逢魔時王と一人の歌姫の従者   作:龍狐

8 / 15
我が魔王のいる場所

「取りあえず、アタシ等は元の世界に戻る」

 

「私達の世界の立花響も心配だし……」

 

「そうか。わかった。なにか分かったときはまた来てくれ」

 

「ああ……(天羽奏が、まさかあんな状態だなんてビックリしたぞ…)」

 

 

あの後、二人は奏に会いに行ったのだ。

 

 

―――――――――――――――――――――

 

「………」

 

「…なぁ、天羽奏……で、合ってるんだよな?」

 

「…(なんだか、元気がない…)」

 

「…?……あぁ、翼から聞いてるよ……平行世界から来た装者なんだろ?」

 

「ええ……。ねぇ、どうしたの?元気がないように見えるけど……」

 

「………アタシさ、わかんなくなっちまったんだ……」

 

「どういうこと?」

 

「アタシの一言を、あいつは呪いの言葉って言った。でも、アタシはそんなつもりで言ったんじゃない。本当に生きてほしかったんだ。……でも、そのせいで、あいつは一度すべてを失った………。まるで、昔のアタシのように……」

 

「……本当に、この世界とアタシたちの世界とじゃ違いが大きすぎるな…」

 

「……あんたらの世界って、どんなんだ?」

 

「……え、えっとだな……。………聞きたいか?」

 

「…(コク)」

 

 

奏は、ゆっくりと首を下げた。

 

 

「……分かった。アタシたちの世界ではな………」

 

 

そうして、クリスとマリアは自分たちの世界のことを奏に話した。

 

 

「……そうか。お前たちの世界じゃ、アタシは絶唱歌って死んでんのか……」

 

「ああ。そう聞いてる」

 

「………この世界のアタシも、死んだ方が良かったのかな…?」

 

「な、なに言ってるのよ!!」

 

「だって、生きて欲しいと言ったつもりの言葉が呪いの言葉に変わってた。力があるのに守れなかった。あいつが傷ついているのにも気づいていなかった……。アタシが、生きるのを諦めるなって言って、それでなにもしていなかった!」

 

「…………」

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「……この世界の天羽奏は、かなり落ち込んでいるわね……」

 

「そうだろうな……。生きろと言ったつもりの言葉が呪いの言葉だって言われたんだもんな……。あいつとは、本当に正反対だ……」

 

「とにかく、私達の世界に帰りましょう」

 

「……そうだな」

 

 

そうして、二人は自分たちの世界に一時帰還した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お帰り!!クリスちゃん!!マリアさん!!

 

 

「「………は?」」

 

 

二人が帰った次の瞬間、寝込んでいるはずの【立花響】がいた。

 

 

「……え、なんで、お前ここにいんだ…?」

 

「治療室で寝てたはずじゃ……?」

 

「えぇ~と、実は……。……ってそんなことより!大変だよ二人とも!!すぐに来て!!」

 

「え、ちょ!」

 

 

そうして響に引っ張られる二人。

そして、響に連れて行かれるままになり、そして治療室に着いた。

 

 

「治療室……?」

 

「お前が本来いるべき場所だろ」

 

「そうじゃないんだって!!」

 

 

そうして三人が部屋に入ると……

 

 

「なッ!?」

 

「なんで……どうなっているの!?」

 

 

二人が見たもの、それは……。

 

 

「おお!!クリスくん、マリアくん、帰ってきたのか!!」

 

「クリスさん!!マリアさん!!」

 

「皆さん……!!!」

 

 

そこには、この世界の【風鳴弦十朗】と【緒川慎次】そして、錬金術師の【エルフナイン】がいた。

だが、二人が驚いたのは、三人がいることじゃなかった。

 

 

「先輩……ッ!!?」

 

「調、切歌……ッ!?」

 

 

そう、この世界の【風鳴翼】とこの世界の装者である【月読調】と【暁切歌】が治療室のベットで、病人の服装で寝ていたからだ。

 

 

「おい、これどうなってだよッ!?」

 

「なんで三人が…ッ!?」

 

「クリスさん、マリアさん。落ち着いて聞いてください。これはお二人がギャランホルンで平行世界に行ってからの話です………」

 

 

そうして、エルフナインは語った。二人がいない間になにが起きたかを………。

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

~S.O.N.G.司令室~

 

 

「司令!!このS.O.N.G.内部に侵入者です!!」

 

「なんだとッ!?」

 

 

この時に、S.O.N.G.内部に侵入者が現れたのだ。

 

 

「叔父さま!!」

 

「翼、切歌くんに調くん!!ただちに侵入者の対処に向かってくれ!!」

 

「まさか先輩があんな状態になっている最中に侵入者が現れるなんて……空気読めデスよ侵入者!!」

 

「司令、侵入者は今どこに?」

 

「………ッ!!司令、侵入者の場所の特定が出来ました!!ッ!!この場所は!響ちゃんの寝ている治療室に向かっているようです!!」

 

「なんだとッ!?」

 

「侵入者の映像は?」

 

「……できました!!映像に映します!!」

 

 

そうして、映像に出たのは、正に王の風格を持つ、複眼に【ライダー】と赤で書かれている、金と黒の戦士だった。そう、【オーマジオウ】である。

 

 

「あんなに堂々と……ッ!!」

 

「侵入者を止めるのデスッ!!」

 

「治療室には未来さんもいる……。だから、私たちがやらないと…!!」

 

「頼んだぞ!!」

 

 

そうして、その場所に向かった三人の装者たち。

 

 

「待て侵入者!!」

 

「ここから先へは行かせないのデスッ!!」

 

「これ以上行くというなら、私達が相手になる」

 

『………お前達では、私を倒すことはできない……』

 

「ほう?それはどうかな?私達を甘く見るな!」

 

「アタシたちの力、見せてやるのデスッ!!」

 

「行こう、翼さん、切ちゃん」

 

 

そうして、三人は歌を歌う。

 

 

「Imyuteus amenohabakiri tron」

 

「Zeios igalima raizen tron」

 

「Various shul shagana tron」

 

 

そうして、三人はシンフォギアを纏った。

 

 

「さぁ、三対一だがどうする?」

 

「降参するなら今の内デス!!」

 

「私達を甘く見ないほうがいい……」

 

『言っただろう。お前達では私には勝てない……。それは、私が、生まれながらの王だからだ……』

 

「王?高ぶりか!!」

 

「王デスか?そんなの…………デデデデェスッ!!?景色が変わったのデスッ!」

 

「どういうこと……?」

 

 

《Stage select!!》

 

 

『あの場所では少々狭かったのでな……ここならお前等は思う存分戦えるだろう?』

 

「お前がこれをやったのかッ!?」

 

「調、いくデスよ!!」

 

「うん、切ちゃん!!」

 

「待て、暁、月読!!」

 

 

二人は翼の言葉の前よりもオーマジオウに攻撃した。

切歌は、鎌で。調は丸のこで。だが、オーマジオウはその場から動かずに、衝撃波を出し、二人を吹き飛ばした

 

 

「きゃあ!!」

 

「デェス!!」

 

「月読!!暁!!」

 

『その程度ではこの私には勝てない……』

 

「くッ!これを喰らえ!」

 

 

【蒼ノ一閃】

 

 

翼はアームドギアを巨大化させて蒼い斬撃を放った。

だが、オーマジオウはそれをエネルギーの膜で防いだ。

 

 

「なにッ!?」

 

「攻撃が、効かないのデスッ!」

 

「強い……ッ!!」

 

『その程度なのか?』

 

「言ってくれる………ッ!」

 

「まだまだデスッ!!」

 

「私たちはこの程度じゃない!!」

 

 

そして切歌と調はお互いのアームドギアを合体させた。

イガリマのワイヤーアンカーで対象を固定し、更にそのワイヤーでイガリマとシュルシャガナを繋ぐと共に挟撃態勢に入る。これにより、相手を確実に裁断する技、【禁殺邪輪 Zあ破刃エクLィプssSS】である。

 

対して翼はオーマジオウの影に小刀を打ち込み動きを封じる技、【影縫い】を使い、オーマジオウの動きを封じた。

 

 

『………』

 

「これで、終わりなのデスッ!!」

 

「翼さんの影縫いはそう簡単に破れない!」

 

「行けッ!!」

 

 

そうして、イガリマの刃の着いている丸のこが回転しながらオーマジオウを襲う。

 

 

『……元から、動くつもりなどない……』

 

 

オーマジオウがそう言うと、オーマジオウの周りから一つ一つが巨大な黄金のエネルギー弾が現れ、二人を襲う。

 

 

「危ない!!」

 

 

コントロールをしている調はそれを避けるも、すぐに自分たちの方を追ってきた。

 

 

「ホーミングッ!?」

 

「調ッ!!前!!」

 

「え!?きゃあ!!」

 

 

そして、前から来ているエネルギー弾に気づかずにエネルギー弾に当たってしまい、技は失敗に終わった。

この技は【仮面ライダーW】の【ルナ】の力を使ったのだ。

 

 

『さて……これは邪魔だな』

 

 

オーマジオウは自分の影に刺さっていた小刀を消滅させた。

 

 

「なにッ!?」

 

「アタシたちの技が……」

 

「防がれた……」

 

 

『……つまらないな。お前達の力はこの程度だったとは……』

 

「なに?」

 

『貴様ら程度では、私には届かないと言っている』

 

「貴様……ッ!!暁、月読!!イグナイトモジュールだ!!」

 

「イグナイトをッ!?」

 

「…確かに、あれじゃないとあいつには勝てないかもしれない……」

 

『ほう?その通常の形態より、さらに上があるのか?ならば見せてみよ』

 

「いいだろう……。イグナイトモジュール、抜剣ッ!!」

 

 

そうして、三人のシンフォギアが黒が基準の姿になった。

 

 

『ほう……確かに、さっきよりは幾分かは力が上がってはいるが……所詮その程度か!!』

 

「あまり私達の力を舐めるな!」

 

 

そうして翼は両手に構えたアームドギアから火炎を放出し、自身を青い火の鳥と化してオーマジオウに突進する、【炎鳥極翔斬】を放った。

 

 

「この翼は、そう簡単には止められないぞ!!」

 

『………つまらなすぎる……』

 

 

オーマジオウは手を掲げると、そこから紅蓮の不死鳥型のエネルギーを翼に向けて放った。

これは【仮面ライダービルド】の【フェニックスボトル】の力を使った技である。

 

 

「なにッ!?ぐあああああぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「先輩!!」

 

「イグナイトの技も……!!」

 

『どうした?貴様らは来ないのか?』

 

「くっ!!行くデスよ調!!」

 

「うん、切ちゃん!!」

 

 

そうして切歌は2本の鎌を合わせ高枝切りばさみのような形状にして、相手を挟み切る【双斬・死nデRぇラ】を。

調は禁月輪の状態で両手に持ったヨーヨー型のアームドギアを巨大化させて三つの巨大な刃で移動しつつ攻撃を行う技、【β式 大三巨輪】を、オーマジオウに放った。

 

これもイグナイトモジュールになっているため、威力も格段に上がってはいるのだが、それもオーマジオウの前では無力だった。

 

 

『挟み撃ちか……だが無意味だ!!』

 

 

そうしてオーマジオウはライダーズクレストを召喚した。

そこから、ライダーたちが召喚され、二人の攻撃を防いだ。

 

 

「デデデデェス!?」

 

「なに…?」

 

「なんだ…あれは……?」

 

 

オーマジオウが召喚したライダー。それは……

 

 

《キングフォーム!!》

 

《ダークキバ!!》

 

《エターナル!!》

 

 

一人目はミサイルの直撃や200tの衝撃にも耐える【仮面ライダーブレイド・キングフォーム】

二人目は核爆発にすら無傷で耐えるほどの防御力をさらに超えた存在【仮面ライダーダークキバ】

三人目はあらゆる攻撃をシャットアウトするマントを持つ、【仮面ライダーエターナル】

 

 

 

『さぁ……私の僕に、勝ってみせよ……』

 

 

そうして、絶望的な第二ラウンドが始まった。

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。