逢魔時王と一人の歌姫の従者   作:龍狐

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今日は9/13!!立花響ことビッキーの誕生日と言うことで、この小説を書きました!!


我が魔王と私の出会い

~???side~

 

 

 

突然だが、一言。

 

 

 

私は呪われている

 

 

 

何故最初にこんなことを言うか?そうですね…事の経緯を話しましょう。

 

 

私が中学一年生のとき、親友に進められて『ツヴァイウィング』と言う二人のボーカルユニットのライブに行きました。

 

私はその会場でその親友を待っていましたが、急に用事が出来たらしく、私一人でそのライブに行くことになりました。それで、私は席へと着き、ライブが始まった。

 

そして、ライブは最高潮まで達した。

私も、二人が歌う歌に、心を奪われたのだ。

 

そして、次の歌が始まろうとした、その時だった。

 

 

 

『ノイズだぁ――――――――ッ!!』

 

『逃げろぉ――――――――――ッ!!』

 

『誰か!!助けて!!』

 

 

 

突如、ライブ会場にノイズが大量に表れたのだ。

ノイズ……人類を死に追いやる認定特異災害。

空間からにじみ出るように突如発生し、人間のみを大群で襲撃し、触れた人間を自分もろとも炭素の塊に転換させ、発生から一定時間が経過すると自ら炭素化して自壊する特性を持つ化け物。

 

そして、逃げ惑う人々を追いかけ、捕まえては自らとともに人間を炭にして自らも崩れ落ちる。

地中からも、空からもノイズが押し寄せ、大量のノイズが炭になるとともにたくさんの人が炭になっていく。

 

そして、私は見た。

あの二人…ツヴァイウィングの二人が、謎の姿をして、ノイズを倒しているところを。

どうしてノイズを倒せるんだろう?ノイズには現代兵器は通用しない。だからノイズに会ったら逃げるしかない。

 

 

『チッ!!時限式はここまでかよ!』

 

 

私はあの時、すぐに逃げなければならない状況だったのに、逃げようとしなかった。

そして、私の足場が崩壊した。

 

 

私は足を怪我してしまった。

そして、それを見たノイズが私の方に向っていく。

 

だが、それを赤色の謎の姿をした人―――……そうだ、天羽奏(あもうかなで)だ。

その人がノイズを倒したんだ。

 

 

『走れ!!』

 

 

私は、怪我をした足でなんとかこの場を離れようとする。

そんな中、ノイズが針のような形状になって私に向かってくるが、それを天羽奏が止めてくれた。

でも、さっきまで優勢だった勢いが衰え、逆に劣勢になった。

 

天羽奏の装甲が徐々にはがされて行っていた。

そして、その一つが私の胸にささったのだ。私の胸から鮮血が飛び出る。

 

 

『おい、しっかりしろ!!生きるのを諦めるな!!』

 

 

天羽奏にそう言われた。

でも、この状態じゃもう無理だと思った。

 

 

『……一度だけ、思いっきり歌ってみたかったんだよな…』

 

『奏ッ!!まさか絶唱をッ!?』

 

『もう、これしかない……』

 

『奏ッ!!それだけは駄目!!』

 

 

あれを歌うとどうなるんだろうと思った。

でも、意識も朦朧としていた。そのときだった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生きたいか?少女よ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突如、そんな声が聞こえて来た。

どこから聞こえたんだろう?

でも、私のこの時の答えはただ一つ……

 

 

 

 

 

 

私だけじゃ、駄目……。他の皆も…助けて…あげて…

 

 

『ほう?それはどうしてだ?』

 

 

だって…私の趣味は……人助けだから…

 

 

『なるほど…いいだろう!!その頼み、聞いてやろう!!』

 

 

《祝福の刻!最高!最善!最大!最強王!逢魔時王!!》

 

 

その瞬間、薄れていく意識の中で目にしたノイズがすべて消えていた。

 

 

 

『『ッ!!?』』

 

 

あの二人も驚いていた。

一体…なにが起きたんだろうと。

 

そして…我が魔王(・・・・)は目の前に現れた。

 

 

その姿は黒と金色のライダーと赤色で書かれた人。

背中には時計の針のようなものがあり、マントを付けている人。

 

 

 

『少女よ…お前の望み、叶えてやる』

 

 

この人だ…。さっきの声の主は…。

そして、私はここで意識を失った。

 

 

 

そしてだが…ここからは我が魔王から聞いた、あの後のことである。

 

 

 

『貴様…何者だッ!?』

 

『どうやってノイズを…ッ!?』

 

『貴様らの質問には答えん。さて…残りの雑音を片づけなければな』

 

『何ッ!?』

 

 

風鳴翼(かざなりつばさ)が上空を見ると、そこには大量の空中型ノイズがいたらしい。

二人は武器を構えるが、そこは我が魔王がすべて片づけた。

 

 

『フンッ!!』

 

 

我が魔王が手をフラストノイズと言う種類のノイズに向かって拳を掲げると、そこから無数の赤黒いコウモリ型のエネルギーで、空から向かってくるノイズを倒した。

 

 

『何っ!?』

 

『あの数のノイズが一瞬で…ッ!!あ、危ない!!』

 

 

すると、我が魔王の後ろに、ギガノイズと言うデカいノイズが我が魔王を後ろから不意打ちしようとしたそうだ。

だが、我が魔王は自らの手に黄金のエネルギーを纏わせ、ノイズを一撃で葬った。

 

次に、大量の人型ノイズが我が魔王に襲いかかるが、そこに我が魔王が手をかざすと、一匹一匹のノイズに円錐状の赤い光を放ち、ロックオンした。

 

そして、我が魔王は【アームズウェポン】と言う物を出現させて、ポインターに向けて放ち、すべてのノイズを灰にした。

 

 

 

『……運があることを祈るぞ、少女よ……』

 

 

 

そして、我が魔王はその場から消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、私が目を覚ますと、そこは病室だった。

どうやら私は生きているらしい。そして、すぐに家族と私の親友が私のお見舞いにきた。

 

 

私は当時、皆に心配を掛けさせまいとリハビリを頑張った。

そして、なんとか退院することができ、学校に行ってあったのは…

 

 

―――迫害と言う名の地獄だった。

 

 

あの事件で私だけが生き残り、『人殺し』『何故お前だけが生き残った』『人でなし』とさまざまな罵倒を言われ続けた。

私のせいで、家族まで迫害を受けた。家には悪口や罵倒の書かれた紙が貼られ、窓ガラスが割れている。

私の味方は家族と親友だけだった。

 

 

でも、ある日……。突如お父さんがいなくなった。

もう、この環境に耐えられなかったのだろう。

そして家には私とお母さんとおばあちゃんだけになった。

 

 

そしてまたある日……私に何も言わず、私の親友が突如引っ越した。

どうして?どうして私に何にも言わずにどこかに行っちゃったの?

 

私の親友は、私がいじめられている中で、唯一私をかばってくれた人だった。

でも、その人ももういない。

 

 

そしてある日……。

 

 

家が燃やされた

 

 

犯人はやはり私に理不尽な恨みを持ったやつらの仕業だった。

そのせいで、お母さんとおばあちゃんは燃死した。

 

 

私が…なにをしたの……?

どうしてお父さんが出て行かなくちゃならないの?

どうして未来が引っ越しちゃったの?

どうしてお母さんとおばあちゃんが殺されちゃったの?

 

ワタシハナニモ、ナニモシテイナイノ二!!

 

 

 

私が気づくとそこは、路地裏だった。

そして、徐々に経緯を思いだしてきた。

 

 

私は、あの燃え盛る家の中の一階に当時いた。真夜中まで私服で起きていた。

水が飲みたかったからだ。そして、徐々に焦げ臭い匂いにしてきて、見るとそこは火事になっていた。

私はすぐに水をかけたけど、火の勢いは増すばかり。

 

 

『お母さん!!おばあちゃん!!』

 

 

私はすぐに声を上げるが、もう声は聞こえなかった。

燃えている場所は、一階のおばあちゃんの部屋と、その真上にあるお母さんの寝室が一番燃えていた。

そして私は確信した。『二人は死んだ』。

 

でも、変わりに別の方から声が聞こえた。

 

 

もう死んだかな?あの人殺し

 

きっと死んでるぜ。もし生きてたら俺達で袋叩きにすればいいだけだ

 

確かにそうね。人殺しに人権なんてものは存在しないんだから

 

おい、周りの家にだけは燃え移らないようにしとけよ!!

 

 

このとき、私は本気で死ぬと思った。

私はすぐにあの声の聞こえた方向と逆の方向に逃げた。

 

 

時間は真夜中。

こんな時間に歩いているような人はごく一部。

だから人とも出会わない。

 

そして、しばらく歩いてこの場所についた。

でも、この場所からも燃えている家から近い。

このままじゃ…

 

 

 

すると…

 

 

 

ウゥ――――――――!!!

 

 

 

 

警報が聞こえて来た。

これは、ノイズが出現する音だ。

 

 

その音とともに、周りの家の電気が付き、人々が滝のように逃げていく。それでも、私の家の火事なんて目になかっただろう。

 

 

そして、ノイズがその場所に現れた。

 

 

『うわぁ―――――――ッ!!』

 

『助けてぇ―――――ッ!!』

 

『いや、まだ死にたくない!!』

 

『嫌だぁ――――――ッ!!』

 

 

よく聞くと、あの声は私の家を燃やしたやつらの声だった。

もう炭にされたのか…でも、この時の私はその程度しか思っていなかった。だって、私ももうすぐで死ぬのだから。もう一歩の動けない。だから、ここで死ぬ。

 

私がそう思うと、ノイズも私に近づいてくる。

すぐに…二人のところに行けるんだ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『少女よ…無事か?』

 

 

 

そして、そこに現れたのは、あの時私を助けてくれた人だった。

 

 

 

『あなたは…』

 

『少女よ…お前が助けようとしたもの達は、お前からすべてを奪った。これでもまだ、お前は人を助けようと思えるか?』

 

『ははは……思えるわけないじゃないですか…

 

『そうか…やはりか』

 

 

このときからだったかな…私のすべての価値観が変わったのは…。

人は醜い。家族の一人は家族を置いてどこかへと消えた。

私の元・親友は私に何も言わずどこかに引っ越して行った。

私の残った、大切な家族も殺された。

もう、私にはなにもなくなった…。

 

これ以上、私が失う物はなにもない。

そう、そして得るものも…。

 

 

『いいや、ある』

 

『…え?』

 

『私と共に来い。得るものがなくなったのなら、探せばいい。その場所を、私が造ってやる…』

 

『…私を…裏切りますか?』

 

『疑心暗鬼…その心も大事だ。安心しろ、裏切りはしない。お前は今、この場で生まれ変わった。さぁ…どうする?』

 

『…分かりました。最後に…あなたの名前は?』

 

 

 

 

 

最高最善の王、【オーマジオウ】だ

 

 

 

 

 

『…分かりました。あなたについていきます。我が魔王……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ふわぁ~~…………悪い夢と良い夢を見ましたね」

 

 

私は今現在、我が魔王のもとで、従者としています。

今考えても、私は我が魔王のもとにいれて、今はとても幸せである。

私はいつも来ている黒服を着てマフラーをつけ、本を持って扉を開ける。

 

 

 

「おはようございます。我が魔王」

 

 

「ああ…(ひびき)か。俺はもう先に食べたぞ」

 

 

「分かりました。では、私も食べます」

 

 

我が魔王―――逢魔総悟(おうまそうご)は、私の主にして我が魔王。

最高にして、最善にして、最大にして、最強の王である。

 

 

「それじゃあ、俺は行ってくる」

 

「どこへ行かれるのですか?」

 

「買い出し」

 

「それでしたら、私が…」

 

「いや、いいさ。それじゃ、行ってくる」

 

 

そうして、我が魔王は出て行かれた。

 

 

「我が魔王は変身する前と後では違いすぎますね…」

 

 

さて、我が魔王がいない間に、私もできることをやらなければ。

これは私逢魔響(おうまひびき)と我が魔王の物語である。

 

 

ダレニモジャマハサセナイ…

 

 

 

 


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