異世界はスマートフォンとともに。if   作:咲野 皐月

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第34章:遺跡探し、そして遊休。

取り敢えず……波と戯れ始めたポーラを放っぽり出した僕は、沖へ向かって歩いて行く。途中から足が地面に着かなくなると、そのまま平泳ぎで進んで行く。

 

 

(……確か、目的地を示すピンはこの辺りに落ちてたはずだけど……行って見ますか)

 

 

目的の場所付近まで来たら、大きく息を吸って一気に海中へと潜る。透明度の高い海は、その眼下に広がるものを鮮明に僕へ見せてくれた。

 

……これは確かに遺跡だ。様々な巨石群がまるでストーンサークルの様に並んでおり、その中央には神殿のような小さな建物がある。更に潜って見てみると、その建物の入口から伸びている階段が、地下へと通じていた。

 

 

(……って、ヤバっ!息が…続かない!)

 

 

そう思って僕は、急いで地上に顔を出す。足りなくなった地上の空気を取り込んで、もう一度海中へと潜る。今度は一気に石の階段を降っていくが、苦しくなってしまい途中で引き返す羽目になった。

 

 

「プハッ!……息が…続かない!あれじゃあ、僕でも一分が限界だな……一旦戻るか」

 

 

あの階段の先には何があるんだろうか……。出来る事ならもう少し調査したい所だが、さすがに僕でも一分息を続かせるのがやっとだ。あまり成果は無かったが、留まっててもアレなので、一旦砂浜へと戻る事にした。

 

砂浜に戻って見ると、波と対峙して「なかなかやるじゃねぇか……」と口元の血を(無論、そんな物は最初から出てないんだけどね)手で拭う様な動きをするポーラが居た。……まだやってたの。

 

 

「リーン、ごめん。取り敢えず中は見て来たけど、完全に海の底だよ」

 

「そう……。さて、どうしましょうかね……マリオンでも連れて来るしか無いかしら」

 

「マリオン?」

 

「水棲族の長よ。私の友達。あの子なら水中でも活動できるから平気だと思うけど……あの子、人前に出たがらないのよね……」

 

 

うーん、と腕を組んで考え込むリーン。別にさ、水棲族ならその子じゃなくても良いんじゃない?と思ったのだけど、人前に出たがらない……と言うよりも、陸地の者にあまり干渉しない、と言うのが水棲族の方針らしく、他の者でも連れて来るのは難しいという事だった。

 

 

「んー、よくそれでミスミド建国に協力する様になったね?」

 

「そこは私の交渉術でね。悪い子じゃないし、100年友達やってたら、相手の考えも読める様になるわよ」

 

 

【100年】……か〜。物語の中でよく言う《妖精族は長寿の種族》の言葉の通りだね。リーンの話は、見た目の割に歳を重ねてるからか、常人には軽く理解が追いつかないのですが……あ、何でもない。

 

 

「ま、今日はこれぐらいにしときましょう。後は遊んで来たら良いわ。あんまり貴方を独占していると、皆から恨まれそうだしね。特にあのお姫様とか」

 

「そうだね。そうさせてもらうよ」

 

 

一頻り話した後、彼女はそう言ってポーラの方へと向かう。さてと、僕もユミナに誘われてるから……そっちへと向かわないとね。

 

そしてユミナの居る所に着くと、案の定と言った感じで微笑んだ、彼女の姿を見る事が出来た。

 

 

「遺跡の調査は終わったんですか?」

 

「まあ、一応は。遺跡の中に入る為には、水の中でも耐えれる様にしないといけない、という事までかな」

 

「そうですか……。難しい問題ですね」

 

「そうだね。その辺はまた明日考える事になってるよ。今日は目一杯ユミナに付き合うよ」

 

 

僕は今回(今日)の調査の成果を、ユミナに余さず提示する。暫く考え込んでいたユミナだったが、僕の最後の一言を聞いた瞬間に表情が晴れやかになった。

 

 

「はい♪よろしくお願いしますね?あ、でも〜……彼女をこんなにも待たせた罰を、颯樹さんには受けて貰いますよ?」

 

「え?罰って……っ!」

 

 

僕が言葉を紡ぎ終わるより先に、彼女の発射された海水が僕の方に炸裂した!そして改めてユミナの方を見てみると、手を後ろに組んで微笑んでいる姿が。

 

待たせてしまったのは確かに僕だけど、やって良い事と悪い事とあるよユミナーーーーー!やられっぱなしは僕の性にあわないし、やり返しますか!

 

 

「お返し!そらっ!」

 

「きゃあっ!ふふっ、やりましたね〜?これなら……どうですか!」

 

「ぐふっ!……もう一発!」

 

 

僕から掛けられた水に驚いたユミナは、さらに《お返しです》と言わんばかりに水をかけて来た。やられた僕はもう一発お返ししようと思い、彼女の方を再び視界に入れようとしたはいいのだが……。

 

 

「あれ?……何処行った?」

 

 

僕が幾ら何処を見渡しても、ユミナの姿を捉える事が出来ない。おろ?何処行った?んん〜?と思っていたら、近くの浜辺で遊んでいたスゥとレネが、僕に何かサインを出している。

 

恐らく口と手を使って、ジェスチャーで僕に報せようとしてるみたいだ。

 

 

「えーっと……?『颯樹(兄ちゃん)、後ろを見て!今すぐに!』……?後ろ?」

 

「えいっ♪」

 

 

僕が後ろを振り向こうとした時、可愛らしい声と共に僕の眼が塞がれた。そして背中には、女の子特有の部位の感触が伝わって来ている……。分かったよ……?こんな事を仕出かした女の子の正体が……!

 

 

「だ〜れだ?」

 

「ユミナでしょ?好い加減に姿を見せてご覧………えっ?」

 

「んっ……」

 

 

僕が眼を塞いだ犯人を当てた後、その人物は他の人たちも居る前で、堂々と僕の唇を塞いで来た!僕は受け身も取れずに倒れている途中だった為、二人揃って海の中へと飛び込んでしまった。

 

暫くその状態が2分ほど続き、ユミナが口を離した時には、僕たちの間にピアノ線の様な……銀色の糸が引かれていた。無論それは水中だった事もあり、すぐに消えてしまったのだが。

 

 

「えっ……」

 

「///」

 

「ユミナ、さっきのって……///」

 

「言いましたよね?『彼女をこんなにも待たせた罰を、颯樹さんには受けて貰いますよ』って。それがこれです///」

 

 

まだ若干頬を赤く染めたユミナが、僕の目の前でそう告げる。何かさ……向こうから「ユミナが颯樹殿をさらに落としにかかったぞ〜!」とか「仲が良いわね〜」とか「羨ましい、です……」とか聞こえて来るんですけれども……!?

 

 

「さっ、時間はまだまだたっぷりあるんです♪今は思う存分楽しみましょう」

 

「そうだね。せっかくだし、楽しむか!」

 

 

そう言って僕たちは、他の所に混ざり始めた。国王陛下たちの所では、先程の事を根掘り葉掘り聞かれるも、難なく返答をする事が出来た。

 

それからお昼ご飯を食べに、ミカさん達の所へと向かった後……皆で何か腹ごなしに何かしよう、という事になり。

 

 

「海と言えば『ビーチバレー』がお約束でしょ!ビーチバレーでもしませんか?」

 

「颯樹殿、何かね?その『びいちばれえ』と言うのは。ワシらにも分かる様に説明を」

 

 

僕の提案に質問をして来る国王陛下。僕はそれに懇切丁寧に対応し、全員に説明を始める。一通りルールに必要な動作などを仕込んだ後、三対三のミニゲームをする事になった。

 

最初は【僕&ユミナ&リンゼ】対【国王陛下&オルトリンデ公爵&エルゼ】と言う組み合わせになった。審判はリーンが務めるようだ。

 

 

「それじゃあ……一戦目を始めるわよ」

 

「何時でも!」

 

「手加減はしないから、全力で来なさい!」

 

 

僕とエルゼの声を聞いたリーンは、手を叩いて開始の合図をした。いっちょ、やったりますか!ちなみにビーチバレーに必要なコートやネットは、先程【モデリング】で制作したものだ。

 

国王陛下からのアンダーサーブで、ビーチバレーの第一戦が始まる。それをユミナが難無くレシーブで拾い、そのボールが綺麗にリンゼの所へと飛んで行く。

 

 

「颯樹さん、ラスト、頼みます」

 

「よし来た!」

 

 

リンゼからの合図を聞いた僕は、助走を取ってスパイクを撃つ態勢になった。それをさせまいと、オルトリンデ公爵とエルゼがブロックで立ち塞がる。

 

悪いけど……最初の一点目は、貰うよ!リンゼのやまなりのトスを受けた僕は、ストレートは締められる可能性があったので、クロスの方向に撃つ事にした。

 

 

「そらっ!」バシイイイイッ!

 

 

僕の撃った左のクロススパイクは、国王陛下の数cm手前で着地し、近くに力無く転がっていた。それを間近で受けた国王陛下は唖然としていて、それを見た二人に至っては空いた口が塞がらなかった様だ。

 

 

「やりぃっ!」

 

「凄いです、颯樹さん!」

 

「颯樹さんなら決めてくれると思ってました!」

 

「当然♪」

 

 

ユミナとリンゼからの賛辞を、僕はその身に受ける。そしてそれを見た相手の三人はと言うと、終始呆気に取られていた。

 

そしてミニゲームは滞り無く進み、12対10で僕たちのチームが勝利を収めた。その後はワイワイガヤガヤとした状況が続き、気が付けばもう夕暮れに差し掛かっていた。

 

 

「今日は誘ってくれてありがとう、お陰で良い休息を取らせて貰ったよ」

 

「大丈夫ですよ。偶には息抜きも必要ですから」

 

「ではそろそろこれにて」

 

 

そう言って国王陛下達(王族関係)は、ベルファストの王宮へと繋がった【ゲート】を通って帰って行った。そしてミカさん達は《銀月》へと繋げてそこへ送り、ウチのメイドさん達やライムさんは、先に自宅へと【ゲート】で送り届けた。

 

 

「楽しかったわね〜何かあっという間だったわ」

 

「そうだね、お姉ちゃん。私も、楽しかった」

 

「うむ、拙者もでござる」

 

 

エルゼとリンゼに八重がそう言う。確かに僕も、今日は一日の殆どを夢中になって遊んだと思う。こんな風にワイワイ騒いだのって、幾分か久しぶりな気がするな。

 

そう思っていると、横に居たリーンから声が掛かる。それは感傷に浸っていた僕たちを、一気に現実へと引き戻す言葉だった。

 

 

「今日は日暮れまで遊んだけど、明日は確りと遺跡の調査をするわよ。それは分かってるの?」

 

「大丈夫。遊んだお陰でリフレッシュ出来たし、移動する方法も大まかにだけど見つけたよ」

 

「そう。なら、明日は心配要らなさそうね」

 

 

そう言ってリーンは、目の前の夕日を眺めている。そして僕の隣に居たユミナは、ある事を想いながら僕に話し掛けてきた。

 

 

「颯樹さん」

 

「何?」

 

「また……来ましょうね。今回みたいな、ゆっくり出来る日にみんなで」

 

「ああ、必ず来よう。絶対に」

 

 

そう言って僕たちは、水平線の彼方に沈む夕焼けをただ眺めていたのだった……。そして【ゲート】でベルファストの自宅に戻り、夕飯を食べて入浴を済ませた後、入浴の際にユミナが突撃して来て、少し反応に困ってしまったのは、また別の話。




今回はここまでです!如何でしたか?(ユミナメインと言って置きながら、そこまで無いのが何が引っかかるなぁ……。次に予定してる水着回(2nd season以降に実施)はヒロインの数も増えるし、どうしたもんかな〜)


次はいよいよ遺跡のお話に入ります!そして【異世界はスマートフォンとともに。】のお話で、非常に重要なターニングポイントを迎えます!ぜひ楽しみにしていて下さいね!

ちなみになんですけど……今は、だいたい五人目の婚約者を迎えて暫くした所まで、話の内容が頭に浮かんでいます(その内の何話かはオリジナル話で確定)。確り投稿できる様に準備してますので、コチラもどうぞお楽しみに!


次回のお話は『旧天皇誕生日』である12月23日(月)午前0時に投稿します!昨年までと違って今年からは、普通に平日ですので……皆さん、寝坊なんてしないで下さいね(学生で冬休みの人はそれも良きかもだが)?

今回も感想を是非!高評価にお気に入り登録、よろしくお願いします!(内容薄過ぎない……?力入れて書くって言った割にはさ)

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最後に宣伝!ジャズさんの連載小説である「ソードアート・オンライン 〜二人の黒の剣士〜」が遂に、一つの節目を迎えました〜♪まだ読まれてない方は、ぜひ読んでみて下さいね!

ちなみに……私のSAOでの推しは《黒の剣士》でお馴染みのキリト君です(ここで言う事じゃないでしょ)。
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