逢魔時王と一人の歌姫の従者   作:龍狐

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 どうも、ここでは一年ぶりですね。

 一年ぶりの逢魔時王、お楽しみに!


出来すぎたストーリー

「はぁあああ!!」

 

 

 王の従者――逢魔響はギアを纏って周りのカルマノイズたちを蹴散らしていく。

 本来の装者であれば苦戦は免れないカルマノイズ。それを普通のノイズのように蹴散らしていく様は、正に圧巻と言える。

 

 

「一匹いたら三十匹いる…、まるで貴様らゴキブリだな!」

 

 

 目の前のカルマノイズたちを罵倒しながら、響は逢魔降臨歴を取り出し、そこから一つの【メモリ】が飛び出した。

 

 

FANG(ファング)

 

 

 獣のフォルムをした見た目――【ファングメモリ】が飛び出し、自動的にメモリに変形する。そして、首と胸の間にあるギアのコンバーターに刺さり、中に入っていく。

 

 すると響のギアが変化し、元の黄色を基準とした、刺々しいフォルムへと変化する。

 

 

「貴様ら全員、これで切り刻む」

 

 

 両腕のバンカーから【アームファング】を生やし、突進する。

 そのままカルマノイズたちを巻き添えにし、一瞬にして一直線に大量の灰の山を生んだ。

 

 

「まだだ」

 

 

 バンカーについている刃を取り外し、投擲する。

 ブーメランのように回転するショルダーファングは、カルマノイズたちを一網打尽にして、響の元へと戻る。

 

 

「とりあえず、ここら一帯のカルマノイズたちは消し炭に出来たが…まだだ。こんなので終わりなはずがない」

 

 

 理由は分からないが、カルマノイズが大量発生している。これは異常以外の何物でもなく、異常中の異常だ。

 いや、カルマノイズの出現自体イレギュラーだが、今回はおかしすぎる。

 

 

「――何者かの、作為か?」

 

 

 これしか思い浮かばない。だが、一体誰が?

 

 

「―――いや、考えていても仕方ない」

 

 

 考えたところで、浮かばないものは浮かんでこない。

 ならば、今は現状の打破を最優先すべきだ。

 

 

「何者が行ったか知らないが…私と、我が魔王の世界を侵略したこと、必ず後悔させてやる…!」

 

 

 そんな時、少し遠くから何やら激しい音が聞こえてくる。

 銃声や、切り刻む特有の音。戦闘音だ。

 

 

「この音は……とりあえず、行くか」

 

 

 響がそこに駆けつけると、そこには六人の装者たちがいた。平行世界の装者たちだ。あのときから全く状況が一変していない。

 だがしかし、カルマノイズ一体一体がかなりの力量を持っているがために、かなり苦戦していた。それも仕方のないことだ。カルマノイズを一撃で倒せる、【逢魔響】が異常なのだから。

 

 

「あいつら…まだ無駄なことを」

 

 

 これ以上見ていても、この先の生産性なんて皆無だ。響は【ドラゴンフルボトル】を取り出し、中の成分を活性化させる。

 拳に蒼い炎のエネルギーを纏い、一直線に突き進む。蒼炎の竜が生まれ、カルマノイズたちを一瞬で焼き尽くした。

 

 

「『私』…ッ!」

 

「何やっている。これ以上お前らがいるところで、焼け石に水だ。さっさと失せろ」

 

「そういう訳にはいかない。確かに私たちの力ではこの状況を打破するのは困難を極めるだろう。だがしかし、目の前で襲われている無辜の民たちを前に、黙っているわけにはいかない!」

 

 

 翼の力のある声に、響は舌打ちをする。気に食わないが、理に適っているし、適材適所と言う奴だ。彼女等にはそれをさせた方がいいと響は判断する。

 

 

「だったらさっき言った通り人助けでもしていろ。適材適所だ」

 

「―――悔しいが、今はそうするしかねぇな」

 

「そうね。一人でも多くの人たちを助けましょう!」

 

「ムカつきますが、人の命が優先デス!」

 

「ここはこっちの響さんに任せて、私たちは―――って、響さん?」

 

 

 その方針で決まりかけていたところを、あちらの世界の響が前に出てきた。

 

 

「ごめん。こっちの私――悪いんだけど、言ってること全然分からない」

 

「―――ハッ?」

 

 

 頭が、思考が硬直する。この(バカ)は一体なにを言っているのだと、頭をフル回転させるが、どうしても答えにたどり着くことができない。二回目だぞ?一回目は了承していたのに、なんだこいつの頭は?

 結果、狂人の戯言だと言う結論を無理やりつけて、無視してその場を立ち去ろうとするが、

 

 

「待って!」

 

「なんだ?お前に構ってる暇なんてない!二回目だぞ!?今のを聞いて分からなかったのか?私はカルマノイズどもを駆逐する!お前らは残っているヤツ等を助ける!これでいいはずだろ?」

 

「もちろん!だけど、私が言っているのはそうじゃないの!」

 

「だったら、なんだって言うんだ?」

 

「―――お願いだから、もっと人を頼ってってこと。今の『私』の言葉は、とても悲しい。あれって、『命令』でしょ?『命令』じゃなくて、私たちを『頼って』!」

 

「この状況で説教かッ!?どれだけ頭お花畑なんだお前は!」

 

 

 本当に、行動優先の状況で口を動かすなんて、どうかしている。

 それに、彼女を見ていると昔の自分と重ねてしまい、頭痛が鳴り止まなくなる。捨てた過去の自分を否が応でも思い出してしまうから。

 

 

「聞く価値もない!『命令』でもいいだろ!お前らは『人命』が最優先なんだろ!?だったらそれ(使命)に従え!私はもう行く」

 

 

 今は緊急事態。狂人の戯言などに耳を貸してやる暇などない。

 響は逢魔降臨歴を取り出し、詠唱を略称してライダーたちを召喚する。

 

 

『――――』

 

『――――』

 

『――――』

 

 

 蜂を模った黄色の仮面ライダー、【仮面ライダーザビー】

 蠍を模った紫色の仮面ライダー、【仮面ライダーサソード】

 蜻蛉(トンボ)を模った仮面ライダー、【仮面ライダードレイク】

 

 

「行けッ!」

 

 

 響が命令を下すと、三人のライダーは一斉に『クロックアップ』してその場から消え去った。

 その瞬間、遠くから轟音が響いてくる。戦争が始まった証拠だ。響は自分も加わろうと、足を動かした瞬間。

 

 

「待って!」

 

「なんだ!もう聞く価値も―――」

 

「向こうで、奏さんとこっちの翼さんも戦ってる。お願い!そっちにいって、二人と一緒に戦って!」

 

「――ッ!!どこまでおこがましいんだお前は!?私にアイツらを助けてやる義理も義務もない!あいつらが私を見捨てたように、今度は私があいつらを見捨てる番だ!」

 

 

 怒りのまま、昔の辛い思いをしていた自分を助けてくれなかった対象を、憎悪し、嫌悪し、厭悪(えんお)し、羞悪(しゅうお)したその心の奥底に眠ったどす黒い感情を一気に爆発させる。

 自分が手を下すつもりなどない。自分達がやって、後悔したその方法で、苦しめばいい―――!

 

 怨嗟が連鎖していく。

 

 

「それでも!今困っている人を見捨てる理由にはならないよ!」

 

「なる!なるに決まっている!お前は自分のような奴を誰一人として増やしたくないとかいう考えの奴か!?それ自体には賛成してやる!」

 

「だったら!「だが、あいつらは私にとって増やすべきやつらだ!」

 

「―――ッ!」

 

 

「苦しめばいい…後悔するといい…悩まされるといい!あいつらが本当に二年前の罪に思い悩んでいるのなら、それがあいつらにとっての贖罪だ!」

 

「そんなこと…そんなことダメだよ!」

 

「うるさい!お前の言葉なんてもう聞いてやるものか!私は今度こそ行く!」

 

「待ってよ!」

 

 

 だが、響は『響』の言葉に耳を傾けず、空の彼方へと消えていき、その方向から轟音が響いてくる。

 

 

「――――」

 

「立花。気持ちは分からなくはないが、今は人々の安全を最優先しよう。この世界の立花も、助けられる命を助けないほど、愚鈍ではないはずだ」

 

「―――でも」

 

「なーにちんたらしてんだ!今はアタシ等に出来ることをするだけだ!」

 

「うん…」

 

 

 響は元気のない返事をしながらも、今やるべきことを頭に叩き込み、戦場を駆けるのだった。

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

―――突然の出来事だった。

 響に辛辣な言葉をかけられ、涙目で外を走る奏に、その奏を大声で叫んで追う翼。

 

 彼女の心に渦巻いた感情は、『怒り』と『後悔』だ。

 『後悔』はもちろん、助けたつもりの人物は、本当は全然助かっておらず、むしろ自分の言葉が彼女を地獄の奥底へと叩き落した元凶であることへの後悔だ。

 そして『怒り』は、響に向けられたものではなく、自分に向けたものだ。

 

 かつて彼女はノイズによって家族を殺され、復讐に燃えた復讐鬼。

 だがしかし、とある戦場で助けた自衛官の言葉から、自分達の歌は誰かを勇気付け、救うことができると気付いた。

 復讐のためだけではなく、人々をノイズから護るために歌うことを決意し、翼と共にツヴァイウィングを結成した。

 

 そして誓った。もう自分のような犠牲者を増やしたくないと。

 だがこの体たらく。かつて自分が体験した地獄と絶望を、他でもない自分の手で、自分の言葉で、一人の幼気(いたいけ)な少女を自分がかつて堕ちた場所に突き落としてしまった。

 

 これを『後悔』しないなんていられない、こんな不甲斐ない自分に『怒り』を向けないなんてことは出来ない。ただただ、自分の無力さを痛感しただけだ。

 

 

「本当に、アタシって…!」

 

 

 そんなときだった。

 突如、地面が爆発を起こす。そこから現れたのは、大量の黒いノイズの大群だった。

 

 その影響で、逃げ惑う人々。

 

 

「なんだ、あのノイズたち…!?」

 

「分からない。でも、今は無辜の民たちを救うのが先決!」

 

「あぁ!」

 

 

 

――Croitzal ronzell Gungnir zizzl

 

 

 

 奏は聖唱を唄い、翼も後に続いてシンフォギアを纏う。

 

 

「逃げろ!」

 

 

 そう叫び、奏はアームドギアである槍を振るって黒いノイズ―――カルマノイズへと攻撃する、が、無傷。全くの無傷だ。

 

 

「なに…ッ!?」

 

 

 そのまま逆に反撃され、奏は吹っ飛びコンクリに激突して悶える。

 

 

「奏ッ!」

 

「アタシは…大丈夫だ!今はとりあえず、逃げ遅れてる人たちを安全なところに誘導するぞ!」

 

 

 まずは人命救助が優先だ。

 カルマノイズたちの攻撃を退けながら、二人は人々を遠くへと逃がす。

 

 そして、それらが終わった後には、とっくに二人はかなり疲弊していた。

 当然だろう。強力な力を持つカルマノイズたちを相手に、人命を救助するのだ。かなり精神を摩耗するに決まっている。

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…!!」

 

 

 そして、そんな奏の元に、一匹のカルマノイズが迫る。

 

 

「奏!」

 

「くッ!」

 

 

 槍を使って、ガードしようとした。―――そのときだった。

 

 

ライダーシューティング!

 

 

 青い光弾が奏の後ろから発射され、カルマノイズに直撃して、そのカルマノイズは灰へと還った。

 何事かと二人がその方向を見ると、そこには()()()()()()()()()()()()()()()がいた。

 

 

「あれは…!」

 

「ってことは、あいつが近くに…!?」

 

 

 驚愕している合間にも、複数のカルマノイズたちが空気を読まずに襲ってくる。

 が、突如として高速で動く黄色と紫の残像が迸り、カルマノイズたちを一掃した。

 

 そこには、黄色の蜂のようなライダーと、紫色の蠍のようなライダーが、姿を現した。

 

 

「なぁあんたら!あいつはどこにいるんだ!?」

 

 

 援軍が来た。これだけでも喜ばしいところだ。だが、肝心の少女の姿がどこに見当たらない。

 

 

『――――』

 

「おい聞いて―――!」

 

 

 そのとき、空中に飛行型のノイズが大量に棘状になってこちらに飛来してきた。武器を構える二人だったが、それも一瞬の出来事。

 灰色の残像が二人の間を通りすぎ、空中に跳ぶ。

 

 大量の赤い円錐が飛行型ノイズに突き刺さり、灰色の残像が通り過ぎる度にカルマノイズたちが灰へと還っていく。

 

 

「――――」

 

 

 そこには、灰色のアーマーに、胸の部分に紅く光る宝玉を携えた、茶髪の少女――響がいた。

 響は【ファイズ・アクセルフォーム】のアーマーを纏い、カルマノイズを一気に殲滅していた。

 

 

「お前等、何をさぼっている。―――なんだ、お前等か」

 

 

 二人を見た途端、響の表情が怨嗟のものに変化する。

 その表情を見る度に、二人の心は自分の不甲斐なさで絞めつけられていく。

 

 

「お前等も、こいつらと戦ってるのか?」

 

「あぁ、アタシ等がやらなきゃいけないことだ」

 

「ハッ、やらなきゃいけないことか…。私からの失敗で学んだことか?」

 

「―――ッ!」

 

 

 容赦のない、辛辣な言葉で奏の心を蝕んでいく響。

 そこに翼が反論したいような表情をするも、非が自分達にあったワケだから、言おうにも言えなかった。

 

 

「違う!これは……アタシが、最初から、やらなきゃ、いけない、こと、で……」

 

「最初から?だったらなんで私の時はそれをしなかったの?理解に苦しむなァ!?」

 

 

 顔を怒りで変形させて、奏に迫る響。もう奏はなにも言えず、ただ押し黙るだけだった。

 

 

「……まぁいい。ここへはお前等を追い詰めるために来たわけじゃない。ノイズどもを殲滅するために来ただけだ。おいお前等、さっさとここを―――」

 

 

 そのときだった。

 突如、空が漆黒の雲で包まれた。なにかと思い、空を見渡す三人。

 

――そして、一筋の紫色のレーザーが、雲の奥から降り注ぐ。行き先は―――ライダーたちの方だった。

 ザビーたちな成す術なくレーザーに直撃し、黄金の粒子となって消え去った。

 

 

「ザビー!サソード!ドレイク!な、なんだ!?」

 

 

 三人のライダーたちをいとも簡単に消滅させた謎の攻撃に警戒しながら、響たちは頭上を見上げる。

 そして、そこから出てきたのは、巨大な蛇だ。

 

 

「――蛇?いや、違う。あれは……龍?」

 

 

 見た目は蛇。だがその巨大さは龍としか言いようがないほどの巨体だった。

 紫色の、巨大な蛇。

 

 

 そしてその名は―――とある世界で、こう『設定』されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

世界蛇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――と。

 

 

 

 

 

 

 




 今年はここで終わりです。
 自分でも、なんだか段々と雑になってきているなぁと思っている今日この頃。

 あと、ダイレクトメッセージで、世界蛇の攻撃とかってなんですかって言うことで募集しています。
 単純にそこら辺作者が無知で、どう表現すればいいのか分からないのが現状。なので、誰か教えてください。

――では、また来年に。
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