配だな…。
「颯樹!」
「颯樹兄ちゃん!」
おや?今度は小さいお嬢様たちの登場だね?
スゥは胸にヒラヒラとしたフリルの付いた黄色のワンピースに、レネは赤地に白ドット模様のワンピースで、腰にスカートの様なフリルが付いている。……単純に《可愛い》って路線だね。難無く普通に接することが出来そうだ。スゥは浮き輪を持っていて、レネはビーチボールを持っていた。
「あんまり沖には行かないように。ここは遠浅だけど、皆から離れないでね?」
「分かっておる、大丈夫じゃ。行くぞ、レネ!」
「うん、スゥお姉ちゃん!」
スゥとレネが海へと走って行った。……何だかこれって、危なっかしい娘たちの動向を見守る、父親みたいな役回りしてる気がすんだけど。
って言うかあの二人、あんなに仲良くなってたのな〜。レネはまだ小さいから、スゥがお姉さん風を吹かせて大見栄を張ってる気がするんだけど。
「仲が良いですね〜」
「はい、見ててホッとしますよ〜。……って、セシルさん!?何時の間に!?」
「えへへ〜、職業病、ってヤツですかね〜」
全くこの人は……。それが職業病だとしたら、今までもずっと僕たちの監視とかしてた事になるね?まあ、ユミナを守る為だったら、何も文句は無いけどさ。
セシルさんの水着は、エメラルドグリーンのビキニに、腰に同じ色のパレオを巻いていた。……あ、実際にあんだパレオって。そしてセシルさんはスゥとレネの所へと駆けていく。……あの人も仕事熱心だよな〜、職業病が出るくらいなんだもん。
「……で?僕の後ろに立って、何をする気だったんですラピスさん」
「セシルを変な目で見てないかのチェックです」
「そんなの無い!」
「冗談です」
怖ぇ……。実際にそんな事を口に出した訳じゃないが、今のラピスさんからは背筋が凍る感覚がしたよ……。ラピスさんの水着は、紺のチューブトップにショートパンツと言う動きやすい服装だった。手には銀盆を持ってる事から、何か渡す最中だったのかな?と思えてしまう。
「ん?手に持ってる銀盆は?」
「一応仕事をしませんと。奥様方にお飲み物を」
「ハハハ……。暑いので無理はしないで下さいね?倒れられたら困りますんで」
「ご忠告痛み入ります。失礼します」
そう言って微笑みながら、ラピスさんは屋敷へと繋がる【ゲート】を通って行った。頭が上がらんわ〜、全く。何か騒がしいなと思って岩場の方を見てみると、国王陛下が岩場から海へと飛び込もうとしていた。……え!?大丈夫なんですか、あんな所から!…あ、浮かんできた。
どうやらあの辺りの水深は、かなりの深さらしい。続けて公爵殿下とレオン将軍も飛び込んで、そのまま皆して競泳に……何やってんだかあの人たちは、はしゃぎ過ぎでしょうよ。
「颯樹さん」
王様たちを呆れた目で見ていた僕の目の前に、ユミナが現れた。……先ず一言言わせて欲しい、ユミナが可愛すぎる」
「さ、颯樹さん……声に出てます…///」
おっと。僕のふと漏らした一言で、ユミナが顔をほんのりと紅く染めちゃったよ。……んんっ!ユミナの水着はと言えば、胸と腰にフリルの着いた白のビキニだ。目の保養にもなるし、とてもよく似合っている。
「どうですか?」
「うん、よく似合ってる。可愛いよ」
「えへへ、ありがとうございます」
僕に褒められたユミナは、その場でクルっと一回転して見せる。……破壊力が充分過ぎるのですが。今までこういうのを見た事が無かったからか、後々になってもこの光景は鮮烈に思い出しそう……。
そして軽く笑顔を浮かべたユミナを、スマホのカメラで写真に納める。……うん、良い出来だ。彼女の写真撮影ともなれば、こうも上手く行くんだね……びっくり。
「颯樹さん、一緒にあっちで泳ぎませんか?」
ユミナが僕の腕にギュッと抱き着いてくる。……えーっと、ユミナ…さん?当たってるん、ですけど?わざとなのか無意識なのか、非常に判断に困る。それなりに…歳相応に、成長してんですね〜……。
腕から伝わる柔らかい感触に、思わず顔を真っ赤に染めてしまう。そんな感覚でさえも、ユミナにはお見通しのようで。
「ふふっ♪颯樹さんにも可愛い所があるなんて、ちょっと意外ですね」
「可愛い女の子に抱き着かれて、照れない方がおかしいっての」
「私はそんな颯樹さんも好きですよ♪」
かぁーーーーー!どうしてこの娘は、いっつも何時もこう嬉しくなるような事を言ってくれるのかね!お陰で今の僕の顔は、誰にも見せられん様なふにゃけた顔になってるかもしれん。
「ね?行きませんか?」
「うーん……そうしたいのは山々なんだけど、遺跡のことを調べなきゃね。それが終わったら付き合うよ」
「じゃあ、終わったら来て下さいね♪私、待ってますから///」
離れる際に少し不満気な顔をしていたが、ユミナはそう言って笑顔を残して、スゥ達の居る方へと砂浜を駆けていく。
……危なっ!お陰で理性の壁が崩壊する寸前でしたよ!僕の中では結構硬い方だと思ってたのに!まだ心臓の鼓動が鳴り止まないし……あぁーーーー!可愛いなぁユミナは!
「……随分とお楽しみの様で?ねぇ、颯樹?」
「……リーン、何時から居たのさ」
「えーっと『ユミナが可愛すぎる』の所からかしらね。ほぼ最初の辺りになるわね」
え……?って事は、あんのイチャイチャを見られてたって事!?嘘……毎度毎度の事だけど、イチャイチャしてたら誰かに見られてるってのがオチなわけ!?
リーンの水着は、アダルティな黒に白のレースをあしらったビキニなのだが、日に焼けるのが嫌なのか…黒い日傘を差していた。その体型で大人っぽい物を……?と思ったけど、敢えて口には出さない。
「……んで、ポーラも泳ぐわけ?」
あたぼうよォ!と言わんばかりに、胸を叩いて答えるポーラ。大丈夫なのかこのクマは。と思ったけど、リーンから『【プロテクション】をかけてるから平気よ』との事なので、大丈夫なのだろうと思っていた。後で僕もスマホに【プロテクション】をかけておこうかね。
ポーラの方はと言うと、大正時代の様な赤と白のボーダーの水着を着込んでいた。今にも準備体操を終えて入る気満々だ。あ、琥珀はと言えば荷物用のテントの中でお昼寝をしている真っ最中だ。
「それじゃあ、潜ってみますか……?」
僕が海へ向かって歩き出すと、ひょこひょことポーラもその後を付いて来る。ホントに……大丈夫?
ポーラは海に入ると波打ち際でひっくり返り、砂浜へ転がりながら押し戻されて行った。そしてポーラは立ち上がり、また海へと駆けていく。そしてまた波に押し戻され、転がりながら砂浜へ……無限ループか。
……取り敢えずアレはほっといて、僕の方は遺跡の調査に取り掛かろうかね。
今回はここまでです!如何でしたか?
次回はオリジナル要素増し増しでお届けします!その後には新しい仲間(人とは限らないよ?)も増える予定なので、どうぞお楽しみに!
皆さんが今回働かせた想像力は、次回でも活かせるようにしてて下さいね?私的には次のお話が本題だと思ってますので!
次回の投稿は「異世界はスマートフォンとともに。⑲」の発売日前日の12月20日(金)午前0時です!いよいよ発売まで一週間を切りました!GETの用意は皆さん、出来てますか〜?私はもちろんOKですよ!
そして年内の投稿も残り4回!……あと4回でアニメストーリー終わるんかな〜。物凄い心配になって来た。
【追記】
他サイトの話にはなるのですが……はるにゃまんさんの投稿小説である「俺に友達ができた途端に幼馴染とクラスの女子と後輩が迫ってきた!」が、月間ランキングに掲載されましたーーーー!おめでとうございます♬
更に言うなら、ジャズさんの投稿小説である「ソードアート・オンライン 〜二人の黒の剣士〜」がハーメルンの日間ランキング97位に掲載されました!おめでとうございます♬
私も何時か「異世界はスマートフォンとともに。if」でランキングに載ってみたいですね〜……なんて。今回も感想を是非!高評価やお気に入り登録、どしどしお待ちしてますよ!来た際には作者は泣いて喜びます。