ヘロヘロとモモンガと愉快な仲間たち   作:火焔+

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04. 復活!ヘロヘロ

 

「本当にありがとうございました、モモンガさん。」

 

 俺は再びモモンガさんに頭を下げる。

 

「いえいえ、ギルド長として当然のことをしたまでですよ。

 それよりも――――情報共有しませんか?」

 

 

 強引な話題転換に、モモンガさんは照れたのかもしれないと思った。

 でも、モモンガさんの言うことも最もなので情報交換を行った。

 

 モモンガさんの知る、魔法・スキルの使い方、ユグドラシルと同じ事、違う事を教えて貰った。

 

(この短時間ですごいなぁ……)

 

 

 

「なるほど、ヘロヘロさんは12時にログイン中だったのですね。だからログイン地点に差異が出たと。」

 

「恐らくですけどね。」

 

「それで、エンジニアであるヘロヘロさんから見て、この世界は如何思います?」

 

「まず、ゲームではありえない事です。このようなリアリスティックな技術は全く聞いた事がありません。

 視覚、聴覚、嗅覚、いずれの1つであれ、実現の可能性すらない超技術です。

 それに触覚も…………。」

 

 

 俺はソリュシャンのことを思い出してしまう。

 柔らかかった……。

 

 

 そんな俺の雰囲気を知ってか

 

 

「もしかして、ヘロヘロさんも……?」

 

「え? モモンガさんも?」

 

「やっぱり確認しますちゃいますよね。ゲームだったらBAN喰らってログアウトは出来ますし。

 ヘロヘロさんは何処を?

 私は――――アルベドの胸です。」

 

「私はソリュシャンの胸と臀部ですね。

 ――――凄かったですよね。」

 

「えぇ!」

 

「「ハハハッ!」」

 

 

 

「ゴホン……ということでゲームではないと言うのが、私の見解です。」

 

 俺の見解を聞き、モモンガさんは顎に手を当てて考えを巡らす。

 そしてしばらくして……。

 

「何処かの企業が秘匿して、私たちをモルモットに――――という可能性はあると思いますか?」

 

「ない。とは言えませんが、限りなく薄いかと。隠すメリットも薄いですし態々私たちを拉致してまでやる理由がわかりません。

 それにデータ取り終えた後の私たちの末路は……考えたくは無いですね。

 という理由から、在り得ないというか、そうでなくあって欲しいという感じでしょうか。」

 

 

 このようにログアウトできない状態を作り出す事は犯罪に当たる。

 通常の企業では不可能。権力を黙殺できるだけの企業の極秘計画だったなら、検証後、外部に漏らさない様に口封じは当然する。

 ここまで再現する超技術を隠すメリットも薄い。これなら此処に至るまでに旧技術だけでも巨大複合企業(コングロマリット)間のパワーバランスを大きく変えられる。それほどの技術だ。

 

 

「成程、この世界を知るには情報が不足していると判断すべきですね。」

 

「急いては事を仕損じますからね。先ずは、この世界での安全を確保しましょう。」

 

「そうですね。――――であれば。」

 

 

 

 

 俺はモモンガさんに連れられて、宝物殿へと向かった。

 

「ありがとうございます、モモンガさん。まさか装備が残っているなんて思っても見ませんでした。」

 

 そう、2年前引退する日に装備とアイテムをモモンガさんにあげた。

 折角なら続けるモモンガさんにプレゼントしたほうが有効的に使ってくれるだろうと。

 

「売ったりする訳無いですよ。何時戻ってきても、直ぐに全盛期に戻れますよ。」

 

 やっぱりモモンガさんは、皆が帰ってくるのをずっと待っていたんだな……。

 そう思いながら、少し開けた場所に出ると――――

 

 

 

「おめでとうございます。モモンガ様。」

 

 黄色の軍服を着て、ピンク色の卵のような頭に3つの丸い穴があいた人物。モモンガさんの創ったNPCパンドラズ・アクターが出迎えてくれる。確か大げさな行動をするキャラクターだったはず。

 

「うむ、ありがとう。パンドラズ・アクター」

 

 だが、真面目な感じで俺達を出迎えててそんな雰囲気は――――

 

「それで今日は――――、如何されたのでしょうか……?」

 

 一礼してから、顔だけを上げて上目遣いで俺達を見る。

 

「ヘロヘロさんの装備と――――そうだな、ワールドアイテムをヘロヘロさんも持っておいたほうがいいですからね。1つ持っていこう」

 

「ぉぉお! 偉大なるウォン方のお召し物ォ! ウォン方々の力の結晶であり! ――――――――」

 

(うわぁ……やっぱり騒がしかった。でも、実際にみるとちょっと面白いかも。)

 

 

「それに加えて――――わぁぁぁるるどアイテムぅ! 世界を変えれぇぇるぅ↑ 強大な力ぁっ! ウォン方々の力の証ぃ!」

 

「待て待て待て待て待て待て!!!! ちょ~っとこっちに来ようか。」

 

 

 モモンガさんは慌ててパンドラズ・アクターを隅っこに連れて行った。

 何か喋っているようだけど、ここからじゃ聞こえないな。

 

 

 

 しばらくした後、

 

「お待たせしました、ヘロヘロさん」

 

 

「わぁぁるどあいてぇぇむぅ! この私がっ! 宝物殿にぃっ眠るぅっ! 一つ呼び覚ますのであればぁ!」

 

 俺はカッコ良さそうなポーズをバッ!バッ!と取りながら

 

「偉大なるウォン方にっ!最も相応しいっ!その一つはぁっ↑」

 

 パンドラズ・アクターも俺にノってくれて、様々なポーズをキメ

 

 

 

「「「――――幾億の刃」」」

 

 

 

 そして最後にはモモンガさんも乗っかってくれた。

 

 

 

「もぅ! ヘロヘロさんっ!!

 それにパンドラズ・アクターも! さっき言った筈だぞ?

 …………フフフッ ――――ハハハハハッ!」

 

 

「「「ハハハハハッッ――――!!!」」」

 

 

 なんだかペロロンチーノさん達とふざけた時を思い出す。

 あの時は、モモンガさんが脱衣の魔王で、俺とぶくぶく茶釜さんが装備だけを溶かすスライム。

 ペロロンチーノさんが衣服だけを破く射手だったはずだ。

 

 

「ゴホンッ! っと少しふざけてしまいましたね。

 やっぱりヘロヘロさんは「幾億の刃」ですか。一発の攻撃が五発に変わるワールドアイテムですからね。

 物理アタッカーなら誰でも恩恵が得られるアイテムですけど、ヘロヘロさんの様な手数が重要なタイプには一番刺さりますね。」

 

 

 そう、俺はスライムの武道家。

 状態異常を付加するタイプの物理アタッカー兼デバッファー。

 酸はもちろん、毒・麻痺・暗闇・石化などの状態異常、攻撃力・防御力を低下させる装備劣化。

 それらを通常攻撃に載せるから、手数が多いほど相手にデバフがかかる確率が大きくなる。

 

 課金アイテムも使って最低限の回復魔法を覚えているので、戦闘時間が長いほど相手が損耗していき最期に圧し勝つスタイルだ。

 だからデバフが載ってくる前に決めてくる弐式炎雷さんみたいな火力特化型にはめっぽう弱い。

 

 

「いいのかな? ワールドアイテムを持っていっちゃって?」

 

「えぇ。本当ならみんなの意見を聞きたいところですけど、何が起きるかわからない世界ですし。

 自衛のためなら仕方ないですよ。」

 

 確かに死んだときレベルダウンで済むかわからないし。

 ありがたく受け取っておこう。

 

 

 

「いやぁ、懐かしいですね。

 折角の神器級(ゴッズ)アイテムに着られない様に訓練を再開しないと。」

 

 暗色系のモモンガさんとは対照的に、白を基調とした自分の装備に懐かしさを感じる。

 

(真っ白なガントレットとグリーブが気に入ってるんだよね。)

 

「お手伝いしたいところですが、流石に魔法アタッカー寄りの特殊(ワイルド)の私じゃ訓練になりませんね。

 守護者にお願いしては如何ですか?

 アウラたちも根源の火精霊(プライマル・ファイアーエレメンタル)と戦うとき久しぶりに身体を動かせたって楽しそうでしたから、

 コミュニケーションを取るにもいい機会かもしれませんね。」

 

 さり気ないフォローがモモンガさんらしいな。

 

「そうですね。折角ですから、お手合わせ願おうかな?」

 

「そのときはわたくしも是非ぃ!」

 

 パンドラズ・アクター恭しく一礼する。

 

「あぁ、頼むよパンドラズ・アクター。」

 

 

 ―――― 俺、復活!! ――――

 

 

 




 パンドラズ・アクターがモモンガの命に逆らった感ありますが、
 彼にとってモモンガが楽しくある事が存在する使命なので、ちょくちょくそういう行動をとります。
 モモンガも自分の指示に従えっていうタイプじゃないし、不快に感じないので咎める事はしないです。
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