突然だが、みんなは炬燵は好きだろうか?
勿論俺は好きだ。
もう中毒というか抜けられない罠と言いますか……兎に角厄介な代物だよね。
だって冬になって炬燵を出すと高確率でみんな集まってくるんだもの。
それはうちも同じようで、今年はちょっと賑やかな集まり。
「う〜、寒っ」
朝からこの調子でようやく炬燵を出す事に成功した俺は軽い勉強道具とココアを持って炬燵に入る。
……やっぱ温いわぁ。この気持ちみんなもわかるだろ?
だが、少しばかり足に違和感がある。
なんと言えば良いのか……例えるなら何かが足に擦り寄ってくる感じというかしがみ付いていると言うか。
試しに俺は布を捲ってみる事にした。
するとそこには俺の足の周りを囲むようにして我が家の猫達が丸まっていた。
この時俺は初めて『猫は炬燵で丸くなる』を目の当たりにした。
「さっきから見かけなかったのはここに居たからか……」
そう、炬燵を準備してスイッチを入れた辺りからいつもしがみ付いたりなんだりしている猫(主に蘭と友希那)が、居ないと思ったらスイッチを入れた時に中に入っていったのか。
流石に寒いとくっ付くより暖かい方を優先するのか……まぁ、俺もそうなんだけど。
今日は休日、とことん勉強しようとは思うが炬燵の睡魔には勝てる気がしない。
「でもまぁ、やりますかね」
俺は教科書などもろもろを開いて勉強を始めた。
あれから二時間程経過した。
流石に炬燵に入って暖かい空間にいるとは言え腹は減る。こうなれば炬燵から出てカップ麺を食べるしか飢えを凌ぐ方法はない!
そうとなれば俺はそそくさとテーブルの上を片付ける。
片付けてると何やら足を引っ張られる感じになったので、炬燵の中を覗く。
すると、足の感じが何なのか直ぐにわかった。
蘭達だ。
この目は恐らく自分達のご飯も持って来いと言った感じの目だろう。
「はぁ……分かった分かった持ってくる。持ってくれば良いんだろ」
それを聞いた瞬間全員の顔がパァっと明るくなった。……守りたいこの笑顔。と、こんな感じで俺はあっさりと蘭達の笑顔に負けて俺+蘭達の分の飯を持ってくる事になった。
ただ今俺は寒い廊下を歩いております。
一般の家庭であれば床暖を使うのだが、俺の場合は節電を心がけて居るので出来れば使いたくないのが本心だが今年は蘭達が居るからどうしようかと悩む所。
「……」
「ミャー」
突然足元から声が聞こえた。
ゆっくり下を見てみるとそこには蘭が居た。
わざわざついて来てくれたのだろうか。
流石にこのまま冷たい床に居させる訳には行かないのでゆっくりと抱き上げる。
「ミャ〜」
「別にわざわざ冷たい床を歩いてまでついてこなくても良いんだぞ?」
すると蘭は別に平気だよと言っているかの様に「ミャ〜」と鳴いた。
俺と蘭は台所に着きひとまずカップ麺は後にして蘭達のご飯を作る。
因みに茹でた刺身だ。
これならカップ麺を待つ時間も出来るし一石二鳥という奴だ。
「……よし、こんなもんか」
ピピピピッ
「お?丁度か。ほら蘭、行くぞ」
「ミャ」
蘭達のご飯を作り終えそれと同時に俺の飯も出来た。やったぜ。
部屋に戻ると蘭以外の全員がきちんとお座りをして待っていたので「ゆっくり食べるんだぞ」と言ってご飯を渡した。
全員美味しそうに食べるので此方もお腹が空いて来た。
「そろそろ俺も食べよ」
こうして美味しく昼食を取った後みんなで仲良く睡眠をしましたとさ。
因みに後日床暖を付けたにも関わらず猫達は炬燵に居座っていたので驚いた。
恐るべし『猫は炬燵で丸くなる』
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