我が家の五匹の小ちゃな家族   作:猫又侍

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因みに「我が家の五匹の小ちゃなギタリスト」という章名ではなく「ギタリスト編」となっておりますが中身は変わっておりません。ややこしいと思いますがお許しを


我が家の猫はのんびり屋

ピピピピッと枕元に置いてある目覚ましが鳴る。

 

あ、そういや今日学校じゃねぇかよこん畜生。

 

因みに俺の通っている学校の名前は羽丘学園。

つい最近まで一、二年の事なんて殆ど気にしてなかったが蘭達が居ると最近知った。

 

そもそも放送で蘭達の名前を出した時にバンドメンバーは気づかなかったのかと言う疑問はあれど、そこまで深く考えてはいけないような気がするので今度つぐちゃんにあったら聞いてみようと思った。

 

「それより飯つくんないとな」

 

俺は掛け布団を剥いでリビングにあるキッチンに向かおうとするが、やけに服が重く感じて見てみるとそこには器用にしがみついているモカがいた。

 

いや、あいつらもそこまでの高等テクは持ってなかったぞ?

 

「……」

 

「って、寝てんのかい」

 

寝てるなら尚更器用じゃねぇかよ。

 

てか、料理する時危ねぇよ。

 

と言うわけで一旦モカをリビングの寝床に寝かせて朝食を作ろうと思ったのだが……

 

「材料がねぇ」

 

そういえば買い出しに行ったのいつだっけ?

 

もう随分と前だった訳でもないんだけどなぁ。

 

しょうがない、今日はトーストにでもしますかな。

 

「食パンとトースターは……」

 

辺りを見回して手っ取り早くトースターを準備して食パンを二枚差し込む。

 

そして、焼いている間にモカの餌をセットする。

 

「お〜い、モカ。飯置いとくぞ」

 

「ミャ〜」

 

俺の問いかけに返事するように鳴き、むくりと起き上がるモカ。

 

これは蘭と違ってずっとそばに居ないからなんか新鮮だな。

 

なんて思ってた時期が俺にはありました。

 

「あの、モカさん?」

 

「……」ピトッ

 

なんで足にしがみつくんですかね?

 

なんで華麗にキャットフード無視して足に来たんですかね?

 

ちょ、噛むのは止めて? あ、これ寝ぼけてるのか? いやいや、目覚めてるだろ。

 

ちょ、くすぐったいから止めてw

 

なんて、モカと戯れあっているとトースターからチンと音が鳴りこんがり焼けた食パンが出てきた。

 

「ほれ、俺も飯食うからな? 大人しくキャットフード食べときな」

 

そんなにトーストを物欲しそうな顔してみてもあげません。

 

てか、トーストあげたら本当に俺の朝飯がなくなるからね?

 

なんて会話をしているうちに登校時間が迫って来ているのに気付いて、慌ててトーストを食べて準備を始める。

 

因みに着替えの間はいつの間にかモカはキャットフードを食べていた。

 

いや、どんだけマイペースなんだよ。

 

なんて考えながら登校の準備を進める。

 

そう言えば玄関にモカが来ない……という事は学校に連れて行かなくても良いと言うことか!

 

やったぜ、叱られなくて済む。

 

なんて思っていた時期が俺にもありました(二回目)

 

「ミャ〜?」

 

「……お前いつから居た?」

 

え? なんでフードの中に居んの? いや、別に悪いとかそんなんじゃないんだけど……音も立てずに入ってるからまじで一瞬びびった。

 

まぁ、可愛いから許すけどね。

 

「そう言えば……蘭達も入ってたからボロボロになってきたな。そろそろ買い換えるか?」

 

でも、大分気に入ってたし父の使っていたものだ。

 

なるべく捨てるのは避けたいが、置けるような場所もない。

 

まぁ、考えるのは帰ってきたからだな。

 

「うし、学校にいくか」

 

「ミャ〜」

 

あ、そういえば職員室に行かないとね☆ 叱られる未来しか見えないや。

 

まぁ別に許してくれるとは思うけど……昼休みがなぁ。

 

俺は昼休みの事を考え憂鬱になるが、学校に行かないと流石に怒られる。

 

うちの担任面白いんだけど遅刻には厳しい人だからなるべく遅刻はしたくない。

 

因みに一度寝坊して遅刻した事があったのだが、その時のうちの担任の顔はまさに鬼の形相と言う言葉が似合う程の顔をしていた。

 

もうあれはごめんだ。

 

「よし、そうとなれば走るのみ。モカ、落ちないように気をつけろよ」

 

「ミャ!」

 

モカの確認を終えると俺は直ぐに玄関を出て走り出した。

 

が、途中で山吹ベーカリーで昼飯のパンを買ったりして遅刻五分前のギリギリについてまじで焦った。

 

しかもモカの事を見つけるなり「笹原、後で職員室に言いにこいよ」などと言われた。

 

勿論、元から行くつもりであった。

 

本当だよ? 別に周りの反応が怖いから今回くらいは報告しなくていいかなとか思ってないよ?

 

一番怖かったのは、蘭達が居なくなった事を伝えた時だった。

 

もうみんな絶望してるのなんの。マスコットキャラ居なくなっただけでそんなんになるのかよ。

 

そんなんになるんなら作れよ、マスコットキャラ。

 

なんて事は出せる訳もなくそのまま帰ったけどね。

 

 

 

 

 

 

 

昼休み、俺の周りには安定の人だかりが出来ている。

 

今回は写真を撮り、インスタなどに投稿するのはダメという決まりを決めてみんなに撫でるなどの触れ合いを許可している。

 

意外とこの子達って繊細なのよ?

 

なんて考えていると、昨日も家に来ていた赤メッシュが特徴の蘭とその幼馴染が居た。

 

何故俺が幼馴染の事を知っているのかと言うと蘭に教えてもらったからである。

 

「どう冬夜、モカなんかしてない?」

 

「ん? 別に何もしてないぞ? な? モカ」

 

「ミャ〜」

 

そんな会話をしている中、蘭の幼馴染の姉感が伝わって来る濃い赤の髪色をした女の子がモカを信じられないような目で見ていた。

 

「凄いな、本当にモカそっくりだ」

 

やはり同じバンドメンバーの人達はそういった雰囲気を感じるのだろう。

 

幼馴染という点も大きいと思う。

 

けれど、俺はそれを知らない。

 

早めに黒服に聞かなきゃな。

 

そう思ったが、どう接触すれば良いのか分からないのでひとまずは蘭達と話す事にした。

 

この後懐かしの猫パンチを喰らったのは内緒。

 

新作の予定

  • Afterglowのお話
  • パスパレのお話
  • ???

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