異世界はスマートフォンとともに。if   作:咲野 皐月

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第6章:国王暗殺、そして婚約。

「兄上に毒を盛ったのは、ミスミド王国との交易を反対する貴族による物だろう」

 

「ミスミド?」

 

 

ベルファスト王国の王城へと向かう車内で、アルフレッド公爵から今回の事のあらましを聞く事になった僕。その話しに出て来た『ミスミド王国』と言う言葉に、疑問を持ったので、僕は公爵殿下に説明を求めた。

 

 

「獣人の王が納める新興国だ。我がベルファストとミスミドは、友好的な関係を結んでいる」

 

「本題を教えて下さい。その交易も非常に重要な事だとは実感しましたが……」

 

「うむ。もし兄上が亡くなれば、政権は一人娘のユミナ王女へと移る。身内をユミナ王女と政略結婚させ、政権を握ろうとしている輩の仕業に違いない。颯樹殿には兄上を救ってもらいたい。エレンに掛けたあの魔法【リカバリー】で」

 

「なるほど……。状況は理解できました。僕でお役に立てるのでしたら、誠心誠意お手伝い致します」

 

「ありがとう。君はまさに神からの遣いかもしれん……。こんなにタイミング良く訪れてくれるなど……」

 

 

そう言いながらアルフレッド公爵は、目許を抑えて顔を下に向けた。……わわっ、泣かないで下さいよ!僕はたまたま公爵殿下の所を訪ねただけなんですから!

 

……しかし、これは参ったなぁ…。僕が政治事に首を突っ込む事になろうとは……。世の中何が起こるか分かんないもんだね。

 

──────────────────────

 

アルフレッド公爵から、今回の事のあらましを聞いたその後、僕たちはベルファスト王国の王城へと足を踏み入れた。……なるほど、公爵殿下の家とは比べ物にならない程の広さだな…。

 

そして中央から伸びる階段の上には、頭の中心部がツルっパゲの如何にも悪どい事を考えて居そうな男が立っていた。

 

 

「フン」

 

「くっ……。バルサ伯爵」

 

「これはこれは、公爵殿下」

 

 

なるほどね、この人は『バルサ伯爵』って言うのか。僕の脳内にはかつての故郷で使われていた調味料「バルサミコ酢」が思い出されていたが、そんな事を考えている暇は無さそうだ。

 

アルフレッド公爵と共に僕は、国王陛下の所へと向かう事にした。それを見たバルサ伯爵は、序と言わんばかりに此方に報告をして来た。

 

 

「ちょうど良かった。陛下を殺そうとした犯人は、先程捕えたばかりですぞ」

 

「何!?」

 

「……犯人はミスミドの大使だったのです。即刻首を撥ね、ミスミドへ送りか……」

 

「ならん!全ては兄上が決める事だ!」

 

 

犯人の首を撥ねて出身地に晒す、ね〜。やり方がえげつないなぁ、バルサ伯爵って。……ワンチャン、この人が犯人って可能性もあるぞ?あんのあくどい笑み、一変顔を歪ませてみたいわ〜。

 

そんな気持ちを他所に、アルフレッド公爵は奥へと進んで行く。バルサ伯爵は入り口の方に向かって進んで行った。……ちょっと弄ってみますか♪

 

 

「【スリップ】」

 

「お、おおう!痛たた……」ツルッ、デーーン!

 

 

しっかり転んでくれた♪はぁ〜、スッキリした♪……今の所はね。もしかしたらまたやるかもしれないし、一応名前だけは覚えて置こうかな?

 

そんな事を考えている間に、僕とアルフレッド公爵は、国王陛下の居る場所へと辿り着いた。アルフレッド公爵の先導によって、僕も中に入る。

 

 

「兄上!」

 

「失礼します」

 

 

呉々も失礼があっては行けないので、一言添えてから中に入る事にした。……なるほど、国王陛下は寝床で安静中って訳ね。まあ、事を悪化させない為には悪くない判断だね。

 

国王陛下に身体を向き直ると、ある一人の少女と目が合った。左眼が翠色で右眼が碧色……なるほど、オッドアイなんだね。公爵と共に入って来た僕を不審に思ったのか、薄紫色のドレスを着た女性に尋ねられた。

 

 

「アルフレッド様、その者は」

 

「話しは後で。颯樹殿、お願いできるか」

 

「はい」

 

 

公爵殿下からのお言葉を受け、僕は国王陛下の眠る布団へと移動する。その際に近くにいた少女や王妃に、軽く会釈をした。……見るからに大変そうだね。

 

僕は右手を掌を下にして出すと、魔法の発動の為に目を閉じた。……行けるか?

 

 

「【リカバリー】」

 

「【リカバリー】?如何なる状態異常をも回復させる、喪われた無属性魔法が…?」

 

 

僕が魔法を掛けている間、僕の少し後ろに居た女性からそんな声が挙がった。……え?喪われた無属性魔法?どう言う事?…突っ込んだら負けな気がするね。

 

そんな事を考えている間にも【リカバリー】の効果は、国王陛下に少しずつ及んで行っている。先程まで苦しそうだった国王陛下も、少ししたら顔から汗が引いて、目を覚ました。

 

 

「ん、何ともない……」

 

「おお〜」

 

「アナタ!」

 

「お父様!」

 

 

王妃様の方は安堵の笑みを浮かべ、王女様に至っては涙を浮かべながら国王陛下に抱き着いていた。……本当にこの世界の家族は暖かいね。僕の心も次第に温まって行くかのようだよ……。

 

 

「先程の苦しみが、嘘のようだ」

 

「はぁ〜、良かった」

 

 

国王陛下がアルフレッド公爵に話し掛ける。それを聞いた公爵は『一安心』と言った様子を浮かべていた。その間に僕は少し後ろに下がり、そして立ち上がる。

 

僕の姿に気づいた国王陛下が、アルフレッド公爵へと質問をするのだった。

 

 

「アルフレッド、その者は?」

 

「エレンの眼を治した、盛谷颯樹殿です。彼なら兄上を救ってくれると思い、此処にお連れしました」

 

「そうか……お主のお陰で助かった、礼を言う」

 

「ど、どうも」

 

 

僕は国王陛下のお言葉を受け、深々と頭を下げる。そして少しした後に頭を挙げる。……まだ顔から赤みが退かないよ…まあ、国のお偉いさんの命を救ったんだから、当然と言えば当然なんだが。

 

その固まっている間に、王女様が僕の姿を見て顔を赤らめている。……何だか僕の名前を復唱している様な気がしないでもないんだけど。

 

 

「よく陛下を救ってくれた、気に入ったぞ!ハッハッハ!」

 

「い、痛いです…」

 

「レオン将軍、その辺で」

 

 

僕の背中を力強く叩いて来た人は、どうやらレオン将軍と言うらしい。後ろに跳ねた茶髪と髪色と同じ髭がトレードマークみたいだ。レオン将軍は近くにいた女性の言葉を受け、静かにその場を退いた。

 

……ゑ?この世界の人たちって、顔面偏差値だけじゃなくて…スタイルも良いとかですか!?反則過ぎだわそんなの!

 

 

「それにしても【リカバリー】を使えるとは……。実に興味深いですわね……///」

 

「え、ええ?///」

 

「私はシャルロッテ、宮廷直属の魔術師です。それで?他に使える属性魔法は何ですか?」

 

 

シャルロッテと名乗った女性は、ジリジリと僕との距離を詰めていった。……女性としてのある一部分が、これでもかと主張されてるのですが…貴女に恥じらいってのは無いんですかね……。

 

シャルロッテさんのその疑問に対しては、また別の機会に答える事で引き下がってもらった。さらに赤みが増したような気が……。

 

 

「あ、あの!お父様を助けて頂き、ありがとうございました!」

 

「い、いえ!当然の事をしたまでです!元気になられて、僕も嬉しいです」

 

「……///」

 

「?」

 

 

さっきっから王女様の目が、こちらを真〜っ直ぐに見つめていらっしゃるのですが?何か気に障るようなことをしましたかね……。

 

 

「え、えと……なにかご用でしょうか?」

 

「……年下は、お嫌いですか?」

 

「は、はい?」

 

 

何を言ってんの、この姫様は?……と思ったその瞬間、アルフレッド公爵と国王陛下の間での話が始まった。内容は先程の話題に挙がっていた「毒殺未遂を犯した犯人について」だ。

 

 

「ミスミドが私を殺して何の得がある。私を邪魔に思う、別の誰かの犯行だ」

 

「私もそう思いますが、証拠があっては……」

 

「証拠だと?」

 

「はい。陛下がワインを飲まれた直後に倒れられたのを、多くの者が見ております」

 

 

国王陛下はミスミドの大使がやった物では無いと言ってたけど、証拠があるみたいで、レオン将軍がその証拠と倒れた時の現場を多くの人が見ている事を明かした。

 

……ワインを飲んだ直後に倒れた?…それって、毒物がワインかグラスに紛れていたって事だよね?……。

 

 

「取り敢えず、大使に会おう。呼んで来てくれ」

 

「はっ」

 

 

そう言ってレオン将軍は、ミスミド王国からの大使を呼びに部屋を後にした。……あれ?そう言えば。

 

 

「すみません、国王陛下」

 

「ん?どうかしたかね、颯樹殿」

 

「少し確認したいのですが、貴方は『ワインを飲んだ』直後に倒れられたのですよね?」

 

「あ、ああ……そうだが」

 

「……了解です。大体の犯人の目星が着きました。後はミスミド王国からの大使と会う事で、確実な物にしましょうか」

 

『え?』

 

 

僕が突然言い放った言葉に、国王陛下の部屋にいた殆どの人から驚きの声が挙がる。……親交国の大使が、態々毒物入りのワインを渡すと思うかな?犯人はこの屋敷の内部に居そうな感じだね。

 

僕は周りの人たちには気付かれぬように、薄い笑みを浮かべた。……分かったよ、この事件の犯人が。

 

──────────────────────

【ベルファスト王城:謁見の間】

 

「オリガ・ストランド、参りましてございます」

 

「あれ?アルマのお姉さん?」

 

「あ、貴方は!」

 

 

国王陛下の前で跪いているのは、数週間前に迷子になったアルマのお姉さんである、オリガさんだった。オリガさんとの関わりを聞いた国王陛下は、興味深そうに僕に問い質す。……街中で偶然関わっただけですけどね。

 

 

「レオン将軍、王様が倒れられた時の現場って、その時のままですか?」

 

「?あ、ああ。誰も触らぬようにしてある」

 

「……では、そこに連れて行って貰えますか?」

 

 

僕はレオン将軍に頼み事をする。するとレオン将軍は、快く僕を大食堂へと連れて行ってくれた。……食堂に来てみると、本当にあの時のままらしく、食卓には色とりどりな食べ物やグラス、飲み物が置かれていた。

 

 

「……」

 

「これが王が飲んだワインだ」

 

「ちょっと失礼しますね?【サーチ:毒物】」

 

 

レオン将軍に一言断りを入れた僕は、【サーチ】の魔法を発動させる。この中で毒を盛られそうな可能性があるのは、ワインの液体か、それが注がれるグラスの何方かだ。

 

……!やっぱりか。

 

 

「だいたいわかりました。将軍」

 

「?」

 

「王様たちを此処に呼んで頂けますか?あ、後……、バルサ伯爵も忘れずにお願い致します」

 

「了解した」

 

 

そう言ってレオン将軍は、王様たちやバルサ伯爵を呼びに行く。……さぁ、懺悔の準備は出来てるかな?バルサ伯爵?

 

 

「連れて来たぞ」

 

「ありがとうございます」

 

「それで?皆を集めて、何をする気です?」

 

 

何で呼ばれたか分からなさそうなシャルロッテさんが、僕に質問をするのだった。……本来なら、こんな回りくどい事をしなくても良いんだけどね。

 

 

「皆さんは、事件の起こった当時、一人残らず此処に居たんですよね?」

 

「え、ええ」

 

「それは即ち、この騒動の犯人は……貴方方の中に居ると言う事です。国王陛下も含めた、ここに集まった全員がね!」

 

『……!』

 

 

僕が突きつけた衝撃の言葉に、王様たちの表情が一気に緊迫した物となった。……約一名を除いて。……待ってろよ?今からその化けの皮を剥がしてやる!

 

 

「ここは事件が起こった当時のままになっていて、その後は誰も触れていません。この場所をお借りして、軽く検証をしたいと思います」

 

「検証?」

 

「はい。サンプルが無ければ、検証は不成立です。ですので、検証の為にもう一本の別のワインをご用意しました」

 

 

僕は先程、レオン将軍に見せてもらった物と同じワインを取り出した。ラベルに書かれている文字は、僕が書き写させてもらった物だけどね。

 

僕はそのワインを手に取り、グラスに少量注ぐ。まだこの世界の常識はよく分からないから……。

 

 

「僕はまだお酒を飲めないので……ああ、別に他意は有りませんよ?代わりにレオン将軍、お願い致します」

 

「わかった。では、頂こう。……うん、良い味だ」

 

「毒が入っていない事を確認して頂いた所で、国王の別のグラスに注ぎます。国王陛下はまだ体調が優れないようですので……代役は…」

 

 

レオン将軍に毒味をして貰った後、僕は国王陛下の使う別のグラスにワインを注ぐ。……さて、誰にやってもらうのが適任か。別に誰でも良いんだけど、ここはやっぱり……。

 

 

「そうだ。バルサ伯爵にお願いしよう!」

 

「!?……い、嫌……、私は……」

 

「……何で逃げる必要性があるんです?ワインに毒が入っていない事は、確認されたハズですよ?……あーっ、もしかして。何か疚しい事があるんですね?そうじゃないと、こんなに慌てませんよね?」

 

 

僕は並々に注がれたワイングラスを片手に、バルサ伯爵へと詰め寄る。王の代役を務められると言うのに、変な人だなぁ。それを見たレオン将軍が、バルサ伯爵の肩を掴む。どうやら、無理やり飲ませる気らしい。

 

……はぁ、もういい加減にした方がいいかも。僕はワイングラスをテーブルの上に置き、バルサ伯爵に向き直る事にした。

 

 

「……その反応、やっぱり貴方だったんですね?バルサ伯爵」

 

「!?」

 

「ど、どういう事だね」

 

「先程レオン将軍が毒味してましたが、あの時点で毒が入っていたら、レオン将軍が苦しみに悶えていたはずです。……でも苦しまなかった。僕はここから推察を立てました。もしかしたら『毒はグラスの中に塗られていたのではないか』と」

 

「じゃあ…もしかして!」

 

「はい。恐らくは厨房に居た料理人と毒味人が実行犯と言う事になりますね。……だけど、その人たちはあくまでも『実行犯』。その人たちと関わりがあったのは、バルサ伯爵……貴方じゃないんですか?」

 

 

僕がこの事件の真相をつらつらと述べて行く。それに合わせて、バルサ伯爵の顔がどんどん青ざめて行く。……さらにもう一押し、かな?

 

 

「卑劣な!」

 

「毒がグラスに塗られてる事は、毒物を検知する魔法で直ぐに判明してました。その時に毒は全て拭き取らせてもらい、丁寧に洗っています。国王陛下の使うグラス全てに同じ事をしてたのだとしたら、相当計算されていた行動ですね。驚きよりも先に呆れが来ましたよ」

 

「なんと恐ろしい」

 

「バルサ伯爵、貴方の犯した罪は……国王暗殺、国家反逆罪などの言い逃れの聞かぬ罪です。素直に自供したらどうです?」

 

 

王妃様の言葉の後に、僕はバルサ伯爵にトドメの言葉を投げ掛ける。その言葉に衰えていた伯爵だったが、何を思ったのか外へと逃げ出した。

 

……まだ分かんないの、この人は。

 

 

「【スリップ】」

 

「お、ぉぉおおおお……うわっ!」ゴチーーーーン!

 

「ホッ……」

 

 

一連の事件が解決して、僕は胸を撫で下ろす。……それを赤らめた顔で王女様が見ている事にも、僕は全然気づかぬまま。

 

事件の引き金は僕の述べた通り、料理人と毒味人が起こした物だという事が分かった。さらにそこにバルサ伯爵が関与していた事から、今回の事案になったのだと言う。

 

バルサ伯爵の家系は、お取り潰しに爵位の剥奪……そのうえで厳重な罰が与えられるらしい。……自業自得だね全く。

 

──────────────────────

 

その後、僕は公爵殿下と共に来客の間へと通された。……そして何故か僕の隣には、王女様が腰掛けていた。興味深そうに僕を見つめるので、何事かと身構えている僕だった。

 

 

「そなたには本当に感謝している。余の命を救ってくれた恩人に報いたいのだが……」

 

「どうかお気になさらず。僕はたまたま公爵様の所を訪ねただけです」

 

「……///」コクッ

 

 

僕が国王陛下のお話に答えた後、王女様が何かを決めた様に頷いた。……何を頷いたんですかね、王女様は。まあここまで来て、気付かない方が難しいんだけど。そんな思いを抱えながら、僕は紅茶を啜る。……美味しい。

 

意を決した王女様は、その場に立ち上がると国王陛下にある事を言い出した。

 

 

「お父様、お母様、私……決めました!」

 

「……どうした、ユミナ」

 

「こ、こちらの盛谷颯樹様と……け、結婚させて頂きたく思います!」

 

 

ユミナ王女が言い放った言葉は、飲んでいた紅茶を勢い良く飲み込んでしまうほどの衝撃だった!……ケホッケホッ。勢い良く飲み込んだからか、喉がビックリしてしまった……。

 

……え?ゑ?……嘘、ですよね?僕と…一冒険者であるこの僕と『結婚したい』と申しましたか、貴女は!ふと思って横を見ると、この上ない笑顔のユミナ姫が。……あっ、これは諦めなきゃいけないパターンですかね。

 

 

「ユミナ、颯樹殿と結婚したい理由を……聞かせてもらっても良いかな?」

 

「颯樹様は、周りを幸せにしてくれます。そのお人柄も、とても好ましく……///」

 

 

そう言った後にユミナ姫は、両手で顔を覆った。……ああ、恥ずかしいんですよね。恥ずかしいですよね……大丈夫です、僕だって今恥ずかしくて逃げ出したい気分なので!

 

その気持ちには意も介さず、ユミナ姫はさらに言葉を紡ぎ出す。

 

 

「この人と人生を歩んでみたいと、初めて思えたのです///」

 

「そうか……お前が言うなら反対はしない。幸せに、なりなさい」

 

「……はい///」

 

 

国王陛下の言葉に、少し目を覆っていた手をずらしてユミナ姫は答える。……あ、あっさりし過ぎ…。

 

 

「これはめでたい!」

 

「今夜はお祝いね!」

 

「ちょーっと待ってくださいな!」

 

 

アルフレッド公爵や王妃様も、イヤーな展開を匂わせる言葉を発し始めたぞ?本当にあっさりし過ぎでは!?僕は国王陛下に物申す為に、紅茶の入ったカップを置いて立ち上がった。

 

 

「あら?どうかなさった?」

 

「いやいやいや!納得するの早すぎですよ!何処の馬の骨かも分からない奴と、ご自分の愛娘が結婚するんですよ!?文句とかは無いんですか!?」

 

「その辺は間違いない。ユミナが認めたのだから、君は悪人では無い」

 

「何故です!?なぜそう言いきれます!?」

 

 

僕の反論には王妃様が答える(後にユエルと名前を聞く事になる)。ユミナ姫は魔眼の持ち主であり、人の性質をその眼で見抜くのだと言う。それに適った僕は、ユミナ姫から気に入られたのも同然だと言われた。

 

……なるほど〜。……って!

 

 

「理由はわかりました……ですが、ユミナ姫は一体幾つですか?」

 

「12だな」

 

「はい?12?……結婚には早い気もしますが…」

 

 

僕の更なる疑問には国王陛下が答えた。それに寄ると、王家の者は大抵15までには婚約して相手を見つけるとの事だ。さらに聞けば、国王陛下がユエル王妃と婚約した時は14だったのだとか……。

 

ユエル王妃曰く『婚約するには、ちょうど良い時期』だとの事で。

 

 

「はぁ……ん?」クイックイッ

 

「颯樹様は、私の事がお嫌いですか?」

 

「い、いや……嫌いじゃない、です」

 

「でしたら何も問題ありませんね♪」

 

 

僕の苦し紛れの返答に、涙を浮かべながら笑顔を浮かべるユミナ姫。……だが僕も、ここで引き下がる訳には行かない!

 

 

「ですが!僕の国では男は18、女は16にならないと結婚できないんですよ!」

 

「颯樹さんは今お幾つ?」

 

「もうすぐ17になります」

 

「よし。では、1年後までにユミナの事を知って貰えば問題は無い」

 

 

……え?何言ってんですか、国王陛下。

 

 

「1年間ユミナの事を知って、その上で結婚は考えられないと言うのなら潔く諦めよう。どうかな?」

 

「は、はぁ……それで構いませんが」

 

 

あのですね?確かに1年後、僕は18になりますが……ユミナ姫は1年後になっても13、結婚できないのですが……。

 

 

「決まりね!ユミナ、1年で颯樹さんの心を射止めなさい♪それが出来なかった時は、修道院で一生を終える事を覚悟するのですよ?」

 

「はい!お母様!」

 

(う、嘘〜)

 

 

少し見ただけだけど、確かにユミナ姫は好みのタイプだよ?お淑やかだし綺麗だし、誰にでも友好的な性格で、まるで妹みたいに思えて来るよ!?でも、結婚するなら僕以外にも一杯候補はいるでしょう!?

 

そんな事を考えていると、隣にいたユミナ姫から手を握られる。先程カップを持っていない方の手だ。そして目を向けると、そこには花が咲く様な笑顔を浮かべた、ユミナ姫が居た。

 

 

「これから……よろしくお願いします///」

 

「あはは……はぁ」

 

 

そう言って僕は客間を後にする。……そしてその後、ユミナ姫が僕の所に突撃して来た!聞けば、国王陛下に「その人物の事を知るには、常に一緒に居るのが得策だ」と言われたみたいで。……どうしてこんな事になるかなぁ!

 

ドレス姿のまま外に出すのも忍びなかったので、リフレットの街にある『銀月』で一旦ユミナ姫には待機してて貰い、僕はレディース物の服を買いに出かけた。……その時の購入する際にからかわれたのは、また別の話。




今回はここまでです!如何でしたか?


次回はアニメ《第4章》の後半をお届けします!そしてそのお話ではオリジナル要素満載で描こうかと考えています!

前話の前書きで言っていた事を、遂に実現する時が来ましたよ〜!はぁ、それを考えたら自然と胸がドキドキして来た。……内容が固まり次第描いた方が良いかもね。なるべく早めに。


それではまた次回です!9月1回目の3連休中の投稿は、最後になります。明日からはまた仕事なので、何日間か空くかもですが、楽しみに待ってて下さいね!
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