ONE PIECE ~地球外生命体の転生者~ 作:仮面ライダーハードエボル
side:ビビ
「いやー助かったぜ、ビビ。危うく永眠する所だったぜ」
「よかった、生きてて」
人為的に起こされた雪崩から逃げ続けてたビビは達は雪崩にのまれて村からだいぶ流され、散り散りになってしまった。
ビビは一緒に流されてきたウソップを発見したが、その時には雪崩の衝撃と寒さで気を失って三途の川を渡りそうになっていた。
そんなウソップを助ける為にビビは何度も叩き起す事でウソップの意識を取り戻す事に成功した。
「しかし心なしか・・・俺の顔、腫れてないか?」ガボーン
「し・・・しもやけよしもやけ!!雪国は大変っ・・・そ・・・それより早くこの居場所と現状を把握しなきゃ」ドキドキッ
その代償にウソップの顔はボールの様に2倍以上に膨らむ事になり、ビビはバレないかヒヤヒヤしながら先へ進んだ。
そこへ、ワポル軍から奪った雪上車に乗ったマカハゼとゾロが後ろからやって来た。
更に左右から雪崩に巻き込まれた子供を抱えたドルトンが、ミキータを背負ったジェムが集まって来た。
「よう、お前ら!!」
「無事だったか!!」
「ゾロ!!マカハゼ!!」
「あ〜・・・ひでェ目にあったぜ・・・・・・」
「Mr.5!!Ms.バレンタイン!!」
「みんな無事で何よりだ」
「「ドルトンさん!!」」
仲間や知り合いの無事にビビとウソップはホッとするが、5人は顔が腫れすぎて別人の様な顔になったウソップが分からずにいた。
「「「「「君/あんた/お前は・・・・・・?」」」」」じー( ⚭-⚭)
「?」
「「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」」じー( ⚭-⚭)
「?」→唯一変わっていない長い鼻
「「「「「ああ、ウソップ/君/長鼻か・・・」」」」」
「・・・・・・・・・・・・(汗)」
それからウソップの喜劇を終えた一行はそのままビッグホーン村へと戻っていた。
「しっかしなかなか面白い絵面だったなw」
「∑うるせーよッ!!!」
「見えたぞ、村だ!」
一行がやっと辿り着いた村は雪崩で倒壊してたり、何故か燃えたりしてる痕跡があったりしていたが、村人達の多くは無事の様子だった。
「「ママ~~!!」」
「ユーリ!!ノザリオ!!」
ドルトンが助けた子供達が母親の元へ走り、無事を喜び合う微笑ましい姿を見た後、ビビ達は何故か集団になって争っている村人達の元へ向かった。
「一体なんの騒ぎだ?」
「〝イッシー20〟の奴らが現れたんだ!!」
「「〝イッシー20〟??」」
何も知らないマカハゼとゾロは首を傾げるが、ドルトンや話を聞いていたビビ達は理解していた。
「ワポルの権力に屈した医者達だ。しかし、何故彼等がここに・・・・・・?」
ワポルの配下の医者達が何故か全員村にいる上に、何かを必死で伝えようとしていた。
「頼む!!話を聞いてくれ!!!」
「俺達は大事な事を伝えに来たんだ!!!」
「ふざけるなッ!!今更お前らの言葉を信じられる訳ないだろ!!!」
「そうだそうだ!!大人しくワポルの元へ帰れ!!!」
ワポルの権力に屈して甘い汁を啜ってきた者達を村人達は快く思うわけがなく、強い拒絶の姿勢を示していた。
しかしイッシー20達も譲れないものがあるのか、強い意志で反論した。
「我々に帰る場所は無い!!脱走したんだ、決死の思いで!!!!」
「!!?」
「俺達だって医者なんだ・・・」
「奴らの権力と力にねじ伏せられようとも・・・医療の発展は常に、この島の患者達の為に進めてきた!!!」
イッシー20達はマスクやグラサンを外し、強い意志の宿った目を周囲に向けた。そこでイッシー20の1人である老人が後悔の色を見せながら語った。
「とある
「・・・・・・・・・」
(ヤブ医者・・・?)
老人のヤブ医者に心当たりのあるドルトンや村人達は神妙な顔になって黙り込んだのを見て、イッシー20達は重大な事を話した。
「みんな、落ち着いて聞いてくれ!ワポルは今、ムッシュールの胞子爆弾を城から国民に撃ち込もうとしているんだ!!!」
「何ッ!?」
「ムッシュールだと!?」
「奴まで帰って来たのか!!?」
ワポルの目的とムッシュールの帰還を知った村人達は顔を青ざめ、ビビ達も焦りだした。
「猛毒!?」
「やべぇ!!ルフィ達が危ねェ!!!」
「「いや俺/私達も危ねェよ!!」」
「∑そうだった!!どっどうすれば・・・ッ!!!」
「逃げるしかねェよ!もうこんな島は御免だ!!!」
「いや!!」
ウソップの焦りに村人の1人がそう叫んだ。ワポルの悪政に海賊〝黒ひげ〟の襲撃、しまいにはムッシュールの胞子爆弾という最悪の連続が続けば心は折れて当然だった。
しかしドルトンは覚悟を決めた顔で最後まで足掻くと宣言した。
「阻止するんだ!!命を懸けて!!!」
「ドルトンさん・・・!!」
「しかしそうしようにも城へのロープウェーがない!!一体どうやって城まで・・・」
阻止しようとしても城へ繋がるロープウェーがない以上、手も足も出ない状態だった。そこへ2台の雪上車に乗ったワポルの兵士達が現れた。
「何をしている・・・イッシー20?」
「裏切ったな、貴様ら!!」
ワポルの兵の襲撃に村人達は一斉に逃げたがウソップ達はラッキーという目で見ていた。
「おい・・・アレってマカハゼとゾロが乗ってるやつじゃねェか?」
「アレを使えば城まで行けますか?」
「ああ・・・!!」
「あの2台と〝ベストマッチ〟とロロノアが乗ってるやつを合わせて3台・・・丁度全員乗れるな」
「キャハハハ・・・・・・!!」
「「「「「「・・・・・・へ? 」」」」」」
「容赦ねェな・・・・・・(汗)」
「おぉ・・・・・・(汗)」
ビビ達が兵士達を一蹴して雪上車2台を手に入れ、城へ向かおうとしたらイッシー20達がカバンを持ってきた。
「よし、すぐに向かうぞ!!」
「ドルトン君、待ってくれェッ!!!」
「?」
「これを持って行ってくれ。この中にはムッシュールの毒胞子の解毒剤が入っている・・・!!」
「ムッシュールの・・・!?」
「そうだ!この島にはない薬品を使っているから量は少ないが、俺たちの研究の成果だ・・・必ず役に立つはずだ!!」
「ありがとう・・・!!」
ドルトンはイッシー20達の覚悟と思いが詰まった解毒剤入のカバンを受け取り雪上車に乗ってビビ達と共に城へ向かった。
「(あの時感じた強い気配・・・その1つがムッシュールってのに間違いないな)毒か・・・面倒な奴がいたもんだな」
「ところでドルドン、1つ聞きたい事があるんだが・・・」
「何だ?」
「あのイッシー20ってのが言ってた〝とあるヤブ医者〟ってのは誰なんだ?」
マカハゼはイッシー20が語ったヤブ医者の存在が気になり、ドルトンに尋ねた。
ドルトンは口を紡ぎながらも、やがてヤブ医者について語り出した。
「・・・約6年前まで・・・Dr.くれは以外にも医者狩りから逃れていた者がいた・・・・・・彼の名は〝ドクターヒルルク〟・・・大した医療知識はなく、ただの風邪で済んだ患者の容態を悪化させたり金持ちから金を盗んだりした男だ」
(マジのヤブ医者かよ・・・・・・(汗))×6
「そして誰よりも・・・最後まで国と患者の身を案じ続けた優しい医者だった・・・・・・」
side:ナミ
「ここは・・・・・・?」
高熱の苦しみが和らいだナミは薄らと目を開け、自分の状況の確認を始めた。
周りはいくつかの本棚があり、机には薬品やその調合用の道具なども置いてあった。自分が寝ているベットとは別のベットに、ハニークイーンが寝ていた。
「ヒーーッヒッヒッヒッヒッヒッ!!熱は多少引いた様だね、小娘!!ハッピーかい!?」
「!」
ピトッ
「38度2分・・・んん・・・まずまずだね」
「・・・・・・?あなたは・・・?」
突然洗われて自分の額を人差し指出当てただけで熱を測った妙に若々しい老婆に名を尋ねるナミ。
「あたしの名はDr.くれは、医者さ。『ドクトリーヌ』と呼びな、ヒーーッヒッヒッヒ!」
「・・・医者・・・じゃあここは・・・」
「若さの秘訣かい!?」
「ううん、聞いてない」
「お前の察しの通り、ここは城の頂上にある城さ」
自分が今いる場所を聞いたナミは寝ているハニークイーンを見て、ルフィとサンジの所在を聞いた。
「・・・だったら私とこの娘以外にもあと2人いたでしょ!?」
「ああ、隣の部屋でぐっすりと寝てるよ。随分とタフな奴らだよ」グビッ
ルフィとサンジが無事だと聞いたナミはホッと息を吐いた。そんな彼女を無視してDr.くれははナミのシャツを少し捲り、腹部を見せた。
「こいつを見な」グイッ
「え、何コレ?アザ・・・!?」
「〝ケスチア〟ってダニにやられたのさ。普段は密林に住んでいて、刺されたら傷口から細菌が入ると
「40度以下には下がらない高熱・重感染・心筋炎・動脈炎・脳炎!!刺し口から見て今日から感染は3日目ってとこだね」
「波の苦しみじゃなかった筈だが、放っといても5日経てば楽になれた・・・ヒッヒッヒ・・・」
「・・・・・・?」
「あと2日たってたら・・・お前は死んでいたからさ」
「・・・・・・・・・え!!?」
Dr.くれはのハッキリとした診断を聞いたナミは目を見開いて驚いた。
Dr.くれはの説明で自分がどれだけ危機的な状況だったのかと知り、ナミは顔を青くした。
「〝5日病〟と言ってね・・・・・・ケスチアは100年前に絶滅したと聞いてたが・・・・・・まさか
「・・・・・・・・・・・・あ(汗)」
Dr.くれはの分析を聞いていたナミはリトルガーデンで服がボロボロの状態で腹が出ていた事を思い出した。
「心当たりがあんのかいっ!?呆れた小娘だ」
ナミの迂闊さに本心で呆れたDr.くれはは、上半身を起こしていたナミをまた寝かせた。
「とにかく寝てな!まだ完璧に治療は終わってないんだ」
ばふっ
「うっ」
Dr.くれはに軽く額を突かれ、再び布団に寝転んだナミはDr.くれはに礼を言う。
「どうもありがとう、熱さえ下がればもういいわ。後は勝手に治るんでしょ?」
「全く・・・・・・病気をナメてるよ、お前は!!本来は治療を初めて完治まで約10日間はかかる病気だよ。またあの苦しみを繰り返して死にたいんなら話は別だがね」
「あたしの薬でもあと2日は大人しくしててもらうよ」
「2日も!?とんでもない、私達先を急いで・・・」がばっ
Dr.くれはからそう断言されたナミは慌ててベットから出ようと体を起こしたが、Dr.くれはにメスを突き付けられて組み伏せられた。
「!!?」
「あたしの前から患者が消える時はね・・・ヒッヒッヒ!!
「・・・・・・そんな!!!」
「それにね、あたしの薬でも
「え?」
「お前の上着に紙が入っていてね・・・その紙に5日病の事や容態、必要な抗生剤の材料まで細かく記載されてたよ」
Dr.くれははナミの上着から出てきた紙をナミに渡し、内容のが見事に当たっていたと伝えた。
「それを書いた奴は中々の博識だよ・・・そいつが中心になってお前の看病をしてたんだね・・・。だからお前の検査は簡単だったし、抗生剤の用意も直ぐに出来たんだ」
「だからあと2日は此処で安静にするのは安いもんだよ」
「・・・・・・」
それを聞いたナミは口が塞がらなかった。仲間達が自分を救う為に奔走し、死にかけてまで城に連れて来てくれた皆に感謝しかなかった。
ナミがそんな心境になっていたその時、ドカンッ!!と盛大な音と共に大声を出して逃げ惑う鹿の様な青鼻のマスコット生物──チョッパーと、それを捕食者の目で追いかける目覚めたルフィとサンジが部屋に飛び込んできた。
「ギャ─────!!!助けてェっ!!!」
「待て、肉っ!!!」
「待て待てルフィ、こいつは俺が調理する。どうせなら美味く食うべきだ!」
包帯で体を所々巻かれていても、チョッパーを捕まえようと走り回る2人の姿を見たDr.くれはは素直に驚いていた。
「こいつは驚いたね・・・あいつらもう動けるのかい・・・・・・」
「ルフィ、サンジ・・・・・・それと・・・何なの?あの鼻が青い・・・喋るぬいぐるみは?」
「もう・・・何の騒ぎなのよ・・・・・・?」(o_ _)o…ムクリ
「あ、ハニークイーン」
チョッパーを追いかけて部屋を駆け回る騒音でハニークイーンが目を覚まし、Dr.くれははルフィとサンジを冷めた目で見ながらナミの質問に答えた。
「あいつが何かって?名前はチョッパー、ただの青っ鼻のトナカイさ・・・ただし───」
「この・・・・・・!!」モコモコ・・・
「!」
Dr.くれはがチョッパーの説明を始めたと同時に、ルフィとサンジに追われてたチョッパーの肉体が変化を始めたのを見て、ナミは目を見開いた。
チョッパーは可愛らしい鹿のフォルムから毛深い大男になり、剛腕となった腕でルフィとサンジを天井に殴りつけた。
「──ただし、〝ヒトヒトの実〟を食べて〝人の能力〟を持っちまっただけさ」
「俺は食い物じゃないぞォ!!!!」ドゴォン!!!
「あいつにゃあたしの〝医術〟の全てを叩き込んであるんだよ」
「え!?何コレ!?えっ!?」
「大きく・・・なった・・・・・・ッ!!!」
「・・・・・・・・・ッ!!」
天井にめり込み、床に落ちたルフィとサンジから元のサイズに戻って部屋から逃げていった。
暫くして落ちたルフィとサンジは、這いずりながら先程自分殴り飛ばした存在を確認しあった。
「おい・・・見たかルフィ・・・?」
「ああ・・・青っ鼻で・・・小っこくて・・・」
「トナカイで・・・喋っれて・・・デカくなって・・・!!」
「バケモンで・・・強くて・・・スっげぇーーッ!!!」
互いが確認し合う内に、2人はチョッパーの事が魅力的に見え始め、次第にルフィは目をキラキラしだした。
そんな2人を前に、包丁を両手に構えたDr.くれはが静かに怒気を孕んだ声で立ち塞がった。
「このガキ共・・・あたしの部屋を滅茶苦茶にする気かい?」
「「・・・・・・婆さん?」」
ルフィとサンジは目の前に立つDr.くれはに誰もが最初に思い浮かぶ言葉を呟く。しかし、それはDr.くれはの前で1番言ってはいけないNGワードだった。
2人は自分達をさの失言に気付いたが時はすでに遅く、顔を般若の様に歪ませていくDr.くれはから走って逃げた。
その2人をDr.くれはは追いかけながら包丁を投げては取り出して投げる地獄の鬼ごっこを始めた。
その姿は正に山姥の如し。
山姥と化したDr.くれはから逃げるルフィとサンジが部屋を出て、残されたのはナミと状況について行けていないハニークイーンだけだった。
「ナミ・・・今ってどういう状況なの・・・・・・?」
「・・・さ〜ね!!」(﹡ˆ_ˆ﹡)
自分の為に死にかけた仲間達の元気な姿を見たナミは、ハニークイーンに眩しい笑顔を見せながらそう答えた。
side:ルフィ
「・・・・・・・・・・・・」
ナミ達のいる部屋を出ても、般若の形相で未だに追いかけて来るDr.くれはにサンジは参っていた。
しかしルフィはサンジの横で黙ったまま、並走していた。そして、ルフィは笑いながらサンジにある事を伝えた。
「サンジ・・・俺は決めたぞ・・・・・・っ!!!!」
「ああ!?何をだよ!!?」
「あのトナカイ・・・気に入った・・・!!俺はあいつを・・・・・・仲間にする・・・!!!」