今回の内容なんですけど……どうしようか考えたら、地下遺跡の内容が終わったら、ユミナとの出会いがあるじゃん!と思いましてですね?「いっその事、この地下遺跡の話だけを描くか!」と思ったので、このような形になりました。
いやぁ〜。どうしようかすっごい悩みました。次々回はアニメ準拠のストーリーに、オリジナル展開を混ぜ込むつもりなので……そこまで盛った話も出来ないなと思いつつ。
アニメやWeb版では、冬夜くんはユミナとの同室を拒んでましたが、果たしてこっちでは…?……ヤバい、描く方だってのに、今からドキドキしてきました。
このお話も少しだけオリジナル要素が。それがどの部分か、注目しながら見て貰えると嬉しいです!
それでは第5章、始まりますよ!
神様の手違いに寄って、この世界に転生してから一ヶ月が経った頃……。僕たち4人は着実に依頼をこなして、ギルドランクも緑色へと昇格する事が出来た。
そして今日の依頼は、少しだけ気分を変えて「王都アレフィス」にあるギルドから受ける事にした。
「リフレットの街とは、段違いの広さでござるなぁ〜」
「そりゃあね。ベルファスト王国の首都なんだし、これくらいの広さは普通でしょ」
「じゃあ、それぞれ各自で良さそうな依頼を探しに行きましょ!」
エルゼの先導によって、僕たちはバラけて依頼を探し出す為に動く。……やっぱり王都だな、とは実感してしまう訳で……クエストボードに貼られている依頼の数が、リフレットとは段違いであった。
……その中から気になった依頼を探し当て、エルゼに持って行く。
「見つけた!」
「颯樹!何かあったの?」
「これなんだけどさ……」
「なになに〜?『旧王都に巣食う魔物の討伐』ね。良いわ、報酬も良いしこれにしましょう」
そう言ってエルゼは、受付カウンターに依頼の用紙を提出しに行く。……今回の依頼の場所となるのは、およそ1000年前に遷都された旧王都である。辺りにはかつての王都の城を構成していた破片が残っており、遺跡みたいなマップになっているとか。
全員揃ったのを確認して、僕たちは依頼の場所へと向かう。……だがこの時、僕たちはそこに更なる敵が居るだなんて、露ほども思わなかったのだ…。
─────────────────────
【旧王都】
「八重!そっち行ったよ!」
「任せるでござる!」
そう言って八重は、黒い甲冑を着た首無し騎士と剣を交える。鎧の重さも相まって、生半可な気持ちと力で挑んだら数秒で重傷を負いそうな一撃だ。……だからって、臆してはいられないよ!
八重が気を引いてくれてる間に、僕は首無し騎士…デュラハンの背後へと移る。正面は対応出来ても、後ろはどうかな!
「【光よ穿て、輝く聖槍、シャイニングジャベリン】!」
僕の指先から光の槍が幾本も飛び出す。その光の槍はデュラハンの左肩へと命中するのだが、直ぐに再生した。……チッ、今回は少しやりにくいな!
その間に一角狼を討伐したエルゼが戻る。どうやら死角はあまり無さそうだ。先程のエルゼの攻撃を見事に捌いて、八重とも互角ぐらいの力で応戦する。
「【炎よ来たれ、煉獄の火球、ファイアボール】!」
リンゼが火の魔法で応戦するも、デュラハンの方にはダメージがあまり行ってないみたいだ。八重の不意討ちにも確り対応出来てるから……持久戦になったらキツそうだね。
……試して見ますか。あの技を!
「【マルチプル】!」
僕がそう詠唱すると、白い魔法陣が4つ僕の真上にひし形を描く様に現れた。これが無属性魔法【マルチプル】であり、僕の使える無属性魔法の1つだ。
僕は直ぐ様、別の魔法を発動する為の詠唱に入る。先程の【シャイニングジャベリン】を受けた時、若干ではあるが手応えを感じていた。……なら!
「【光よ穿て、輝く聖槍、シャイニングジャベリン】!」
4つの【マルチプル】の魔法陣から、無数の光の槍がデュラハン目掛けて発射される。それは何とかデュラハンに命中し、ダメージを与えたのだが……命からがら耐え切っていたようだ。
……仕方ない!
「リンゼ!敵の足止めを!」
「分かりました!【氷よ絡め、氷結の呪縛、アイスバインド】!」
「【ストレージ:イン/ソード】!【ストレージ:アウト/アロー】!【エンチャント:キュアヒール】!」
リンゼが拘束魔法で足止めをしている間に、僕は剣をストレージに直し、新たに取り出した弓を装備して、矢の1本に光属性を【エンチャント】する。
闇は光を嫌う……なら、これが効くはず!
「……これで、フィニッシュだ!」
僕のその掛け声と共に、ギリギリまで引き絞られていた弦が元に戻り、その反動で、光属性を付与された矢がデュラハン目掛けて発射される。
これが余程効いたのか、デュラハンは多少の動きを見せるもその姿を崩して行った。
「これで依頼完了でござるな」
「全く、一角狼が20頭出て来た時はヒヤッとしたわ〜」
「でもエルゼはキチンと倒して来たんじゃん。お疲れ様でした♪」
僕が軽くそう労うと、エルゼは顔を紅くしながら頷いた。……あれ?褒めただけなのにな。……そんな事よりもここって1000年前の王都なんだよね?だったら!
「【サーチ:歴史的遺物】!」
そう言って僕は【サーチ】の魔法を発動する。暫くすると、エルゼが暇と言うように僕に質問をして来た。……あのですね?今、魔法を発動している真っ最中なのですが!
「何してんのよ、あんたは」
「多分、颯樹さんはここが1000年前の王都であると言う事を思い出し、歴史的な宝物を探しているんじゃ……」
「へぇ〜、よくそこまで分かるでござるなぁ〜」
「元々のスペックが高いのかもね、あいつは」
エルゼから発せられた疑問に、直ぐ横にいたリンゼが答えた。それを聞いた八重とエルゼは、本人が聞いてないと思ったのか、思い思いの言葉を口にする。……失礼だな〜。僕だってそれくらい分かるよ。
……そう心の中で思いながら、集中を続けていると……【サーチ】が何かに引っ掛かった!
「反応あり!」
『ええ!?』
「何処よ!それ」
僕はエルゼの言葉に答える様に指を指す。そこにはお城を構成していた瓦礫が幾つにも積み重なっており、とても今の状態では入れる状態では無かった。
それを見たリンゼは、瓦礫の目の前に立つ。……イヤーな予感がするんだけどこれって。
「【炎よ爆ぜよ、紅蓮の爆発、エクスプロージョン】!」
リンゼがそう詠唱すると、赤の魔法陣から出て来た5つの火属性の光の柱が瓦礫を吹き飛ばす。これが火属性魔法の1つである【エクスプロージョン】である。その名前や“爆発”の意味から察せられる様に、対象物の周囲を爆発させて吹き飛ばすのだとか。
……だが、彼女が使った場合はと言うと……余りにもその威力が強すぎた為に…。……後は察して欲しいです。
「や、やり過ぎでは?リンゼ?」
「え?あぅぅ///」
爆発の余波で瓦礫の残骸が、辺りに降り注ぐ。僕がそれを指摘すると、リンゼは「やってしまいました」と言う様に顔を紅くしてしまった。……コントロールが出来てないのかな?仕方ないけどね。
僕たちは爆発によって見つけた入り口の扉を開き、遺跡の中を覗き込む。そこは暗く深い闇が拡がっていて、明るい照明が無いと大変な場所だ。
「【光よ来たれ、小さき照明、ライト】」
「ありがと、リンゼ」
「さぁ、行きましょ」
リンゼが灯したライトを頼りに、僕たちは遺跡の中を進んで行く。……その一方で、八重とエルゼは僕にしがみついているけど。…なるほどね。だいたい分かりましたよ?
さらに僕たちは奥へと進んで行く。その奥の突き当たりに、迷宮にはお決まりの古代文字が記された壁画が所狭しと並べられていた。
「リンゼ、これって読める?」
「んー……読めません…。古代魔法言語、では無さそうですけど……」
「そうか〜。まっ、一応写真には納めとこうかね」
リンゼの返答を聞いた僕は、コートのポケットからスマホを取り出して、壁画を写真に収める。……おっと、フラッシュ機能は切ってた方が良かったかな?情景反射で八重は刀を抜いて、今にも戦闘態勢って感じだし。
僕は先程の撮った写真を2人に見せる。すると、何処か安心したのか刀を鞘に収めてくれた。……ここで切られたらシャレになんないよ?
「……何かしら、これ」
「…土属性の魔石ですね。魔力を流せば、何かが起こるかもしれない、です」
そう言われて僕は、土属性の魔石に手を触れる。その反応と共に壁に反応が起こり、壁が部屋の形に会う様に崩れ落ちる。
それを見た僕たちは、さらに奥へと進んで行く。……砂に埋もれた何か?……んー。僕も魔力を使って見るか。
「皆は此処で待ってて。ちょっと行って来る」
「あまり時間掛けないでよ……?」
そう言って僕は魔法を発動する。……どんだけ怖いの苦手なの、エルゼは。それが女の子だし、仕方ないよね。……さて、サクッとやってしまいますか!
「【雷よ来たれ、白蓮の雷槍、サンダースピア】!」
僕がそう詠唱すると、雷を纏った10本強の槍が周囲に現れた。僕が手を振り下ろすと、雷を纏った槍は物体目掛けて飛んで行った。
……するとどうだろうか。槍に纏っていた雷が消え、それに対応するかの様に槍まで消えていた。先を確認して見ると、赤い物体が強く光っているのが窺えた。
「ん?……待て、これは!」
「どうしたんですか、颯樹さん!」
「【アポーツ】!」
そう言って僕は【アポーツ】の魔法を発動させる。……やった!移動させられた!まさか、これ…あの像みたいな物の核、じゃないかな?一応、写真に撮っとくか。もちろん身体もだけど。
……動き出す危険性があるから、破壊して置くか。……取り敢えず先ずはっと。
「【ゲート】」
「終わったの……?颯樹」
「まだ完全に、とは言えないけどね。ここに長居したら何か嫌な物に巻き込まれそうな気がするから……取り敢えず外に移動しよう」
エルゼからの疑問に僕はそう答える。それを聞いた3人は、僕の作ったゲートを通って外に出る。全員ゲートで外に出たのを確認した後、僕も遺跡の外へと出る。
「……じゃあ、この核は壊そうか」
「了解よ」
「そらっ!」
そう言って僕は、先程の魔物から取った核を天高く放り上げる。それを見たエルゼは、準備していたガントレットに【ブースト】を掛けて核を壊した。
……はあ。何だか疲れてしまったぞ?魔力はすぐ回復するから良いんだけどね。そんな思いを抱きながら、僕たちは旧王都を後にするのだった。
──────────────────────
【王都アレフィス:オルトリンデ公爵家】
「なるほど……旧王都にそんな遺跡が…」
「はい。調べてみましたが、真相解明にはまだまだ時間を要しそうです」
「ありがとう。此方からも調査団を派遣し、調査に当らせよう。報告ありがとう」
依頼達成の報告をギルドに終えた僕たちは、オルトリンデ公爵家へと訪ねていた。その内容は、今回の依頼場所で見つけた古代遺跡の事である。
アルフレッド公爵は、この旧王都に調査団を派遣すると言ってくれたので、僕は少しホッとしていた。……魔物の事は言わない方が良いかな…いや、言おう。
「それと、奥に水晶の魔物が潜んでいました」
「何と!どんな姿だったのだね?」
「僕の覚えている限りでは、あれは『コオロギ』に似た魔物でした。先にもお話した様に、水晶で身体を覆われていて、身体の頭部の辺りに核が存在してました」
「ありがとう。時にその魔物が居た、と言う証拠は持っていたりするかい?」
そう言ってアルフレッド公爵は、僕に証拠の提示を促す。僕はスマホを取り出し、写真の画面を開いてアルフレッド公爵へと手渡す。
その時にアルフレッド公爵がスマホについて聞いて来たけど、それについては『僕にしか扱えない魔導具みたいな物です』と説明して置いたけど。
「なるほど……中はこのように。……すまないが颯樹くん、この件に関しては手を貸して欲しい。協力してくれるね?」
「はい。僕でお役に立てるのでしたら」
「ありがとう。……しかし、本当に凄いな君は…こうも綺麗な物を……」
「宜しければ、描き写して提出しますよ?」
「おお!それは嬉しい!是非とも頼むよ!」
アルフレッド公爵に報告を済ませた所で、僕たちは宿屋へと向かった。……一日で結構動いた気がするよ…早く戻って休みたい……。
──────────────────────
【翌日】
アルフレッド公爵に報告を終えた次の日、僕は昨日に撮影した写真を数枚の紙に【ドローイング】と言う無属性魔法で描き写していた。
写真の量はそんなに無かった為、紙は2枚ほどで足りる物だった。
「よし。【ドローイング】は上手く使えるみたい。……じゃあ持って行きますか」
そう言って僕は【ゲート】を公爵家の前へと開く。できるだけ早く届けた方が良いからね……それに“情報は鮮度が命”とも言うし。
公爵家に着いてみると、門を開けたであろう警備兵が欠伸をしていた。
「……ふぁぁ…。……ええ!?」
「どうも」
やっぱり驚かれるよね。……まあ、薄々そんな感じはしてたけどね。そう思っていた頃、中から公爵家の紋章が入った馬車が出てきた。あら?お出かけかな?
そう思っていた僕の傍で、馬車は動きを停めた。中からはアルフレッド公爵が降りて来た。……ちょうど良かった!
「おお!颯樹くん、たった今さっき君を探しに行く所だったんだ」
「ん?何かお困り事ですか?」
「兄上が毒を盛られた」
「こ、国王陛下が!?」
事の緊急性を実感した僕は、アルフレッド公爵と共にベルファスト王国の王城へと向かう事にした。……今回はタイミングが良いような悪い様な……ああ!一体どうなってんのさ!
今回はここまでです!如何でしたか?
次回はいよいよアニメ《第4章》の内容に入ります!颯樹くんにとって最初の恋愛がありますので、乞うご期待です!……先ずは毒を治さないといけないし、そこからは犯人をも見つけないと行けないから…この分で行くなら、やっぱり次々回が私としては頑張らないと行かないところになりますね。
アニメ《第3章》の内容は、ここまで簡潔な内容では無いので……ぜひぜひ見て貰えると嬉しいです♪水晶の魔物に関しても、そこまであっさりでは無いです。
それではまた次回です!