ONE PIECE  ~地球外生命体の転生者~   作:仮面ライダーハードエボル

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行っといで・・・

side:ドラム城

 

 

「あんな別れ方で・・・よかったので?」

 

 

「ヒーッヒッヒッ・・・預かっていたペットが1匹貰われていくだけさね!!」

 

「湿っぽいのは・・・嫌いでね」グスッ・・・

 

 

〝麦わらの一味〟が勧誘していたのを城から見ていたDr.くれははチョッパーが海に出る事を予想していた。

 

だからこそDr.くれははチョッパーが自分の所へ宣言しに来た時にわざと怒り、追い回して〝麦わらの一味〟と共に船へ向かうように誘導した。

 

もし死んだヤブ医者()の息子であり、自分の医学の全てを叩き込んだ一番弟子のチョッパーの船出を見送ろうとしていたら涙を流さない自信はなかった。

 

ドルトンはそんな老婆を見て、思わず苦笑を見せた。

 

 

「来な!!船出ってのは派手でなきゃいけないよ!!!」

 

 

「派手って・・・?」

 

 

Dr.くれははドルトンを連れ、兵士達に武器庫から運び出させた大砲を並べた所へ来た。そしてDr.くれはが同時に用意していた特殊な砲弾。

 

その砲弾こそがDr.ヒルルクがDr.くれはに託した研究の全てだった。

 

 

(使うならこのタイミング・・・お前でもそうしただろ?ヤブ医者・・・)

 

 

「用意はいいかい、若僧共!!!」

 

 

「「「「「へいっ!!!」」」」」

 

 

「撃ちなァ!!!」

 

 

ドゥン!!!ドゥン!!ドドドゥン!!ドドゥン!!ドゥン!!!

 

 

「Dr.くれは、一体何を・・・」

 

 

「黙って見てな」

 

 

Dr.くれはの号令で兵士達は次々と大砲を空へ向かって発射されていく。

 

次々と打ち上がる大砲の光を前に、同じく手伝わされていたドルトンは戸惑いの目をDr.くれはに向ける。

 

しかし、Dr.くれははそれを意に介す事なく打ち上がっていくヤブ医者()の研究の全てを打ち終わるまで見上げた。

 

そして全て打ち終わった報告を聞いたDr.くれはは空気中に散った中身を光に当てさせた。

 

 

「Dr.くれは!!全弾打ち上げました!!!」

 

 

「ライトアップ!!!」

 

 

そして、その光が撮した光景を見たドルトンや兵士達に島の人々は言葉を失い、ただただ見惚れていた・・・・・・。

 

 

 

 

 


side:チョッパー

 

 

──そんなに出て行きたきゃあたしを踏み倒して行きな!!!

 

 

(ドクトリーヌ・・・!!!)

 

 

ルフィの勧誘に折れて仲間になる事を決心し、Dr.くれはにそれを報告に行った。しかし、Dr.くれはの反応は否定的だった。

 

海賊なんてろくなモノじゃない、屍になるのがオチだ、ただのトナカイが海に出るなんて聞いた事ないと言われたチョッパーはめげる事なく自身の覚悟を告げた。

 

しかしそれがDr.くれはの怒りに触れたのか、大量の包丁を投げつけて追って来た。

 

いきなりの事にチョッパーは逃げ回り、咄嗟に持ち出したソリにルフィ達を乗せて逃げる様に飛び出した。

 

 

──お前なんかが海へ出て一体何が出来るっていうんだい!!!あのヤブ医者の様に幻想に生きるのかい!?

 

 

しかし、最後に聞いた敬愛する師の言葉がチョッパーの不安を更に掻き立てていた。

 

 

──これだ・・・!!!この反応を待っていた!!!30年間・・・待ち続けていた・・・・・・!!!

 

 

(ドクター!!幻想じゃないよね、あの時・・・ドクターの研究は完成してたんだろ?それとも・・・あれもウソだったの!?)

 

 

──やったぞチョッパー!!!俺の研究は成功した!!!

 

 

(そう言わないまま死んだら・・・俺が悲しむから・・・!?髑髏の旗を掲げた男に不可能はない!!!・・・もう一度言ってよドクター!!!)

 

 

ドゥン!!!ドゥン!!ドドゥン!!ドドドゥン!!!

 

 

チョッパーが今は亡き父であるDr.ヒルルクに思いを馳せる中、ドラム城の方から大砲の砲撃音が聞こえて来た。

 

 

「何だ!?」

 

 

「砲撃!?」

 

 

ペットを奪われた飼い主が激情して大砲を乱発しているのかとルフィ達は動揺した。しかし、いつまで経っても砲弾は自分達に届く事はなく、メリー号まで後50mの所で城から強烈なサーチライトが照らされ、輝く光景にルフィ達は息を飲んだ。

 

 

あるヤブ医者が遺した信念の光に・・・。

 

 

「ウオオオオオオオ!!ウオオオオオオオ!!」

 

 

「すげェ・・・」

 

 

「あぁ・・・」

 

 

「綺麗・・・・・・」

 

 

「ハハハッ!!!まさに絶景・・・これが本当のベストマッチか!!!!」

 

 

「(ドクター・・・・・・ドクトリーヌ・・・・・・)ウオオオオオオオ!!ウオオオオオオオ!!!」

 

 

──これが俺の30年をかけて出した答えさ!!!

 

 

チョッパーが滂沱の涙を流して歓喜の声を上げて叫んでいた頃、美しい光景を生み出したドラム城にいるドルトンもその美しさに見とれていた。

 

 

「なんという幻想的な・・・」

 

 

「ヒッヒッヒッヒッ・・・バカの考える事は理解できないよ・・・」

 

 

───いいか・・・!!この赤い塵はな、ただの塵じゃねェ!!───こいつはな、大気中の白い雪に付着して・・・そりゃあもう鮮やかなピンク色の雪を降らせるのさ!!!

 

 

Dr.くれはが受け継いで量産し、大砲で空にばら蒔いた赤い塵がライトアップの光で夜空いっぱいに輝くピンク色の雪がドラム城から鮮やかに吹雪いていた。

 

そのピンク色に輝く雪とドラム城のあるドラムロックが桜の様にマッチしていた。

 

この日・・・雪しか降る事しかなかった真冬の島に1人のヤブ医者が残した医学が〝奇跡の桜〟を咲かした。

 

 

「さァ・・・行っといで。バカ息子・・・」

 

 

大きな一歩を歩みだした家族を押し出すようにDr.くれはは呟き、桜は見送る様に堂々と咲き誇る。

 

 

〖後に───語り継がれる〝ヒルルクの桜〟はまだ名の無きその国の自由を告げる声となって夜を舞う〗

 

〖ちょうどこの国でおかしな国旗を掲げる国が誕生するのはもう少し後の話───〗

 

 

 

 

 


side:メリー号

 

 

様々なトラブルに巻き込まれながらも新たな仲間、『〝船医〟トニートニー・チョッパー』を迎えた〝麦わらの一味〟は今───

 

 

「アッハッハッハッハッハ!!!」

 

 

「めでてーめでてーッ!!!月が出てるし桜が咲いたぞ!!!」

 

 

───ドタバタと騒がしい宴に興じていた。

 

 

「チョッパーコノヤロー!!何時までそこでボーッとしてんだ!!飲め!!こっち来て飲め!!!」

 

 

「準備出来たか、相棒!?」

 

 

「こっちはOKだ、ジョニー!!」

 

 

「「せーのっクゥーーンッ!!!」」

 

 

「「「ギャハハハハハッ!!!」」」

 

 

「いや、しかしいい夜桜だったぜ!!まさかこんな雪国で見れちまうとはな!!!」

 

 

「全くだ、こんな時に飲まねェ飲んで嘘だな!!」

 

 

「オラァー!!酒の追加じゃァーーッ!!!」

 

 

島を出る際に見た、美しすぎる光景を肴にして仲の悪いゾロとサンジが酒を注ぎ合い、ジョニーとヨサクは鼻割り箸を披露して笑わせ、ミキータは赤い顔をしながら酒の追加を持って来たりとどんどん騒がしくなっていた。

 

 

「・・・お前の恩人って凄い奴だったんだな、チョッパー」

 

 

そこでマカハゼは名残惜しそうに島の方を見つめて黄昏れるチョッパーの元に腰をかけ、声をかけた。

 

 

「医者としては凡人以下だったみてェだが・・・科学者としてはトライ&エラーの精神(ハート)を持った最高のドクターだった・・・1度でもいいから会って話したかったよ」

 

「あの〝桜〟をキッカケにお前の恩人は歴史に名を残すのは確実だ・・・今後あの島でDr.ヒルルクの存在は心に残り続けるぜ」

 

 

今まで誰も見た事のない、〝冬に咲く桜〟という素晴らしい景色を生み出した偉大なるヤブ医者。

 

知識や技術がない0の状態から経験や失敗を繰り返しながら学び、それに加え誰かの為になりたいという諦めない根性。

 

自身を含め、Dr.ヒルルクの様な志を持った科学者が世界中に一体どれだけいるだろうか?それを考えれば世界は惜しい人物を失ったと言えるのは確かだ。

 

マカハゼの心からの賞賛を聞いたチョッパーは恩人が讃えられた事が自分が褒められた事以上に嬉しかったのか、少しくすぐったい様に笑った。

 

しかし、チョッパーは何がに気づいたようにハッとした顔になって慌てた。

 

 

「∑あ・・・・・・しまった!!俺慌てて飛び出して来たから医療道具を忘れてきたッ!!!」

 

 

「・・・・・・じゃこれは?ソリに乗ってたけど・・・」

 

 

医療道具を忘れたと慌てるチョッパーにナミが?を浮かべながら帽子と同じマークが入ったリュックを見せた。

 

 

「俺のリュック!!何で・・・!?」

 

 

「何でって・・・あなたが自分で旅の支度をしてたんじゃないの?」

 

 

「・・・・・・・・・」

 

 

ルフィの勧誘の後、Dr.くれはに直接決意を伝えに行ったチョッパーは旅の支度なんて全くしていなかった。

 

それが目の前にある事に戸惑いつつ、唯一の心当たりにチョッパーやナミとハニークイーンは思い至った。

 

 

「・・・・・・・・・ドクトリーヌか・・・結局あんたの事全部見透かされちゃってた訳だ」

 

 

「素敵な人ね・・・」

 

 

「“親思う心に勝る親心”・・・愛されてるな、お前・・・・・・」

 

 

「・・・・・・」ジ~~ン

 

 

最後の最後まで面倒を見てくれた恩師の優しさに、チョッパーは胸の奥が熱くなってくるのを感じた。

 

ナミとハニークイーンも見えない所で深い愛を見せたDr.くれはを思い浮かべて微笑み、マカハゼは親の愛を示すことわざを口にしつつ、羨ましそうに眺めた。

 

そんなしんみりとした空気が少し周りに流れていたが、それを台無しにする騒がしい声が響き出した。

 

 

「アッハッハッハッハッハッ!!!」×3

 

 

うぃヒョッハー、おええおやうあ!!(おいチョッパー、お前もやるか)

 

 

「|ひょうやひょうや、ふぉまへふぉひゃれッふぃんひぃり《そうだそうだ、お前もやれッ新入り》!!!」

 

 

ひゃのしぃぞ、こんひゃろー(楽しいぞ、コンニャロー)!!!」

 

 

「「∑うっさい、お前ら!!!」」(   º⊿º ) 

 

 

鼻割り箸芸を披露していたジョニーとヨサクにルフィが加わり、ザルを持ちながらドタバタと走り回ってチョッパーを誘うバカ3人にナミとハニークイーンが怒鳴り、マカハゼも思わず呆れる。

 

 

「全く・・・少しくらい空気を読んでやるのが───∑イヤやるんかい!!?ガビーンッ!!!

 

 

あまりの空気の読まなさにマカハゼはチョッパーに申し訳なさそうに目を向けるも、本人はルフィ達を真似て鼻に割り箸を挟み出したのを見て、マカハゼは思わずツッコミを入れた。

 

 

ピリリリ〜〜ッ!!!

「よーーし、てめェらみんな注目ーーっ!!!」

 

 

そうやって宴がさらにヒートアップしたその時、ウソップが笛を鳴らして視線を集めた。

 

ほぼ全員が酒でよっている事で聞いてないも同然だったが、盛り上げ役を進んで受けたウソップは構わず続けた。

 

 

「えー、ここで俺達の新しい仲間〝船医〟トニートニ・ーチョッパーの乗船を祝し───」

 

 

「カルー、あなた飲みすぎよ!!」

 

 

「クエェーーッ!!」

 

 

「おい、クソコック。もっとツマミを持ってこい」

 

 

「おォ!!?てめェ今何つった!?俺をアゴで使うとはいい度胸だ!!」

 

 

「∑いちいちケンカすなァっ!!!」

 

 

「ほらほら〜、どんどん飲みなさいよ〜〜ッ」ヒック

 

 

「お前酔いすぎだぞ、ミキータ!!?」

 

 

「サンジ、恐竜の肉もうねェのかッ!!?いっぱい積んだだ!?ろ」

 

 

「∑あんたが全部食べちゃったんでしょうが!!!」

 

 

「ルフィの兄貴ィ!!俺達の肉も食ったでしょ!?」

 

 

「チクショーやられたァーーッ!!!」

 

 

「ルフィを前に油断したお前らが悪いww」

 

 

「あ───改めて乾杯をしたいと思う!!」

 

 

ワイワイドンチャンドンチャンギャーギャーと、小さい海賊船は船員達の笑いや歓喜、更に騒音が愉快なリズムになって周囲に響いていた。

 

生まれた時から親に捨てられ、群れに捨てられ、化け物と呼ばれ、孤独に生きてきたトナカイ。そんなトナカイにとって、見た事も感じた事も無い感覚だった。

 

 

「俺さ・・・・・・」

 

 

「?」

 

 

「こんなに楽しいの、初めてだ!!」

 

 

一人ぼっちで生きてきた化け物は───自分を受け入れてくれた仲間達と共に、満面の笑顔で喜んだ。

 

 

「新しい仲間に!!乾杯だァア!!!」

 

 

「カンパーーーーイ!!!!」×15

 

 

ガシャァアン!!!

 

 

〖船は今───最高速度で砂の王国アラバスタを目指している。〗

 

 

 

 

 


side:とある島

 

 

「時は・・・近い・・・」

 

 

真夜中の島の森の中にある〝海軍道場〟と呼ばれる場所で玉座の様な椅子に腰掛ける褐色の男がいた。

 

その男は背中に背負っていた長剣を抜いて掲げた。その掲げられた長剣の刀身に今日な紋様が描かれており、その紋様は薄緑色に光っていた。

 

その薄緑色の光が長剣の持ち主である男の目にも宿り、その様子はまるでホラーを思わせる程だった。

 

褐色の男は暫く掲げていた長剣を鞘に収め、懐から古い短刀を取り出した。その短刀の柄の部分には〝ZORO〟と彫られていた。

 

 

「俺達の再会も遠くないだろう・・・お前もそう思うだろ、ゾロ?」

 

 

 

 

 

~END~

 

 

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