ピピピピッと目覚ましの音で目を覚ます。
今日も今日とて受験勉強。
もうダルすぎる。
しかも今日は学校ときたダルすぎの極み。
うん、もう何言ってるのか自分でも分かんねぇや。
けれどもそんな俺にも最近は癒しが出来た。いわば砂漠の中にあるオアシスの様な存在だ。ほんとマジで。
その癒しは毎朝俺の枕元でスヤスヤと寝息を立てている。
俺はそっと抱きかかえてリビングへ向かい専用のベッドに移す。
その癒しは数分後には起きるので早めに朝食を作る。
朝食が出来た頃にはもう既に俺の足元にチョコンと座っていた。
俺は愛くるしいその癒しを抱いて頭を撫でる。
「おはよう蘭。よく眠れたか?」
「ミャー!」
言葉が分かるはずもないが答えてくれるコイツには本当に癒し効果があると思う。
おっと、その前に餌をやらんとな。
俺はさらにキャットフードを入れ机の上に置く。さらに抱いていた蘭を机の上に乗せ俺も朝食を用意する。
用意が出来たら手を合わせていただきますをしっかりと言う。
「……」モグモグ
「……」カリカリ
蘭はちゃんとご飯の時は静かにするという習慣がいつの間にか付いていて静かに食べ終える。
「あ、そう言えば今日学校じゃん」
「?」
あ、コイツは学校なんて知らないもんな。
でも俺は行かねばならないんだ、ゴメンよお前は連れていけないんだ。
俺は学校へ行く支度を終えて玄関から出ようとするが蘭に引き止められる。
「ミャ〜ミャ〜」
「くっ!ごめんよ蘭」
俺は勢い良く家を飛び出して行った。
帰ったらめっちゃ撫でてご機嫌を取ろうと考えながら走って登校した。
あれから学校について時間が経ちお昼になった。俺は購買のパンを食べながら屋上でダラーンと、していた。流石三学年、殆ど受験の為の自習になっているので寝放題。もう最高だね。
とかやってるとお昼の時間がソロソロ終わる事に気が付いて屋上から降りていくと、皆ざわついている。
俺は何事かと思い近くの生徒に話を聞いた。
「おい、こりゃ一体何が起きてるんだ?」
「なんだか、猫が学校に迷い込んだらしいんだけど先生が捕まえようとしたら逃げるし生徒が捕まえようとしたら引っ掻くもんで迂闊に手を出せないんだとよ。しかも子猫だから無理やりってのもって話だ」
俺は一瞬嫌な予感がしてその生徒に場所を教えてもらった。
場所は俺の教室。これは授業に遅れなくても済みそうだと思いながらも俺は走って教室に向かう。
教室に着くと入り口は人が大勢いて中に入れない状態だったが、なんとか掻き分けて入ることは出来た。
「やっぱり」
俺の目の前には家に居るはずの蘭を取り囲んで困った表情を浮かべている教師陣が居た。
「こら、勝手に入ってくるんじゃない」
と先生に注意されたが、その事で蘭が俺に気付き勢いよく走ってくる。
「こら!逃げるな」
蘭は勢いよく俺に引っ付くとよじ登って来て俺の制服に付いているフードの中に入ってしまった。
「おぉ、笹原助かったよ。今からその子猫を届けに……」
「これ家の猫です」
「はい?」
「だから家の猫です」
あらかた説明が終わった後しこたま怒られた。何故だ……次回から連れてこない様にと言われたが、先生の予想だとフードの中にはずっと居座るだろうとの事で仕方なく許可してもらった。
学校のマスコットとしても扱う事を条件に。
「はぁ……お前も人気もんだなぁ」
「?」
俺が後ろに話しかけると顔だけひょこっと出す蘭。まじでかわゆす。
こりゃぁマスコットにもしたくなる。なんて納得していると、数人の女子が俺に近づいてきた。
と言うよりかは蘭目当てだろう。
「……何か用?」
「あの……触らせてもらいたくて」
予想通りの言葉を受け取った俺はフードから蘭を出して机の上に置く。
痒かったのか後ろ足で顔を掻く仕草をする。マジかわゆす。
「ら、蘭ちゃ〜ん怖くないからね〜」
それって絶対何かしら怖い事する人が言うセリフだよね?
まぁ、蘭は人を引っ掻いたりはしないから安心だけど。
「ミャ〜」
「はうぅぅぅぅぅ」
え?なにはうぅぅぅぅぅって。新手の単語ですか?でも普通に撫でてる辺り大丈夫かな。
そのあと大勢の人が押し寄せて来た以外は特になにもなかった。
うん、マジで辛かった。
放課後
「お疲れ、蘭」
「ミャ〜」
少し疲れた様に言う辺り本当に疲れるような感じだったのが伺える。
蘭は俺のフードの中が気に入った様でずっと居座っている。
でもまぁ、恐らく家に着いたら俺の体のどこかに引っ付くんだろうなとか思いながら俺は家に帰った。
「あれ?そういえばコイツどうやってここまで来たんだろう?」
蘭に対する謎が出来た瞬間であった。
誤字脱字、感想評価待ってます
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