羅生門と蜘蛛の糸をクロスさせて、オリ展開を混ぜました。
時は平安。
飢饉や辻風等、最近は天変地異続きで、ほとんどの人は衣食住の3つ全てに困ってる状態だ。金銀宝石類の装飾品は大暴落、3年前まで必死で手に入れようとしていたものが、今では道端に瓦礫や人のクソと混ざって落ちている様は空腹の虚しさに拍車をかける。雨が降っている現在、都を囲む羅城門には僕以外の人は見えない。常ならば、市女笠や揉烏帽子の2、3個雨宿りのため、目に写りそうではあるが、末世たる今日、精々がキリギリスの丹塗りの剥げた柱に止まっている姿くらいのものだ。とは言っても、手入れのされなくなったこの羅城門、狐狸や盗人が潜むには適する場所で、隠れている彼らを想像するには難くない。
門の上に棄てられた屍肉を喰い漁ろうと、カラスの黒い影が橙色の西陽に胡麻を撒いたかの如く数羽見えるはずだが、今日は刻限が遅いためか、1羽も見受けられない。
そんな羅城門の苔の生えた石段の一番上で雨が止むのを待っている下人が僕、
つい先日まで、低賃金で一日を乗り切るのが精一杯とはいえ、一応は下働きに雇ってもらえていたものの、主の余裕が無くなってきたことで、ついに首を切られ、下宿先も追い出された。だが、このご時世では職に就けてただけでも幸運な方である。
そんな平和ボケした僕は、これからどうしようか、などと呑気なことを、頬の大きなニキビを弄りながら考えている。先程、雨が止むのを待っていると述べたが、実は止んだところで行くあても、すべきことも思い至っておらず、全くもって、末世という自覚も、生存の覚悟も持ち合わせていない。
もちろん、こんな世の中を生き残るためには、手段を選ばず、盗みでも殺しでもする必要はあるのだが、臆病な僕にそんなことをする度胸もなく、結果、途方に暮れていた。言うなれば、どうしようも無いことを、どうにかしようとして、頭を悩ませていた。
しばらく頭を抱えていると、毎日、その日を生き延びる方法をその日に考えて実行すれば、死ぬことは無いのではないか、と思いついた。行き当たりばったりな生活となるだろうが、マァ仕方ない。
結局、その臆病さゆえ、今すぐ悪事を働くことをやめ、先延ばしにする。ともかく、差し当って考えるべきは、今夜の寝床である。羅城門の上で寝ることも、出来なくはないが、死体に囲まれて寝るなんて真っ平御免だ。同様の理由で門の下で寝ることも避けたいため、ここから移動する必要がある。しかし、生憎雨はまだ降り続いているので、止むのを待つしかない。ある程度、方針が決まったことで(問題からの逃避とも言う)、少しは心の持ち様も変わったけれど。
そのような感じで、余裕が出来たからか、途端に夕冷めを感じて、大きなくしゃみをひとつすると山吹色の肌着の上に着た、紺の上着に首を縮める。片手はニキビを弄りながら。
すると、突然頭上でガタッ!と物音がする。びっくりして、指に力が入り、ニキビが潰れた。中の白い脂を山吹色の肌着で拭く。門の上には死体しかないはずである。ということはその死体が......と僕は考え、背筋に冷たいものか走る。しかし、冷静になると、誰か自分と同じような状況の者がいるのだろうと、思い至り、安堵に包まれる。よし、どうせ向こうもひまをしているだろう、少し話してみよう。
僕は聖柄の太刀が鞘走らないよう気をつけつつ、梯子にわら草履を履いた足をかけるが、上には死体が転がってることを思い出し少し躊躇う。マァ、どうせ慣れなければいけない、致し方なし、と諦めをつけ、ひょいひょいと登ると、そこではともされた火がゆらゆらと揺れていた。屍骸は男女とも、幾つあるかも分からない。酷い腐臭が僕を襲う。思わず鼻をつまんで、眉間にシワを寄せる。
「やあ、どうしたんだい?」
背後から声をかけられ、ビクッと振り向くとそこには人がいた。女性にも、髪を伸ばした男性にもみえ、薄い光によってぼんやりとしか顔が見えないが、声も合わせて判断すると、やはり若いのだろう。ハッキリとは分からないがかなりの美形であると見える。まったくこんな所は似合わず、宮廷こそふさわしい雰囲気だが、服はボロ布で、肌も汚れてくすんで見える。しかし、そんな状態でも隠せない神々しさが存在する。そこまで観察してやっと気づいた。この人のしている異常な行動に。
丁寧な、親が子の毛繕いするような手つきで、そこに転がっている女の死体の髪を抜いているのだ。穏やかな浮かべながら。
恐怖が、僕を襲う。
泥人形のような死体に囲まれている状況も相まって、目の前のヒトが、その神秘性が、一転、怪異的なモノにしか見えない。吐き気を催しながら、僕は硬直していた。
「無視するのかい?悲しいなぁ。せっかく会ったんだから、こんな場所でも、否、こんな場所だからこそ喜ぼうよ。ほら、震えてないで、こっち来なよ。」
恐怖から、彼(便宜上そう呼ぶことにする)の言うことに従う。腰が抜けかけて、転びそうになりながら、何とか彼の近くへ辿り着く。
「君、名前はなんて言うの?」
手を止めずに彼が問う。
「......
「へぇ、犯罪者みたいな名前だね。さっき下で頭抱えて悩んでたでしょ?何を考えてたの?」
言葉を交わしたことで、少しづつ落ち着いてきた。というか、犯罪者みたいな名前ってなんだよ、こんな人畜無害な人間を捕まえてよく言うもんだ。それに、自分は名乗らないのかよ。
「職を失ったばかりで、これからどうしようかと考えてました。」
「うん、だいたい予想ついてた。服がやけに綺麗な状態だったしね。そんな状態だと、ここだとすぐ襲われるよ。よかったね、運良く襲われてなくて。」
と少し嘲笑うような調子で言う彼。
「それで?大方、悪事に手を染める勇気もなくて逃げたんでしょ?意気地なさそうだもんね。」
「はい、その通りです......」
腹立たしいが、事実だし、恐怖によって何も言い返せない。
「じゃあ、私に飼われない?衣食住は保証するよ。もちろん、君にも働いてもらう。家の管理と、あと、私の遊び相手。このままここにいてもすぐ死ぬよ。疫病も流行るだろうし。」
ムカつくが彼の言う通りだ。人に殺されるか、餓死か病かは分からないが、ひと月と持たずに私は死ぬだろう。それならば、むしろ彼の言っている待遇は破格のものだ。こんな時に衣食住の保証なんて、余程身分が高くないと、それこそ貴族じゃないと出来ない。というか、それならなんで彼はこんなところでぼの布に身を包み、死体の髪を抜いたりなんかしているのだろうか。
「ああ、私は実は結構身分高くてね。人の髪の毛を集めるのが趣味なんだけど、たまにはこういう所で探してみるのもいいかと思ったんだ。ほら、自分の目で探さないと欲しいものを見つけられないかもだろ?そんなわけで、自ら出張ってきたんだ。」
高貴な身分には趣味の変わったお方が多いとは誠らしい。僕を恐怖させた狂行は趣味だと仰せになる。ふざけろ。
しかし、そういうことなら理屈は通る。真実かは、話に乗ればすぐ分かる。仮に、騙されて殺されるにしても、もう長くもないだろう命だ。分の悪い賭けでもないだろう。
「そういうことでしたら、ぜひお願い致します、旦那様。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
旦那様に仕えてはや
旦那様のご住居は、何故か
誰に訪ねようとも、どのような立場か分からず、さらに性別も未だ不明と、謎が多い旦那様だが、一つだけはっきりしている事がある。
性格が悪うあらせられ、これ以上ないほど歪んでいらっしゃるのだ。
あの時遊び相手、と仰ってたが、それは旦那様の玩具になることで、遊びと称した拷問である。蹴られる殴られる鞭打ちは当たり前、爪剥ぎ、歯を折られる、指を落とされる、見たこともない醜悪な蟲を眼球に寄生させるなど、その手法は多岐にわたり、昼間の家事等で失敗などあると罰と言ってさらに過激な『遊び』となる。脱走しようとすれば、指先から1分(およそ3mm)ずつスライスされる。そして、どんな傷を負っても、気絶して起きると完治しているのだ。
1日目は反抗した。2日目に脱走を図り、3日目には絶望した。
「へぇ、まだ意識あるんだ、さっさと飛ばせばいいのに。まあ、決められた時間の前に気絶したら、明日の『遊び』が楽しくなるけどね。」
旦那様がもどってきた。穴の空いた腹から、ボタボタと何匹かの蟲が落ちる。樽の中の足は、旦那様の用意した特殊な酸で徐々に溶けていて、既に骨が剥き出しの状態だ。
「火山からの酸は案外人を溶かさないからねぇ。最近開発した溶液なんだ、これ。うん、従来のやつより溶けやすいね。さて、お腹の調子はどうかなぁ〜?」
はらわたをかき混ぜられる。そこで僕の記憶は途切れた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
旦那様の朝は早い。
僕が硬い石の上で目を覚ますと、もう既に日は昇っていた。辰の三つ(午前8時から8時半)ほどだろう。いつもどおり、昨夜の惨劇の傷痕1つ残っていない。テキパキと服を着替え、厨房に向かうと、まだ旦那様が朝食を召しあがっていないと小耳に挟む。僕がここに来てから、このようなことは1度もなかった。洗濯物を取りに行くと、旦那様は布団の上ですやすやと眠っていた。すなわち、その急所をいつでも狙える状態であった。
それに気づくと、ふつふつと、激情が沸いてくる。旦那様、否、こいつに与えられた、痛み、屈辱が思い起こされ、憎しみの火種に燃料を加える。
こいつが。こいつのせいで!!こいつさえいなければッッッ!!!!と。
棚にしまわれていた匕首を鞘から抜くと、白銀の輝きが現れる。そこには僕の怒りと、憎しみと、そして歓喜の表情が映し出されていた。
初めは、首を掻っ切ろうと考えた。しかし、それは甘い。僕はこいつにおぞましい拷問を幾度となく味あわされた。そんなこいつが一瞬で終わっていいはずがない。
脇と太腿の付け根の筋に狙いをつけ、一瞬のうちに全てを切断。痛みには寝起きる、こいつ。
まずは、指から細切れにしていく。1度刃を通す度に絶叫するのがいい気味だ。肩までおろし終わったら、次は腹に1本切れ目を入れる、そこへ手をつっこみ、ぐちゃぐちゃとかき混ぜる腸を大概へ出す。動かす度にビクンビクンと痙攣する。まぶたを切り落とすのを忘れていた。黒曜石のように住んだ目が、痛みで瞳孔が開きっぱなしだ。ついでに、形の整った鼻、ちょこんとついた愛らしい耳を削ぎ落とす。そこで、1発殴ってみた。こちらの方がイイ。ただひたすらに殴り続ける。顔も、腹の傷口も。気付いたら、周りを人に囲まれていた。こいつは血まみれで、しかし不気味な笑みを浮かべて息絶えていた。近ずいてきた男を、殴る。歓喜に体が震える。しかし、逃げるには殺さなければいけない。撲殺は手間がかかるため、匕首で首を切った。
気づけば、森の中だった。羅城門外だろう。殴った時の、そして殺した時の歓喜、高揚感を思い出す。きっと、実は俺には暴力の才があったのだろう。それが、目覚めたようだった。さて、また、あの興奮を味わいたいものだ。さて、どこで暴れよう。小さい村など手頃でちょうどいいでは無いか。足元に蜘蛛が歩いている。人だ。人でなければ痛めつけ、殺す意味が無い。蜘蛛を跨いで、俺は進んだ。
黒洞々たる夜が広がっている。
......下人の行方は、誰も知らない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ある日のことでございます。お釈迦様は極楽の蓮池のふちを、慈愛に満ちた笑顔を浮かべつつ、一人でぶらぶらお歩きになってらっしゃいました。池の中に咲いている蓮の花は、玉のように真っ白で、真ん中の金色の
極楽は丁度朝なのでございましょう。朝日が水面をきらきらと照らします。しかし、その水面下は、丁度時刻の底にあたっておりますから、三途の川や針の山で、苦しむのも疲れた罪人が時折うごめく様子がのぞき眼鏡を見るがごとく、蓮の隙間にはっきりと映し出されるのです。
お釈迦様が例のごとく、罪人をご覧になっていらっしゃると、生前からご注目なさっていた男が大きな窯の中でほかの罪人と浮かんでいるのを見つけられました。その男は
しかし、彼は悪性に目覚めた直後、一度のみではございますが、小さな蜘蛛に情けをかけたことがございまして、お釈迦様はそのこともしっかり覚えておいででした。蜘蛛を救ったのであれば、蜘蛛に救われる機会もあるだろう、とお釈迦様はお思いになり、丁度蓮の葉の上に巣を張ろうとしている蜘蛛を見つけ、その糸を蓮の隙間から、たらしてやることをお決めになられました。
ーー
俺は犍陀多。今は巨大な窯の中で何人もの罪人と熱湯風呂に興じている。あたりは真っ暗で、たまにぼんやりと見えるものがあるとすれば、それは針の山だったり、煮え立つ酸を沸かす炎であるため、その心細さといえば限りない。地獄というところでは、怪我は一瞬で治るが痛みは永続的に蓄積され、さらに発狂できないようにされるというように、うまく作られている。思えば、私があの人にいたぶられていたあの屋敷は、地獄を簡易的に顕現させていたのではないだろうか。どのような手法を用いればそのようなことができるのか、まるで想像もできないが。
生前は楽しかった。幾人もの子供を殺し、幾人もの女を犯し、幾つもの集落、村、果てには貴族一族をもいたぶり、つぶしてきた。どれだけ痛めつけても、どれだけ殺しても、その時の歓喜、高揚は鈍ることがなく、暴虐の限りを尽くすことで、常に幸福を感じていた。死因は老衰。天罰など(生前は)与えられずに、穏やかな心境でその人生を終えた。
しかし、もちろん地獄落ち。受ける苦痛は、生前の悪行に比例どころではなく、指数関数的に対応しており、数百年に一人の極悪人である俺は、無限大に近いような苦しみを与えられている。生前の拷問など比ではなく、感覚を鈍化させることも許されない。常に万全の状態で苦役に服している。
俺がこんな状況になっているのは間違いなく、奴のせいだ。奴に人生を狂わされ、はていない苦痛に耐え続けなければならないことになっている。奴もきっと同じ地獄にいるだろう。しかし、俺が誰よりも苦しんでいることは閻魔様のお墨付きである。俺の苦しみの元凶が、俺より楽な状況にあることが何より許せない。
しかしどれだけ恨んで憎んでも、それを実行に移す余裕などかけらもなく、むしろその憎しみでさらに苦しむという負の連鎖である。
そんな風に、叫び声をあげることすら疲れてできない状態で流されていると、血のようにどす黒い赤の空に、遠い天上から伸びる一本銀色の線を見つけた。その先は俺の目の前まで伸びてきて、やっと極細の糸であることを認識した。その瞬間体中を安堵が駆け巡り、俺は手を打って喜んだ。この糸に縋りついて、どこまでも登っていいけば地獄を抜け出せ、ともすれば極楽までも到達するかもしれない、もう体を貫かれることも、血の海に沈むこともない、と。
そう思うと、今までの疲れなど途端に吹き飛んだ。パッと糸を掴んで、切れないよう慎重に、しかし一心不乱によじ登ってゆく。もともと生前、このように登る機会も間々あったため、お手の物である。しかしもちろん、地獄と極楽の間には何万里という狭間があり、そうやすやすと天上が見えるわけでもない。とうとうくたびれて、ひと手繰りもできなくなったため、そこで止まって休むことにした。一生懸命登った甲斐があり、数刻前まで浮遊していた大釜も数え切れないほど体を貫かれた針山も、暗い底に隠れてぼんやりとしか見えない。しめたしめたと思うと再び登る気力も湧いてきて、そろそろ行こうかと上に手を伸ばそうとしたところであることに気付いた。糸の下の方に数限りない罪人共が、蟻の行列のごとく登ってきているのだ。この細い糸、俺一人でさえ切れそうなのに、あんな人数、保つはずがない。この糸が切れて、またもとの地獄へ真っ逆さまに転落することを幻視し、背筋に悪寒が走る。慌てるな。と暗示をしつつ、落ち着いた手付きで、自らの足元から糸を切る。下の方から怨嗟と絶望の入り混じった叫び声が聞こえ、優越感に浸る。さて、英気も癒えたことだし、上を目指そう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
どれほど登っただろうか、辺りは澄んでこの世のものとは思えないほど
到着。
ザバッと水を押しのけて、池から上がる。どうやら、極楽は夜であるらしい。地獄とは比べるのもおこがましい、柔らかな闇が身をつつみ、頬を風が撫でる。空には、それはそれは美しい満月と満天の星空が占有している。
安堵、喜び、達成感、感謝、ありとあらゆる善性の感情が際限なく湧いてきて、一晩で法隆寺を立ててしまいそうなほど、安らかな心情となる。これが、いわゆる明鏡止水の境地というものなのだろう。
「やあ、どうしたんだい?」
嘲笑の混じった、忘れさえもしない声。全身が金縛りにあったかのように、硬直する。体表のいたる所の汗腺がブワッと開き、動悸が加速し胸が痛い。なぜだ。なぜここに来てまであいつと。殺したはずだ。なんですべての元凶たるあいつがここにいるんだッッッ‼‼
「無視するのかい?悲しいなぁ。せっかく会ったんだから、こんな場所でも、否、こんな場所だからこそ喜ぼうよ。ほら、震えてないで、こっち来なよ。」
出会ったときと一言一句同じ言葉。俺の人生を狂わせた最初の言葉。
なんとか首を回す。やはり間違いではない。館に居たときよりさらに神秘性、神性がましているて、威圧感に体が潰される錯覚を起こしそうだ。瞳孔が拡大収縮を繰り返し、焦点が合わない。つい先刻まで甘受していた極楽の美しさが名状しがたいナニかに変わっていくように感じる。ここは地獄よりも地獄だ。
「久しぶりだね、そういえば自己紹介してなかったよね。私は釈迦。性別は両性又は無性。好きなものは人の不幸だよ。」
「お前は俺が殺したのに......なんで......」
「それ言ったら君も死んでるのにここにいるじゃん。マア、実は私は君に殺されてないんだけどね。あのとき、私の器に他の凡夫の魂を入れてたんだ。ほら、君に殺されるとかぶっちゃけ無いし。でも、君に殺させないと、暴力性に目覚めなかっただろうし。そうだよ、気づいた?羅城門の石段に座ったときから君の運命はすべて私が決めたんだよ。本来だったら小悪党程度で済んだんだけど、君の暴虐の才はそんなところで潰すのは惜しかったからね。想像どおり、結構楽しませてくれたよね、ありがと。」
絶望。絶望。絶望。
結局一生殺したと思ってた相手の玩具だったわけだ。それに相手が釈迦ともなればどうしようもない。これからも遊ばれて、飽きたらゴミのように捨てられるのだろう。莫大な業を背負わされて、地獄に。
「ま、もう君には飽きたから地獄で苦しんでる姿を見せて、私を興じさせてよ。じゃあね。」
気づけば池から落とされていた。もう頼みの糸もない。釈迦が笑ってる声がどんどん離れていく。あたりが血の赤に染められ......
めのまえがまっくらになった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
やがて
しかし、池の蓮は少しもそんなことに頓着いたしません。お釈迦様が蜘蛛の糸をおたらしになられたときよりも増して、芳しい香りをあたりに広げます。
極楽の柔らかな暗闇に先程までの喧騒が融けていくようでした。
はじめまして、John Doe Smithです。
まずは、ここまで読んでくれてありがとうございます。
処女作でしたので、相当拙い部分であふれかえっていたと思います。アドバイスや批評など頂けたら、とても嬉しいです。
物語を文に落としたのが今回初めてで、それにあたって短編を原作にするのが描きやすいだろうということで、幼いころより親しんできた羅生門と蜘蛛の糸をお借りしました。実は芥川龍之介の作品で読んだことがあるのこれだけという......
あ、あの、これらの作品になんか作品背景とかあったたしても全然知らないので、そういうのはだいぶ破壊してしまったと思います。これも原作破壊になるのでしょうか。
これから連載物とか書いていきたいなとは思ってますが、だいぶ先のことになると思います。もし今後upすることがあれば、読んでいただければ、もう感謝感激雨あられという、そんな感じです。
さて、このあとがきと称した駄文までも目を通していただきありがとうございました。