あたしの名前は青葉モカ。
現在猫になっている超絶美少女なのだ〜。
因みに猫になった原因はしっかりあるんだけど、今回はその話はしないよ〜。期待してた人はごめんね〜。
話は変わるけど、今あたしはフードの中に居る。
誰のフードの中に居るのかというと、蘭が猫だった時に拾ってくれた笹原冬夜くんなのだ〜。
あたしも蘭の話を聞いて、猫になったら公園のダンボール箱に入っていた。
案外猫になっても外は寒くてだいぶ後悔してたときに冬夜くんはあたしを拾ってくれて暖かい家に迎えてくれた。
蘭からもあたしは元々人間だと説明されても、気味悪がる事もなく猫のモカとしてあたしに接してくれている。
冬夜くん
そう呼びたいのに口から出てくるのは「ミャ〜」と言う声。
蘭から大方の話は聞いていたけど、実際にその状況に立たされると胸が苦しくて仕方ない。
「ん? どうしたモカ。腹でも減ったか?」
でも、冬夜くんはこうして触れ合って遊んでくれる。
声は伝わってなくても気持ちは伝わってるんだって思える。
確か蘭も冬夜くんと一緒にいた時の話をしていた時はとても楽しそうだったな。
あの時はどんな人なんだろうって気になって、よく分からなかった。
けど、今なら分かる気がする。
こうして冬夜くんと遊んだり寝たりすると、とっても心がほっこりするし暖かくなる。
勿論、暖房が付いているからとかそんな事じゃない。
人の暖かさ、心の暖かさ。
これが蘭が夢中になる理由かぁ。
なんだか不思議な気持ちだな。
今日は商店街にお買い物をしに来ました。
冬夜くんのフードの中って意外とあったかいから出たくないんだよねぇ〜。ほら、炬燵に一度入ったら出られない〜って感じのあれになっちゃうんだよねぇ。
不思議だなぁ。普段何気なく着ている服がこんなにも暖かいなんてしらなかった。
所で、今向かっているのはわたしの行きつけのパン屋の山吹ベーカリー。
あそこのパンはどれも絶品。特にチョココロネとかはすぐに売り切れるんだよね〜。
「うっす、沙綾。今日も店の手伝いか? 偉いな」
お店の中に入るとカウンターに座っているのは山吹ベーカリーの看板娘の山吹沙綾。
あたし達Afterglowとは違うバンドで、人気バンドの一つPoppin'party、通称ポピパのドラムを担当している。
「あ、冬夜さん!今日は一人ですか?」
「いいや、一匹居るよ。ほら、出てこいモカ」
沙綾と会話している中であたしが呼ばれる。
そもそも沙綾といつの間に仲良くなってたかは知らないけどそんな人の言う事は聞きませんよ〜。
「お、おい。モカ?」
「へぇ〜、今回はモカがなっちゃったのか。それじゃぁここに来るのもわかるかなぁ」
「え? 俺は別にそんな感じでは来てないけど」
「(え? そうだったの?)」
てっきり冬夜くんがあたしにパンを捧げてくれるのかと思ってたのにな〜。
あたしの事を考えて居てくれなかった事に少しだけ嫉妬する自分が居る。
だから今日は冬夜くんの言う事は聞かずに自由気ままな、日を送ろうと決めた。
そうと決まれば行動は早く、家に帰ると直ぐにリビングに行き見たいテレビをモタモタしながらもつけて鑑賞していた。
「お? モカ、お前テレビなんかつけられるんだな。あ、元々人間か。悪かったな……お? この番組結構面白いよな。一緒に観てもいいか?」
「……ミャ〜」
結局、冬夜くんには敵わずものの数分でいつもの様に膝の上でゴロゴロしながらテレビをみた。
よくよく考えてみれば、こうしてゴロゴロして居る時点で自由気ままなんだなと気づいた。
やっぱり、冬夜くんと居ると不思議な気持ちになれて悪くない。
日も沈み夕飯時になった。
この時間帯になると、家の中はいい匂いに包まれる。
意外にも冬夜くんは料理が上手いのだ。
因みにモカちゃんもお料理位は出来るからね。あたしが出来ないって思った人はこう……ツグー!ってしちゃうからね(何処かの漫画イラスト参照)
そして今のあたしはと言うと冬夜くんの足の下で丸くなって居る。
あったかいんだよね〜、この場所。
一度丸くなったら逃げられない罠だよこれは。
「よし、出来たぞモカ」
「ミャ〜」
そうして目の前に出されたのはキャットフードとなにも塗られていないあたしが食べやすい位にカットされたトースト。
最近はこれがお気に入り。
「………」モッモッモッ
「……可愛い」
あ、冬夜くんの悪い癖だ。
蘭も言ってたけど、これを言われるとどうしても胸がドキッとなってしまう。
これじゃぁ蘭がコロッといっちゃうのも納得だよね〜。
そんな事よりキャットフードに目覚めてしまいそうになってしまうこの食事……元に戻っても食べそう。
夜、久しぶりに怖い夢をみた。
蘭やつぐ達が何処かにいってしまってそして冬夜くんもあたしを置いて何処かにいってしまう夢。
そんな夢を見たせいか上手く眠りにつく事が出来ない。
怖いんだ、きっと。
大切な人の暖かさが感じられなくなるのが。
成長していく幼馴染の背中が遠くなっていくのが。
「ミャ〜」
「ん……モカ?」
どうやら冬夜くんを起こしてしまったようだ。
冬夜くんは最近朝早くに起きるから余り起こしたくはなかった。
そんな事を考えていると、フッと体が誰かに掴まれて宙に浮く感じになった。
冬夜くんに抱っこされていると気付くのにそこまで長くはなかった。
「……!」
冬夜くんはあたしをベッドに乗せて、その横に横たわりあたしの頭を撫でてくれた。
「怖い夢でも見たか? 前に一度ホラー映画を蘭達と見た事があってな。その夜の蘭達と雰囲気が似てるもんだから心配になってな」
そう言いながら頭を撫で続ける冬夜くん。
あぁ、やっぱり冬夜くんはずるいや。
こんなにも暖かい気持ちにさせてくれるなんて。
これじゃぁ蘭を応援出来ないよ。
冬夜くんの暖かさに包まれながらあたしはゆっくりと目を閉じて意識を手放した。
なんだか今から良い夢が見られそうだな。
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