逢魔時王と一人の歌姫の従者   作:龍狐

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二課での真実

~響side~

 

 

あれから、私はオーロラカーテンで家に帰っていた。

そう言えば、あいつらに聞きそびれたが、結局あいつらはなんだったんだ?

 

まぁいい、また聞けばいいだけだ。それに、私が帰ったら、我が魔王が家にいなかった。

机に『用事が出来たのでちょっくら行ってくる』と言う書置きが置いてあったので、大丈夫であろう。

 

さて、状況確認と行こう。

まず、あの女どもは私のこと――しかも昔のことは知っていた。それにシンフォギアを纏っていた。となると、おそらくあいつら(二課)の関係者であろう。

 

だが、あの女(風鳴翼)あの女ども(雪音クリスとマリア・カデンツァヴナ・イヴ)のことは知らないような反応だった。

となると……考えられるのは……。

 

 

…………そういうことか!!我が魔王の言っていた時空の歪み。そしてあいつら……。

おそらく、あいつらが時空の歪みに必ず関係していると見ていいだろう。

 

そうと決まれば、早速情報収集をしなければ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~二課~

 

 

「はぁッ!?あいつの母親と祖母が死んでいるッ!?」

 

「そんなことが…ッ!?」

 

 

場所は変わり二課。ここでは銀髪の少女【雪音クリス】と桃髪の【マリア・カデンツァヴナ・イヴ】がその場にいた。彼女たちは【ギャランホルン】と言う完全聖遺物により平行世界から来た人物らしい。

 

 

「ああ……彼女……立花響くんとその家族は、ツヴァイウィングの事件で世間から迫害を受けた」

 

「そして、彼女の父親が失踪してしまいました」

 

「……そこまではアタシたちの世界でも同じだ」

 

「でも、私達の世界では立花響の家族は生きているわよッ!?」

 

「それだけじゃない…実は「私が、響の傍にいなかったから…」」

 

 

そこに、未来が入ってきた。

 

 

「小日向未来……ッ!!いなかったってどういうことッ!?」

 

「私は、ある日お父さんの仕事の都合で引っ越したの。それでも、手紙を書いて響に送っていた。でも……」

 

「手紙は彼女の元には届いていなかった…」

 

「…家がすでになかったから……」

 

「でも、それほどのことがあったんならお前だって知っているはずだろッ!?」

 

「実は、その時間帯にノイズが出現して、響さんの家が燃えたことはあまりニュースにはならなかったんです。そして、それがただのノイズ被害の二次災害として片づけられていました」

 

「それでね、私はその後、お父さんとお母さんに連絡したの。そしたら……」

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

『ついに……知ってしまったんだな……』

 

「え?どういうこと?」

 

『もう、知ってしまっているのなら、手紙のことも知ってしまっているんじゃないか?』

 

「そうッ!!どうして手紙が…!!」

 

『未来のお友達…響ちゃんの家がなくなったとニュースで聞いたとき、俺達はとても驚いた。そして、俺達は響ちゃんの家がすでにないことを必死で未来に隠したんだ』

 

「どうしてそんなことしたのッ!?」

 

『……もし、響ちゃんの家がすでになく、響ちゃんのお母さんとおばあちゃんが死んでいて、響ちゃんがもしかしたら死んでいるかもしれないとお前が知ったら、未来、お前はどうする?』

 

「それは…ッ!」

 

『未来。お前は絶対自分のことを責めるだろう。だから、俺達はそのことを隠していたんだ…』

 

「そんな気遣いいらない!!じゃあ…手紙のことも…」

 

『ああ。俺達の仕業だ。だが、勘違いしないでくれ、未来!俺達が未来の書いた手紙を隠したのは、響ちゃんの家が燃えたあとの話なんだ…』

 

「どういうこと……?」

 

『響ちゃんの家が燃やされるまで、ちゃんと手紙は出していたんだ!頼む未来、これは本当だ!信じてくれ……!!』

 

「……(ガチャン)」

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

「そんなことが…!でも、小日向未来のお父さんはちゃんと手紙は出していたんでしょ!?」

 

「ならどうしてあいつは手紙なんて来ていないなんて……!!」

 

「それを知って、調査してみたら、驚くべきことが分かったんです」

 

「……実は、当時の郵便局の配達員が手紙を処分していたんだ」

 

 

「「ッ!!!」」

 

 

弦十朗の言った言葉に驚く二人。

 

 

「なんでそんなこと…ッ!!」

 

「あの日、その配達員の男の家族がライブ会場におり、それで亡くなっているんだ」

 

「……おそらく、響くんが良い思いをするのを、よしとしなかったんだろう。だから、こんな行動を…」

 

「いくらなんでもやりすぎだろそれは!!」

 

「だから、あの立花響はあんなことに…」

 

「ちょっと待てよ。だったら、あいつのあの姿はなんなんだ?」

 

「それはだな…俺達も詳しくは分からないのだが―――」

 

 

そうして、二人にアポカリプス―――オーマジオウのことを知っていることだけ話した。

 

 

「……この世界にはそんなヤバい奴がいるのかよ…」

 

「私達の世界でも結構な敵がいたけど……たぶん、私達が戦った中でも一番強いかもしれないわ。時間停止に衝撃波…」

 

「そう、あの力がどこから来ているのかは全くの不明。それに大型ノイズや大量のノイズを一撃で倒すその力…すべてが謎なの」

 

「でも、この世界のあいつはそんな奴の従者ってことか…」

 

「ところで、話を変えるが、そちらの世界の響くんは、一体どうなんだ?」

 

「この世界のあいつとは真反対の性格だぜ」

 

 

そうしてクリスとマリアは自分の世界の立花響のことについて教えた。

 

 

「……そっちの世界の響は、そんなに明るいんだね……」

 

 

未来は自分が響の傍にいた世界のことを教えられ、暗くなってしまった。

 

 

「本当に、この世界の響ちゃんとは真反対の性格ね……。それで、本題に戻るけど、あなたたちはどうしてこの世界に来たの?」

 

「あ、忘れてた!!」

 

「私も……この世界の立花響のことが衝撃的すぎてすっかり忘れていたわ…」

 

「それで、アタシ等がここに来た理由はな…」

 

 

そうして、二人はこの世界にきた理由を話した。

本来の目的は、【カルマノイズ】を倒すこと。【カルマノイズ】とは、普通のノイズが黒くなり、人だけを炭素化してしまうノイズ。つまり、カルマノイズがいるかぎり犠牲者が増えてしまうのだ。

 

 

「そんなノイズがこの世界に…」

 

「永久に人を炭素化できる……それはとてつもない驚異ですよ…」

 

「さすがの私でも、どうすることもできないわ…」

 

「それで今、私達の世界の立花響が苦しんでいるの。もしかしたら、この世界に私達の世界の立花響を救う方法があるんじゃないかと思っているの」

 

「そうか……。わかった!俺達も、君たちに協力しよう!だから、君たちも俺達に協力してくれ」

 

「そんなのとっくに分かってるっての!」

 

「もちろん、やらせてもらうわ。…………ところで、この世界の翼が見当たらないのだけれど、どこにいるの?」

 

「ああ……翼は今、奏のところにいる…」

 

「ッ!!この世界の天羽奏は生きてるの!?」

 

「ど、どういうことだ…?」

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

「なるほど……ここが……」

 

 

そして、ここはある場所。

その場所に、その男はいた。着ている服は金と黒が所々に施されている服。

そして黒く、淵が金色のフードを付けている。

 

 

「……変身」

 

 

《祝福の刻!最高!最善!最大!最強王!!逢魔時王!!》

 

 

そして、男は【オーマジオウ】と姿を変えた。

 

 

 

『この私が、直々に手を加えてやろう……』

 

 

 

そう言って、オーマジオウは、その場所から消えた。

 

 

 

 


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