ONE PIECE  ~地球外生命体の転生者~   作:仮面ライダーハードエボル

53 / 66
誠意

side:マカハゼ

 

 

「あと・・・5日だと!!?」

 

 

「事実だ」

 

 

アラバスタへの航海を一旦無視して病に倒れたナミを救う為に医者探しへ船を進める中、マカハゼはゾロとサンジとビビの3人を呼んで判明した病名を伝えた。

 

病名とその危険度を知ったサンジは目を見開き、ゾロは腕を組んで壁にもたれ、ビビは手で口を塞いだ。

 

 

「あと5日以内に島と医者を見つけないとナミは助からん」

 

 

「この船に何かないの!?抗体とかの材料とか!?」

 

 

「そんな物はない。そもそも5日病の原因のケスチアっつーダニは100年前に絶滅しているから抗体もその時期に無くなったんだろう」

 

「俺達に出来る事は、今向かっている島に医者が100年前の抗体持っている可能性に賭けるのと、ナミの病状がこれ以上悪化しないように看病する事だけだ。」

 

 

マカハゼのハッキリとした断言にサンジ達は暗い顔を下に向けた。そこでゾロがマカハゼに何故自分達を呼んだのかを聞いた。

 

 

「覚悟の話ならわかった。だが、何故それを俺達3人だけに伝えた?」

 

 

「理由は2つある。1つはこの船の中でお前らは仲間内でも口の堅いにんげんだから。2つはナミの看病の為の役割の話をする為だ」

 

「あと、他の奴らに言ったら無駄に騒ぐだけうるさいし、ナミに知れたら余計な心労をかけて病状が悪化しかねん」

 

 

「たしかに・・・口の堅い俺達が呼ばれたのはわかった。ナミさんを救う為にも、俺達は俺達に出来る事をやろう」

 

 

それからの役割分担はスムーズに進んだ。ゾロは『八咫烏』と周辺の警戒を、サンジは病人食の徹底管理を、ビビは女性陣による看病を、マカハゼはナミのいる部屋の環境が少しでも良いように加湿器等の機械を整備する事となった。

 

それからの動きは慌ただしく、大きな波に揺られたり、ルフィ(バカ)が水をぶっかければ熱が下がらないかと言ったり、ナミなしの夜の航海の危険で停泊したりと忙しかった。

 

そうこうしているナミが発病してから3日目の朝を迎えた。

 

 

 

 

 


 

side:メリー号

 

 

「うぅ・・・寒ッ!」

 

 

ジョニーが朝から交代でマストの見張り台から周囲の警戒をしていた。しかし、マカハゼの指示通りに進んでからは妙に寒さが目立ち始めた。

 

 

「相棒!サンジの兄貴から朝飯貰ったぞ!」

 

 

「すまねェ、ありがたく貰うぜ!」

 

 

ヨサクから温かい朝食を貰ったジョニーはいきなり寒くなった〝偉大なる航路〟の気候の愚痴を吐いた。

 

 

「にしても・・・マカハゼの兄貴の指示通りに進んでるとは言え、ここまで寒くなるか?」

 

 

「〝偉大なる航路〟の気候は滅茶苦茶だからなぁ。その内、急に暑くなるんじゃないか?」

 

 

「それはないな」

 

 

愚痴り合う2人の会話に入ったのは厚手のコートを着たジェムだった。

 

 

「これだけ寒さが安定してんのは〝冬島(ふゆじま)〟が近い証拠だな」

 

 

「冬島?」

 

 

「気象学的に〝偉大なる航路〟の島々は『春島(はるじま)』『夏島(なつじま)』『秋島(あきじま)』『冬島』の4種類に分類されてんだ。そしてそれぞれの島には()()()()()()〟が存在している」

 

 

「「・・・・・・つまり??」」

 

 

「この〝偉大なる航路〟を航海するには、最低でも『夏島』の〝夏〟から『冬島』の〝冬〟までの16段階の季節を克服しないといけねェ」

 

「まぁ、例外や未知の天候だってあるがな」

 

 

ジェムの解説を聞いたジョニーとヨサクは〝偉大なる航路〟最初の航路の滅茶苦茶な気候の恐ろしさを思い出し、ナミが予測した怪物級のサイクロンを躱した航海士としての才に尊敬の念を持った。

 

 

「なるほど・・・島がそうやって織り重なって〝海〟は尋常な気候じゃいられねェのか」

 

 

「そんな〝偉大なる航路〟のサイクロンを予測したナミの姉貴ってやっぱ・・・!!」

 

 

「そんな荒れ狂う〝偉大なる航路〟の気候が安定したのは島が近い証拠なんだよ」

 

 

ジェムの話を聞いていたジョニーは双眼鏡を覗いて前方を確認して、目を見開いた。

 

 

「・・・確かに・・・・・・見えた!!!」

 

 

「兄貴たちィ〜〜っ!!!島が見えやしたァ〜〜!!!」

 

 

やがて全員の目に見える距離に、島が見えた事で報せを聞いた皆が歓喜の声を上げた。

 

見えた島は円い筒の様な山々に白い層が重なっているのがわかる。それだけで冬島だという事の証明であった。

 

 

「白いな!雪だろ!!雪島か!!!」

 

 

「おいルフィ!!言っとくがな、今度は冒険をしている暇はないんだ。医者を探しに寄るだけだ。ナミさんを診てもらったら直ぐ出航だからな」

 

 

「雪はイイよな〜〜・・・」

 

 

「全然聞いてないぞ、コイツ・・・(汗)」

 

 

「・・・ちょっと待てよ、大丈夫か!?雪って事は雪の化け物とかいるんじゃねェのかァ!?そもそも人がいるのかどうかが大問題だ!!まずいっ!!〝島に入ってはいけない病〟が「そんなアホな病はねェよ」∑ウッ!!!」

 

 

故郷の村でもあまり見ない雪景色に心奪われて当初の目的を忘れかけているルフィに呆れたり、まだ見ない未知に恐れてアホな仮病を使うウソップにツッコミを入れながら上陸の準備をする一味。

 

暫く海から進んで海岸から川へ入れば更に突き刺さる様な寒さが防寒した一味を襲う一方、当の船長は普段着のままで雪景色に感動の涙を流していた。

 

 

「ふーーーっ、こりゃすげぇな!!何だあの山は・・・!!!」

 

 

「この島は・・・」

 

 

「ジェムもそう思う?」

 

 

「こんなに雪が・・・幸せだ!!!」

 

 

「それよりルフィ船長。寒くないの、そんな格好で?」

 

 

「マイナス10℃。熊が冬眠の準備を始める温度よ」

 

 

真っ白な雪景色に涙を流しながら喜ぶのは、未だに見てるだけで寒くなってくる薄着をしているルフィを心配そうに見ているハニークイーン。

 

問われたルフィはしばらく黙り込むと、やっと現実の寒気に気付いて凍え出した。

 

 

「え?ああ・・・ん?∑寒ブッ!!!

 

 

「∑イヤ遅せぇよ!!!」×5

 

 

今頃寒がってコートを取りに行ったルフィを無視し、一味は陸から川へ流れ出る雪解け水が流れる滝の近くで停泊した。

 

 

「雪解けの滝だわ。そこへ停泊しましょう」

 

 

「で?この島に何か心当たりがあるのか?」

 

 

メリー号を停泊させた後、マカハゼは何か知っているらしいジェムとミキータに話を聞く事にした。

 

 

「俺達の記憶が正しければ此処は間違いなく〝ドラム王国〟だ」

 

 

「ドラム?バンドが盛んなのか?」

 

 

「いやそっちのドラムじゃねェよ(汗)」

 

 

ジェムが言うにはドラム王国は20年前から医学に特化した医療大国であり、世界でも有数な医者〝イッシー20(トェンティ)〟と呼ばれる者達もいるらしい。

 

 

「そいつはいい事を聞いたな。ナミが治る確率が高くなったし、運が良ければ医者を仲間に出来るかもしれん」

 

 

ジェムの話で希望を持った一味は誰が上陸し、誰が船番をするかの相談を始めた。しかし、そんな彼らに忍び寄る影がいた。

 

 

「取り敢えず行くか、医者探しへ」

 

 

「俺行くぞ!」

 

 

「俺も行く!!」

 

 

「・・・・・・囲まれてるな」

 

 

「へ?」×11

 

 

「そこまでだ、海賊共!!!」

 

 

ナミの事で頭がいっぱいだったマカハゼは自分達を取り巻く気配に気づくのに遅れた。

 

既に周囲には100人近い私服警備の人間が無数の銃口を向けているのを見ながらマカハゼは思案していた。

 

 

(多少の訓練は受けてるみたいだが・・・あの男以外全員がただの国民だな)

 

 

「おっ、人が出てきたぞ」

 

 

「・・・でもヤバそうな雰囲気だな・・・」

 

 

海賊である自分達を警戒し、追い出そうとするのは分かる。しかし、いくら自分達が海賊だからと言っても彼らの反応は過剰にも程があった。

 

そんな住人達の中で唯一話が出来そうだったのは、マカハゼが警戒していた男だった。

 

 

「速やかにここから、立ち去りたまえ」

 

 

大剣を背に背負った巨漢の男はルフィ達に静かに論するように行った。そんな彼にルフィとビビは縋る思いで懇願した。

 

 

「俺達医者を探しに来たんだ!!」

 

 

「病人がいるんです!!」

 

 

「そんな手には乗らねェぞ!!!ウス汚ぇ海賊め!!」

 

 

「ここは我々の国だ!!海賊などに上陸させてたまるか!!!」

 

 

「さァ、すぐに錨を上げて出てゆけ!!さもなくば船ごと吹き飛ばすぞ!!!」

 

 

しかしルフィとビビの叫びは今の住人達に届くことは無く、一貫して排除する姿勢を見せるだけだった。

 

 

「おーおー・・・えらい嫌われようだな・・・来たばかりだってのに」

 

 

「これが普通だろ」

 

 

当たり前の反応をこうも露骨に出されて少しゲンナリするサンジに返事をするマカハゼ。

 

そんな2人の態度にイラついた警備の1人が足元に警告の弾丸を放った。

 

 

「口答えするなァ!!!」ドンドンドン!!!

 

 

「∑うわっ!!!」

「よっ」

 

 

2人が避けた弾丸はメリー号の甲板に穴を開けた。いきなりの銃撃にウソップは驚きの声を上げ、サンジは怒りで目を吊り上げる。

 

 

「撃った・・・・・・!!!」

 

 

「・・・・・・・・・やりやがったな・・・」ギロッ

 

 

「・・・先に仕掛けたのはお前らだ」

 

 

「ヒッ!?」

 

 

「待って2人ともっ!!早まっちゃダメよ!!!」

 

 

ドゥン!!!

 

もはや交渉の余地はないと察し、力尽くの上陸を覚悟するゾロ達。特にサンジは頭に血が上り、マカハゼは冷たい声でやり返すと決めていた。

 

ビビは冷静じゃないそんな2人を止めようと何とか抑えていた。しかし撃った本人はサンジとマカハゼの威圧に恐れた様子で再び弾丸を放った。

 

しかし、その弾丸はサンジたちに当たる事はなかった。

 

 

「・・・・・・!」

 

 

「ルフィ〜〜っ!!!?」

 

 

「〝麦わら〟ァ!!!」

 

 

「オイ!!誰が当てていいと言った!!?」

 

 

「しっしかし・・・!」

 

 

恐怖で怯んだせいで銃の標準が狂ってルフィに当たり、一味は固まる。

 

リーダー格の男も脅すだけのつもりだったのか、撃った警備を叱咤した。

 

 

「・・・・・・・・・」スっ

 

 

しかし、撃たれたルフィ本人は仰け反っただけで直ぐに上半身を起こした。

 

それを見た住人達はルフィが撃たれたのに倒れない事に恐怖し、後ずさった。

 

ルフィはそんな彼等を無視し、甲板に正座して頭を下げ───土下座をした。

 

 

「∑ルフィ!?」

 

 

「!!?」

 

 

「──医者を・・・呼んでください」

 

「仲間を・・・助けてください!!!」

 

 

「・・・何をやってんだ、ルフィ・・・・・・?」

 

 

ルフィは住人達に土下座をして医者を呼んでもらうように懇願をし始めた。そんなルフィの姿を見たマカハゼは理解できないという顔をしていた。

 

 

「コイツらの態度を見ただろ・・・コイツらはマトモに話し合う気は無い、俺達が海賊だからだ!!もし俺達の願いを聞き入れたとしても騙し討ちにするのが関の山だ!!そんな奴らにお前が頭を下げる必要は無い!!!」

 

 

「それで俺達が戦えばナミは助かるのか?」

 

 

「!」

 

 

「俺達じゃナミを救えねェ・・・俺達はこの島に賭けるしかないんだ」

 

 

「お前・・・気付いて・・・・・・」

 

 

ルフィがナミに後がない事に気付いてた事に驚きを隠せなかった。そして、湧き上がっていた怒りが下がっていくのを感じたマカハゼも冷静になり、自身も土下座をした。

 

 

「お願いします・・・医者を呼んでください」

 

 

「マカハゼ・・・」

 

 

「・・・・・・」

 

 

土下座をするルフィとマカハゼを見たサンジやゾロ達も2人に続いて土下座をした。

 

住人達は海賊達全員が見せた精一杯の誠意を目にした事で次第に迷いの顔を見せ始める中、リーダー格の男は意を決した顔でルフィ達を見た。

 

 

「村へ・・・案内しよう。着いて来たまえ」

 

 

「ドルトンさん!?」

 

 

「本当にいいのか!!海賊だぞ!!!」

 

 

リーダー格の男───ドルトンの決断に他の者達が待ったをかける。いくら土下座をしても海賊である以上、そこまで信じる事は出来なかった。

 

しかし、そんな住人達の抗議を聞きながらもドルトンは彼らを説得し始める。

 

 

「彼らに敵意はない。私の長年の感を信じてくれ」

 

「それに彼らが本当に医者を求めているなら見捨てる事は出来ん。そんな事をすれば()()()()()になってしまう」

 

 

「っ!!」

 

 

「・・・アンタが言うなら・・・・・・」

 

 

(奴ら・・・?)

 

 

「ありがとう・・・!」

 

 

気になるワードがあったが、願いが通じた事にホッとする一味。ルフィの見せた情けなくとも頼もしい船長としての器にマカハゼ達は感服した。

 

 

「2つ・・・忠告しておくが・・・1つはこの国の医者は魔女が1人だけだという事・・・もう1つはこの国はドラムの名を捨てた。故に、この国に名は無い」

 

 

「・・・・・・は?」

 

 

 

 

 


side:メリー号

 

 

「おしっ、治った!!!な?」パンパン

 

 

「∑治ったじゃないよ、バカ兄ぃ!!!(怒)」

 

 

「落ち着け、カッコウっ!!!」

 

 

「お前もゾロの兄貴の様に大怪我してんだぞ!!!」

 

 

「お前ら船番くらい静かに出来ないのか?」

 

 

「クエェ」

 

 

何とか上陸が出来るようになって、一味はナミを医者へ連れて行くルフィチームと船番をするマカハゼチームの二手に別れた。

 

マカハゼと共にゾロ率いる『八咫烏』もゾロとカッコウの怪我の療養の為に残る事となった。

 

マカハゼは銃弾を受けた甲板や荒波の傷を受けた箇所の修理をしながら、リトルガーデンで自分達で斬った足の具合を見ていたゾロ達に注意していた。

 

 

「これでやっとマトモな訓練が出来そうだ」

 

 

「いや、それでも十分訓練になってやしたよ?」

 

 

「バカヤロー。怪我を庇いながらやる筋トレはあんまり効果がないんだよ」

 

「加減した筋トレも飽きてきたし、ただ船番をするだけのも暇だ」

 

 

そう言ったゾロは来ていた上着とシャツを脱ぎ捨て、深呼吸しながら海に飛び込む準備を始めた。

 

 

「心頭滅却寒中水泳でも・・・やろうかね」フゥー

 

 

「∑出来るかァァっ!!!(怒)」×3

 

 

「大人しく筋トレでもしてろォ!!!(怒)」

 

 

ゾロの真面目なのかバカなのか分からないやる気ある提案にジョニー達からツッコミが入り、マカハゼは煩い4人に怒鳴りながら修理を続行した。

 

 

「それにしても医者が魔女1人だの国の名を捨てただのって・・・一体どうなってんだこの島は?」

 

 

医療大国なのに医者が1人な事と、国の名を捨てただのよく分からない事が起きてるこの島に一抹の不安を抱きながら、ナミの無事を祈る事しか今のマカハゼ達は出来なかった。。

 

 

 

 

〜END〜

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。