ウルトラマンタイガ BUDDY&SPYCE   作:彩花乃茶

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とりあえず新作自体を保留にしたので月1か2か月に1回ぐらいで新作エピソードを公開できたらいいなと考えています。

ニセウルトラマンベリアル
バレットリペア 登場


ウルトラビッグマッチ

「はやくウルトラマンタイガを何とかせねば!」

 

「まぁまぁ落ち着けよ。今や俺達の商売の邪魔をしてるのはタイガ達トライスクワッドだけじゃないだろ」

 

「トレギアか。あいつは俺達なんか眼中にないって感じだよな」

 

 スラン星人達のアジト。彼らはそこで自分達の商売の邪魔をするウルトラマン達をどうするか作戦会議をしていた。

「いっそ、ウルトラマン達全員を一掃できればな」

 

「おっ、それダジャレですか」

 

「ちげぇよ。全然ちげぇよ」

 

「それじゃあ僕が変身して偽タイガに・・・」

 

「お前には無理だ」

 

 ザラブ星人は自分が偽物のタイガに変身して人々を騙す事を提案するもゴドラ星人は無理だと否定する。

「え~、なんでだよ」

 

「1人でウルトラマン達と戦って勝てるのか?」

 

「あっ・・・。それは・・」

 

「それにあいつらを消そうとして光の国の連中に目を付けられたらどうするつもりだ?」

 

「それは大丈夫だ。トレギアは光の国も恐れる存在だ。あいつを倒すことができれば、そう簡単に手を出すこともできなくなるはずだ」

 

「ならいっそさ、VIP待遇するとかどうかな?好きな食べ物とか調べてさ」

 

「ザラブ!お前は話にならん!許可が出るまで黙ってろ!」

 

「まぁまぁ・・・落ち着けよ」

 

『私に考えがあります』

 

 怒るゴドラ星人をスラン星人は宥めているとチブル星人マブゼから通信が入った。すると通信機からホログラムのチブル星人マブゼが出現した。

「光の国を恐れさせるのに一番ふさわしい存在があります」

 

「相応しい存在?」

 

「ウルトラマンべリアルです」

 

「べ、ベリアルだと!?あいつはウルトラマンジードに負けたはずじゃ・・・」

 

「とっておきの秘策があるのですよ。そちらの機械をごらんください」

 

 3人はマブゼが用意していた機械に視線を向ける。

「これは?」

 

「それはベリアル因子です」

 

「なんだと!?ベリアル因子!?」

 

 ベリアル因子を見せられて3人はそれぞれ驚く。

「こんなもの本当に使って平気なのか?」

 

「ハッハッハッ!これまでだって培養合成獣を何体も作ってきたでしょう。さぁスラン君。スイッチをポチっと押しちゃってください」

 

「おいおい、本当にやるのか?」

 

「やるしか・・・ないだろ!」

 

 覚悟を決めたスラン星人はスイッチを押すと機械が起動する。

「これで・・・ウルトラマン達を排除できるのか?」

 

「それにどうやってウルトラマン達を呼び出すんだ?」

 

「「「「・・・・・・」」」」

 

 チブル星人達は沈黙する。誰もそこまでは考えていなかったようだ。

「あっ!いいこと思いついた!」

 

 何かを閃いたザラブ星人は撮影機器と電波ジャックのための機材を用意する。

「なるほどその手があったか」

 

「だけどそんなんでいけるのか?」

 

「知らないんですか?電波ジャックと言えばザラブなんですよ。この機材だってウチの名物です」

 

 機材の準備を終えたザラブ星人。そして撮影が始まり、それは各メディアへと配信される。

「あ~テステス、映ってる?」

 

「おい馬鹿!もう映ってるっての!」

 

 カメラの前から寄せられるザラブ星人。気を取り直したマブゼは世界へ向けて発信する。

「ごきげんよう諸君。この度我々の存在を脅かすウルトラマンを、奴らの同胞の力を持って抹殺することに致しました!」

 

 マブゼがそう告げるとスラン星人達はベリアル因子を解き放つ。解き放たれた因子は1体の闇の巨人に・・・ウルトラマンべリアルの姿となる。

「さぁ、ウルトラマン狩りの始まりだ!」

 

 

 

~~~~~

~~~~~~~

 

「あっ、雅美さん!」

 

「伊智香。あなたももしかして中継を観て?」

 

「はい。凪の部隊もですか?」

 

 マブゼ達の中継を観た伊智香と雅美、そして他のツキカゲや凪の部隊のメンバーはマブゼ達が行動を起こす前に確保しようと飛び出たのだが、そこで偶然にも伊智香と雅美が出会った。

「「っ!!」」

 

 なにか巨大なものが着地した激しい振動を感じ取った伊智香と雅美はその振動の先へと視線を向けると、そこにはウルトラマンべリアルのような何かが立っていた。

「ウォォラァァ!!」

 

 ニセモノのベリアルは両手から電撃を放ち、周囲の建物を破壊すると、高笑いをする。

「きゃぁぁぁっ!?」

 

 逃げ惑う人々の間をかき分けて伊智香と雅美は現場へと駆けていく。

「タイガ君。あのウルトラマンは?」

 

「あれはベリアル。父さん達が昔手こずらされた光の国の大罪人だ」

 

「行くよタイガ君!」

『カモン!』

 

「光の勇者!タイガ!」

 

 タイガアクセサリーを手に取った伊智香はそれを右手に持ち替える。

「バディ・ゴー!」

『ウルトラマンタイガ!』

 

「スマッシュ!」

 

 伊智香はウルトラマンタイガへと変身をすると、隣にいた雅美もスマッシュスパークを掲げてウルトラマンスマッシュへと変身する。

「タァァァァッ!!」

 

「ハァァッ!!」

 

 タイガとスマッシュは同時にニセベリアルへとキックを決め込もうとするも、鋭い爪から放たれた斬撃に迎撃されてしまう。

「うわっ!?」

 

「ぐっ!?」

 

 地面に叩きつけられたタイガとスマッシュ。それに歓喜したスラン星人達はウルトラマン達が苦戦する姿を動画に収めようとする。

「お~、大迫力~!」

 

「スッゲ~」

 

 間近で見るタイガとスマッシュ、そしてニセベリアルとの戦いに興奮するスラン星人達。そこに立体映像ではないマブゼが現れた。

「当然です!私も見に来ましたよ!」

 

「おっ、チブル!お前も来たのか」

 

「えぇ。私の最高傑作とも言える存在をこの目で見てみたくなりましてねぇ」

 

 マブゼがニセベリアルを最高傑作と自画自賛すると、タイガとスマッシュは起き上がる。

「こいつ、本当にベリアルなのか?」

 

「べリアルであってベリアルでないもの。言うなればニセベリアルと言ったところですかね?」

 

 スマッシュが冷静にニセベリアルを偽物だと判断していると、ニセベリアルは駆け出して拳を振るってくる。

「シュァ!」

『ウルトラマンタイタス!』

 

 タイガの拳とニセベリアルの拳がぶつかる瞬間、伊智香はウルトラマンタイタスへとウルトラチェンジしてニセベリアルと拳をぶつけ合う。

「パワー勝負なら負けない!ウルトラララララララッ!!」

 

「べリベリベリベリベリベリ!」

 

 タイタスとニセベリアルの連続の拳のぶつけ合い。互いのパワーが互角の中、ニセベリアルはタイタスの両手を掴み、手を捻らせて動きを封じると、タイタスを蹴り飛ばした。

「なんと!?ぐぁっ!?」

 

 転倒したタイタスは即座に体勢を立て直す。

「ならば・・・!」

『ウルトラマンタイタス・スターエンシェント!』

 

「これで行こう!」

『カモン!』

 

 パワーアップしたタイタス。そして伊智香はすぐさまジード・ロイヤルメガマスターレットを装着する。

『ジード・ロイヤルメガマスターレット・コネクトオン!』

 

「ロイヤルバスタァァァ!!」

 

「ウゥゥゥラァァ!!」

 

 タイタスのロイヤルバスターとニセベリアルのデスシウム光線がぶつかり合う。その2つの必殺技は相殺しあい、爆煙の中からニセベリアルが突き抜けてくる。

「オォォラァッ!」

 

「っ!」

『ウルトラマンフーマ!』

 

 ニセベリアルの攻撃を空を飛ぶ事で避けたタイタスはウルトラマンフーマへと交代すると、フーマは光波手裏剣を連続して放つ。

「フンっ!」

 

 それを弾いていたニセベリアルだったが、そのうちの1枚を背中に受けて怯む。それをチャンスだと判断したスマッシュは光のナイフを構えて斬り込もうとすると、ニセベリアルは近くのビルを持ち上げて盾にしてしまった。

「何っ!?」

 

 流石にビルを斬るわけにはいかないと手を止めてしまうスマッシュ。するとニセベリアルはスマッシュにビルを投げつけてきた。

「っ!・・・ぐぁっ!?」

 

 咄嗟にビルをキャッチしたスマッシュだったが、ニセベリアルのドロップキックを受けてその場に転倒してしまう。

「ハハハハハッ!」

 

「この野郎!!」

『ウルトラマンフーマ・ストームインパクト!』

 

『カモン!』

 

 フーマはストームインパクトへと強化変身を遂げると、伊智香は即座にルーブレットを装着する。

『ルーブレット・コネクトオン』

 

「双星光波手裏剣!」

 

「オォォラァッ!!」

 

 そしてフーマは双星光波手裏剣を飛ばすと、ニセベリアルはそれを八つ裂き光輪で相殺する。

「隙だらけだぜ!」

 

すると今度はフーマが先に動き、ニセベリアルに連続の回し蹴りを叩き込んだ。

「どうだ!ぬぉっ!?」

 

 しかしその蹴りでニセベリアルは怯まず、逆にフーマの足を掴むと、フーマを地面に叩きつけた。

 

 

 

~~~~~

~~~~~~~

「へぇ、ベリアルの偽物を作っちゃうなんてチブル星人も面白いことするじゃん。だったら私も・・・このゲームに参加しちゃおっかな」

 

 ニセベリアルと戦うフーマとスマッシュを見上げる紫髪の少女は以前バレットが使用していたのと同様のウルトラビークルを取り出す。

「2対1じゃゲームっぽくないし、ゲームらしく2対2にしてあげないとね」

 

 青いウルトラビークルのバンパーを叩いた少女はそのウルトラビークルを空へと放り投げる。するとそのウルトラビークルは黒いマントを右肩につけて、片目が赤く変色しているウルトラマンバレットへと変化した。

「バレットのリペア品。バレットリペアってところかな。天才なお姉様と違って私が修復したものだから強化まではできてないと思うけど、それでも限りなく本来のバレットに近い性能は持ってるはずだよ。さぁどうくるウルトラマン達?」

 

「なっ・・・!バレットだと!?」

 

「どうしてバレットが復活したんですか?」

 

 フーマとスマッシュは突如現れたバレットリペアに驚いていると、バレットリペアは初撃からいきなりガトリウム光線をフーマめがけて放ってきた。

「ニンっ!」

 

 ドロンと姿を消してガトリウム光線を回避するフーマ。するとガトリウム光線の標準をスマッシュへと変えてきた。

「くっ!」

 

 光の槍を作り出したスマッシュはそれを高速で回転させてガトリウム光線をしのぎ切ると、スマッシュはその槍をバレットリペアめがけて投げつける。

「フゥン!!」

 

 しかしその槍はニセベリアルが掴み取り、へし折ってしまった。

「フハハハハっ!」

 

 へし折った槍を投げ捨てたニセベリアルは背後から奇襲をしかけようとしているフーマに気づいていて、後ろにいたフーマを殴りつける。

「うわっ!?」

 

「ヌン!」

 

 怯んでいるフーマにバレットリペアは回し蹴りを決め込む追い打ちをしてきた。

「フハハハハハっ!」

 

そしてニセベリアルはスマッシュの頭をつかみ上げると地面に叩きつける。

「おやおや?懐かしい顔がいますねぇ」

 

 ニセベリアルとバレットリペアに苦戦させられるフーマとスマッシュ。それを眺めていた霧崎はトレギアアイを手に笑い出す。

「ハッハッハっ!・・・おいおい、まさかあんな劣化品達に手こずるとはなぁ」

 

 トレギアアイを開き、顔にかざした霧崎はウルトラマントレギアへと変身すると、ニセベリアルにアッパーを叩き込む。

「トレギア!なんで・・・!?」

 

「順番が違うんですよ。こんな木偶の坊の劣化品達に私のゲームの侵攻を妨害されては困る」

 

「バレットの贋作はともかく私のまで木偶の坊の劣化品だと!?私の作品を愚弄するか!トレギア!スラン!もっとベリアル因子を注入だ!!」

 

 自分の作品を侮辱されたマブゼはそれに激怒するとスラン星人にさらにベリアル因子を注入するよう命令する。

「おいおいマジか!」

 

「だ、大丈夫なのかよ?」

 

「五月蠅い五月蠅い!私に指図するな!」

 

 スラン星人は「どうなってもしらないぞ」と呟きながらも命令通り更にベリアル因子をニセベリアルへと注入すると、ニセベリアルは赤く禍々しいオーラを放ちながらトレギアへと攻撃を仕掛ける。

「むっ・・・」

 

「どけ!俺がやる!」

 

 トレギアはその攻撃を受け流すと、フーマは自分がやると言いながらトレギアを退かした。

「僕も!」

 

 スマッシュも光の弓矢を構えるも、フーマの素早い動きのおかげで標的が定まらずにいた。するとフーマはまたも足を掴まれてしまうと、トレギアが軸足を蹴りつけてフーマを転倒させる。

「今だ!」

 

 フーマが避けたことでスマッシュは弓矢を放つとそれはニセベリアルの右肩を射抜きダメージを与えた。

「ぐぉっ!?」

 

「ぬっ!?」

 

 しかしニセベリアルはただでは転ぼうとはせず、トレギアへと向けて爪を振るうと、それを受けたトレギアに爪痕がつく。

「痛いなぁ。まったく、品がないのは飼い主そっくりだな」

 

「ハハハっ!負け惜しみか?見苦しいぞトレギア!」

 

「・・・フッ。コンニチワ」

 

 マブゼに負け惜しみと言われたトレギアはマブゼ達がいるビルを「コンニチワ」と言いながらのぞき込む。

「そしてサヨウナラ」

 

「ハァァッ!」

 

 トレギアはニセベリアルの攻撃をひらりと避けると、ニセベリアルはマブゼ達がいたビルを破壊してしまった。

「うわっ!?あぶな!?」

 

 今まさにそのビルに乗り込もうとしていたツキカゲと凪の部隊は寸前のところで助かったが、マブゼ達はそのまま瓦礫の下敷きとなってしまった。

「フッフッ。飼い主がいなくなってしまいましたね」

 

「フハハハハ!!」

 

 マブゼ達がいなくなってもなお暴れるニセベリアル。フーマはタイガへと交代して、タイガはスワローキックを決め込もうとするも、ニセベリアルはその攻撃を避ける。

「まだだ!」

『ウルトラマンタイガ・フォトンアース!』

 

 タイガ・フォトンアースへと強化変身したタイガは連続パンチをニセベリアルとバレットリペアへと叩き込むと、ニセベリアルは先ほどスマッシュが射抜いた右肩を押さえる。

「まったく、ニセモノの割には楽しませるじゃないか」

 

「こっちは全然楽しくねぇっての!うわぁぁぁぁっ!?」」

 

 ニセベリアルの反撃を受けたタイガは地面に伏せると、ニセベリアルはタイガ目掛けて八つ裂き光輪を放ち、バレットリペアもガトリウム光線を放ってくる。。

「しまっ!?」

 

 その攻撃に「避けられない」とタイガが思った瞬間、何処からともなく飛んできた2つの刃がニセベリアルの八つ裂き光輪を切り裂いた。

「だらしないぜタイガ」

 

 2つの刃の主が現れる。その主こそ様々な次元宇宙を行き来し、数多くの悪と戦ってきたウルトラ戦士。ウルトラマンゼロだ。

「ったく、妙な気配を感じたかと思えば、趣味の悪いことをする輩もいたもんだぜ。シュァ!」

 

 ゼロが額から放った緑色の光線。エメリウムスラッシュがガトリウム光線を相殺すると、ゼロはゆっくりとタイガたちへと近づいてくる。

「ゼロ!」

 

 タイガはゼロの参戦に驚きつつも、ゼロはタイガとスマッシュの真ん中に並び立つ。

「タイガ君。このウルトラマンは?」

 

「ウルトラマンゼロ!最高の助っ人だ!」

 

「とりあえず凄い助っ人ってことはわかったよ。ならこっちも!」

 

 伊智香はタイガトライブレードを呼び出すとそのスイッチを一度押して回転盤を回転させる。

「燃え上がれ!仲間とともに!」

 

「「「「バディ・ゴー!」」」」

 

 タイガはウルトラマンタイガ・トライストリウムへとパワーアップをする。

「まったくよぉ、ジードがせっかく成仏させたってのに余計なことしやがって」

 

「これはこれは・・・。問題児様のお出ましだ」

 

「てめぇにだけは言われたくねぇよトレギア」

 

「フッ、手合わせは・・・初めてでしたね」

 

「「「ハァっ!」」」

 

 タイガとスマッシュはニセベリアルとバレットリペアに挑み、ゼロとトレギアが交戦し出す。

「ハァっ!」

 

「テイャ!!」

 

 タイガはトライブレードを、スマッシュは光のナイフを振るってニセベリアルとバレットリペアを攻撃すると、ニセベリアルは剣を避けきれずにそれを受け、膝をつき、バレットリペアも黒いマントが引き裂かれて、完全に修復されてない右腕が露見する。一方でゼロとトレギアは互いの攻撃を受け流しあっていると、トレギアはゼロに語り出す。

「生命とは迷い悩むからこそ美しいもの」

 

「アァ?なに言ってやがる?」

 

「意にそぐわない者がいれば、よく考えもせずに牙を剥く。だから私は・・・君にときめかない」

 

「訳わからねぇこと言いやがって!」

 

 ゼロはゼロスラッガーを飛ばしてトレギアを攻撃しようとするも、トレギアはその刃を蹴って跳ね返す。

「ゼロ。戦ってより理解した。君が心底つまらないと」

 

「この俺に軽口を叩くとはな。2万年早いぜ」

 

「行くよタイガ君!」

『カモン!』

 

 伊智香は先日ビクトリーから受け取ったビクトリーナイトレットを装着する。

『ビクトリーナイトレット・コネクトオン』

 

「ナイトビクトリウムブラスター!」

 

「ワイドゼロショット!」

 

「シューティングスマッシュ!」

 

 V字に剣を振るったタイガはV字に輝く蒼い光線を放つと、ゼロも必殺光線のワイドゼロショットを、そしてスマッシュもシューティングスマッシュを放つ。対するトレギアとニセベリアル、バレットリペアもそれぞれ光線を放つと6つの光線がぶつかり合う。

「うわっ!?」

 

「ぐっ・・・」

 

 その爆風はゼロとトレギア以外のウルトラマン達を転倒させるも、スマッシュは真っ先に立ち上がる。

「近くにはまだしぶきさん達がいる。これ以上の被害は出すわけにはいかないよスマッシュ」

 

「分かっています。絶対に守り抜きましょう」

 

「・・・おいスマッシュとか言ったな。これを受け取れ」

 

 ゼロは光をスマッシュへと授けると、雅美の右腕には青い刃のようなアイテムが握られていた。

「ウルトラゼットライザーだ。ヒカリがお前に渡せっていうから持ってきてやったぜ。こいつとウルトラメダルで今こそパワーアップだ」

 

「ありがとうございます!・・・雅美さん!」

 

「うん!」

 

 インナースペースの雅美はウルトラゼットライザーを構えるとその手には一枚のカードが出現する。

「これは・・・こうするのかな?」

『masami access granted』

 

 カードをライザーにセットした雅美は同時に出現した腰のホルダーを開く。

「この3枚は・・・そういうことだね」

 

 手に取った3枚のメダルを1枚ずつライザーのブレードにセットして、ブレードをスライドさせる。

『ultraman』

『tiga』

『taiga』

 

「これは・・・時代を繋ぐ戦士達の力ですね」

 

「行くよスマッシュ」

 

「「スマッシュファイト!」」

『ultramansmash lightning generation』

 

 スマッシュの姿はタイガのような青いプロテクターをまとった赤と紫の戦士へと変身を遂げる。

「ウルトラマンスマッシュ!ライトニングジェネレーション!」

 

 

 スマッシュ・ライトニングジェネレーション。栄光の初代ウルトラマンと古代の超戦士ウルトラマンティガ。そして光の勇者タイガの力の宿るウルトラメダルでウルトラフュージョンしたスマッシュの強化形態だ。

「ジュゥァ!」

 

 スマッシュの光をまとった右ストレートがバレットリペアに直撃すると、バレットリペアが怯み、後退する。

「シュァ!」

 

 怯むバレットリペアは反撃と言わんばかりにガトリウム光線を放ってくるとスマッシュは光輪を投げ飛ばしてガトリウム光線の光弾すべてを撃ち落とした。

「何あれ!なぁゼロ、俺にもあれくれよ~!」

 

「あぁ?んなのヒカリに言えよ」

 

「そんなこと言わずにさぁ~」

 

「しょうがねぇな。これで我慢しろ」

 

 ゼロはため息をつきながらもねだってくるタイガに光を与えると、伊智香の右腕にブレスレットが装備される。

「プラズマゼロレットだ。この俺の力が宿ってるすげぇものだぜ」

 

「えぇ~。俺もゼットライザーが良かった~」

 

「このっ!そういうなら返せ!!」

 

「いーやーだー!もうもらいましたー」

 

「っ!くるよタイガ君!」

『プラズマゼロレット・コネクトオン』

 

 まだゴネるタイガにニセベリアルが迫ると、とっさに伊智香はプラズマゼロレットを起動してスイッチを押す。

「タイガエメリウムスラッシュ!」

 

 タイガは額から緑の稲妻を帯びた光線を放つと、その一撃に怯んだニセべリアルは、スマッシュを睨みつける。

「決めようスマッシュ!」

 

「これで決めます!」

 

 スマッシュはエネルギーを集束させてパワーアップしているシューティングスマッシュを放つ。

「シューティングスマッシュ!!」

 

「タイガ!ダイナマイトシュート!」

 

 それに合わせてタイガもプラズマゼロレットによる必殺技を放つと、トレギアは近くにいたニセベリアルを盾にし、ニセベリアルとバレットリペアはその光線を浴びせられる。

「ヴぁぁぁあぁっ!?」

 

 その同時攻撃を受けたニセベリアルとバレットリペアは爆発すると、ニセベリアルを盾にして攻撃を防いだトレギアも僅かながらダメージを受けていた。

「・・・主催者様の用意した玩具がなくなったのであっては、今日のイベントは終わりですね」

 

「逃がさねぇ!」

 

 魔法陣を展開したトレギアはこの場を去ろうとすると、ゼロはゼロスラッガーを胸に装備して光線を撃つ構えを取る。

「ゼロツインシュート!」

 

「フフっ・・」

 

 ゼロの放ったゼロツインシュートはこの場を後にしたトレギアには当たらず明後日の方へと飛んで行ってしまう。

「チッ、逃がしたか」

 

「・・・っ」

 

 流石に消耗しきったタイガとスマッシュはほぼ同時に膝をつくと、2人はほぼ同時にその変身が解除されてしまう。

「お前ら!」

 

 伊智香と雅美をキャッチしたゼロはゆっくりと近くのビルに2人を降ろす。

「今はお前がタイガに体を貸してるのか」

 

「さ、才賀伊智香です」

 

「そんでもってお前がスマッシュにだな」

 

「雅美」

 

「伊智香。それと雅美。トレギアはベリアルより何を考えているか分からない食えねぇ奴だ。気を付けろ」

 

「「はい」」

 

「それとタイガ。協力してくれている仲間を守れ。そして必ず勝つんだ」

 

『はい!』

 

 タイガはゼロの言葉にハイと答えるとゼロは少し考え込む。

「べリアル因子を利用して悪事を企む輩は他にもいるかもしれない。俺はそれを探しに行く。ここはタイガ。・・・いや、お前達に任せたぜ」

 

 ゼロはこの地球はタイガ達に任せると告げると、ウルティメイトブレスを輝かせて銀色の鎧、ウルティメイトイージスを身に纏う。ウルティメイトゼロだ。

「じゃあな」

 

 ウルティメイトゼロは空間に穴を開けてそこに向かって飛び去って行く。伊智香と雅美はそれを最後まで見送っていた。

「ハッハッハッ。タイガぁ・・・やっぱりお前は面白い。だからこそ、才賀伊智香の壊しがいがある」

 

 そして標的を伊智香に定めていた霧崎はタイガをあざ笑いながら次の計画を実行すべく何処かへと歩き去っていった。

「あ~、やっぱりあんな急ごしらえの修理じゃダメだったか~」

 

そしてもう1人、謎の少女もその戦いを見届けたのち、バレットリペアの破片を一つ回収してどこかへと去っていった。

 




初芽の怪獣ファイルpart27

ニセウルトラマンベリアル
身長 55メートル
体重 6万トン
得意技 デスシウム光線

 ニセベリアルはその名の通りウルトラマンベリアルの因子を元にして作られたベリアルの偽物です。身長や体重は本物と同じですがオリジナルとの違いは爪やトサカ部分のが黄色く染まっていることらしいです。

次回「悪の美学」

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