堕天使に拾われた赤龍帝と白龍皇   作:花びら

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 お久しぶりです、花びらです。
 失踪したかと思った人もいるかもしれませんが、まだ生きてますよ……。
 今回は非常にヤバい回


休息・邪龍と天龍と龍王

 「俺様のベヨネッタに勝てると思うな!」

 「あ~!おでのワリオがぁ…」

 「はどうだん……!」

 「ふっ、そこはバリアで回復させてもらいます」

 「ちょ、旦那!?やめ、ブーメランうぜえええええ!!」

 「………モナドアーツ…撃!」

 「貴様らが俺に勝とうなど片腹痛いわ!」

 

 どうも、兵藤一瀬です。

 今私はアジ・ダハーカさんとアポプスさんの動画配信の手伝いをしています。

 どちらかと言えばプレイヤーというよりも実況という形で、私は実際に姿を映せないので、代わりに天の声(仮)というポジションで頑張っています。

 ちなみに隣にヴァーリ君がいたりしています。

 今実況しているのが、邪龍兄弟によるスマブラです。

 あれから三年の内にメンバーが増えて、今ベヨネッタを使ってるグレンデルさん、ワリオを使ってるニーズヘッグさん、ルカリオを使ってる八岐大蛇君、ネスを使ってるラードゥンさんの四人が新メンバーとして追加され、クロウさんとちょくちょく遊びに来ては一緒にゲームをするというスタイルで、視聴者さん達にも結構人気があるんですよ。

 新メンバーの人達は当然邪龍なんですが、昔に滅ぼされたらしく、魂だけが世界を漂ってたのをダハーカさんがその魂を集めて、クロウさん、ダハーカさん、アポプスさんが自分の肉体や鱗の一部を捧げて受肉させたらしいです。

 それを初めて聞いたときは、何やってるんですか!って怒っちゃったけど、彼らからしたら特に何も問題は無くて傷もすぐに回復するから気にするなと言われました。

 それに、私はブチ切れて一時間ぐらい正座をさせて説教をしました。

 何でもっと自分の体を大事にしないのかって。

 ヴァーリ君のような戦闘狂に言っても無駄かもしれませんでしたが、それでも………少しは私の気持ちも分かって欲しくて一心不乱に伝えました。

 その後に私は途中から泣いてたらしく、その場に偶然立ち寄ったアザゼルさんとヴァーリ君がその光景を見て危うく戦争になりかけたらしいです。

 クロウさん達が土下座しながら誤解を解いていました。

 その時の私は自分のせいでヤバいことになったと思って慌てて止めようとしましたが、いつの間にかいたコカビエルさんから肩に手を置かれて

 

 「お前は悪くないから手を出すな。非はあちらにありそうだからな」

 

 大丈夫でしょうか?

 と聞いてみたところ笑って大丈夫と言って、アザゼルさんの部屋へ行って、時を過ごした。

 その後に、たんこぶが出来た邪龍の人達にたんこぶができて、復活させられた邪龍の人達がおどおどしながら、アザゼルさんによって部屋へ連れて来られた。

 全員が人間形態で、グレンデルさんはチンピラのような感じで、二十代前半のような男性で、深緑色で爆発したような髪型で、吊り上がった銀色の瞳が特徴的で、黒い軍服を着ていました。

 ラードゥンさんは、三十代後半っぽく、落ち着いた雰囲気の男性で、茶色の長髪に眼鏡を掛けていて、垂れ目で赤い瞳、紳士服を着こなしていました。

 ニーズヘッグさんは、十代後半で坊主頭の黄土色の瞳をした人で、特徴の無いどこにでもあるような服装でしたが、あそこまで挙動不審な人は初めて見ました。

 八岐大蛇君は、明らかに十も行ってないであろう少年で、黒髪に黒目で、瞳にハイライトがありませんでした。

 元々、意識が無いような邪龍だったらしく、まだはっきりとした自我がないということで、あの時はまだ自分の意志で物事を決められなかった。

 あの時は自分がいた国の服装を創造したということで灰色の浴衣を着てました。

 彼らはアザゼルさんと話し合った結果、クロウさん達の部下として働くことになりました。

 彼ら曰く、ここに自分達より格上の存在がいるからそれに従うとのこと。

 まあ、邪龍筆頭格の方達がいれば、そうなりますよね…………。

 そして、その結果、邪龍部隊という他神話からすれば恐ろしく極まりないものが出来上がり、基本はダハーカさんとアポプスさんの動画に付き合う形で過ごしていくということになりました。

 本来なら動画撮る毎に二人ずつ交代制でゲームをするこですが、今回の動画で最近発売されたスマブラS〇ECIALで誰が最強かを決めようという企画で、8人できるため邪龍の人達が全員参加でやってます。

 けど、七人しかいないので枠が一つ余ってしまうのですが、今回は一人参加者がいて全部埋まってしまいました。

 その参加者というのが……………

 

 「まさか、かの邪龍達と共にこのように並んでゲームをする日が来るとは思わなかった。だが、負ける気は無い!」

 

 青いパーカーとショートデニムを来た綺麗な蒼く長い髪をした美女。

 髪を後ろで一纏めにしていて、俗にポニーテールと呼ばれる髪型で藍色の瞳をしたこの人は……………かの五大龍王ーーーーと呼ばれる、名のある伝説の龍の中でもとりわけ強く高潔な者達の呼称ーーーーの中でも最強とされる天魔の龍王(カオス・カルマ・ドラゴン)ティアマットその人であります。

 ………………言いたいことは分かります。

 ゲームでもかなりのモデルとなった伝説のドラゴンが凄い密集しているということは…………!

 ※自分もウェールズの伝承に伝わる伝説の龍を宿していることと隣に同じ存在がいることも自覚済み。

 ここにいる全員の異名を言いましょうか?(ヤケクソ&混乱)

 まず私に宿る『赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)』ドライグさん。

 ヴァーリ君に宿る『白い龍(バニシング・ドラゴン)』アルビオンさん。

 『三日月の暗黒龍(クレッセント・サークル・ドラゴン)』のクロウさん。

 『魔源の禁龍(ディアボリズム・サウザンド・ドラゴン)』のダハーカさん。

 『原初なる晦冥龍(エクリプス・ドラゴン)』のアポプスさん。

 『大罪の暴龍(クライム・フォース・ドラゴン)』のグレンデルさん。

 『宝樹の護封龍(インソムニアック・ドラゴン)』のラードゥンさん。

 『霊妙を喰らう狂龍(ヴェノム・ブラッド・ドラゴン)』の八岐大蛇君。

 『外法の死龍(アビス・レイジ・ドラゴン)』のニーズヘッグさん。

 『天魔の龍王(カオス・カルマ・ドラゴン)』のティアマットさん。

 ………………ここにはいませんが、最近アザゼルさんの研究に協力し始めた

 『黄金龍君(ギガンティス・ドラゴン)』のファーブニルさん。

 偶に遊びに来る斉天大聖こと初代孫悟空さんと一緒に来る

 『西海龍童(ミスチバス・ドラゴン)玉龍(ウーロン)さん。

 元龍王でメフィストさんの“女王”である『魔龍聖(ブレイズ・ミーティア・ドラゴン)』であるタンニーンさん……。

 伝説のドラゴンのオンパレードだああああああああああああああああああ!!??

 ドラゴンマニアの人達には楽園のような場所でしょうね!?

 各地で名を馳せた邪龍のほとんどかいて、五大龍王のうち三人が遊びに来て、二天龍が仲良く同じ組織にいる…………。

 軽く一つの他神話体系を滅ぼせますね(確信)。

 

 『現実逃避は仕方ないと思うが、そろそろ実況したらどうだ?ニーズヘッグが最初に脱落したぞ?』

 

 はっ!

 ドライグさんからつっこれました。

 どうやらティアマットさんが使うパルテナに吹き飛ばされたようです。

 隣でヴァーリ君が冷静に解説しています。

 

 「ワリオがバイクで突進したところを爆炎で破壊してできた隙を付け込んで投げ技からの横強で吹き飛ばされたな。あそこはバイクだけを突っ込ませれば良かったのにな。あれはニーズヘッグの判断ミスだな」

 『…………』

 

 アルビオンさんから疲労のオーラを感じます………。

 やっぱりこの状況に疑問を抱いていたのは私だけじゃなかったらしいです。

 アルビオンさんはツッコミしすぎて疲れたのでしょう…。

 ※大正解

 そもそも、ティアマットさんが来たのはドライグさんが昔にやらかしたせいですしね。

 ティアマットさんがドライグさんに様々なものを貸したらしいんですけど、ドライグさんが借りパクしたんです。

 それで、直感で堕天使の所にいると感じてここに来たとのことです。

 凄いですね、ドラゴンというのは言葉では説明できるものじゃないんですね。

 そして、ドライグさん…………………何をしてるんですか?

 

 『……………』

 

 人が貸したものを返さないとか…………人、じゃなかった、常識としてどうなんですか?

 

 『グハァッ!!!』

 『自業自得だな。ざまあないな』

 

 ドライグさんが耐えきれずに吐血し、アルビオンさんが鼻で笑う。

 長年の宿敵である相手が惨めになったことが嬉しいようです。

 今回ばかりはドライグさんが悪いので、私は何も口を挟みません。

 ティアマットさんが来たときには一緒に謝ったら、私には笑って許してくれましたが、ドライグさんに対しては赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)の中に入って………………後は察してください。

 私では………上手く表現できません。

 ティアマットさんが帰ってきた時は肌が物凄くツヤツヤしていて、ドライグさんがしばらく何も言葉を発しませんでした。

 そもそも、ティアマットさんはここに無許可で転移して跳んできたわけでして、突然の龍王の登場に神の子を見張る者(グリゴリ)の幹部やアザゼルさん、邪龍の人達も慌ててやって来て、私の部屋はこれ以上にないほど騒然としましたね。

 ティアマットさんが突然来たときは私も驚きましたが、この部屋には何かと突然来る人(?)は結構いますから、すんなりと受け入れたわけですけども………。

 勝手に部屋に入られる私の気持ちも考えてください……。

 整理とか掃除とかいろいろしなくてちゃいけないんですから…。

 その後にクロウさんが突然ゲームをしないかと誘って、今現実でこうなっちゃってるんですよね………。

 アザゼルさんがその前にと、ティアマットさんを連れて別の部屋へと入っていき、数分して戻ってきて、ティアマットさんとゲームをすることになりました。

 何故でしょうか?

 その後に私は悪魔・天使勢力にはバレるのでは?

 と思って聞いたところ、アザゼルさん曰く

 

 「一応アジ・ダハーカ特製の弱体化魔法を掛けてる上に視認ーーーー人外基準ーーーーできるかどうかのレベルで細かいところに幻覚魔法も掛けてるから、そうそうバレることは無いだろうよ。というか、ティアマットは既に人間界で有名なゲーマーらしいから、今更だな。だから、思いっ切り楽しんでこい!」

 

 何に!?

 確かにダハーカさんの魔法なら大丈夫かもしれませんが、龍王って結構自由ですね!?

 ※ドラゴンは気紛れで神を困らせるほどに自由な存在である。

 それで、話は現実に戻りますが……………あ、いつの間にか八岐大蛇君とグレンデルさんが脱落してます。

 

 「旦那強すぎだぜ………」

 「…………(ズーン)」

 

 今回のルールは5ストック制のステージは終点でやっていて、現在の状況を簡単に伝えると

 

 ・クロウさん(リンク):3

 ・ダハーカさん(ルフレ):2

 ・アポプスさん(シュルク):2

 ・グレンデルさん(ベヨネッタ):脱落

 ・ラードゥンさん(ネス):1

 ・ニーズヘッグさん(ワリオ):脱落

 ・八岐大蛇君(ルカリオ):脱落

 ・ティアマットさん(パルテナ):3

 

 とうとう五人になりました。

 クロウさんとティアマットさんが異様に強いです。

 落とせたのがお互いと言うほどに強いです。

 ダハーカさんやアポプスさんですら落とせないとは…………。

 よくラードゥンさん生き残ってますね……。

 

 「おおおおおお!ヘラクレスの時のようには行きませんよおおおお!」

 

 ラードゥンさんの生に対する執着が凄いです。

 何か、トラウマでもあるんでしょうか?

 ※ラードゥンは生前、ギリシャ神話の大英雄ヘラクレスに口の中に蜂の巣を入れられて大量の蜂に刺されて死んだ。

 PKファイヤーで牽制したり、PKサンダーをフルに使って突撃したり、サイマグネッドを使って回復したりと……………こういうのを何て言うんでしたっけ?

 ………忘れました。

 あ、クロウさん(リンク)とティアマットさん(パルテナ)に挟まれました。

 

 「ちょ!?まずいまずい!」

 「今こそ決着を着ける!」

 「最強の座は渡さんぞ!」

 「ラードゥン、哀れ」

 「害悪キャラ使ってるからだろ」

 

 クロウさんとティアマットさんはラードゥンさんお構いなしにやろうとして、アポプスさんとダハーカさんはその状況に感想を言う。

 ラードゥンさんが必死で立て直そうとするも、光の柱の餌食になって決まりましたね。

 ラードゥンさん、脱落しました。

 

 「うぅ………」

 「どんまい」

 「…………(ぽんぽん)」

 「まだ次頑張ろなぁ」

 

 グレンデルさん、八岐大蛇君、ニーズヘッグさんの既に脱落した人達がラードゥンさんを慰めていました。

 皆さん、何か共感する何かがあるんでしょう…。

 おっと、ここでクロウさんがアポプスさんに狙いを変えてーーーーーーーー

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 結果を簡単に伝えると、ティアマットさんの優勝でした。

 順位は……

 

 1位:ティアマットさん(パルテナ)

 2位:クロウさん(リンク)

 3位:ダハーカさん(ルフレ)

 4位:アポプスさん(シュルク)

 5位:ラードゥンさん(ネス)

 6位:グレンデルさん(ベヨネッタ)

 7位:八岐大蛇君(ルカリオ)

 8位:ニーズヘッグさん(ワリオ)

 

 と言った感じですね。

 後で知りましたが、ティアマットさんは前作のスマブラの大会にて何度か優勝したこともあり、去年の上半期・下半期のプレイヤーランキングではトップ5に入るほどやりこんでたらしいです。

 …………人類が既に龍王と渡り合えてたことに驚きましたよ。

 そして、まさか………龍王に勝てる人がいるとも思ってませんでしたよ!

 案外、今の人類でも人外の存在を受け入れられそうですね。

 ※自分も元一般人で、その一例に入ってるとは自覚していない。

 

 「ところで、俺たちは何で呼ばれたんだ?」

 「来てから話すとしか聞いてませんから、私も分からないです。けど、戦争に関する話だと思います」

 

 今、私たちは邪龍部隊の人たちと動画を撮り終えた後に、アザゼルさんの使いから部屋に来るように言われました。

 内容は聞いておらず、部屋の中でしか話せないと聞いたので、予想しかできません。

 が、こういう話は来年に起こそうと計画している戦争しか無いと思うので、ヴァーリ君にそう答えます。

 それから少し雑談してる内にアザゼルさんの部屋へ着いた。

 ドアを開けると当然アザゼルがいて、他には誰もいませんでした。

 しかし、空気が少しだけ重く感じました。

 なにか、あったんでしょうか?

 

 「失礼します。何かあったんですか?」

 「おー、来たか。とりあえず、そこに座ってくれ」

 

 アザゼルさんがソファーを指差してそう言ったので言われたとおりに座ります。

 すると、アザゼルさんが口を開きます。

 

 「お前ら、日本に行かないか?」

 『え?』

 

 しかし、アザゼルさんのその言葉に、私たちは少し呆ける事となった……。


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