爆発厨はお呼びじゃないようで   作:塩で美味しくいただかれそうなサンマ

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難しいこと考えずにお読みください。


プロローグ(改訂版)

ポケモンにおいて火力とは素晴らしいものだと信じている。

特にその中でもマイナーなポケモンが出す意外性と特別性の高い火力が大好きだ。

そんなわけでマイナーとは言えないけども…俺はアローラゴローニャのエレキスキンだいばくはつが大好きなんだよね。

 

 

 

 

 

 

ポケモンの世界に転生したと気づいた時には狂喜乱舞したさ。

電子世界の産物でしかなかったポケモンたちが目の前にいる光景に感動し、興奮し、今世での親にとても心配されたのを覚えている。

しかも転生した場所はアローラ地方のウラウラ島だという。

自分の嫁ポケのアローラゴローニャの進化前、アローライシツブテの生息地である。

これ幸いとばかりに俺は相棒を育てましたよ、ええ。

攻撃の個体値VのA特化いじっぱりエレキスキン個体ですよ、ええ。

まぁ妥協に妥協を重ねて1V個体ですけどね。

6Vなんて無理やろ…1Vを見つけられた本当に幸運だよ…。

その個体は草むら前で待ち伏せすること1ヶ月以上。

粘って粘ってやっと出てきた。

あ、なぜそんなことが分かるかというとそういうチート能力を得たらしいから。

ポケモンの情報を数値化して見ることのできる能力らしい。

この世界は現実だから「避けろ!〇〇!」とかの命中率って知ってる?って突っ込みたくなる現象が起きるみたいなこともあるけどこうやって一定の基準で数値化して見ることができるのは転生者としては非常にありがたい。

 

そんなこんなで見つけたその個体を俺はもう本当に愛情を注いで育てた。

しかもこの世界は現実になってるだけあってポケモンは鍛えれば鍛えるほどこちらに応えて成長してくれる。

もちろん俺の相棒のじばくも日を増すごとに技のキレと威力を増していった。

来たる日のだいばくはつも期待できるだろう。

鍛錬と同時にバトルをするときの相棒の目の光も徐々に薄れていった気がするが本当に反省している、後悔はしていない。

親たちの俺に対する奇人を見る目を日に日に強くなっていったけど俺は気にしてない…気にしてないったら気にしてない。

今、冷静になって考えると齢5つの少年がポケモンを捕まえに行くからと父を連れ回して1ヶ月も粘り、捕まえるのはしかも無骨なポケモンで、しかも毎日じばくの練習をさせてるって頭おかしい。

それだからこそ小さい頃から変に転生前知識で頭良かったり、狂った行動をしたりする俺を根気強く育ててくれた両親には本当に感謝している。

だから俺は言ってやったのだ。

10歳になったから一緒に島巡りをしようと持ちかけてくる同い年の親友、ククイにな。

 

「俺はアローラにとどまる器じゃねえんでな!旅に出るんだ!各地方のポケモンリーグを制覇してやるぜ!」

 

二つの理由があった。

一つは両親への恩返し。

両親の仕事は本当にしがない、小さなきのみ農家だった。

俺に愛情を注いでくれた今世の両親への感謝の気持ちが深く、そして前世で高校生という早死にを遂げた俺はとにかく早く恩返しがしたかったのだ。

自己満足だと罵ってくれてもいい。

とまぁ、それでリーグの賞金に目をつけた。

まぁ、とどのつまり一攫千金を狙ったのだ。

大量の金を両親に送って贅沢して欲しかったのだ。

転生知識のおかげで天才児と呼ばれている俺はリーグもいけるだろうとタカをくくっていた。

そして…もう一つは大きすぎる、名をあげたいという純然な欲だった。

 

「待て!バーンズ!世界は広い!バーンズよりすごく強い人もいる!夢を追うのはいいが早すぎる!」

 

そんな親友の別れ際の言葉を思い出した。

船に乗り、離れていく岸から届く、そんな俺の親友らしくないいつになく明るさに欠けた悲壮な叫びを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラナキラマウンテンの頂上、新設されたアローラリーグの目の前で。

そんなセンチメンタルに浸る俺、転生者バーンズです。

ちぢれた黒髪の少しつり目の黒目で鼻が低く唇もやや薄めの感じの男。

「祭」とど真ん中に大きく書かれた白いTシャツがトレードマークのトレーナーである。

体は旅のおかげかけっこう頑健で自信がある。

夢に敗れた男、26歳、独身。

リーグの実績はあるんだけどまぁ…夢は叶えられなかった。

カントーリーグベスト16

ジョウトリーグベスト32

ホウエンリーグベスト64

シンオウリーグベスト32

イッシュリーグベスト8

カロスリーグベスト32

まぁ、賞金は出ないこともなかったから両親への仕送りはそこそこできた。

それは良かったことだとは思うけども男としてトレーナーとしてもっと華々しい活躍をしたかった。

でも現実は甘くはなかったということだ。

強いトレーナーはやはり沢山いたし世界は広いのだ。

転生知識だけで無双できるわけではなかった。

 

 

そしてここで予想外なことが起きる。

俺の実績はカントーとイッシュ以外取るに足らない。

つまり俺はこの世界ではうだつの上がらないよくいる中堅ポケモントレーナーの1人なのだ。

なのにおれは世間からの知名度がなぜか高い。

理由は俺の代名詞であるだいばくはつ。

チームの6匹全員がそれを扱える俺の手持ちははっきり言って異常だ。

時にはキメとして、またある時には最後っ屁として、はたまたは初手で、それを放つ俺のインパクトはすごかったのだろうか、色々な悪評が飛び交っている。

曰くポケモンをいたわらないトレーナーだ、爆発魔だ、人間じゃないんだ、とか言われている。

うん…反論できない。

 

でも別にポケモンが嫌いなわけじゃない。

むしろ大好きだ、だからこそ爆発させる。

俺の相棒であるアローラゴローニャについていうならばこいつはエレキスキンだいばくはつによって生み出されるその驚きの火力指数85050を叩きつけてこそ輝くと思ってる。

相棒も自分の火力の限界を極めたがってる。

だからこそ“だいばくはつ”は俺と相棒の信念だし愛なのだ。

うん…たしかに狂ってるわ。

ぶっちゃけそっち方面で名をあげても全く嬉しくない。

そもそもこの世界ではだいばくはつは禁じ手に近い技だしなぁ…使ったらひんしってどう考えても人道的ではないよなぁ…

 

「やぁ!バーンズ!久しぶりじゃないか!5年ぶりかな?」

「…あぁ、ククイ。それとバーネットさん。」

 

そんなことを考えていると後ろから声をかけられた。

そこにいたのはこんなクソ寒い山の頂上にも関わらず裸白衣を貫くど変態、俺の親友、そして…夢を叶えた男、ククイだ。

そいつは笑顔でこちらに手を振って歩いてやってきていた。

奥さんと一緒に。

胸の奥がチクリと痛む。

片や夢を叶え奥さんと安定した職まで手に入れてるってのに…

方や夢破れた実績も中途半端な悪評高いトレーナーと。

トレーナーというのはあまり安定してない職だからなぁ。

まぁ今回はそれもあって実家の仕事を継ぎに、そして親友の叶った夢を見に、アローラに帰ってきたんだけどな。

まぁ、そんなこんなでククイの前にいると少し気分が悪い。

そんな俺の様子に気づいたのか、近くに来たククイの様子は少し不満そうだった。

しかし、次の瞬間にはニヤリと、自信たっぷりの笑みを浮かべた。

俺にはククイのその笑みに心当たりがあった。

これは…なにかが変わる瞬間の笑みだと。

相棒の入ったプレミアムボールが揺れた気がした。

 

「なぁ、バーンズ。お前、夢はまだあるか?」

 

突然そんなことを聞き出しやがった。

でもありがたかった。

誰かに聞いて欲しかったのだ。

最期に、旅を止める最期に、夢を諦めるその悔やみと、夢追い人の末路の愚かさを。

俺は顔を伏せて罪を告白するかのように口を開いた。

視界には、幼い頃に無理して手に入れたプレミアムボールがあった。

夢の原典があった。

 

「いや…もう旅はやめようかと…」

「勿体無い!」

 

びっくりした。

ククイは俺の言葉を途中でとぎって叫びやがった。

微妙な雰囲気が流れる。

激しくプレミアムボールが揺れ、ついに相棒がボールから出てきた。

 

「おい、なんだよ…やめろよ…」

 

相棒はこっちによってきて俺の足に擦り寄る。

正直ヒゲとコンセント生やした岩石ボールにそんなことされても全く嬉しく無い。

喜ばせたいならキュウコンを連れてこいキュウコンを。

弱々しく抵抗する俺に構わず相棒はオレに擦り寄り続ける。

まるで何かを証明するかのように。

そんなんこんなで相棒にじゃれつかれていると少しして、ククイが口を開く。

 

「なぁ、バーンズ。WPM、ワールドポケモンマスターズって知ってるか?」

 

俺は悟った。

あっ…今からポケマスなんですね理解しました。

そして…夢を叶える最後のチャンスをくれたのだと。

相棒とククイはオレに語りかけてたのだと。

諦めるその最後の直前に。

俺の夢…そう。

 

《だいばくはつ》の素晴らしさを世界に伝えること。

 

それを思い出した。

はっとした。

なぜ今まで忘れていた。

思わず目を閉じて瞑想する。

相棒がまだ、イシツブテだった頃の記憶。

じばくの鍛錬の薄い記憶が掘り起こされる。

 

 

幼いククイの困惑した顔と、でも期待のこもった顔と、そしてこの会話。

 

『ねぇ、本当にこれ意味あるの?』

『何言ってんだ!素晴らしいじばくだったろう?いつかすげぇだいばくはつを起こすぜ!こいつは!』

『イシツブテが可哀想だよ…。…でも、見てみたくはあるかな。』

『あぁ!いつか見せてやるよ!俺と相棒の最高のだいばくはつをな!お前はポケモンの技が大好きだからきっと大興奮だろうよ!』

『うん!』

 

そんなことを俺と相棒の鍛錬に誘った幼い親友と話したことを思い出し。

ショタククイのにほんばれのような笑顔がまぶたの裏に浮かんだ。

そして…目を開くとすっかりでかくなったククイのニヤケ顔が映る。

ぶん殴ってやりてえ。

 

「バーンズ、俺はお前とゴローニャの凄さが《だいばくはつ》するのをずっと待ってるんだぜ?“最高”にな!」

 

そんなこと言われたら男としても親友としても黙ってられないだろう馬鹿野郎。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まぁそんなこんなでWPMに参加しましたと。

やってきました人工島のパシオ。

WPMの会場で野生ポケモンがいないことにちょっとびっくりした。

そして…俺はそんなパシオの入り口のポケモンセンターの片隅のベンチで相棒と2人、うなだれていた。

なんでかって?ぼっちだからだよ。

WPMはチーム戦だってのに誰もチームに入れてくれない。

正直やばい。

このままでは夢を叶えるとか言ってる場合じゃない。

コミュ障ではないんだが…

なんでかって?

んまぁ元の悪評も原因の一つじゃなくもない。

でもそれじゃない、むしろそれは1%ほどだと思う。

突然だがこいつを見てくれ。

これは俺のチート能力を使って俺と相棒のアローラゴローニャのステータスをゲーム表記的にしたやつなんだが…どう思う?

 

レア度星3つ

バーンズ&ゴローニャ(アローラ)

タイプ 電気

ロール アタッカー

パッシブスキル

エレキスキン

ノーマルタイプのわざがでんきタイプになり、わざの威力が1.3倍になる。

性別 ♂

弱点 じめん

最大ステータス値

HP509 攻撃355 防御171

特殊 62 特防58 素早さ64

技一覧

1.すてみタックル

(わざ/ノーマル/対象相手1体/ぶつり/消費技ゲージ3/威力167〔200〕/命中100/使うと与ダメージの4分の1を反動ダメージ)

2.じばく

(わざ/ノーマル/対象敵味方全体/ぶつり/消費技ゲージ6/威力350〔400〕/命中100/使うと自分はひんし)

3.こだわりハチマキ(トレーナー技/使うと自分は同じわさしか出せなくなるがわざの威力が3倍になる、なおトレーナー技は使用可能/1回)

4.火力こそ至高!

(トレーナー技/敵味方全体の攻撃と特攻と急所率と命中率をぐぐーんとあげ《+6》、防御と特防と回避率をがくーんと下げる《-6》/1回)

バディーズ技

全てを無に帰すだいばくはつ

(ノーマル/ぶつり/対象敵味方全体/威力400〔450〕/命中100/相手の防御力を半分にしてダメージを与える、使うと自分はひんし)

 

 

すごく…大きいです…(火力)

トレーナー技のこだわりハチマキに関しては小回り効かなくなった代わりに1回で攻撃が4段階上がるようになったプラスパワーって感じだから普通に強いと思う。

しかも何が良いかって能力アップによる火力あげじゃないからもう1つのトレーナー技と重複するんだよね。

あとパッシブスキルもわざと噛み合ってていいね。

ノーマルタイプの技が全て強いでんき物理技になるのはいい。

そして喜ばしいのはもう1つのトレーナー技が単純に強いこと。

敵味方関係ないデメリットがあれどもこんなにも影響の大きいバフとデバフを1度で撒くことができるのは単純に強い。

正に火力の塊って感じだよね。

だいばくはつのダメージ計算が地味に初代とかの防御半減の仕様だし。

ちなみに俺のバディーズとしての性能を最大限に生かして最高火力を放つとするとトレーナー技で自分の攻撃と急所率を6段階上げかつ相手の防御を6段階下げておく。

その後、こだわりハチマキとパッシブスキルで技の威力を倍増してバディーズ技を放つと良い。

急所がでて等倍の場合、なんと単純計算で威力112400のでんきわざを敵味方全体におしつけることになる。

参考までに現時点でポケマス最強物理アタッカーと呼ばれるライチ&ルガルガンが他のバディーズのサポート無しに単身で出せる最高火力は単体へのバディーズ技で威力は1800ほど。

余裕の音だ、(威力の)桁が違いますよ。

しかもそれがポケマスの中でもトップクラスの攻撃の高さから放たれるんだぜ?

さらにはWPMの仕様と不思議パワーのおかげで“効果ばつぐん”は存在してもエレキスキンだいばくはつの天敵である“効果なし”や“効果いまひとつ”が消えている。

この条件下において俺の相棒の“だいばくはつ”はまさしく自分含めて“全てを無に帰す”火力を放つ大技!

凄まじい…惚れ惚れするゼェ…(恍惚)

思わず身震いしていると相棒にもその心が通じたのかぐっと握りこぶしを突き出してきた。

力強くグータッチしてやったぜ。

 

 

 

 

んまぁ冷静になるとそんなこと言ってられないよね。

というより正直弱すぎて涙も出ないよね。

このステータス見た瞬間口から

 

「あ ほ く さ」

 

って出てきたからね。

まぁこんな使いづらすぎるクソ地雷を誰がチームに入れるかって話だよね。

もはや何したいかわからないよね。

実用性もクソもないよね。

使用感としてはまぁレア度が低いからね、ステータスはある程度はしょうがないけど物理面以外が貧弱貧弱ゥ!すぎる。

ゲームバランスこわるる〜。(別の意味で)

攻撃と防御がトップクラス、HPがそこそことはいえそれ以外が全部最弱レベルなんですけど…。

物理面は硬いけど特殊面が貧弱すぎるし何より鈍足すぎる。

ゲームにおいて低いステータスのキャラは何かしら尖ってないと使いづらいけども鈍足高火力は辞めてくれよ…。

火力は高いよ?火力はね。

結局鈍足と消費技ゲージの多い高火力自傷技しかないって事実がそのモリモリ火力の持つメリットを全て打ち消すんだよね。

小回りが利かない、そして自傷技のせいでせっかくの高火力を連発できずすぐひんしになってしまう。

この自傷バ火力狂キャラは自バフを盛りまくるとすてみタックルですらわざの威力24960を叩き出す。

それは同時に自分が威力6240の技を受けているのと同義。

うん、ふつう一発でひんしになるよねっていうか1度実験したらひんしになりましたごめんね相棒…そして実験台と化したバ火力を押しつけられて即ひんしになった罪のない野生のピカチュウよ…君の犠牲は忘れない。

ライチさんの最強物理アタッカーの名は伊達ではなく、その火力の高さに見合わないその継続性と安定性、そして素早さも高いのが強いんだよなぁ。

こんな安定性クソザコ火力太すぎ一発屋なんて目じゃないよ。

というより威力1800で超火力って呼ばれてる環境で威力24960を叩きつける必要なんてない。

ライチさんの約13倍の火力なんてオーバーキルも甚だしいところだ。

ましてや約62倍の威力112400なんてもはや存在意義があるのか不明だよ。

命を飛ばしてまでそんな火力出さなくていいんだよなぁ…。

物理面がいくら硬いとはいえ自分から死ににいったら意味ないし、特殊面は豆腐より柔いし。

 

ポケマスの性能はそのトレーナーの性質が現れていると思う。

技名とかも有名なセリフとか性格が出てていいよね。

でもこんなに俺の性能ひどくする必要はなかったと思うの。

アローラ出身なのにバディーズ技がZ技じゃないのは正直結構恥ずかしいけどZ技を使うのは相棒じゃないからね、しょうがないね。

結局島巡り自体は15歳のときに終えました。

異論は無い。

そしてこだわりハチマキ巻いたアローラゴローニャは俺の相棒として有名だ。

それに異論はない、俺はアローラゴローニャ大好きです。

あの無骨さがね、敵わんよ。

だいばくはつやじばくも俺と相棒の代名詞と言える。

それにも異論なし。(困らないとは言っていない)

この2つの技の華々しさとその威力、そして散り際の美しさは他のどの技にも比類するものがない。

たしかに俺はバトル中にだいばくはつを放った後、テンションが最高にハイってやつになって、そのせいで高笑いしながら「ふははは!この圧倒的火力!やはり火力こそ至高!」とか「全てを爆砕して無に帰してやるわぁ!」みたいなことを叫ぶ癖がある。(そのせいで狂人扱いされる)

でもそこを切り取ってそんなに火力を求める性能にしなくていいよというのが本音。

トレーナー技も敵味方関係なく高火力低耐久にして阿鼻叫喚の火力地獄作り出すし。

もっと鈍足とか自傷のデメリット消すような性能にしてくれよ…。

なんでそこまでして火力求めちゃうの…。

アローラゴローニャ以外の手持ちは割と高火力戦法じゃなくてまともだったと思うんですけど…。

いや確かに6匹とも爆発するけども。

こんなにも高火力を求めたのはアローラゴローニャだけだったはず。

それ以外の手持ちは爆発こそすれど普通の戦法をしていて、だいばくはつは退場技や役割破壊技、あとは最後の悪あがきとかな感じだったんだけどなぁ…。

俺なりにだいばくはつの魅力を活かし、それを世間に見せつけてきたつもりである。

まぁ、俺の相棒のだいばくはつの火力が凄まじすぎたのだと理解しておこう。

だいばくはつでスタジアム半壊させるからね。

観客防護システムのおかげで観客は無事だったけどその防護システムをぶち壊すほどの高威力、まさに爆弾。

でもポケモンリーグ協会の人に「まともに戦ってくれ」って泣きつかれると同時に請求書渡されたときはもう目の前が真っ暗になりそうになったね。

 

 

 

 

 

 

 

 

とまぁ、ここまでゲームの目線を交えて自分の性能を分析してきたけどここは現実。

命中率や回避率や技ゲージの概念がなく、ポケモンの素早さに任せた回避やターン制などのない世界だ。

チート能力で見る火力とかの数字はある程度当てにできるけど当てにできない数字もある。

そういったことをかんばみて俺は実際どんな評価なのか考えるとここで少し変わってくる。

…って言いたかった。

そうだよ何も変わらないよ。

むしろ悪化するまであるよ。

ゲームだと使うまで一定時間かかるバディーズ技に関してはこの世界ではいつでも使えるけど1試合に1回だけの強力な技、という認識らしい。

使いどころの大切な技という感じに変化している。

だからバディーズ技の点に関しては全く問題ない。

即座に放てるし、なにしろ俺と相棒のバディーズ技はどうあがいても1度しか放てないから。

んまぁ、せっかくのバディーズ技が爆発なせいで使いにくいし、一度だけのバディーズ技の枠を俺の爆発にきるのはし難いことでばあるけども影響としてはまだマシ。

技ゲージの面でいうと、その概念がなくたってアローラゴローニャの小回りは死んでるのでそれもまだマシ。

一番大きいのはターン制でないこと。

敵がこちらがどんなに鈍足だろうと技が当たるまで待ってくれるなんて悠長なことをしてくれない世界だ。

命中率や回避率、そしてターン制が消えたいまこの鈍足はチームとの連携においても、相手に技を当てることや技を避けることにおいても、とにかくなにをするにしても足を引っ張る。

すてみタックルも正直とても当てにくい。

まぁそれは各リーグを制覇しに旅してた昔からどうしようもない話なんだけども。

 

やっぱり素早さが高いポケモンは強いよ、どれだけ鍛錬を積んでも変えられない種族の壁はあるからね。

そういった事情があって各リーグ挑戦時の俺の相棒の技構成は遠距離にも攻撃できるストーンエッジ、そして広範囲技のじしんとだいばくはつ、そして近距離技のすてみタックルといった感じである。

相手が遠くにいるならじしんとストーンエッジで相手の特殊技を防ぎつつ相手を釣りだして、近くに来て物理技で攻めようとするならその硬さを活かして受け止め、こちらはすてみタックルでたたきつぶす。

んで、そういった戦法が効かないもとから浮いてるポケモンやらひこうタイプやら積み技をしてくる輩にはだいばくはつを押し付けてあげましょう。

じめんタイプが出たら素直に交換。

そんな感じの戦法を各リーグでとってきた。

え?こだわりハチマキ巻いてるからどうせいつも初手だいばくはつだろとぼけんなだって?

はい、すいませんだいたい初手爆発してました。

というよりゲーム内ではこだわりアイテム強いけど現実世界になるとバカみたいに使いづらい。

素早いポケモンならいいけど鈍足ポケモンに持たせるアイテムじゃないんだよね常識的に考えて。

でも僕は火力を求めたので巻いてます。

真面目な戦法取るよりその方がシンプルに強かったからしょうがない。

 

その戦法がこのWPMではどうだろう。

まずもって技制限のせいでこの作戦の中核をなすじしんとストーンエッジが使えません。

もうこの時点で絶望しかないよね。

つまりは相手にすてみタックルを当てるすべがほぼほぼ消えてます。

特殊技使う相手には遠距離攻撃で嬲られ続ける未来しか見えないね。

それをチームの他のポケモンに補ってもらってすてみタックルを当てればいいじゃん、弱点の鈍足を補えば高火力を押し付けれるじゃん、結構いい線いけるアタッカーになるじゃん。

なんてそんな甘い考えは通用しない。

手厚いサポートのおかげですてみタックルを当てたとしても俺の相棒はそのバ火力のせいですてみタックルを当てたそのときには相棒は反動ダメージによってすでにひんし近くもしくはひんしになるという惨状が待っている。

言うまでもなく相手はワンパンだ、もちろんです、プロですから。

でも自分も死にかけては手厚いサポートを割いてまで俺を使う意味がないよねと言う話。

なれば、俺と相棒ができるのはあとは爆発のみとなる。

こちらに関しては相手がどれだけ素早かろうが何人いようが超広範囲攻撃で相手全員に当たるし、どれだけ硬かろうがワンパンなんだけどこちらも結局のところひんしになってしまう。

いつもならば頼れる後ろのポケモン達に任せればいいんだけどこのWPMにおいて俺のポケモンは相棒1匹のみ。

一応手持ち全員はここにも連れてきてるけど戦闘には使えない。

 

そして何よりも大きすぎる欠点がある。

というよりこれが大きすぎて他が霞むレベルだ。

WPMというのはチーム戦なのだ。

そんなチームワークが大切なWPMにおいて味方を全力で殺しに行く奴が果たしているだろうか、いや、いない。(ここにいる)

WPMは集ったトレーナーが自分の相棒1匹を持ち寄り、たくさん集まって1チームとなって競うという形式のものだ。

実際のバトルの際にはその中で3〜6人を選出して3対3を基本に戦うことになる。

その過程で上述した通りの不思議パワーのおかげでポケモンはまずタイプの相性の上で効果いまひとつや効果なしが消え、効果ばつぐんのみになり、その効果ばつぐんも1つだけになったり、複合タイプがなくなり単タイプになるなどのことが起きる。

また、ポケモンの一部ステータスが調整されたり、使える技が制限されたり逆にトレーナーの特色を生かしたサポートが行えるようになったり、はたまたポケモンとトレーナーの絆の力で解放される強力な「バディーズ技」なるものを使えるようになったり…などなどのいろいろな制限や変更がかかる。

そこらへんの事情もあってWPMにおいてはチームを作る際に、チームの方向性を予め決めておいて、その中でバディーズでそれぞれ役割分担を行うのが理想だ。

WPMではタイプ相性があまり重視されない為、アタッカー、サポーターのバランスの良い、サポーターの支援が持続的に撒けて安定性のある火力をアタッカーが出せるチーム構成が強いとされる。

しかしてそのような場で、なぜ俺はここまでチームの耐久を殺してまで瞬間火力に特化してしまったのか。

そのせいで俺は相手1体をひんしに追い込みつつ自分もひんしになるか、自分チームを相手チームもろとも爆砕するしか能のない超絶不器用迷惑マンということになるんだよね。

自軍を巻き込む瞬間的高火力しか放てないバディーズなんて避けたくなるよね。

3対3のチームの役割分担もなにもかも無視して容赦なく吹き飛ばすなんて所業は相手全滅させてもそら迷惑でしょうよと。

ちなみにだいばくはつによって敵味方全員が一度にひんしになった場合だいばくはつを使った側の敗北となる。

この仕様も今回、俺が地雷にしかなりえない要因の1つである。

悲しいかな、思わず天を仰いだ。

 

 

 

 

 

 

 

ここでバーンズに電流走る。

技構成変えればいいじゃん。

じばくをおんがえしとかたいあたりに変えれば…高火力アタッカーとしての道ができる!

ストーンエッジとじしんも捨てがたい!

そうだよ技を変えればいいんだよ当たり前だよなぁ。

WPMでは選手登録の際にポリゴンフォンなるその人の身分証やら携帯連絡機にやらになる便利なものをもらえる。

そして、技やステータスといった自分とポケモンの情報を先ほどいったポリゴンフォンに入れておかねばならない。

それによって自分のバディーズとしての性能を把握しておく、又は相手に伝えることでチーム結成のときの役割分担などを円滑にするためだ。

この情報はポケモンの成長などで自然にバディーズの性能が変わるときには自動で調整されるが、俺と相棒はすでにレベルMAXなのでポケモンセンターで、それ専用の受付の方に言わなければならない。

早速俺はベンチを立って、変更を願い出にむかった。

あ、だいばくはつは絶対に変えません。

俺と相棒の誇りなんで。

だいばくはつ消せばマトモになるとかいう正論をおっしゃる方々は申し訳ないが岡山の県北の滅多に人の来ない川の土手の下まで来てもらう。

 

 

 

 

ポケモンセンターの受付さんへ声をかける。

バ火力不器用マン脱却の兆しが出たせいで声が若干上ずったが大丈夫だろう。

 

「すいません…バディーズの技の変更をお願いできますでしょうか?」

「かしこまりました。どのポケモンの技の変更でしょうか?」

「このゴローニャなんですけど…」

 

俺がそう言うと相棒が存在を主張するかのように両手をあげる。

岩石ボールがわちゃわちゃしてる絵面は正直要らないが受付さんがそれを見て優しく微笑むそのスマイルは最高です。

その笑顔のまま受付さんは何やら機械をいじりだす。

っと、ここで不意に受付さんの笑顔が消える。

 

「あっ!…えっと…大変申し上げにくいのですが、技の変更はできません。」

 

んん?????????

聞きたくない言葉が聞こえた気がする。

 

「えっと…なんで技の変更ができないでしょうか?」

「実は…バディーズとしてのレベルが最大になると技の変更が不可能なんです。バディーズとしての性能というのはWPMの技術の全てを用いて作り出したもので、そのトレーナーとポケモンのコンビの特質や絆、歴史の結晶ともいうべき形なんです。レベルが最大まで上がってないならば可変なんですけども…あなたとゴローニャはとても信頼しあっている素晴らしいコンビでして…それもレベル最大までいってしまう程ともなるともはや変更不可能になってしまうんです…。申し訳ございません…。」

 

そんなこと言われたらこんな性能でも否定できないじゃないか…。

何も言えなくなっちゃうよ…喜ばしいのか悲しいのかわかんないよ…。

じばくとすてみタックルのところを変えようと思ってたのに…。

この技構成が変えられないのなら未来はないといっても過言ではない。

しかし変更できない。

絶望したままふらふらとポケモンセンターを出た。

後ろから聞こえる受付さんの「頑張ってください!」という可愛いエールがやけに胸に刺さった。

相棒は受付さんの説明の途中あたりからやけに嬉しそうに身体をこちらに擦り付けてた、今も擦り付けてやがる。

ははっ、可愛い奴め。(震え声)

ポケモンセンターを出て思わず天を仰いだ。

あぁ…空はあんなに青いのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな時に神さま御一行を見つけました。

将来有望なポケマスの主人公ちゃん、イッシュ地方のプロトレーナー、メイちゃんとカントーの硬くて我慢強い男タケシ君、そしてカントーのマーメイドカスミちゃん。

そうですポケマスの原作主人公チームです。

もう心中で超歓喜したよ。

暗い心なんて吹っ飛んだね。

なんと俺はメイちゃんとタケシ君とは結構な友達である(と信じたい)

メイちゃんとは一緒に旅をしたしプラズマ団の陰謀を阻止する手助けもした。

タケシ君とはゴローニャの素晴らしさについて語り合ってるうちに仲良くなった。

俺はタケシ君の兄貴分のようなものだしメイちゃんには優しい近所のおっさんくらいには思われてると思いたい。

カスミちゃんとは…残念ながらジムリーダーと挑戦者の関係でしかない。

 

実はこの旅をしてた10年間、俺は色々な地方を旅するうちに原作キャラと仲良くなりたい一心で絡みまくった。

せっかくのポケモン世界だしね。

そのおかげが人脈がすごいことになってて結構な自慢である。

その中でもメイちゃんとタケシ君は他の方々に比べて俺への理解が深い。

一緒に旅までした唯一の相手だし、語り合った仲だし。

何よりあの心優しいメイちゃんとタケシ君のことだ、必ずやこの可哀想な俺をチームに入れてくれるだろう。(根拠のない断定)

そんな打算を持ちながら、主人公ちゃんとメイちゃんとカスミさんとタケシ君の4人であることから最序盤なんだなぁと思いながら声をかける。

チームに入れてください、と。

 

まぁ断られたよね。

 

「お願いします!メイちゃん!君だけが頼りなんだ!」

「嫌です!バーンズさんは絶対にチームに入れません!」

 

イッシュ地方の友達、メイちゃんに真っ向から断られた。

一緒に旅をした仲じゃねえか…

俺のベスト4を叩き切った犯人は俺の決死の懇願も断ち切りよった。

結構最後の望みだったのに…

主人公ちゃんとタケシ君とカスミちゃんの申し訳なさそうな顔がすごい。

膝あたりにぽんぽんと叩かれる感触がしたのでそちらを見ると、死んだ目と諦めた表情を浮かべて顔を横に降る相棒の姿があった。

そんな悲痛な相棒の姿に思わず涙が出るぜ。

 

「そうだよな…相棒、俺らは所詮要らない子だよね…。」

 

相棒を強く抱きしめて悲嘆にくれる俺。

そんな情けないことを言う俺を優しく慰める相棒。

そして流れる微妙な空気。

 

とまぁ…そんなわけで。

 

爆発厨はお呼びじゃないようで。




ポケマス見て衝動書きしました
めっちゃ急いで書いたし、ポケマスを実際にしているわけでもないのでかなり拙いところや急展開が多いと思います。
ごめんなさい、作者の時間がないのです。
でも衝動書きしてしまいました。
こういう自分だけの妄想キャラ考えるの楽しいですよね。
プロローグなので説明が多いですが次からはトレーナーの絡みを多くしていこうと思います。
バーンズさんは現在のポケマスのゲームバランスを壊さない程度に強キャラではなく狂キャラにしたつもりですが上の通り強すぎる!とかの不満がありましたらどんどん言ってください。
正直火力高くしすぎたかなって不安です。
続き書くかは未定です。
こんな駄作読んで下さってありがとうございます。

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