この作品は身内数人で作ったものを、私が編集して投稿しております。そのため各話で個性が違ったりしますが、合作なのでそこも楽しんでくださればと思います。
それでは、デュエル開始!
ネオ童実野シティ。それは嘗て二つに分かれていた街。シグナーとダークシグナーが戦い、街は再び一つとなる。
そして、そこから日は過ぎ、とある時。未来の使者と、シグナーは、お互いの運命をかけて戦った。
その伝説は、今も朽ちる事なく語り継がれている。その伝説のうちの一人。不動遊星に憧れた少年。風鳴遊斗が今、再び起こる戦いに身を委ねる!
__ライディングデュエル。アクセラレーション!__
「デュエル!」
■【風鳴遊斗】■
”……きなさい。起きなさい。遊斗!”
「……ん、んん」
声が聞こえる。僕は今何をしてたんだっけ? そういえばデュエルアカデミアで授業を受けていたような。
そこで聞こえてきた声に、ゆっくりと起き上がる。この声はおそらく。
『もう、授業中に寝ちゃダメじゃない!』
民族風の衣装を着た、翼の生えた半透明の少女が、自分の目の前に浮かんでいる。彼女は精霊のドゥクス。と言っても、見えるのは僕と、僕の友人くらいだ。
「ありがとう。つい、ね」
小声でお礼を言うと『もう、仕方ないわね』とドゥクスは溜息を吐いた。
まぁ、いつもこういう風に助けてもらっているんだけども。
「風鳴遊斗君。ここの答えは?」
と、その時だ。教師のハイトマンから、黒板の問題に答えろと言われた。
問題の内容は、フィールド魔法のコストを払った時に、サイクロンを発動した時、効果は使えるのか。と言うものだ。
『一応竜の渓谷を使う遊斗なら分かるでしょ? まぁ答えるとしたなら使えない。が正しいわね』
ドゥクスの問いかけに頷くと、僕はさらに詳しく答えるために、一瞬の間を置いたあと、記憶を頼りに、ハイトマンからの質問に答えることにした。
「通常魔法などの場合なら、サイクロンをチェーンされても使えますが、フィールド魔法は勿論。永続魔法などの場合は使えません」
「ちっ。ちゃんと聞いていましたか」
このハイトマンという教師は、とても奇抜なピンクのスーツを着た教師で、アカデミアの初等科の頃に格下げされた人だ。
まぁ、それでも教師としての腕は悪くないのか、一応古代の機械というカテゴリーの、デッキを持っている。
「古代の機械、か。……別に対処法はいくらでもあるんだよなぁ」
むしろ手札が揃えば、僕だってワンキルとか出来るし、とても強い訳じゃないと思う。
それに、僕の同級生にも破れるやつはいる。今日は居ないけど、潮浜いるかという、僕の友人の一人だ。
いるかは基本天才と呼ばれる部類で、僕はたまに勝てるか否か。濡れ羽色の長髪で、先を蒼く染めた美人で、和服が似合うと思う。
勿論それは胸がないからとかそんな理由じゃない。……ホントだよ?
「そういえば、潮浜いるかさんですが、今日居ない理由は、家出をした。と御家族から聞きました。行方を知っている人は、直ちに報告する事!」
「……ゑ?」
丁度いるかの事を考えていた所で、そんな爆弾発言に驚く事になる。
いや、確かに何時もなら僕の元へ来ているであろういるかが来ていない時点で、何かに巻き込まれたことでもあるのかは疑ったが、多分何か考えがあると信じる。
「それじゃあ授業はここまでですよ。皆さん。ちゃんと復習するように!」
授業がこうして終わると共に、僕はいるかのことを探そうと決めた。
そんな折、いるかから一件のメールが入っていることを確認する。内容を読んでいると、僕は少し頭を抱えたくなってしまう。
「旧BAD地区に居るから、私に会いたければここに来て。って……」
■【三人称】■
ネオ童実野シティを語る上では長い歴史があるのだが、この近年で言うとゼロ・リバースという現象により街が二つに別れていた。
シティとよばれる富裕層とサテライトと呼ばれる貧困層の二つの街の間は差別もあり、一人の男がそれを変えるまでにシティがサテライトを虐げていた。
しかし、ある時に橋がかけられて、二つの街は融和を果たした。それでも未だに残る貧困地区が、旧BAD地区なのだ。
「ここがbad地区……」
『やっぱり荒れてるわね。サテライトが色濃く残るって事かしら』
と。ここで少し遊斗の見た目について触れよう。少しばかり前髪が奇抜な、黒髪の青年で、デュエルアカデミアの制服を着ている。
そんな遊斗とドゥクスは会話を続けるのだが、いるかは見当たらない。そんな時だ。
「視線を感じる……」
『そうね、誰か見ているわ。確実に』
Dホイールに乗ってヘルメットをしていようと、視線自体に気づくのはこの世界の人には容易いのだが、数が問題だった。
複数人。複数人が遊斗の事を見ている。遊斗がそう気づけば、自分は何か面倒ごとに巻き込まれる訳か。と呟いた。
「おう兄ちゃん止まりなよ」
「良いDホイール持ってんじゃねーか」
「金もありそうだな。渡してもらおうじゃねーか」
「……はぁ。面倒な事に」
『如何にもな柄の悪さね』
ドゥクスもやれやれ。と言った表情で現れたゴロツキを眺める。
もちろん、遊斗はタダでやられる気もないために、デッキケースに手をかける。その時だ。
「おいおい、お前さんら。俺の目の前で何をやらかそうとしてるんだ?」
「っ、宍戸のおやっさん!?」
燕尾服を着た一人の中年男性が、遊斗とドゥクスの目の前に現れた。
その時、宍戸に付きまくっている精霊やらなんやらを目にしてしまう。
「な、なんだこの人……」
そんなつぶやきも気にせず、宍戸はゴロツキ目掛けて拳を突きつける。それを見るとゴロツキは怯えていた。
「お前さんら。前に潰した時に、懲りてなかったのかね? それだけじゃねぇ。そんな勝手、俺が許すとでも?」
「う、俺らはなぁ宍戸のおやっさん……」
「み、道案内を」
「戯け。ふざけた事を言うってことはぶっ飛ばされてーのか?」
宍戸と呼ばれた中年男性は、見事にゴロツキを圧倒している。
そして、ゴロツキ達も後ずさりしながら、逃げる様相が見え始めた。
「ちっ、宍戸のおやっさんじゃ適わねぇ! 逃げるぞ!」
「ちょっ、待てよ!」
「くそぉ!」
走り去るゴロツキを眺めた後に、遊斗は自分も行くか。と、再びDホイールに跨った時、宍戸が前に立ちはだかる。
「待ちな。この街に何をしに来たか、問わせてもらおうか」
「……なんだって?」
『気をつけて、遊斗。この人、強いわ!』
ドゥクスからの警告というのは、とても珍しいと遊斗は思う。
それ程に強力な人と戦えるというのなら。遊斗はデッキケースからデッキを取り出した。
「友人を守る為。ですよ。宍戸さん」
「……ほう、良い決闘者の面構えだ。俺としてもそうでなきゃやりがいが無い」
「ライディングデュエル。ですよね。……良い勝負にしましょう」
「はっ、言いやがる。こい、Dホイール!」
ここで、宍戸が片手を上げるとDホイールが宍戸の元へと走ってくる。
オート運転の応用か。と思いながらも遊斗はDホイールのアクセルをふかす。
「ライディングデュエル。アクセラレーション!」
__DUEL!__
「「ライディングデュエル アクセラレーション!!!」」
「僕のターン!」
「おっと小僧、分かっているだろうなぁ。これは新スピードデュエル、先行はドローできない」
「忠告ありがとうございます。一応これでも学生なので、さっきの授業で新ルールは勉強したばっかりなんですよ」
「ならば復習テストといこうじゃねぇか。1つでもミスしたらコースアウトに叩き込んで補習行きだ!」
「ミスしなきゃラフプレーしないなんて、見かけより優しい人なんだね。お手柔らかに」
●Turn1 SpC1-1
「メインフェイズ1、僕はモンスターをセットし、更にカードを1枚セット。ターンエンド!」
デュエルが始まった。僕はこの時点で、得体の知れない緊張感を覚えていた。この人は、何かが違う。
●Turn2 SpC2-2
「ワシのターン!ワシは手札から《SP - エンジェル・バトン》を発動!」
《SP - エンジェル・バトン》通常魔法
自分のスピードカウンターが2つ以上存在する場合に発動する事ができる。自分のデッキからカードを2枚ドローし、その後手札を1枚墓地へ送る。
「デッキから2枚ドローし、1枚を墓地へ捨てる」
スピードスペル。スピードワールド発動下でのみ発動できる特殊な魔法カード……上手く使って……って、。いきなりはじめたから忘れてたけど、僕のデッキ、全然ライディング用じゃない。このミスは痛い! たしかライディングデュエルは、普通の魔法は使えない。少しプレイングを考えなきゃ……
「......ボケっとしおって、何もないなら続けさせてもらおうか。ワシは《スパイダー・スパイダー》を召喚!」
《スパイダー・スパイダー》効果モンスター星4/地属性/昆虫族/攻1500/守1000
このカードが戦闘によって相手フィールド上に守備表示で存在するモンスターを破壊した場合、自分の墓地に存在するレベル4以下の昆虫族モンスター1体を選択して特殊召喚する事ができる。
「バトルフェイズだ。喰っちまえ、《スパイダースパイダー》!」
ダメージ計算
スパイダースパイダー 攻1500 vs 《ドラグニティ ファランクス》 守1100
《ドラグニティ-ファランクス》チューナー・効果モンスター星2/風属性/ドラゴン族/攻 500/守1100
(1):1ターンに1度、このカードが装備カード扱いとして装備されている場合に発動できる。装備されているこのカードを特殊召喚する。
「【ドラグニティ】!!しかも初っ端からキーカードを引いてやがったか。モブキャラみてーな見た目してなかなか『持ってる』じゃねぇか。だが......ダメージ計算後のタイミングで、《スパイダースパイダー》の誘発効果を発動する!墓地の《電動刃虫》を対象として......攻撃表示で特殊召喚!!復活しろ、《電動刃虫》!」
《電動刃虫》効果モンスター星4/地属性/昆虫族/攻2400/守 0
このカードが戦闘を行った場合、ダメージステップ終了時に相手プレイヤーはカード1枚をドローする。
「レベル4で攻撃力2400……なかなか見ないな」
「バトルフェイズ中に特殊召喚したモンスターには攻撃が許されている。こいつの追撃は痛ぇぞ!」
ダメージ計算
電動刃虫 攻2400 → 遊LP5600
「っあ! やばっ……っと、なかなかだな」
危なかった。かなり吹っ飛ばされたけど……オートパイロットもあてにならない。やっぱり実践は違うってところだよね。
『大丈夫?』
「平気、なんとか。……やばいけどね」
「なんとか復帰しおったか。これで決まるかとも思ったが......」
「しぶとさに関しては、あるつもりだからね。そうだね、虫なみには……!」
「それじゃあ虫けらに褒美をくれてやろう。ダメージステップ終了時に電動刃虫の強制誘発効果が発動する、1枚ドローしな」
「貰えるものなら貰っておくよ。ドロー!!」
「メインフェイズ2に入る。ワシは伏せカードを1枚セットして、ターン終了」
「その前にエンドフェイズのタイミングで永続罠を発動するよ。《リビングデッドの呼び声》! 戻ってこい、ファランクス!」
《リビングデッドの呼び声》
永続罠(1):自分の墓地のモンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚する。このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊される。そのモンスターが破壊された時にこのカードは破壊される。
”なるほど、スタンディングデュエルならエンドフェイズの永続罠発動は手札の速攻魔法の餌食になる恐れがある。しかしこれはライディングデュエル。普通の奴ならスピードスペル以外の魔法なんていれてねぇッて道理だ。『普通の奴』ならな......”
あの決闘者。何か考えている、おそらくデッキについてばれたかもしれない。恐ろしく推察力が高い……!
●Turn3 SpC3-3
「いくよ、僕のターン!《ドラグニティ-ミリトゥム》を召喚!」
《ドラグニティ-ミリトゥム》効果モンスター星4/風属性/鳥獣族/攻1700/守1200
1ターンに1度、自分の魔法&罠カードゾーンの「ドラグニティ」と名のついたカード1枚を選択して発動できる。 選択したカードを特殊召喚する。
「レベル2のチューナーモンスター《ドラグニティ-ファランクス》に、レベル4《ドラグニティ-ミリトゥム》をチューニング! 召喚条件は、ドラゴン族チューナーとチューナー以外の鳥獣族モンスター1体以上 霞の谷の伝説よ、今こそ飛翔せよ!レベル6!《ドラグニティナイト-ヴァジュランダ》!」
眩い光の中から姿を現した朱色の龍は、蛇のような痩身に二対の翼を携え、深い緑色の双眼と胸の宝玉を煌めかせている。
その背には、龍と同じ色の甲冑に身を包んだ鳥人の竜騎士が、大物の投槍(ヴァジュランダ)を握りしめ、宍戸の前方を立ち塞ぐかのように見下ろしていた。
《ドラグニティナイト-ヴァジュランダ》シンクロ・効果モンスター星6/風属性/ドラゴン族/攻1900/守1200
ドラゴン族チューナー+チューナー以外の鳥獣族モンスター1体以上
(1):このカードがS召喚に成功した時、自分の墓地のレベル3以下のドラゴン族の「ドラグニティ」モンスター1体を対象として発動できる。そのドラゴン族モンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備する。
(2):1ターンに1度、このカードに装備された装備カード1枚を墓地へ送って発動できる。このカードの攻撃力はターン終了時まで倍になる。
「まだまだ行くよ!《ヴァジュランダ》の誘発効果発動!墓地の《ファランクス》を対象に、自身に装備する効果。そして《ファランクス》の効果を発動し、特殊召喚する!」
”まぁ、ここまでは予想通りだが... 問題は【ドラグニティ】が得意とする連続シンクロの『トリ』、レベル8に何がおいでなするかな”
あの人、また何か考えている。きっと僕のデッキについて考察は終わっている。そして、この先に出すシンクロモンスターのことかな。なら!
「いくよ、連続シンクロ召喚! レベル2のチューナーモンスター《ドラグニティ-ファランクス》に、レベル6《ドラグニティナイト-ヴァジュランダ》をチューニング! 召喚条件は、チューナー+チューナー以外のSモンスター1体以上、神聖なる光蓄えし翼煌めかせ、その輝きで敵を撃て!シンクロ召喚! いでよ!レベル8! 《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》!」
《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》シンクロ・効果モンスター星8/風属性/ドラゴン族/攻3000/守2500
チューナー+チューナー以外のSモンスター1体以上
(1):1ターンに1度、このカード以外のモンスターの効果が発動した時に発動できる。その発動を無効にし破壊する。この効果でモンスターを破壊した場合、このカードの攻撃力はターン終了時まで、この効果で破壊したモンスターの元々の攻撃力分アップする。
(2):このカードがレベル5以上の相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に発動する。このカードの攻撃力はそのダメージ計算時のみ、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分アップする。
「……ここで何を選ぶかは重要だ。だから……よし! ここはダメージ優先する。バトルフェイズ! クリスタルウィングで、スパイダースパイダーに攻撃だ!」
ダメージ計算
《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》攻3000 vs 《スパイダースパイダー》攻1500 宍戸LP6500
あの人、かなり慣れている様子でクリスタルウィングの攻撃を凌ぎきった……Dホイールの立て直しがうまい。……まるで予定調和と言われてるみたいだ。
「今まで全てわかっていたみたいだ……リアクションもないなんて」
「さあな、まあただ言えることはこれくらいは定石って所さ」
......魔法が使えないとなると、ブラフでセットしたほうが良さそうだな。プレイングに無駄がないように、考えよう。本命の罠がばれないようにして......
「メインフェイズ2、僕はカードを2枚セットして、ターンエンド!」
●Turn4 SpC4-4
「ワシのターン、ドロー。ワシはモンスターを1体セットし、更に電動刃虫を守備表示!カードを1枚セットしてターン終了だ」
●Turn5 SpC5-5
「僕のターンだ。手札から霞の谷のファルコンを召喚!!」
《霞の谷のファルコン》効果モンスター星4/風属性/鳥獣族/攻2000/守1200
このカードは、このカード以外の自分フィールド上のカード1枚を手札に戻さなければ攻撃宣言できない。
「更に墓地のミリトゥムを除外し、風の精霊ガルーダを特殊召喚」
《風の精霊 ガルーダ》効果モンスター星4/風属性/鳥獣族/攻1600/守1200
このカードは通常召喚できない。自分の墓地に存在する風属性モンスター1体をゲームから除外した場合に特殊召喚する事ができる。相手のエンドフェイズ時、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択し、表示形式を変更する事ができる。
「モンスター3体。防戦一方にさせてはいる。怖いところはあるけど、ここは臆さず攻める!」
「ほう?」
「バトルフェイズだ。ガルーダで電動刃虫に攻撃!」
ダメージ計算
1600vs0で破壊
「……効果によって一枚ドロー」
引いたのは……テラフォーミング。これは使えない。まだ何か、この状態で使えるものが引けたら良かったけど……
「続けて、ファルコンでセットモンスターに攻撃。攻撃宣言時にリビングデッドの呼び声を手札に戻す」
ダメージ計算、宍戸の伏せモンスター......赤い果実のような頭部と腹部を持った蜻蛉が姿を見せる。
「《ナチュル・ドラゴンフライ》!」
透き通るような翅をホバリングさせ、ドラゴンフライはファルコンの攻撃に対し防御姿勢をとった。
ダメージ計算2000vs400 破壊はされない
「破壊されない?」
「残念だったなぁ!こいつの効果は!」
《ナチュル・ドラゴンフライ》効果モンスター星4/地属性/昆虫族/攻1200/守 400
このカードは攻撃力2000以上のモンスターとの戦闘では破壊されない。このカードの攻撃力は自分の墓地の「ナチュル」と名のついたモンスターの数×200ポイントアップする。
「どうしてクリスタルウィングの効果発動タイミングがなかったんだ。発動を無効にするからダメージステップでも発動できるはずなのに……いや、これは」
「ナチュルドラゴンフライの効果は永続効果、発動を伴わない効果を、どうやって発動無効しろってんだ。ま、気づいただけ及第点だ」
油断はしてないかと言われれば、これはしているうちに入る。クリスタルウィングさえいれば、モンスター効果の障害は突破してるものと……
「たしかにクリスタルウィングは強力な効果を持っている。しかし、そいつを使う奴がこんなへっぽこじゃなぁお前の相手は、このちっぽけな蜻蛉で十分ってこったぜ」
「……」
「こいつも伊達に『ドラゴン』の名を冠してねぇんだ。『ドラゴンフライがドラゴンに勝てない道理はねぇ』だろう?」
「でもそれは『負けない』ってだけで『勝った』とは言わない。なにか手がある」
「そう、『こいつを倒せなかった以上、お前のモンスターは負ける』のさ」
まずい。状況は依然として有利なはずなのに……この人の罠にハマる。計算通りにいかないと必要以上に焦ってしまう。それは決闘者なら誰しもある。流れを掴まれるんじゃない……あの人の思うつぼだ。冷静になれ、
「……僕はカードを一枚セットし」
「おいおい、まだてめえのバトルフェイズは終了しちゃいないぜ?」
宣言を忘れていた……! ここでラフプレー!? っ、危な……!? っと、なんとか耐えた。まさか体当たりまでしてくるなんて、ね……まさか手動なのか?
「くっ......改めてメインフェイズ2……カードを1枚セットし、ターン終了」
●Turn6 SpC6-6
「俺のターン。ドロー! へッ! やっぱりな。お前はこのドラゴンフライに負ける運命にあったようだ」
「……何を引いたんだ、あなたは」
「今見せてやるよ青二才! これが俺の逆転の一手、魔法カード《同胞の絆》を発動!」
「なっ、そのカードは!」
《同胞の絆》通常魔法
このカードを発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。
(1):2000LPを払い、自分フィールドのレベル4以下のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターと同じ種族・属性・レベルでカード名が異なるモンスター2体をデッキから特殊召喚する(同名カードは1枚まで)。このカードの発動後、ターン終了時まで自分はモンスターを特殊召喚できない。
「でも、そのカードは……魔法カード!」
「それがどうしたってんだ?ライディングデュエルの基本が分からないなら教えてやろう、スピードスペル以外の魔法カードは『効果処理後のタイミングでチェーンブロックを作らず2000ポイントのペナルティを課せられる』!」
「......なっ」
「どこにも『スピードスペル以外の魔法を使っちゃいけない』なんてことは書いてねぇんだぜ?」
そうだ、今日の授業でもハイトマンがちらっと言ってた……あいにくほぼ寝てたから忘れてたけど。発動と同時に大きなペナルティを負うが、『発動できないわけじゃない』って。
「だからって......同胞の絆はスタンディングデュエルにおいても大きなコストを必要とするカード……ライディングデュエルでは固定値にして4000のライフポイントが必要になる。今の環境じゃライフ4000が簡単に消し飛ぶ、それでルール改正があったのに、なのにそんなハイリスクをおかしてまで……この人は……!」
「まぁ、ワシも旧ライディングデュエルでは《レインボーライフ》なんか使ってたがな。《スピードワールド2》まではペナルティはダメージだったからよぉ。ルール変更で踏み倒しが出来なくなっちまったが、しかしな……お上に潰されて、社会に弾かれて、やりてぇことも出来なくて何がデュエルだ。このデッキに眠る奴らを存分に活かしてやるには、このカードが必要なのよ。そのためならコスト8000でも安いくれぇだ」
「この人は、普通じゃない……だから、強い……!」
「教えといてやろう、デュエルはな、頭おかしいやつのほうが強いんだぜ?」
「なっ……」
『この人、おかしいように見えて……とんでもない不屈の心をもっているわ!』
「おしゃべりは終わりだ。デュエルを続行する! 発動のコストとして2000ポイントのライフを払い! 更に! ショバ代として2000ポイントをこのフィールドに捧げるぅ!」
宍LP6500→2500
「対象としたナチュルドラゴンフライは地属性・昆虫族・レベル4! 来い、《トリオンの蠱惑魔》!《アトラの蠱惑魔》!」
《トリオンの蠱惑魔》効果モンスター星4/地属性/昆虫族/攻1600/守1200
(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。デッキから「ホール」通常罠カードまたは「落とし穴」通常罠カード1枚を手札に加える。
(2):このカードが特殊召喚に成功した場合、相手フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動する。その相手のカードを破壊する。
(3):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、「ホール」通常罠及び「落とし穴」通常罠カードの効果を受けない。
《アトラの蠱惑魔》効果モンスター星4/地属性/昆虫族/攻1800/守1000
このカードは「ホール」または「落とし穴」と名のついた通常罠カードの効果を受けない。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、自分は手札から「ホール」または「落とし穴」と名のついた通常罠カードを発動できる。また、このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、自分がコントロールする通常罠カードの発動と効果は無効化されない。
蟲惑魔……聞いた事ないテーマだけど、こんなものはあったのか? 見た目とかは可愛いけど、僕としてはなんだろう……とてもやばいものに見える。
「特殊召喚時にトリオンの効果発動!対象は、さっきのターン伏せたカード。そいつはリビングデッドの呼び声だろう?」
「……」
見透かされている。落ち着け、これがほぼオープンなのはファルコンの再利用で見せているのは、確かな事だ。僕もわかってる事だから、ね。
「この瞬間、トリオンの効果にチェーンしてクリスタルウィングの効果を発動!」
「ならばそれにチェーンだ! 罠カード《大落とし穴》を手札から発動!」
《大落とし穴》通常罠
同時に2体以上のモンスターが特殊召喚に成功した時に発動できる。フィールド上のモンスターを全て破壊する。
「手札から罠……」
「アトラの蟲惑魔の効果で、ワシは手札から「落とし穴」罠を発動できる!」
「でも、それならクリスタルウィングの効果は通る、リビングデッドが守られればクリスタルウィングは復活できる!」
「そいつぁどうかな?チェーンがないならやらせてもらうぜ。《ブレイクスルースキル》を発動!」
《ブレイクスルー・スキル》通常罠
(1):相手フィールドの効果モンスター1体を対象として発動できる。その相手モンスターの効果をターン終了時まで無効にする。
(2):自分ターンに墓地のこのカードを除外し、相手フィールドの効果モンスター1体を対象として発動できる。その相手の効果モンスターの効果をターン終了時まで無効にする。この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。
「罠なら想定内だ。チェーンして《竜の転生》発動!」
《竜の転生》通常罠
(1):自分フィールドのドラゴン族モンスター1体を対象として発動できる。その自分のドラゴン族モンスターを除外し、自分の手札・墓地からドラゴン族モンスター1体を選んで特殊召喚する。
「言っただろう?ドラゴンフライを倒せなかった時点で、お前は負けている! カウンター罠《エクストリオの牙》!」
《エクストリオの牙》カウンター罠
自分フィールド上に「ナチュル」と名のついたモンスターが表側表示で存在する場合に発動する事ができる。相手が発動した魔法・罠カードの発動を無効にし破壊する。その後、自分の手札を1枚墓地へ送る。
カウンター罠……ナチュルの力を持った、スペルスピード3。チェーンはできない。
「その伏せカードは思った通りブラフ、これ以上のチェーンはねぇようだなぁ!?」
チェーン
1:トリオン→2:クリスタル→3:大落とし穴→4:ブレイクスルースキル→5:竜の転生→6:エクストリオの牙
逆順処理
6:エクストリオの牙で竜の転生が無効化、宍戸は手札を1枚捨てる→4:ブレイクスル―スキルでクリスタルが無効化→3:大落とし穴でトリオンとアトラ以外破壊→1:トリオンでリビングデッド破壊
残った伏せは使えない魔法カード、手札には装備用のモンスターと、これも使えない普通の魔法が一つ、この手札では何も出来ない……
「同胞の絆を発動したターンは攻撃できない......が、形勢は逆転したなぁ?カードを1枚セットしてターン終了だ」
●Turn7 SpC7-7
「僕のターン、ドロー」
……引いたのはおろかな埋葬。打つ手がない。
「ターンエンド」
●Turn8 SpC8-8
「俺のターン、ドロー! バトルだ、トリオンとアトラで直接攻撃!」
ダメージ計算 1600+1800
遊LP5600→2200
「更に、モンスターをセット」
”こいつは人喰い虫、お前が何を召喚しようが次のターンで破壊だ”
あの人、自信のある顔だ。……おそらく封じるカードを引いている。
《人喰い虫》効果モンスター星2/地属性/昆虫族/攻 450/守 600
リバース:フィールド上のモンスター1体を選択して破壊する。
●Turn9 SpC9-9
「僕のターン、ドロー!」
『はぁ、仕方ないわね。私の出番よ』
絵柄が違う。どういう理由で刷られたかは分からないけど、女性になっているドゥクスを僕は引いた。
「……土壇場だね」
『ごめんなさいね、来るのが遅れて。まあ、すぐ終わると思ってたんだけどね』
「僕はドゥクス召喚、召喚成功時の誘発効果を発動し、ファランクスを装備する!」
《ドラグニティ-ドゥクス》効果モンスター星4/風属性/鳥獣族/攻1500/守1000
(1):このカードが召喚に成功した時、自分の墓地のレベル3以下のドラゴン族の「ドラグニティ」モンスター1体を対象として発動できる。そのドラゴン族モンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備する。
(2):このカードの攻撃力は、自分フィールドの「ドラグニティ」カードの数×200アップする。
「ならば、ここでDNA改造手術発動、宣言するのは昆虫族だ」
《DNA改造手術》永続罠
種族を1つ宣言して発動する。このカードがフィールド上に存在する限り、フィールド上に表側表示で存在する全てのモンスターは宣言した種族になる。
「ドラグニティのシンクロ条件はドラゴン族と鳥獣族。ヴァジュランダもゲイボルグも出させねぇぜ、さあどうする」
「くっ、読んでたね」
『……用意周到ね』
いや……ここでシンクロ出来るモンスターが、僕のエクストラデッキには1体だけ存在する。しかし、それを出したところで、伏せモンスター……。あれはきっと妨害系だ。攻撃しなかったことを見るとアタッカーではなく、ステータスは低め……奴の昆虫族デッキからして、あれは人食い虫のようなリバース効果モンスターと考えるべき。つまり、このターンで決めなければ、負ける……!
そういえば……僕の伏せていたカードは!
「いや、ある! 一か八か、これに賭けるしかない! 星空を焦がす聖槍よ!! 魂を放ち世界を醒ませ!! レベル6 スターダスト・アサルト・ウォリアー!」
《スターダスト・アサルト・ウォリアー》シンクロ・効果モンスター星6/風属性/戦士族/攻2100/守1200
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上。「スターダスト・アサルト・ウォリアー」の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがS召喚に成功した時、自分フィールドに他のモンスターが存在しない場合に自分の墓地の「ジャンク」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。
(2):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。
「そして、僕はセットされていた竜操術を発動!」
『……それは。そういう事ね』
LP2200→200 魔法ペナルティ
《竜操術》永続魔法
「ドラグニティ」と名のついたモンスターを装備した、自分フィールド上に存在するモンスターの攻撃力は500ポイントアップする。また、1ターンに1度、手札から「ドラグニティ」と名のついたドラゴン族モンスター1体を装備カード扱いとして自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体に装備する事ができる。
「その効果を発動し、手札のブランディストックを装備する!これでアサルト・ウォリアーの攻撃力は2600だ」
「バトル!トリオンに攻撃!」
”だがトリオンを破壊してもダメージは1000ポイント”
宍LP2500→1500
”俺のライフは削り切れない。奴に手札はないから次のターンで人食い虫を反転召喚し、直接攻撃を決めれば終わりだ”
「……って、考えてるんだろうね。僕のバトルフェイズはまだ終了していないよ!
「馬鹿な、手札もないのにどうやって。墓地にも発動できるカードはないはずだ!」
「発動じゃない、永続効果だよ! ブランディストックを装備したモンスターは、1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる!」
《ドラグニティ-ブランディストック》チューナー(効果モンスター)星1/風属性/ドラゴン族/攻 600/守 400
このカードが装備カード扱いとして装備されている場合装備モンスターは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃する事ができる。
「そして、スターダストアサルトウォリアーは守備表示のモンスターを攻撃した場合も、戦闘ダメージを与えられる!」
「決まれぇぇぇぇ!!!!流星環穿(シューティングドライバー)!!!」
「……ふ、マイナーだから忘れてたが。やるな、小僧」
2600-600 ダメージ2000 宍戸残りライフ1500→0
長さを区切って文字を減らした方がいいですか? 区切らない方がいいですか?
-
1:区切る
-
2:区切らない