ヘロヘロとモモンガと愉快な仲間たち   作:火焔+

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06. カルネ村を救おう

 カルネ村に住むエンリは妹のネムを連れて逃げる。

 急に襲ってきた騎士。父と母は彼女たちを逃がすために命を落とした。

 

 エンリも背中を切られ、腿を深く切りつけられて立ち上がる事はもう出来ない。

 痛くて泣きたくなるがネムを守らなければならない。

 ネムも守りきることが出来ずに、エンリが切りつけられた際に軽傷を負ってしまっている。

 

 

「てまぁ取らせやがって。これで終わりだ!」

 

 三人の騎士のうち、騎士の一人が剣を振り上げる。

 

 

(助けて――――!! 神様!)

 

 

 その瞬間、風景が歪んで紫の豪華な衣装に身を包む凶悪なスケルトンと、光りすら飲み込みそうなほど真っ黒いスライムが姿を現す。

 

心臓掌握(グラスプ・ハート)

 

 スケルトンがそういうと剣を振り上げていた騎士が倒れて動かなくなる。

 そして――――

 

 

「ハァ!!」

 

 真っ黒いスライムが二人目の騎士の目の前に瞬間移動すると鎧がボロボロに崩れ去り、身に纏っていた騎士もビクンと振るえてそのまま倒れる。

 多分なにかの攻撃をしたのだろう。

 

 

「ひっ! ひぃぃぃっっ!!」

 

 最後の騎士は、一瞬のうちに絶命した仲間たちを見て即座に逃げようとするが……

 

龍雷(ドラゴン・ライトニング)

 

 スケルトンから電撃が放たれて最後の騎士も倒れて動かなくなった

 

「お前、怪我をしているな?」

 

 スケルトンがエンリの顔を覗き込む。

 

 

 

■■■■■■■■■■

 

●ヘロヘロ視点

 

(雑魚だったな……。

 俺のワンパンで絶命するし、第5位階の電撃魔法でも一発。

 ちょっと不安だったのが恥ずかしいくらいだ。)

 

 俺がそう思っていると

 モモンガさんが村娘の怪我を心配して詰め寄る。

 すると村娘はビックリしたのか後ずさりを――――

 

(血のいい匂いだ……)

 

 するとアンモニア臭っぽい匂いも漂ってきた。

 村娘に視線を向けると、スカートの股間辺りが水に濡れて地面に水溜りが――――

 

(漏らしたのか……もしかして恐いのか?)

 

 

 確かにホラー系のアプリケーションには注意事項として、なれない方は漏らす恐れがあると記載しないといけない。

 それくらい恐い。因みに俺は駄目な方だから見た事はない。

 

「モモンガさん、もしかして俺達の顔が恐いんじゃないですか?」

 

「え? あぁ、ホラー系に見えるかもしれませんね。

 怪我してるみたいだし、下級ポーションの効果も見ようかなと」

 

「あ、だったら俺の回復魔法試していいですか?

 消耗品より、魔法の方が使う回数多いでしょうし。」

 

「そうですね。お願いしても?」

 

 モモンガさんが村娘から離れて俺が近づく。

 

 

「村娘。お前は回復魔法は知っているか?」

 

「は、はい……。」

 

 ビクビクと震えているが、ちゃんと返答はしてくれている。

 

「そうか。じゃあ、それを使うから回復できたか教えてくれ。大治癒(ヒール)

 

 俺は大治癒が使えるようになる指輪の効果を使って村娘に大治癒をかける

 

「す、すごいです!痛みが無くなっていきます!」

 

「そうか、それはよかった。」

 

 回復魔法は異世界人にも効果があるようだ。

 

 

 

「あ、あの……助けて頂いて不躾とはわかっています!

 お、お願いです! ネムにも治癒魔法を使っては下さいませんか!?

 代金は私に出来ることなら何でもします!」

 

「お姉ちゃん!私は大丈夫だよ!」

 

 いや、特にMPの消費しかしないし金を取る気はないんだけど……

 

 

 

「ヘロヘロさん、折角だから回復薬の方も試したいんですが」

 

「村娘。この骨のお兄さんが回復薬をくれるから、使ってみてもらえるか?」

 

 モモンガさんは真っ赤な下級ポーションを村娘に渡そうとすると

 

「あ、赤い!?」

 

「ん? 何かおかしいか?」

 

「い、いえ……。ポーションは青い物が多いので……」

 

 村娘は怯えたように答える。

 

「ほぅ……そうなのか。」

 

 この世界じゃ青いのか。

 だったら、確実な効果が出るかはわからないな。

 

「そうか、だったらそのポーションを飲んで効果がなかったら、俺が治癒魔法を使おう。

 それで問題ないな?」

 

「わ、私がもう一度足を切るので……」

 

「お姉ちゃん!私が飲むよ!!」

 

「でも、ネム……。」

 

「お姉ちゃんを助けてくれたんだもん!大丈夫だよ!!」

 

 ネムと呼ばれた女の子が下級ポーションを飲むと、腕にあった切り傷が治っていく。

 

「治ったよ!お姉ちゃん!

 骨のお兄さんもありがとう!」

 

「よかった……! ネムまで助けてくれて、なんとお礼を言ったらいいか……。」

 

 

「構わん。因みにお前たちを襲った騎士は敵でいいのだな?」

 

 モモンガさんは照れたのか、話を騎士の方に切り替える。

 

「はい。いきなり村を襲ってきて……。」

 

 

 

「そうか。

 生命拒否の繭(アンティライフ・コクーン)、|矢守りの障壁《ウォール・オブ・プロテクションフロムアローズ》」

 

「こ、これは……?」

 

「生者が入れない結界と遠距離攻撃を防ぐ魔法だ。そこから出なければ死ぬ事はないだろう。

 それと、これもくれてやる。」

 

 そういうとモモンガさんは『ゴブリン将軍の角笛』を村娘の結果内に投げ入れた。

 

「あ、じゃあ俺も。」

 

 まぁ、ハズレアイテムだし。

 戦った感覚だとゴブリン19体でも何とかなるだろう。

 

「何から何までありがとう御座います! あの、お名前を教えて頂けませんか?」

 

 

 

(あ、しまった……モモンガさんの名前出しちゃった。)

 

「私の名は――――」

 

 モモンガさんは顎に手をあてて少し考える

 俺が教えちゃったからどうしようか考えてるのかな。

 

「私の名は、モモンガ・アインズ・ウール・ゴウンだ。

 そして彼の名は、ヘロヘロ・アインズ・ウール・ゴウンだ。」

 

「ありがとうございます! モモンガ様! ヘロヘロ様!」

 

 

 

 

「えっと、モモンガさんの名前出しちゃったの不味かったよね……。」

 

「そうですね。でも、お陰で踏ん切りはつきましたよ。

 モモンガ・アインズ・ウール・ゴウンになるのに。」

 

「アインズ・ウール・ゴウンの名前を後につけたのって、もしかして」

 

「はい。アインズ・ウール・ゴウンの名が世界に知れ渡れば、もしかしたら知ってる誰かに届くかなって。

 それよりもヘロヘロさんの名前を勝手に決めてごめんなさい。」

 

「まぁ、俺は構わないですけど。」

 

「それよりこの死体どうします? 一体は俺が貰ってもいいですか?」

 

「えぇ、どうぞ。」

 

「ありがとうございます。【中位アンデッド創造】」

 

 モモンガさんがスキルを発動すると、死体がブクブクに膨れ上がり死の騎士(デス・ナイト)の形に変わっていく。

 

(うわぁ……ガチで死体から作るんだ……

 俺もスキルで眷属とか作れるかな?)

 

 俺が始末した騎士を喰らって【中位スライム製造】のスキルを使用すると、唾を吐くみたいに新たなスライムが吐き出された。

 それは大きく育っていき、真っ白な色をした治癒の粘体(ヒーリング・スライム)が製造された。

 

 

死の騎士(デス・ナイト)とめっちゃ相性悪いじゃん……。ま、いいか。あの村娘の護衛にでもしとこ。)

 

 

 

 ※この後アルベドと合流して、騎士の虐殺までは原作と同じなので割愛。

 

  ホラー過ぎて恐いらしいので、モモンガはローブとガントレット、仮面で顔を隠す

  ヘロヘロも丈の長いローブで身体を隠して、顔はピエロみたいな仮面で顔を隠した。

  エンリの記憶も操作して風貌の記憶を消して、このときにエンリとネムの名前も知りました。

 

 

 

「村を助けて頂きありがとうございます。

 お礼をしたいのですが、村はこの有様でして……」

 

 村長らしき初老の男性が深く頭を下げる。

 

「何、構いませんよ。偶然通りがかったに過ぎません。

 強いて言うのでしたら、騎士の装備を私達にいただけませんかな?」

 

「もちろんです! 倒してくださった貴方様の物でございます。」

 

 流石モモンガさんだ。

 装備の質が分かれば、どんな傾向のデータを組み込んでいるか敵の標準的な武装が想定できるだろう。

 

 

 ―――― ハラ減ッタ 喰イタイ ――――

 

 

「腹減った……。喰いたい。」

 

「はい!今宵は出来る限り御もてなしをさせて頂きます!!」

 

(え? 今、俺が言ったの?)

 

 

 ―――― オマエ達ガ 喰イタイ ――――

 

 

「お――――」

 

 俺は慌てて口を閉じる。

 

「お?」

 

 村長が鸚鵡返しで聞き返す。

 

(俺、何てこと言おうとしてるんだ!?

 ヤバい!!

 さっきも人喰ったのに何も感じなかったし、身体に心が引きずられている!?)

 

 取り乱した俺は更にとんでもないことを口走る。

 

 

 

「お、お、お? お、――――おんな?」

 

 

 

 

「え゛え゛え゛え゛ぇ゛ぇぇ――――!!」

 

「ち、違っ、そうじゃなくて!! え~っと! え~~っと!!」

 

 モモンガさんが驚いて叫ぶのと同時に、完全にテンパった俺は何とかこの場を取り繕おうと必死に頭を回転させる。

 

「情報? そ、そう! 情報だ! このあたりは初めてでね!?」

 

 混乱状態の俺の前にモモンガさんが立つ。

 

「彼は長旅で少し疲れているのだ。

 そう、私たちは各地を旅していてね。このあたりの『お金』を持っていない。

 復興が必要なのはわかる。

 少しの資金と、そうだな――――

 このあたりの地理や、金を稼げそうな場所を教えてもらえないかな?」

 

 

(「お」金かぁ~~! 全然思い至らなかった!

 しかもモモンガさん、めっちゃ冷静だし!現実じゃ営業職だったらしいけど肝座りすぎだよ!)

 

 

「そうでしたか。

 申し訳ありません、お疲れでいらっしゃるのに立ち話など……

 地図と村の資金が私の家に在りますので、是非ともお立ち寄り下さい。」

 

 そういうと老夫婦は1つの家へ向かって歩き出す。

 

 

「すみません……モモンガさん。」

 

「いえいえ。でも如何したんですか?ヘロヘロさんらしくない。」

 

「いえ、どうも血や死体【とか】をみると非常にお腹が空いて――――」

 

「それでも女は驚きましたよ。ソリュシャンを思い出したんですか?」

 

「あぁ、それかも。」

 

 

 モモンガさんは笑っていたけど、アルベドが無言のまま付いてくるのが怒っているようで少し恐かった。

 

 

 

 




アルベドは怒ってません

(至高の御方も性欲がおありになる!?
 もしかしたらモモンガ様も!?
 あの時もありましたし、ワンチャンあるかもしれませんわ!!
 それにヘロヘロ様とソリュシャンの間に一体何が!?
 女で思い出すなんて! ハァーッ! ハァーッ!)

こんな感じです。


治癒の粘体(ヒーリング・スライム)
Lv32
信仰系魔法に特化したスライム。
第5位階の魔法を使用する。
スライムなのに天使召喚の魔法で戦う。後衛だから仕方ないね。

●ヘロヘロの大治癒(ヒール)
指輪の装備効果で使用できる。
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