正直、陽光聖典の対処は簡単だった。
ガゼフの武技と陽光聖典がユグドラシルの魔法を使った事が本件の一番の収穫だっただろうか。
ま、まぁ……ヒヤリとした瞬間はあったけど……。
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『最高位天使の威光の前に平伏すが良い!!』
あの魔封じの水晶の質からすると、まさか
『俺が前に出る。アルベド! モモンガさんを護り切れよ!』
『はっ! 我が身命にかけて!』
俺のカルマ値はモモンガさんよりも中立寄りだし、何よりアンデッドじゃないから神聖属性にペナルティが無いのが大きい。
いきなり本気で戦うハメになるとはな。
『光臨せよ!
『『は……?』』
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あの後モモンガさんがワンパン(ブラックホール)で消滅させたけど、あれは恥ずかしかったな。
あ、因みに陽光聖典はナザリック送りになったよ。
色々情報を引き出そうと思ったんだけど。
なんでか3回の質問で死ぬから大した情報が得られなかった……
そんなヤバいスキルなんて無かったはずだから、この世界専用の武技かスキルか何かだろう。
Lv100の現地人がいたら、取れる行動の差で俺達でも危険かもしれないな。
武技を使いこなすLv100の物理アタッカーと接敵した場合、勝率は俺のほうが低いかもしれないと思う。
そんなこんなで、陽光聖典をナザリックに幽閉した後、ガゼフ達は王都へ戻り、俺達もカルネ村の歓迎を辞退し情報収集のためにナザリック地下大墳墓に帰還した。
あ、因みに、陽光聖典を監視する者がいて、モモンガさんのカウンターマジックで撃退したみたい。
第1段階で終了したみたいだったから、初心者の覗き見だったのかな?
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その頃のスレイン法国水の神殿
水の巫女姫を媒介にして発動した【次元の目】のカウンターを受けて多数の悪魔達が神殿内に溢れ出した。
この神殿には薄手のローブしか纏っていない水の巫女姫がいるため、神殿内には女性のみが詰めている。
「きゃあっ! この悪魔何で下着ばかり盗むの!? 返しなさい!」
「ギャギャギャッッ!!」
それ故に装備としての価値が低い下着から盗まれていくのだろう。
「返しなさい!! くそっ逃げるなぁ!」
素っ裸に鎧だけ装着した状態の女騎士、素肌の上にローブしか身に纏えていないマジックキャスターは顔を真っ赤にしながら、
「ギャッ! ギャッ! ギャーーッ!!」
全ての下着を盗み終えた
そして、次のランクの装備品、鎧やローブを盗み始めた。
「きゃぁ! ま、まって……! それはダメぇ!!」
ローブを盗まれたマジックキャスターは、全裸に杖だけというニッチな需要がありそうな格好になってしまい、
杖を抱えて身体を隠すように座り込んでしまった。
それを見た周囲の女性達は顔を青くする。
次は自分たちの番だと――――。
「や、やめてくれぇっ!」
騎士たちはもっとヒドイ。グリーブやヘルム、胸当て、腰当てなど、一部ずつ盗まれていくため
まるで悪魔たちに脱がされていく感覚に落とされてしまう。
腰当や胸当てを盗まれて追いかけるのを諦め身体を丸くしても、スキルで盗まれていくため何の意味もない。
「ギャーーー! ギャッ! ギャッ!!」
そして自分の仕事を終えると、そのままどこかへ消えさった。
水の神殿内は【叡者の額冠】のみを装備した全裸の水の巫女姫と、
武器しか持たない素っ裸の騎士、マジックキャスターが呆然とするだけだった。
幸い命を落とすものは居なかったが精神的には極度の疲労に見舞われていた。
モモンガのカウンターマジックの第1段階だけで済んだのは幸運だっただろう。
第2段階からはLv10以上の悪魔たちが命を奪うために現出すからだ。
ユグドラシルでの第1段階は、何も知らずにカウンターマジックを喰らってしまった初心者に対しての魔法であり
弱い装備を盗まれてカウンターマジックに対して学習するためのものだったが、
下着まで剥いでしまえるこの世界では想像以上に凶悪な魔法になってしまっていた。
パンドラズ・アクターは生暖かい体温の残る下着を手にし「何故……?」と困惑せずに居られなかった。
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ナザリック地下大墳墓
第9階層『スパリゾートナザリック』
俺とモモンガさんは身を清めるために『スパリゾートナザリック』にいる。
老廃物は出ないのでホントは必要ないけど、人間だった頃の習性なのかもしれない。
そう、習性と感じてしまう時点で俺は人間じゃない『何か』に変わってきている事を実感する。
人を殺しても何も感じないし、拷問室に送っても何も感じない。
それよりも、人間を鶏肉や豚肉の様な『食肉』として見れる事に恐怖を感じる。
多分、
恐らくは、モモンガさんも……。
ならばやるべき事は一つ。
(俺の心を支配できるのは俺だけだ。
邪魔をするならば叩き潰してやる!)
「モモンガさん。」
「ん?如何しました?」
風呂に浸かる骨と粘体。
シュールすぎて変な感じがする。
「今日は色々ありましたね。」
「えぇ。新しい情報がたくさん得られましたね。
ガゼフと陽光聖典を戦わせた甲斐がありました。」
やっぱり、ガゼフをけしかけた事に対しては何も感じていないようだ。
「死者も出ましたよね。」
「そうですね。アンデッド創造の素体も手に入りましたし。
スキル効果の差異も知ることが出来ました。収穫も多かったですね。」
そうか――――
「モモンガさん。大事な話があります。
少し失礼かもしれません。先に謝っておきます」
俺はモモンガさんの方に向き直って頭を下げる。
「え? 如何したんです? 改まって。」
「モモンガさん――――いえ、鈴木悟さん。
貴方は誰ですか?」
空気が固まった。そんな張り詰めた空気を感じる。
「え? そりゃぁ…… え? 俺は、俺……」
よかった。モモンガと即答されていたら手遅れだったかもしれない。
「俺達は人間を殺しました。
でも、何も感じませんでした。
貴方は如何ですか?」
「そ、それは……確かに何も……何も感じなかった。
今も、何も感じない……
羽虫を振り払ったら死んだ。それくらいにしか……」
モモンガさんは自分の手のひらを見る。
「俺達は、