HEY! プレゼント・マイクだぜぇ!! 雄英の放送室の一角を間借りしてお届けするぜ!
今日もやってきたぜ「笑顔満点計画・体操編」!! クソダサネーミングは吐移のセンス! 実は結構好き!
今日も一日実践編、ソウルメイトとおしゃべりしてきたかァ!?
「いっぱいしました!」
OK! ベリィィグッド!! 今日もバイト行く前に、体操やっていくぜぇ!!
「FOOOO!!」
さあ基礎体操! 大切だから基礎なんだぜ!
その1! 『口角を上げる体操』!! 限界まで口角を上げて、元に戻すのを1分間繰り返す! 鏡を見てやっていけぇ!
「痛いってことは効いてるってことぉ!」
まぁムリはすんな!
その2! 『頬の筋肉で目を細める体操』! 口だけ笑ってても怖いだけ! 頬の筋肉を意識して持ち上げて目を細める! 元に戻すのを忘れずに、これも鏡を見ながら1分繰り返してけ!
「これが結構難しい! ただ目を細めるわけじゃない!」
そう! 意識は頬の筋肉にな!
はいタイムアップ! 次は表情筋ウォーミングアップだ!
「はい!」
その他のエクササイズが気になるリスナーは、あとがきにあるこのサイトを参考にしてくれ! 作者も参考にしてるぞ! んっ!? 作者って誰だっ!?
「マイク先生、ご指導ありがとうございました!」
「YHAY! 前よりも笑顔が良くなってるぜ! お前の頑張りだな!」
「先生のご指導のおかげです! 独学じゃ難しいですし、見てくれる人がいると捗ります!」
「ありがとな! だけど自分の努力を下に見るなよ! じゃ、今日はここまで!」
「ありがとうございました!」
吐移との表情筋トレーニングは、4月の中頃から始まった。「高校生活は笑顔で過ごしたいんです。無意識でも笑っていられるよう、鍛えたいんです!」とアピールされて、思わず感動しちまった! 警戒人物として報告を受けた人柄と、良い方向で変わっていた。だから一二もなく引き受けた!
ハッピーだから笑顔? ノンノンノン! 笑顔がハッピーを引き寄せるのさ!! 吐移にもそれを分かってもらいたい!
まぁ、それはそれとして。今日は大事な話がある。
「吐移、引っ越し準備は進んでるか?」
「あ、はい。あの、いいんですか? 家賃、雄英持ちって。俺の“個性”で、ここまで優遇なんて……」
吐移は最近、“個性”の新しい一面を発見した。職場体験初日で「他人の傷を自分に移せる」ことに気づき、その後、「毒抜きの要領で他人から傷を取り除くことが出来る」と、「自分に移さなくていい」ことに気づいた。俺もその“個性”を受けてみたが、足の小指の痛みは一瞬で消え去った! こりゃすごい!
“個性”の発動条件的に、絵面が不味かったけどな! ほとんど足にキッスだ! 口触れてないけど! あと俺の足は臭くない!
リスクがあるかどうかは調査中だが、とっても貴重な個性であることには違いない! ヴィランからの襲撃を受けた雄英に在籍する生徒。保護すべきだと、教師満場一致だった。
「仕方ないって思ってくれ! あれだ、奨学金!」
「豪華すぎる……」
「住む場所を選ぶ自由を奪ってごめんな!」
「不満なんてありません!」
吐移の引っ越し先は、セキュリティ抜群のマンション。バイト先にも雄英にも近い好立地で、おまけにヒーロー御用達のマンションだ!
「……“個性”は、人生を左右しますね」
「そう言うなって!」
「スーパーにバイト行くのも送り迎え……訳が分かりません……!」
「不満ないんじゃないのかー?」
「堕落しそうでっ……!」
そう思うってことは、自律してるってこと。立派だなァ!
吐移を車に乗せて発進する。スーパーまでは車で5分だ。
「明日は爆豪と筋トレだったな! 仕上がってるか!」
「……はい」
「今の間は何だァ? 何かあったか!」
「……ええ。まぁ」
「相談なら乗るぜ? まだ時間はあるだろ?」
「……ありがとうございます」
赤信号で止まる。ここを左折して少し進めば、目的地だ。
「……俺、バクゴー君のこと、何も知らなかったんです……」
「うん」
「……俺、例えば、俺に暴力を振るってきた奴らが“ヒーロー”になると言ったら……絶対に、許さないです。絶対に、絶対に……」
笑顔を作っても憎しみが消えるワケじゃない。だが、憎しみがあったとしても、吐移は復讐したいとは言わない。出来すぎた生徒だ。……言わないだけかもしれないけどな。
それと爆豪が何の関係が?
「……クラスメイトから聞いたんです。バクゴー君、緑谷くんのこと、虐めてたって……。それまで“個性”が発現しなかった緑谷くんを、それだけの理由で。……彼にはどうしようもない問題じゃないかっ!! どうにも出来ない問題をネタに虐めをすることが、俺は、許せない……!」
青信号になり、左折する。目的地はすぐそこだ。
「だから……だから、俺……」
バックミラー越しに見る吐移は、俯いていて、顔が見えない。
「バクゴー君と、仲良く出来る気が、もう、しないんです……!」
「なるほどなぁ」
四角井スーパーさんに無理を言って確保した駐車場所に、車を停める。
「らしくないな!」
「っえ?」
「俺はてっきり、お前さんは“過去は過去のこと”として、気にしない性格だと思ってたんだかな!」
吐移の方を向いて笑って言ってやる。吐移は困った顔をして、また目を伏せた。
「そんな、きっぱりした性格じゃないです。そうだったら、憎しみ、持ってないです」
「そりゃそうか! ごめん!」
「……もう、行きますね。聞いてくれて、送ってくれて、ありがとうございました」
「おっと待ちな!」
「はい?」
他人の意見に振り回されるのは、やっぱり吐移らしくはないぜ!
「爆豪に直接聞けよ! その話、クラスメイトが話した情報と、爆豪の話、違いがあるかもよ!」
「……分かり、ました」
「ん! じゃ、バイト頑張って来い! 笑顔忘れんなよ!」
「……はい!」
少し無理した笑顔を浮かべて、吐移はスーパーの裏口に入っていった。楽しくなくても笑顔でいりゃ、少しくらい、前向きになれるさ!
こうやって、生徒の人間関係を悪くしないようにするのも、先生、いや、ヒーローのお仕事さ!
表情筋トレーニングの参考にさせてもらったサイト様です。他にもありますので、皆様に合ったトレーニング方法を探してみてください!
https://forzastyle.com/articles/-/56496