ポケモン世界に転生したと思ったらミカンちゃんだったのでジムリーダーになることにした。【完結】 作:木入香
それが何故か7,000文字を越えてしまい、自身で驚いています。
読者の皆様の中に、文量がある方が良いという人がいらっしゃったら申し訳ないですが、私はコンパクトな小説が書きたいですw
ということで、セキエイ高原を出た所からの2人です。どうぞ。
現在私は、ゴールドさんが
「クソッ、見失った! どっち行きゃ良いんだ!」
「大丈夫です。一旦ここで
「良いのか?」
「はい。場所は
セキエイ高原のポケモンリーグ会場から走り続けて、バクフーンも疲れているでしょうから、ここでワンクッション置きましょう。それに、見失ったのなら丁度良いです。今度は私の
「アイツ、一体どこへ行くつもりだ?」
「これを見て下さい」
「あ?」
私はポケギアの画面を彼へ見せます。
「これは?」
「あの秘伝書には
「”ウバメの森”?」
「聞き覚えありますか?」
「あぁ、アイツと最初に会ったのもソコだった」
「そうですか。あそこには何かあるんですね」
「多分だけどな」
あそこには
「では、行きましょうか。次は私のエアームドで行きます。空を飛んだ方が速いですからね」
「分かった。ありがとよ
交代で私が
私が首の付け根に跨がり、その後ろにゴールドさんが乗ります。
「速度を出しますので振り落とされないよう、私の腰に手を回して下さい」
「おう、分かった」
しっかりゴールドさんが私の背中に密着して、自身の両手を
それにしても彼、女性の身体に触れることを
いやいやいやいや。これでも私、花の女子高生、JKですよ? 一般トレーナーで登場したらミニスカートって呼ばれる部類ですよ? 通信教育でかつ制服のない高校ですので、ミニスカートって言えないですが……
ですが、確かに
って、そんなこと考えている場合じゃないです! 今も仮面さんと戦う為に移動しているんですから、集中しなければなりません。
ポケギアで対象の位置を確認しながら、更に速度を上げます。
「うお、はえぇ!」
「振り落とされないよう気を付けて下さい! それと、もう後数分で到着します! 心構えしておいて下さい!」
風圧で声が聞き取りづらくなることを
「分かりました! 場所はウバメの森! ……いえ、その手前です!」
「手前っ?」
「
「だったら!」
「はい! それを
そしてしばらく飛ぶと……見つけました! ポケスペ本編通りに、ホウオウとルギアはウバメの森の防衛戦に回ったようですね。今は仮面さん1人。まぁその1人がとてつもなく高い壁なのですが……弱気になってはいけません。やってみせます!
「降下!」
少し離れた位置へ降り立ち、それぞれ手持ちのポケモンを出して走り出します。
場所はウバメの森が見渡せる少し高台になっている草原。多少岩肌が剥き出しになっていて荒れているように見えますが、すぐ近くに川が流れていますから、その周辺は草木で
相手は、まだこちらには気付いていない様子です。というか、自身の世界に
『月の満ち欠けの周期に
「デッケー独り言
『貴様らは!』
「私達が先に間に合いましたね」
こちらへ振り返り、一瞬の
それにしても、その姿はとても人間のものとは思えません。黒いマントで多くを隠されていますが、風でなびいてチラチラ見えるそれは、腰から下がなく、右腕がなく、そしてお腹に大きな穴が
漫画で見た時より、実際に見るとやはりあれが人間の身体でないと知っていても気持ち悪いですね。
『タフな奴らだ』
溜め息を
『そこのガキは、かつてこのウバメの森で
そこで一呼吸置いて、また話始めます。
『それでも
「だったら、耳の穴かっぽじって、よーく聞きやがれ! オレはワカバタウンのゴールド様だぜ!」
「あなたの悪行も、ここまでです!」
「その身体でどうして動けるのかは知らねぇし、どうでも良いが!」
「というか気持ち悪いです!」
「テメェを!」
「あなたを!」
「「ここで
ゴールドさんはまず2匹を選んで前に出します。まだ、ゴールドさんの実力では、多数戦は2匹までが限界のはずです。同時に複数のポケモンへ注意を向けつつ、的確に指示を出さなければなりません。そうなると、手数で負けてしまうかもしれませんが、そこを私がカバーします。
「気合いで行くぞ!
「援護します!
『邪魔を! するな!』
すると、ない右腕を
「千切れた右腕が生えただと!」
「違います! よく見て下さい!」
「あれは……!」
完成された右腕を見ると、文字通り透き通って反対側の景色が見える、ほぼ透明な腕となっていました。
「氷の身体か!」
『そうだ! 空気中から水分を取り出して
「その割には、お腹は空いたままなのですね」
『減らず口を!』
怒りに任せてこちらへ腕を伸ばしてきます。
「ミカン!」
「大丈夫です!」
来ると分かっているなら、この距離なら避けられます。
「
『デリバード、【こおりのいぶき】!』
良し。デリバードの注意がこちらに逸れました!
「今だ!」
『何っ! いつの間に!』
私が
「にっしっし、
『まさか!』
「そうだぜ! 仲間とタッチすることで、その仲間の技の効果を引き継ぐ【バトンタッチ】だ! 【こうそくいどう】で上がった
『
「そう何度もやらせるかよ!
「
『ならば! うぉぉおおおお!』
仮面さんが後手に回り始めますが、まだ諦めていないのか、今度は下半身に空気中の水分を集めて凍らせ、脚を作っていきます。しかし、そこもゴールドさんの作戦内です。私は相手のデリバードとムチュールを
「そう来るだろうと思ったぜ!
『む! あれは、巨大な太陽! いや、違う!』
「オレだって、
すると【にほんばれ】によって更に上昇した炎の温度が、仮面さんの身体が出来上がるよりも先に溶かしていきます。
『なぁああ! 追い付かない! 我が身体を! 氷を補強するよりも速く! 身体が溶ける!』
「どうだぁ! ミカンがデリバードを
そして、ゴールドさんが常に持ち歩いていているビリヤードで使われる棒状の道具、キューを突き出します。
「これが、オレの、オレ達の! 全員攻撃だ! 1人1人、1匹1匹が大事な仲間で、相棒達だ! ポケモンを道具呼ばわりするテメェには、わかんねぇだろうがよ! さぁ、正体を
すると、ずっと顔を隠してきた仮面さんの仮面が破壊され、その素顔が
それを見て私は、知っていたとはいえ
「やっぱり……」
「て、テメェは!」
私の呟きが相手にも届いていたのか、その人物は私へ視線を投げます。
「ほぅ、気付いていたのか。
仮面が破壊されたことで、ボイスチェンジャーも壊れてしまったのでしょう。歳を取った男性の声で返されます。
「そうであって欲しくないと、ずっと思っていました」
「だが、現実だ」
「テメェは! チョウジのジムリーダー……ヤナギ!」
そう。ポケスペ本編にて、ロケット団残党を指揮していた
氷で出来た身体に自身の車椅子をはめ込み、そこに座っています。
「そうだ。改めて、初めましてかな?」
「ふざけんじゃネェ! それと動くなよ?」
彼は油断せずに、正体を現したヤナギさんの眼前へキューを突き付けます。
「なるほどな……手足が伸び縮みして、身体付きが変わる。身体に穴が空いていても動き続けるカラクリ。そういうことだったのか……時間を支配して何をしようとしてんのかは知らねぇし興味もねぇが、どうせ碌でもねぇことに決まっている! だから好きにはさせねぇぜ、覚悟しやがれ!」
ですが、ゴールドさんはヤナギさんへ注意を向け過ぎました。常に突破口を探っているヤナギさんが、氷を操って左腕を地面へと突き刺したと思ったら……
「ゴールドさん!」
「何!」
川を移動していた2匹のピカチュウと、その内の1匹が抱えていたタマゴを、
知っていましたが、私はデリバードとムチュールの対処で手が回らず、そちらまで防ぐことが出来ませんでした。
「ヤロゥ! 関係ないポケモンにまで!」
「
「フフフ、キューを捨てろ!」
その要求に、
「それで良い!」
そう言ってヤナギさんはピカチュウを離し、今度はゴールドさんへ腕を伸ばしました。
「
「むぅ!」
「ゴールドさんは、その2匹とタマゴを守って下さい!」
「お、おぅ! 分かったぜ!」
「まだ邪魔をするか。仕方ない。ならば、こうだ!」
するとヤナギさんは2つのモンスターボールを投げました。まだ手持ちがいるのですか。
出て来たポケモンは、それぞれタマザラシと、そしてユキカブリでした。
その瞬間、上空の天候がいきなり崩れ、急激に気温が低下します。そして、氷の
「寒っ! 何だ突然!」
「ユキカブリの特性【ゆきふらし】です! 天候を
そして、あのタマザラシは恐らくですが【アイスボディ】ですね。霰の時にその氷を取り込むことで少しずつ体力を回復していくこの天候では厄介な特性です。
ですが、天候を書き換えてしまえば意味がありません!
「
しかし、霰を降らす黒い雲が雨雲へと変わることはなく、そのまま冷やされた
「そんな! いいえ、まだです!
「こっちもだ!
しかし、風が吹いて砂が舞えどもすぐに消え、キマワリの輝きと熱もすぐに暗雲に飲み込まれてしまいました。
「書き換えられない!」
「何だコレは!」
「ククク、天候操作の時間や強さ、そして、優先度はそのポケモンの練度に
「そんな……」
「終わりだ! タマザラシ、【ふぶき】!」
「「っ!」」
霰の中での【ふぶき】は必中技です! しかも敵全体へダメージを与えると同時に相手を凍らせることが出来ます!
あのヤナギさんのポケモンです。その威力は察するに余りあります。
「
「ゴールドさん!」
全体攻撃を1度だけ無効化する【ワイドガード】! しかし、練度の差で完全に防ぐことは
「オレだって、ミカンに助けられてばかりじゃねぇ! オレにだって出来ることはある!」
「悪あがきだ! ムチュール、【うたう】! ユキカブリ、【くさぶえ】」
「
相手を眠らせて戦力を
「
その言葉通り、今度は完全に
「ちっ、デリバード、【オーロラベール】!」
また厄介な技を使ってきましたね。【オーロラベール】、天候が霰の時にのみ使える技で、その代わりに味方を薄い虹色の光の
防御を固めたということは、次は攻撃。それもかなりの威力のある技で
「タマザラシ、【ぜったいれいど】! 【じわれ】!」
「っ!
それはマズいです! 急いで
「【アイアンテール】!」
「何っ!」
触れるもの全てを凍らせ眠らせる空気を放つ【ぜったいれいど】と、地を割り地に足を付けるもの全てを引きずり込む【じわれ】。しかし、私の
質量と硬さ、そして速さを持つ彼の突撃は、それらの障害をものともせず、そのまま2つの攻撃を突き破ってヤナギさんの眼前へと
「タマザラシ、【なきごえ】! ユキカブリ、【ウッドハンマー】!」
ですが、相手もすぐに立て直してきました。
相手を一瞬だけ
確かに威力はあります。しかし完全に
「今のは危なかったな。ものすごい威力だ。まるで【オーロラベール】が意味を成していない。やはり、私の1番の障害は貴様のようだな。ボール作成に集中出来ない」
「させないようにしていますからね」
戦闘不能には出来ませんでしたが、何とかユキカブリを【アイアンテール】で大きくダメージを与えて、戦列から外すことに成功しました。
また、戦っているのは私だけではありません。ゴールドさんもタマゴを守りながら偶々巻き込まれた2匹のピカチュウと連携して、ムチュールと戦っています。2匹の内、1匹はレッドさんの、もう1匹もイエローさんのピカチュウですから、そのポテンシャルの高さで指示されずとも
「生意気な……だが、終わりだ。ボールは今、完成した!」
「くっ!」
相手がボール作りに集中出来ないように、常にこちらに注意を向けさせることで妨害してきましたが、それでも、戦闘をこなしつつ完成まで
すると、ボールの完成と同時にヤナギさんの頭上の空間に
「フハハハハ! 成功だ! 私は! 私はこれから別の時間で生きる! さらばだ!」
そう言い残した彼は、膝に置いたウリムーを除いた他のポケモン達を置いて、
私とゴールドさんは、その様子をただ呆然と
エンディングはある程度決まっていますので、それに向かわせる為に、ほぼ原作に近い流れで進行しています。
ミカンちゃんという存在によって原作ブレイクが起こりうるので、それに合わせて敵を更に強化することで対応。もうどうするのですかコレ。
ヤナギは3匹でミカンちゃんの6匹のポケモンと戦っていますよ。まぁゴールドは、6匹+αで1匹と戦っていますが……
あくまでミカンちゃんの視点で物語が進行していますので、その他の場面はありません。ですので他者がどのような状態なのかは分かりません。
一人称視点で物語を書く場合は、あくまでその物語の主人公のみの視点で書くのがポリシーです。
多数の視点を取り入れるなら、三人称がありますからね。
そういえば、ポケモントレーナーの手持ちは6匹が原則ですが、それに則るならばポケスペ本編のヤナギの手持ちは……ウリムー、デリバード、ホウオウ、ルギア、ゴース、ラプラスの6匹ということになるんですかね? ちょっとバランス悪すぎませんかね?
本作は、ホウオウ、ルギア、ゴースは別枠で、それとは別で6匹編成組みましたので、数が合わないのは仕様です。