俺のトリガーオン 作:ヒーロー科志望
1話
人には勝ち組や負け組と言ったグループが存在する。例えば勝ち組に入る分類はイケメン、運動神経抜群、金持ち、頭が良いといった人たちだ。逆に負け組は勝ち組とは反対の、容姿に自信が無い人、運動神経が無い人、貧乏な人、馬鹿な人たちだ。
負け組は勝ち組には永遠に勝てないと思う人もいるがそれは間違いだ。負け組でも努力などをすれば勝ち組にもなれるのだ。
例えば容姿が悪い人は整形をすればいい、運動神経が無い人は運動が得意になるまで練習すればいい、貧乏な人は仕事をし給料を貯金すればいい、頭が悪い人は理解できるまで勉強すればよい
だが、ある出来事をきっかけに負け組は勝ち組になれなくなってしまった。
ある出来事とは中国軽憲市で"発光する赤児"が生まれたというニュースが放送されたのがきっかけだった。この"発光する赤児"が生まれた以降世界各地で「超常」が発見された。学者たちが「超常」を突き止めるために研究などをしたが原因を突き止めることは出来ず時は流れていった。
いつしかこの「超常」は「日常」に変わっていってしまった。
そして「架空ゆめ」は「現実」に変わっていった。
今まで「超常」と呼ばれたものを人は次第に「個性」と呼び出し、この呼び名が定着した。
それから、数年後世界人口の約八割・・・が個性を発動させ超人社会となった。そんな、超人社会では犯罪者たちは個性を使い事件を起こすようになったこんな犯罪者たちを世間で敵ヴィランと呼び敵ヴィランを討伐し確保する人をヒーローと呼んだ。
ここで、話は冒頭の話題に戻るが、勝ち組と負け組の分類は大きく変わった。勝ち組の分類は個性が発動した人。負け組の分類は個性が発動できなかった人と分けられる。
因みに今の超人社会では個性が発動できなかった人たちのことを「無個性」と呼んでいる。
無個性の人はいくら努力しても、いくらお金をつぎ込んでも個性は発動しない。つまり、無個性の人は一生勝ち組にはなれないのだ。
因みに個性を発動できる人は世界人口の約八割だ。逆に無個性の人は残りの二割だ。つまり現在の勝ち組には八割の人間が所属し負け組には二割の人間が所属していることになった。
今この世界は超人社会と呼ばれているが実際は格差社会だと思う。
静岡県折寺中学校。
帰りのHRの時間とある3年生の教室では担任の教師が教壇の上から生徒たちを見渡していた。
「え~、さて。これからお前達に進路希望のプリントを配るぞ。まぁ全員ヒーロー科だよな!!」
『イエーーーーイ!!』
教師は真面目の雰囲気から打って変わっておチャラけた雰囲気になり、進路希望の紙を教室中にバラまいた。それと同時に生徒たちも自慢げに個性を使い騒ぎ出した。
「うんうん、皆いい個性だ!!でも校内では原則個性は発動禁止だからな気を付けろよ!!」
担任は個性を発動している生徒たちに注意をしたがその注意は形だけでありただ普通に生徒たちの個性を褒めているだけだった。
「せんせぇー、俺をこんなモブたちと一緒にすんなよ!!」
とそんな中個性を発動させず、机に足をかけていたいかにも不良のような男子生徒が声を上げた。担任は男子生徒に目をやった。
「俺はこんな没個性共と仲良く底辺なんざ行かねーよ!!」
男子生徒の名前は爆豪勝己。他の生徒たちの個性を没個性と言い切ることは余程自分の個性に自身があるのだろう。
「そりゃ、ねーだろカツキ!!」
「モブがモブらしくうっせー!!」
「あー、確か爆豪は「雄英高校」志望だったな」
爆豪の発言にクラスメイトたち全員がブーイングする中担任の一言でクラスメイトのブーイングは収まり再びざわつき始めた。
それもそのはずだ。爆豪が志望している高校雄英高校は偏差値79を超え倍率は300を超えると言われている高校だ。入りたいと思っても入れる高校ではないのだ。
「模試じゃA判定!!俺は中学唯一の雄英圏内!!あのオールマイトを超えて俺はトップヒーローとなり!!必ず高額納税者ランキングに名を刻むのだ!!」
爆豪は椅子から勢いよく立ち上がりそのまま自分の机に飛び乗り大声でNo.1ヒーローオールマイトを超えると宣言したのだった。
「そういやあ、緑谷と音無も雄英志望だったな」
「ははあ?音無はともかく緑谷は無理っしょ!!」
「勉強出来るだけじゃ、ヒーロー科に入れねーんだぞ!!」
そんな爆豪を他所に担任は思い出したかのように顔を必死に隠しクラスメイトたちの様子を伺っている男子生徒緑谷出久と爆豪同様個性を発動せず窓から外を眺めている音無春馬も雄英が志望だと口にした。
担任の発言の後すぐさまクラスメイトたちは盛大に吹き出し緑谷を小馬鹿にし始めた。
「そっ・・・・・・そんな規定もうないよ!前例がないだけで!」
「こらデク!!!」
「どわ!?」
緑谷は勇気を振り絞り勢いよく椅子から立ち上がりクラスメイトたちに反論しようとした時緑谷を爆豪が個性で殴り飛ばしてしまった。殴り飛ばされた緑谷はそのまま後ろの壁に激突してしまった。
「没個性のどころか無個性のお前がなんで俺と同じ土俵に立てるんだ!!?」
「待っ・・・違うんだかっちゃん。別に張り合おうとかしてないよ。
ただ小さい頃からの夢で、それにやってみないとわかんないし・・・」
「何がやってみないとだ!!!記念受験か!!!」
爆豪は更に近づき再び緑谷を攻撃しようとした。緑谷はカサカサと後ろに下がっていったが遂に壁にぶつかり逃げられなくなってしまった。緑谷は必死に爆豪を説得しようとするがそれは失敗に終わり他のクラスメイトたちも爆豪に乗っかり個性を再び発動させ緑谷を追い詰めていた。担任はその光景を見ても一切止めに入ろうとしはしなかった。
「なぁ、そろそろやめろよな、そんな馬鹿なこと」
「あぁん?」
そんな中、唯一緑谷を追い詰めず1度も口を開かなかった音無が席を立ち上がり爆豪たちに一言口にした。爆豪は音無に強烈な睨みをきかせたが音無が怯むことは無かった。
「お前らヒーロー志望だろ?そんな奴らがなんで人に個性使って攻撃して集団リンチみたいなことをしてんだ?お前らは
それだけでなく音無は緑谷を庇うように爆豪と緑谷の間に入り爆豪と他のクラスメイトたちの行動を注意し更にこの光景を見ているだけだったら担任も注意を促した。
「あと、爆豪そんなに暴れたかったら俺が相手になってるよ」
「チッ、おいデク今回は見逃してやるから今度はようしゃはしねぇぞ」
音無は更に爆豪に釘をさすようにそう言い席に戻った。爆豪もこれ以上はヤバいと思ったのか緑谷に一言口にしたあと大人しく席に戻った。他のクラスメイトたちもそれに続くように個性を引っ込め席に戻った。
こうして音無たちの帰りのHRは終わりを告げたのだった。