我が家の五匹の小ちゃな家族   作:猫又侍

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今回で最終話ですが最後にアンケートがありますので宜しくお願いします

恐らくTwitterでも大事な発表があるかも知れませんね( ͡° ͜ʖ ͡°)


我が家の五匹の小ちゃな家族

黒服の人達から真実を突きつけられて一週間。

 

そろそろ受験本番に差し掛かり、高校や中学の三年生は忙しなく机に向かって淡々と勉強をしなければならない。

 

それに引き換え俺は机に向かう事はなくベッドに横たわり天井を眺めているだけ。

 

少し前まで騒がしかった家の中はあいつらと出会う前の様な静かな空間になっている。

 

そして、俺の胸にもポッカリと穴が開いた気分になってしまっている。

 

「……腹減ったな」

 

一度でも何かの暖かさに触れてしまえば、その沼にはまってしまう。

 

一人でいる事には慣れているはずなのに、一人でいることがおかしい事に思えて来てしまう。

 

下に降りてリビングに向かい、冷蔵庫を開けると猫缶が冷蔵庫の一角を占領している。

 

全く、我ながら未練がましいとさえ思えて来るほどみすぼらしくなったものだ。

 

「そろそろ捨てなきゃな」

 

俺は適当な食材を取り出して料理を始める。

 

いつもと同じ動作を繰り返しているはずなのに、何故か動きがぎこちなく感じられる。

 

そのおぼつかない動作で作ったのはオムライス。

 

無性に食べたくなったとかそういう事ではないがなんとなく出来た。

 

そして慣れた手付きで猫用の皿にキャットフードを……乗せるのをやめ、作った料理をテーブルの上に置く。

 

「今日で八回目……全く、慣れって怖いな」

 

毎度毎度気をつけようと、忘れられない記憶がその動作をさせる。

 

全く……

 

「惨めだな、俺って」

 

こんなに憂鬱になっても仕方ないと思い、俺はいつもの服を着て街を歩く事にした。

 

今回は後ろに頼れるお供は居ない。

 

だから今日、けじめをつけに行く。

 

みんなと会ったあの公園に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「寒いな」

 

久し振りに来た公園はいつも以上に寒かった。

いや、温め役が居ないからかと心の中で軽いツッコミを入れる。

 

しかし、この寒さは案外悪くないかも知れない。

 

 

公園の入り口から暫く歩くと懐かしいダンボールが置いてあるベンチに来た。

 

未だダンボールの中には毛布が敷かれており、他の猫が凍えないようにという配慮なのだろう。

 

いや、そもそもこんな事するなら拾ってあげなよと思ったがこれを設置した人にも何かしらの理由があるのだろう。

 

流石に立っているのに疲れてベンチに腰を下ろす。

 

すると、スマホに珍しくLINEの通知が来る。

 

「そういや、今までは蘭達と居るから控えて貰えないかって言ってたんだっけ」

 

久し振りのメッセージはいつも学校にいる時に一緒にいる友人からのメッセージだ。

 

『なぁ、今からcircleってライブハウスに来ないか? なんだか今ガールズバンドがやばってるらしくてよ? チケット貰えたから一緒に見にいかね?』

 

と、いつもと同じ口調で送られて来たメッセージ。

 

「ガールズバンドか……」

 

スマホで調べた所、今年になってから大航海時代ならぬ"大ガールズバンド時代"が来たらしい。

なんでもつい最近までガールズバンドの中でも人気な五つのバンドのボーカル五人が行方不明になると言う事件があったらしく、今では無事発見されてバンドを再開しているらしい。

 

そして、今回のライブはその復帰ライブとか言うらしい。

 

「Poppin'partyにAfterglow、RoseliaとPastel*palletにハロー、ハッピーワールドか……」

 

恐らく……いや、十中八九蘭達だろうな。

 

黒服にはしっかり伝える様に言ったのだがそこまで信用してあるわけではないので安易に観に行くことは出来ない。

 

けど。

 

「少しは聴きたいかな」

 

そういう気持ちはあった。

 

もう会えなくても良い、あいつらはもう家の家族じゃないんだ。

 

でも、それでも歌声だけは聴いても良いよな?   

なんて思ったが矢張り躊躇してしまう。

 

でもしっかりけじめを付けるって決めたから。

 

もう目は背けない。

 

俺は友人に『分かった。直ぐに行く』とだけ伝えてスマホの地図アプリを開いてライブハウスに向かって走り始めた。

 

 

 

 

 

指定された場所に着いたは良いものの、ライブハウスの受付付近には既に誰もいない。

 

恐らく間に合わなかったのだろう。

 

友人からも『スマン』とだけ送られて来た。

 

しばし遅れてしまった様だ。

 

「……こんなんになるなら少し運動するんだったな」

 

ここは言わずもがな、ライブハウスだ。

勿論防音も完璧になっているため、僅かに聞こえる楽器の音しか聞こえない。

 

歌声は聞こえない。

 

この事実がどれだけ悔しい事か。

 

そんな悔しさを噛み締めて居ると、受付に居た胸元に『月島』と書かれた女性が話しかけて来た。

 

「君、大丈夫? 物凄く落ち込んでるみたいだけど……まさか、ライブに遅れちゃったとか?」

 

「そうなんですけど、生憎友人にチケットを貰って入る予定でしたので……チケットがない限り俺は入る気ないんで」

 

そういうと少しは不安な顔をされたが、俺が大丈夫ともう一度言うと「そう……」と言って受付に戻って行った。

 

「さて……帰るかな」

 

俺が踵を返してライブハウスを出て行こうとした時。

 

「良いのかい? そのままだとアンタ、ずっと後悔するんじゃないのかい?」

 

後ろから声を掛けられた。

 

後ろを振り向くと、言ってはなんだが大分老けた白髪の所々にピンクのメッシュの様な物を入れた老人が立っていた。

 

「……なんか用っすか?」

 

すると先程の受付の月島さんが驚いた様な表情をしてこちらに走って来た。

 

「オ、オーナー! どうしたんですか一体」

 

「いやね、ちょいとこの若造が後悔しそうな選択をしそうでね」

 

後悔しそうな選択…….ね。

 

確かに、会わないのは後悔するかも知れない。この先ずっと、後悔するかも知れない。

 

けど、それがあいつらに辛い思いをさせない選択なら俺は快く引き受けよう。

 

その覚悟はある。

 

だが、今日はけじめを付けに来たんだ。その考えは通用しない。

 

「すんません。俺、行かなきゃいけない場所があるんで」

 

「……そうかい? 後悔はしないんだろうね?」

 

とても鋭い目つきで質問される。

 

だが俺は一歩も引かない。

 

これが俺なりのけじめの付け方だから。

 

「はい」

 

「そうかい……なら行ってきな。アンタのその覚悟をわたしは信じるよ」

 

俺はその言葉を受け取るとあの公園にまた足を向けて走り出した。

 

 

 

 

 

 

あれから数分、やっとの思いで着いた公園。ライブハウスから公園の往復は流石に疲れて少し時間がかかってしまった。

 

俺は先程のベンチの付近にある、あのダンボールを道の真ん中に置いて持っていたライターで火を付ける。

 

勿論、直ぐ近くに水道があるから燃え移ったりする心配はない。

 

「……」

 

これが俺なりのけじめの付け方。

 

このダンボールを燃やす事で俺の未練は晴れる。晴れて俺は未練から解放される。

 

……筈だった。

 

直ぐ後ろに複数人の誰かが走ってくる音が聞こえて来た。

 

「やっと……見つけた!」

 

「本当に……世話の焼ける……人よね」

 

「二人とも……早過ぎ……」

 

「み、みんな……待ってよぉ」

 

「あら? わたしが最後かしら? みんな早いのね!」

 

後ろを振り向くと五人の少女達が立っていた。

初対面の筈なのに何処か懐かしく、そしてあの猫達と同じ雰囲気を醸し出して居る。

 

そして、ポスターで見たボーカルの子達だと直ぐに分かった。と、言う事はつまり……だ。

 

「本当に、あのちっこい猫なのか?」

 

『?』

 

あ、この首の傾げ方。本当にあいつらそっくり……いや、もう認めないといけないのか。

 

「本当に……あの寒い中、この公園で、ダンボールの中で震えてた……あの猫達なのか?」

 

そう質問すると全員は顔を見合わせて笑顔でこちらを向いた。

 

あぁ、矢張りそうか。

 

『はい!』

 

そうか、俺が求めてた温もりは今はこんなに近くにあるのか。

 

俺は雰囲気や髪をみて大体どの人物がどの猫だったのか分かった。

そして、一番初めに出会った猫であろう赤のメッシュを入れた少女を抱きしめる。

 

「っ!ちょっと///」

 

だいぶあたふたするが突き放す様な事はしない様なのでそのまま抱きしめる。

 

「本当に……ありがとう!」

 

「え?」

 

「あの時、俺は君に会わなきゃ今こうして感謝をする事も……孤独を感じて、人の温もりを知る事も出来なかった。そして俺の寂しさを埋めてくれたのも、君……いや、君達だ」

 

そうだ、この子達が居なければ俺は孤独を知る事も他人の温もりを知る事も出来なかった。

出会わなければ今も暗い毎日を送っていた筈だ。

 

そんな毎日に光をくれたのがこの子達だ。

 

けど、もうこの子達は家の家族で小ちゃな猫じゃない。

 

「何言ってんの冬夜」

 

「え?」

 

「冬夜があたしや湊さんを拾わなかったら今頃死んでたかも知れない。それこそ、感謝しかない。そしてあたし達に名前を付けて、楽しい日々を送らせてくれたのも……全部冬夜なんだよ」

 

少女……いや、蘭は猫の時と変わらない笑顔でそう言った。

 

いや、あと少しで泣いちゃう。

 

マジで泣いちゃう。

 

それなのに、銀髪の少女……友希那は追い討ちをかける。

 

「覚えてる? わたしが冬夜の家に行った次の日の朝の事」

 

「え? あ、あの蘭がベッドの横にしがみ付いてた……」

 

「そうよ。あの時、美竹さんと物凄く口論になったのよ。冬夜の横にどちらが寝るのかってね」

 

すると蘭は猫の時と変わらず友希那に突っかかり始めた。

 

「ちょっと湊さん?! それは言わない約束でしたよね?!」

 

「あら? そうだったかしら? まぁ、あの時の口論はわたしの勝ちだったけどね」

 

「ぅ、それを言われたら……」

 

ギャーギャー!

 

なんだろう…今目の前に居るのは猫のあいつらじゃないのに、まるであの猫達が戯れて居る様に見えてしまう。

 

続けて猫耳の様な髪型をして、星の髪留めの様な物を付けた少女……この星の主張が激しいのは恐らく香澄だと思うが、香澄がさらに追い討ちをかけて来た。

 

「わたしね、初めて冬夜くんと夜空を見た時に今まで以上のキラキラドキドキを感じることが出来たんだ。今までは友希那先輩や蘭ちゃんに譲ってたけど、今回位良いよね?」

 

そう言うと香澄は俺に抱きついて来た。

 

あ、やっべ二つの小山が……

 

「「せい!」」

 

「あべし!」

 

何故だ、蘭と友希那からパンチが飛んで来た。しかも今回は猫パンチとか言う可愛らしいものではない。マジで痛い。

 

「戸山さん?(香澄?)」

 

「ひぇ〜!」

 

あ、香澄が二人の標的に……お疲れ香澄。

 

その光景を眺めて居ると、テレビで見たことがあるから速攻で分かる彩が俺の頬を突いていた。

 

なに? 丸山彩ってこんな可愛かったの? この動作でキュン死にするよ?

 

「わたしね、レッスンしてた時に猫になっちゃって。そして戸惑って歩いていたらいつの間にかこの公園のあのダンボールで寒さを凌いでたの。そこで拾ってくれた冬夜くんと蘭ちゃんや友希那ちゃん、そして香澄ちゃんがとっても暖かく迎えてくれて、その時物凄くうれしかったの。だからね? 

冬夜くんには感謝しても仕切れないんだよ」

 

……あ、ちょっとまって。

 

本当に泣く。だからね? こころはそんなに感謝してる目をしないで? 嬉しいけど泣いちゃうからしないで?

 

という俺の願いは届かず、彩は三人のワチャワチャに巻き込まれていってそしてこころが笑顔でこちらに来てしまった。

 

「冬夜! わたしね、世界を笑顔にしたいの!」

 

「お、おう。なんだか壮大だな」

 

「でもね、わたしは冬夜を笑顔に出来ていないわ! とっても感謝して居るのに冬夜が笑顔じゃなきゃ感謝できないわ!」

 

う〜ん、泣きそうになってた筈なのに。

涙が引っ込んで笑顔になりそう。てか、こころの笑顔が半端ない。差し詰め『笑顔の波状攻撃』と言ったところか?

 

「だからね、わたしだけじゃなくてこの五人で必ず貴方を笑顔にしてみせるわ!」

 

あ、やべ。もうダメだ。泣く。

 

そう考えた時にはもう遅く、涙腺が完全に崩壊してしまい止め処なく涙が溢れて出てくる。

 

涙を流すのなんて蘭と友希那を傷つけた以来だな。

 

「ありがとう……ありがとう……みんなありがとう!」

 

「……はぁ、やっぱり冬夜は私達が居ないとダメみたいだね」

 

え?

 

「そうね、しょうがないからこれからも冬夜の家に行きましょうか」

 

ちょ、おま

 

「そうですね!冬夜くんの部屋から見る星好きだなぁ」

 

あの、これ感動シーンだよね? 俺泣いてるよね?

 

「うん! 息抜きに来れる場所だから良いよね!」

 

あれれ〜? おっかしいぞぉ? もうなにがなんだが分かんなくなって来たじゃねぇかよこの野郎。

 

「みんな意見は纏まったかしら?」

 

「いやいやいやいや!ちょ待てよ」

 

『?』

 

あ、これ拒否権ない奴だ。

 

人権ってなんだっけ?

 

もう良いや。

 

兎に角楽しもうぜって事だろ。

 

「あぁ、もう! 分かったよ! 来ても良いよ! なんで感動的なのにそうなるの?!」

 

「「「「「あははは!」」」」」

 

 

 

我が家の五匹の小ちゃな家族は、もう猫ではないし家族でもなくなってしまった。

 

もう一緒に同じベッドで寝たり、フードの中に入れて学校には行けない。

 

でも、それでもあの楽しかった時間は思い出と言うフィルムの中にある。

 

どうやらこのままハッピーエンドで終わらせてくれる程世界は甘くない様です。

 

元我が家の五匹の小ちゃな家族はこれからも俺にとっては小ちゃな家族になるかも知れないし?

 

え? それはない? みんな一人一人ユーザーの推しだ? そんなん知るかい。

 

兎に角、だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これからの日常もまだまだ退屈しないし、一筋縄では行かないようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「これからも宜しくな、みんな!」

 

 

『うん!(えぇ!)』

 

 

これからまた家の中が騒がしくなりそうだな。

そんな事を考えながら俺を含め六人であの家へ向かうのであった。

 

勿論、今回はしっかりと時間を見て家に帰らせたけどね☆

 

「「雰囲気を壊すな!」」

 

「ヒデブッ!」

 

 

こんなの理不尽だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




題名

我が家の五匹の小ちゃな家族

作者

猫又侍

テンディング曲

ピコっと!パピっと!ガルパピコ!

作詞 織田 あすか

作曲 末益 涼太

編曲 末益 涼太

ボーカル

美竹 蘭

湊 友希那

戸山 香澄

丸山 彩

弦巻 こころ


出演

『笹原家』

笹原冬夜

笹原美幸(母)みゆき

笹原隆三(父)りゅうぞう

笹原蘭(美竹蘭)

笹原友希那(湊友希那)

笹原香澄(戸山香澄)

笹原彩(丸山彩)

笹原こころ(弦巻こころ)

『ガールズバンドキャラ』

羽沢つぐみ

山吹沙綾

氷川紗夜

氷川日菜

ミッシェル(奥沢美咲)

『学校人』

友人(本名 山崎康介)やまざきこうすけ



投票者

最高評価☆10

sterven様

みゃーねこ様

九条ユウキ様

づー様

叢雲伸様

torin Silver様

おかかご飯様

アンパン食べたいマン様

フレイド様

神代幽様

ポロロッカ船長様

隣の野獣様

茶番劇様

おとうふキラー様

むにえる様

RTLE様

CHlLDSPLAY様

谷岡戦車長様

☆9

読み専絶対に書かない人様

散歩人様

茨木翡翠様

nesuto様

ちまき様

レイン0012様

SHUNZl様

永遠にループする(読み専)様

餅大福様

菘亜杞様

TOアキレス様

普通の石ころ様

インレ様

漆塗り様

影政様

ルナちー様

藍方石様

さよぽ様

ヘチマ御前様

田中ななな様

マスドラ様

☆8

星空とキノコ様

ディザスター様

橘月様

ボルンガ様

くっ殺大魔王様

政影様

☆6

いかだら様

☆5

MinorNovice様

ぼるてる様

☆4

ハラクリ男様

☆3

ケチャップの伝道師

☆1

水天様

ハーフシャフト様


以下、お気に入り1555人(執筆時)







以上の皆様今まで我が家の五匹の小ちゃな家族を読んで下さり、ありがとうございます。

今回は皆様の応援、感想、そして評価などをいただいてここまで来ることが出来ました。

そして今までにないような経験も積ませていただき、それに加えて今まで書いて来たssの中で初めて赤バーに加え、お気に入り千人を突破する事ができました。

読者の方々にはもう感謝しかありません

これからも色々なバンドリssを書いていくと思いますので宜しくお願いします。

まだまだ文構成やキャラ構成が未熟な部分もあると思いますが、これからも猫又侍を宜しくお願いします。

そしてエンディングロールを貸してくださった小麦こな様。本当にありがとうございます。

それではまた何処かの作品で会える事を楽しみにしております。


それでは









「「「「「「さようなら!」」」」」」






我が家の五匹の小ちゃな家族









FIN







そして、数日が経ち俺は一人でまたあの公園に日課の散歩という項目で訪れた。

今度は流石にダンボールと猫は置いてないししないよな?

「まぁ、置いてあったら面白そうだけどな。はっはっはっ……は?」

そう思っていた時期も俺にはありました。

「ミャ〜?」

「……」

なんでいんの?

俺の目の前には亜麻色の髪、もしくは毛を生やして目の色はエメラルドのような鮮やかな緑。

そして、この猫に似た雰囲気の人を蘭のバンドのポスターで見た気がする。

なんだろうフラグが立った気がするなー。

そんな事を考えていると、突然スマホにメールが来た。

うん、なんだがもう先が見えて来た気がする。

メールを見ると送り主は蘭だった。

『ねぇ冬夜、バンドメンバーのモカって子が居ないんだけど知らない?』

………あっ。

俺は試しに猫の写真を撮って蘭に送ってみた。

『多分それ』

「……はぁ」

俺は大きくため息を吐き、再び猫に視線を向ける。

「ミャ?」

あ〜、なんだかデジャヴを感じる。

こうなったらしょうがないのか。

俺は蘭に『暫く預かる』とメールを送ってそいつを拾い上げた。

「……家、来るか?」

「ミャ〜!」

さて、まだまだ俺の苦労は続きそうです。

さてはて、この先どうなることやら。


新作の予定

  • Afterglowのお話
  • パスパレのお話
  • ???

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