ONE PIECE ~地球外生命体の転生者~ 作:仮面ライダーハードエボル
side:ワポル
雪崩を起こしたワポルは兵士達を率いて自身が住んでいた元ドラム城へ向かって進軍していた。
そんな中、ワポルの側近であるチェスがワポルの元まで来て不安を口にした。
「ワポル様」
「何だ、チェス?」
「本当に〝
「分かってねェな、お前・・・・・・」
長年ワポルに仕えてきたチェスはムッシュールの能力の危険度も知っていた事で、ワポルの身を心配して進言した。
しかしワポルはそんなチェスの心配を無用と返した。
「何の為に兄貴を態々助け出したと思ってんだ?」
「〝黒ひげ〟に対抗する為では?」
「それもあるが・・・・・・我が国において〝恐怖政治〟こそが基本の政策。それを復活させるのに兄貴は・・・うってつけだからな」
そう言ってワポルは別の毛カバに乗って着いて来ているムッシュールを見下した目で見た。
そのムッシュールは丁度、遅く進む毛カバにイラついて横っ腹を蹴った。すると普段は怠けて畳んで隠していた足を出して走り出した。
「もっと早く走れんのか、このカパァ!!!」ゲシッ
「モフゥ〜〜ッ!!!」ドカドカドカドカドカッ!!!!
「よ〜〜し、行け行けェっ!!ムーッシュッシュッシュ!!!」
本気モードとなった毛カバと共に城へ走って行く
「バカ兄貴が・・・俺の思い通りに動いて助かるぜ・・・・・・マーーッハッハッハッハ!!!」
side:ナミ
「・・・・・・」チョロチョロッ
ルフィとサンジから逃げていたチョッパーはナミとハニークイーンがいる部屋へ戻っていた。
そして寝ている2人を起こさない様にゆっくりと部屋の中へ入り、ソロリソロリと歩いたら寝ている筈の2人から自信を呼ぶ声がした。
「「チョッ・パー?」」
「∑ウヒャァアっ!!?」
驚いたチョッパーはすぐに部屋の外に逃げ、ゆっくりと扉の影から体をゆっくりと出してナミとハニークイーンを見る・・・・・・
ナミとハニークイーンはそんなチョッパーに隠れ方が逆になっている事を指摘した。
「逆・・・何じゃない・・・・・・(汗)」
「∑ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙っ!!?」サッ
「∑いや遅い!!隠れ切れていないしっ!!!」
「う・・・・・・うるせェ人間!!それとお前ら、もう大丈夫か?」
2人に指摘された事を言い返しながら、チョッパーはナミ達の容態の確認をした。
「えっええ、もう熱はだいぶ下がったみたい・・・・・・」
「私ももう大丈夫だし・・・」
「寝てろよ、ちゃんと!!」
「「!」」
そう言ってチョッパーは扉を締めながら2人の体の状態の説明をした。
「ドクトリーヌの薬はよく効くんだ。熱はすぐ下がっても、ケスチアの菌はまだ体の中に残ってるんだ。ちゃんと、抗生剤打って安静にしてなきゃ、また熱が高くなるぞ」
「お前も今は大丈夫だけど、ここに来た時は体の芯から冷えて全身凍傷になりかけてたんだ。もう少し横になってた方が「「ありがとう」」ん?」
「貴方が私達を看病してくれたんでしょ?」
「そのおかげでナミも私達も助かったわ」
口で厳しい事を言いながらテキパキと一流の医者らしく振る舞い、看病の準備を進めるチョッパー。
そんな一流の医者らしい姿を見せるチョッパーの姿に、ナミとハニークイーンは感謝の言葉を贈った。
「う・・・・・・!!うるせェなっ!!!」
しかしチョッパーはその感謝に拒絶の態度で返した。Dr.くれはを除く人間に嫌な事があったのか、一転してナミ達に強い態度で詰め寄った。
しかし次の瞬間、拒絶の言葉とは裏腹に表情と体の動きは喜びを表現していた。
「に・・・人間なんかにお礼を言われる筋合はねェ!!ふざけんな!!コノヤローが!!!」ウキウキニコニコ
「感情が隠せないタイプなのね・・・・・・(汗)」
(カワイイ・・・・・・)( ´͈ ᵕ `͈ )♡
セリフと動きが全く噛み合わないチョッパーの姿にナミは呆れ、ハニークイーンはキュンっとした顔で見ていた。
しばらくして我に返ったチョッパーは自分を食べようとした海賊の青年達がナミ達と仲間だった事を思い出し、恐る恐る近づいた。
「・・・お前ら・・・・・・海賊なのか・・・・・・・・・・・・!!」
「ええ」
「そうよ?」
「ほ・・・・・・本物か・・・・・・!!」
「本物よ」
「ド・・・髑髏の旗を持ってるのか・・・・・・!!」
「船にあるわ」
ソロリソロリとナミの手を蹄の先で触るチョッパーの姿は、長年憧れていた存在に出会い、未だ目の前が夢なのかと疑って興奮する子供の様に見えた。
そんなチョッパーを2人は微笑ましく見め、ナミは思い切って尋ねてみる事にした。
「海賊に興味あるの?」
「∑ねェよバカ!!ねェよ!!!バカ!!!」
「わかったわかった、ごめんごめん」
「そこまで引かなくても・・・・・・(汗)」
勢いよく後ずさって本棚に激突したチョッパーに2人は呆れたが、ナミは突然チョッパーを勧誘した。
「・・・でも、・・・じゃあ、あんたも来る?」
「∑お!!?」
「海よ!!一緒に来ない?」
「あ、それイイわね!!ウチは船医がいないから、あなたが仲間になってくれたら心強いわ」
ナミの提案とそれに乗り気なハニークイーンにチョッパーは驚嘆の顔で見た。
チョッパーには意外な提案だが、ナミ達にとってまたとない機会を逃すつもりは無かった。
「私達先を急いでいるの。2日も時間を無駄にする訳には──」
「バ・・・・・・バ・・・バカ言え!!!俺はトナカイだぞ!!人間なんかと一緒にいられるか!!!」
しかし人間と一緒にいる事に抵抗があるのか、チョッパーは首を縦に振る事は無かった。
それでも、チョッパーの目には海や海賊に対する憧れや期待が篭っていたが、何かに対する不安も混じっている。
「・・・・・・・・・大体お前ら・・・俺を見て・・・怖くないのか・・・・・・・・・!?俺は・・・トナカイなのに2本足で立ってるし、喋るし・・・」
「いや、そんな事言ったらウチの船にはあなたより怖いのがいるし」
「何、あんた私達を怖がらせたいわけ?」
「・・・・・・・・・・・・青っ鼻だし・・・」
色々と理由を言われては否定を繰り返すナミとハニークイーンは勧誘する事を止めない。
しかし、最後に呟いた言葉の意味が分からず、2人は首を傾げる。
そこへ、Dr.くれはから逃げ回って城を1周して来たルフィとサンジが勢いよく飛んで来た。
目的が捕食から勧誘に変わったルフィ達の勢いに脅えたチョッパーは逃げ出し、あっという間に部屋からいなくなった。
「・・・・・・少しは・・・・・・静かにしてて欲しいわ・・・」( ꒪⌓꒪Ⅲ)
「・・・・・・それを求めるのは無理じゃない・・・?」
「・・・・・・言わないでよ・・・」(−_−;)
ルフィとサンジが無事だった事はいいが、少しは静かにしてて欲しいと願うナミとハニークイーンだった。
そんな2人の元にルフィ達を追いかけ回した事で、若干疲れたDr.くれはが戻って来た。
「感心しないねェ小娘共・・・あたしのいない間に許可なくトナカイを誘惑かい?」
「・・・あら?男を口説くのに、許可がいるのかしら?」
「いい女はいい男に目が無いものよ?」
「・・・・・・言うねェ・・・ww」
「ヒーーッヒッヒッヒッヒッ!!・・・いーや、いらないさ!!持って行きたきゃ持って行きな!!」
2人の好戦的な言い返しに、虚を突かれた顔をして愉快そうに笑うが、Dr.くれはの目は笑っていなかった。
「・・・・・・だがね、一筋縄じゃ行かないよ!あいつは心に傷を持っている・・・・・・・・・
「「?」」
椅子に座ったDr.くれはは笑ったまま、重い雰囲気を出してナミ達にかたりだした。
共に城に住み、医術を叩き込んだ1匹のトナカイの辛い昔話を。
「チョッパーは・・・この世に生まれた瞬間に・・・
「え・・・・・・!!?」
「〝青っ鼻〟だったからさ・・・!!!あいつは何時でも群れの最後尾を1人寂しく離れて歩いてた。生まれたての子供がだよ!!」
「・・・・・・・・・ひどい・・・!!」
「そしてある日───悪魔の実を食っちまった奴は、いよいよバケモノ扱い。トナカイ達は激しくあいつを追い立てた─もう完全に普通のトナカイじゃなくなってたのさ」
たった1つだけ皆と違う──ただそれだけの事で捨てられ、1人孤独に生きて来たトナカイ。
自分達が予想していなかったチョッパーの過去にナミとハニークイーンは息を飲む。
しかし、この話はそれだけで終わらなかった・・・・・・。
「・・・それでも仲間が欲しかったんだね・・・今度は人として・・・人里に降りた。──だがその姿も完全な人型じゃない。どういう訳か〝青っ鼻〟は変わらない」
「もしかして・・・・・・」
「察しの通り・・・人里の奴らはチョッパーを雪男と恐れ・・・迫害した・・・」
「・・・・・・ッ!!」
ただのトナカイの頃から迫害される理由だった青い鼻、それがある限り自分は一生誰にも受け入れられないのだと、全てを諦めていたのかもしれない。
「何が悪いのか分からない。何を恨めばいいのか分からない。ただ仲間が欲しかっただけなのにバケモノと呼ばれる。トナカイでもない・・・人間でもない・・・あいつはね、そうやって・・・・・・・・・
「お前達に・・・あいつの心を癒せるかい?」
ナミとハニークイーンはDr.くれはの問いに即答する事が出来なかった。
ただ優れた医術を持つ念願の医者を仲間に誘いたかっただけで、その過去さえも背負おうとまで、気負ってはいなかった。
「・・・1人いたんだがね。・・・あいつが心を開いたただ1人の男が・・・昔ね」
「え・・・・・・」
Dr.くれはは不意に遠くを見つめ、今度は別の過去を語る。
その顔は懐かしそうで、それでいて寂しそうな、そんな複雑な感情が、Dr.くれはの横顔から伺えた。
「・・・ドラム王国に生きた男の名はDr.ヒルルク・・・チョッパーに名を与え、息子と呼んだ・・・ヤブ医者だ」
Dr.ヒルルク──かつて〝西の海〟で大泥棒として活動し、不治の病にかかって絶望していた頃、1面桜の絶景を目撃し、奇跡の復活を遂げた男。
その奇跡を経験したDr.ヒルルクはそれを立派な医学だ確信し、故郷であるドラム島に戻って医者として活動を始めた。
しかし、Dr.ヒルルクの独学の医術はいい腕ではなく、トカゲの目玉やネズミの肝臓等といったゲテモノを思い付きで薬にして患者に打つため、容態が悪くなったりしていた。
そのため、患者の家族から恨まれたり、金持ちから金を奪って警備隊に追われたりしながら生計を立てていた。
そんなDr.ヒルルクは常日頃から医学で国を救うと、研究に明け暮れる事もあった。Dr.くれはから見ればそれは医学ではなく、完全に科学だった。
そんなある日──国中で雪男と騒がれ、血塗れで倒れていた人型のチョッパーと出会った。
そんなチョッパーを見たDr.ヒルルクは助けようと荷物を開けたが護身用の麻酔銃が落ち、それを見たチョッパーはDr.ヒルルクを敵と勘違いし、攻撃した。
Dr.ヒルルクを殴り倒したチョッパーは逃げる様にその場を離れようと動いたが、怪我の影響と人間への恐怖で震えていた。
人間に植え付けられた恐怖が・・・自分を攻撃した時の人間の優越感に満ちた顔が・・・チョッパーの正常な思考を奪っていた。
そんなチョッパーに殴り倒されたDr.ヒルルクは立ち上がり、自身の服や身につけている物全てを脱ぎ捨て、自分は無害だと宣言した。
その出会いが、チョッパーの灰色だった心に色が染まり始めた瞬間だった。
Dr.ヒルルクが敵じゃないと分かったチョッパーは意識を失って倒れ、保護されて治療を受けた。
チョッパーはDr.ヒルルクに自分の身の上話を話し、Dr.ヒルルクはチョッパーを受け入れた。
Dr.ヒルルクと共に行動する様になったチョッパーは今までとは違う刺激的な日々を過ごした。
Dr.ヒルルクについて行き、患者の治療をすれば逆に重症になった患者の家族に追い回され、金持ちの夫婦から金を奪えば追い回され、最後には国の守備兵達に追い回される1日。
更に隠れ家に帰れば、部屋の物が飛び交うほどの大喧嘩をし、最後には仲直り───そんな初めてだらけの経験がチョッパーは楽しくて仕方なかった。
そんな日々の中、Dr.ヒルルクは医学の研究をしながらチョッパーにこの国が病んでいると教え、恨むなと言う。
Dr.ヒルルクはチョッパーに嘗て不治の病に冒されたある人物が山いっぱいの桜の景色を見た事で生き長らえた事を語り、部屋に飾っていた髑髏の旗に桜吹雪が描かれた海賊旗を見せた。
Dr.ヒルルクから海賊旗や海賊の話を聞いたチョッパーはその時から海賊への憧れを持つようになった。
それからの日々もチョッパーはDr.ヒルルクと時に笑い合い、時に怒り合い、時に喜び合う。その姿は相棒であり、友人であり、親子のようであった。
「素敵な話ね・・・」
「目に・・・ゴミが・・・・・・!!」( ̄^ ̄゜)グスッ
チョッパーの過去を聞いたナミはロマンを感じ、ハニークイーンは感動の涙を流した。
しかし、Dr.くれはは哀感を漂わせながら続きを語った。
「それで済んだら・・・どれだけ良かったか・・・・・・」
「「?」」
チョッパーとDr.ヒルルクの出会いから丸1年───チョッパーの治療が完全に終わったその日、終わりは突然訪れた。
そう言ってDr.ヒルルクはチョッパーを隠れ家から無理やり追い出した。
突然の事態に困惑したチョッパーは何とか中に入れてもらおうとDr.ヒルルクに懇願するが、Dr.ヒルルクは聞く耳を持たなかった。
しかし諦められないチョッパーは木にぶつかり、ワザと怪我をしてもう一度気を引こうとした。
そんなチョッパーにDr.ヒルルクは1発の銃弾で拒絶した。
Dr.ヒルルクのハッキリとした拒絶にチョッパーは泣き叫びながら走り去り、それを見送ったDr.ヒルルクは罪悪感に押し潰されながら涙を流した。
その後、Dr.ヒルルクの行動に納得のいかなかったチョッパーは何処かへ出掛ける彼の後を追い、真実を知った。
Dr.ヒルルクはかつて患っていた不治の病が再発していたのだった。
それを知ったチョッパーは急いでDr.ヒルルクの隠れ家に侵入して書物を漁って薬の手掛かりを探し、書物に書かれていた〝アミウダケ〟を求めて旅に出た。。
ハイキングベアーと挨拶を返したり、崖を飛び越えたり、自身を追い出した群れと衝突をし、ボロボロになりながらも遂に〝アミウダケ〟を入手した。
それを持ち、Dr.くれはから延命手術を受けて最後の医療研究に明け暮れていたDr.ヒルルクの元に戻り、〝アミウダケ〟を掲げて告げた。
角が折れ、目は瞼が腫れ、血まみれの姿で足を引きずりながらも、命を懸けて大好きなDr.ヒルルクの為に〝アミウダケ〟を採ってきたチョッパー。
そんなチョッパーの覚悟と優しさに触れたDr.ヒルルクは涙を流し、抱き締めた。
それからは傷ついたチョッパーを手当し、〝アミウダケ〟のスープを飲んで一息ついていた。
それと同時に、机に置いていた装置が特殊な反応を見せた。その反応こそ、Dr.ヒルルクが30年間求めていたものであり、ドラム王国に桜を咲かせる万能薬であった。
Dr.ヒルルクはチョッパーを寝かせ、完成した研究成果を持って出かけるが、その前にチョッパーに一言声をかけた。
それを聞いたチョッパーは少し照れながらも嬉しそうに笑い、帰って来たDr.ヒルルクに医者を習う事を楽しみにベットに寝転んだ──それが最後の会話になると知らずに・・・・・・。