この素晴らしい世界に鍵使いを! 作:アセどん
栄えある第1位はなんと!!
チリシィでした!!
fgoのマーリン死すべしでお馴染みのフォウさんとかなりの差をつけて、本作のマスコットキャラクターにチリシィを決定しました。
アンケートにご協力いただきありがとうございました。
フォウさんを推してくださった方々には申し訳ありませんが、その内ひょっこり登場するかもしれませんので。
それでは第3話どうぞ!!
「ふぅ〜早朝とは言え、中々野菜狩りは堪えるな」
朝日に照らされながら、額から流れる汗を拭い少々疲労したのかツカサは独り言を漏らす。
「いやいや。アンちゃんのお陰でワシらの作業はかなり楽になったよぉ。近頃の若者にしては、中々の根性じゃったよ」
そんなツカサに同じく額の汗を拭い、感謝の言葉をかけながら近づいてきたのは、この農家の主人のおじいさんだった。
「そう言って貰えるとありがたいです」
なぜ、こんな朝からツカサは農家のお手伝いをしている理由は単純明解。
アルバイトだ。
先日、助けたレングスからお礼として7000エリスを貰っていても生活費というモノであっという間に減っていくため、ツカサは早朝から何故かは判らないが、跳びはねまくるサツマイモの引っこ抜きアルバイトを行うこととなったのだ。加えて、冒険者登録を終えた後ゆんゆんと町を一通り案内されながら、食事をとったりしていたためあっという間に4500エリスまで減ってしまった。流石にマズいと感じたツカサは近くにあったチラシの内容から、この農家のお手伝いとして日払いのアルバイトを行うこととなった。そして、午前の仕事が一段落終えた後に午後からゆんゆんと共に装備品を整えた後にクエストをする約束のためにツカサは労働の汗を異世界でも流している。
「午前の収穫はもうコレで全部じゃからもうえぇぞぉ〜」
「わかりました。また、明日もよろしくお願いしますね」
「了解じゃ!」
使った道具を片付けたツカサは、おじぃさんにアルバイト代を貰い銭湯へ向かう。流石に年頃の女の子であるゆんゆんの前で汗臭くては失礼であるため、そそくさとツカサは身体を洗い、着替えて待ち合わせ場所の冒険者ギルドへ向かう。
すると、数あるカウンターの一番隅っこにモジモジしながら周囲を凄まじいスピードでキョロキョロと見渡す彼女を発見した。
そして、待ち合わせ相手であるツカサを発見するや否や、マッハ近い速さで彼の目の前で詰め寄るように駆け寄る。
「こんにちは!ツカサさん!!」
「あ、あぁゴメンよ。待たせてしまったかな?」
「いえいえ!私も今さっき来たばかりですから!」
「そっか。なら良かった。今日もよろしく」
「は、はいぃ!!」
ゆんゆんの異様なまでのテンションの高さに若干ながら引き気味になりながらだが、ツカサは先日助けたレングスの武具店へ向かう。
道中、ツカサは野菜達や昨夜寝泊まりした馬小屋の愚痴を混ぜながらゆんゆんとたわいない会話を弾ませていく。
加えて、誰かとここまで楽しくお喋りしながら街を回ったりしたことがなかったゆんゆんは嬉しさのあまり泣きかけしまったのは余談である。その結果、周囲の誤解を解くのにかなりの時間と精神を浪費したのは仕方ないこと。
そんな風に道中ドタバタしつつも2人とも楽しそうにクエストに必要となるアイテムも買って行く。
そして、ようやく予定して時間を過ぎてしまったが、2人ともが楽しんでいたので気にせず、レングスの店へ入っていく。
「おう!ようやく来たか、ツカサの坊主に紅魔の嬢ちゃん」
「今日は装備品を値引きしてもらいますかね〜」
「ちょっ!?ツカサさん、いきなりですか!?」
中へ入ると片手剣を丁寧に磨いているレングスが2人を心良く出迎える。
「かっかっか!気にすんな元々坊主にはサービスする予定だ」
「よっ!デブっ腹!」
「そこは太っ腹と言え。いくらドワーフがズングリ体型だからって言葉に気遣え」
「そ、そそそそうですよ!!失礼ですよ!」
「まぁ〜まぁ〜。はじめて装備品を買うんですけどオススメってあります?」
話を切り替え、取り敢えず聞いてみる。
「そうだな……ステータスとの兼ね合いにもなるが、まぁ〜前衛職の片手武器を持つ初心者なら胸当てと籠手があれば十分だな。重すぎても鈍くなるだけだし、この辺のモンスターはそこまで攻撃力は高くはない。だが、まあ一応冒険者カードを見せてくれるか オススメを聞かれると、お前さんのステータスに合わせないと行けなくなるからな」
そう言われると、やけに内容に実感がこもってるな。
「あの、レングスさんって冒険に出てたことはおありだったんですか?」
「ああ。まぁな嬢ちゃん達同様に若い頃は色々とヤンチャしていたが、引退した後は色々と造る側に回りたくてな。ある人の元で鍛治者としての修行を積んでから店を出したってわけだ」
やっぱりな。
「何はともあれ。改めてよろしくレングス。俺の職業はキーブレード使いだ」
「ん?なんだそりゃ??」
頭の上に多数の?マークを浮かべるレングスにゆんゆんのフォローを受けながら、説明を行い改めて冒険者カードを拝見して貰う。
「ふむふむ。器用度はかなり高く、筋力、魔力、敏捷性は平均より上かぁ〜となると確かぁ〜」
と、ブツブツ何かを呟きながらレングスは奥へ入り、胸当て、黒手袋、二本の片刃型の双剣に加えて……
「黒コート?」
見るからに身軽そうな黒コートを持って来てくれた。
双剣や胸当てなどはわかるが、何故コート?
それにこれは、前に親友と一緒に観たSAOに登場するキリトが
「おっと、コレはな只のコートじゃないぜ。コレは、魔法に対する抵抗力の高いスライムの体液を染料と一緒に染み込ませているから、魔法に対してそれなりの防御力を発揮するんだ。お前さんのステータスなら、鎧でガチガチに固めるよりも、これと急所を守る装備に、後は速度でよけるか、キーブレードか双剣で軌道を晒す、または相手を翻弄する方がお前さんには合ってる」
さらにレングスはキーブレードがもしも使えない場合も考えて、自衛用として双剣を付け加えてくれた。
そして、代金の支払いとなった。早朝のバイト代は2万3千エリスであったが、道中にポーションなどを買ったため只今の所持金は、2万5千エリスとなっている。流石にこんないい素材を使った装備品なので若干冷や汗を流していると、
「ざっと35760エリスだな。なぁ〜に心配すんな。坊主たちはあの時助けてくれたからな。分割払いで構わないさ」
「え!?お店的に大丈夫?」
代金を聴いて表情が真っ青になっていくツカサに背後からそっと財布を取り出して、自身のお金を渡そうとしたゆんゆんにレングスは手で待ったをかける。待ったをかけられた2人にレングスはフッと笑いかけ、ツカサに願ってもないサービスを提示する。
「心配すんな。お前さんに心配されるほどその日暮らしなんざしてねぇーよ。有り難く、この老害の好意を受けろ」
「ありがとうございます。レングス、代金は必ず支払わせていただくよ」
「私からもお礼を言わせていただきます。ありがとうございますレングスさん」
「やめろよ。ケツが痒くなっちまうから、さっさとクエストに行け!」
「行こうか、ゆんゆん?」
「はい! ツカサさんの借金完済の為に!」
グサッ!
改めて装備品を整えた若輩者のキーブレード使いのツカサは、ゆんゆんと供に初心者向けのクエストであるゴブリン退治へと向かう。
☆☆☆☆☆☆☆★★★★★★★☆☆☆☆☆☆☆
双剣を腰に交差させるように巻きつけ、ゆんゆんと供に今回狩るゴブリンに対して情報をまとめていく。
「確か、ゴブリンは10〜30匹近くで群れをなして行動して、知能は低めだったな?」
「その通りです。でも、気をつけて下さいね。ゴブリンの様な低級モンスターを囮に襲ってくる初心者殺しもいますから」
「了解!もうすぐ、目撃されたっていう場所だね」
「はい!気を引き締めていきましょう」
そう言って2人は各々の武器を取り出す。
ツカサは逆手双剣を、ゆんゆんは杖をそれぞれ構え周囲を警戒しながら進んでいくと、ゴブリンの群れを発見した。その数はおおよそ18匹で、それぞれが棍棒、斧、短剣、弓などを持っている。
物陰に息を潜めながら、此方に気づいていないゴブリンたちへ攻撃するタイミングを伺う。
「……よし。コッチには気づいていないから、ゆんゆんが魔法を撃ったと同時に、俺が駆け出して弓を持っていのをヤるってことで」
「……わかりました。それで行きましょう」
コソコソ話で作戦を決め終えた2人は隙だらけのゴブリンへ向けて先ほどの話の内容通り作戦を実行する。
「行きます!ライトニング!!」
ゆんゆんの杖から放たれた雷撃はゴブリン達の群れの中心に着弾し、群れの三分の一を黒焦げにかえる。突然の奇襲に慌てふためくゴブリン達へ向けて駆け出しながら、ツカサは覚えたての魔法を使用する。
「パワースト!」
魔法を発動させたことでツカサの身体を暖かな光が包み込む。この魔法の効果はキーブレード使いのスキルにあった初級魔法で、身体強化の効果を含んでいる。これによりツカサは普段よりもより早いスピードで弓を持っていたゴブリンへ詰め寄り双剣で斬り捨てる。
そして、中距離型であるアークウィザードであるゆんゆんに近寄らせない様に、近くのゴブリンの首を刎ねる。背後から棍棒で殴りかかってくるゴブリンに対して、横目だけ動かし左手に持っている剣を相手の額目掛けて投げつける。投げられた剣は寸分違わぬのように鮮やかにゴブリンの頭に突き刺さり絶命させる。また、自分の死角を魔法で援護してくれているゆんゆんの背後の草むらから一匹のゴブリンが飛びかかろうとする。
それを見たツカサは残っている剣を構え、ゆんゆんに警告する。
「ゆんゆん!伏せろ!!」
「っ!?は、はい!!」
僅かに動揺しているが、自分では反撃するには速さが足りないためツカサに対処を任させることとし、頭を低くし彼の言葉通り伏せる。
ゆんゆんが伏せたことで軌道を確認し、もう一度残った剣をゴブリンへ投げつける。すると、投擲された剣はゴブリンを土手っ腹を貫通し近くの木へ串刺しとする。
これによりツカサの武器がもう無くなったと思うゴブリン達は一斉にツカサへ飛びかかろうとするが、ゆんゆんが行く手を阻む。
「ライト・オブ・セイバー!!」
放たれた光の剣によってツカサの背後から飛びかかろうとしていたゴブリンを消し炭にする。しかし、ツカサの真正面から襲いかかってくる三匹のゴブリンに慌てることなく、最後の武器をココロから呼び出す。
「来い!ノーネーム!!」
ツカサは利き手に現れたキーブレードを手に取り、未だにかかっている身体強化でパワーアップした脚力を使い、空中へと飛び上がりゴブリン達の頭上を通りすぎる。斬り捨て御免と言わんばかりに一番近くにいたゴブリンを真っ二つにし、そのままの勢いに乗せて振り向くゴブリンの左肩から右脇腹までキーブレードの斬撃を一線、残った最後の一匹の心臓目掛けてキーブレードを突き立て絶命させる。
これによりゴブリンの群れをゆんゆんと供に殲滅したツカサは改めて周囲にモンスターの影がないのかを確認する。
「ふぅー終わったぁ終わったぁーお疲れ様ゆんゆん。援護ありがとうね」
「いえいえ、私もツカサさんとの初クエスト浮き足になっちゃって背後から奇襲の気づきませんでしたから。此方の方こそありがとうございます」
「何はともあれ、初クエストクリアだな?」
「無事に帰るまでが、お仕事ですよ」
確かに〜と双剣を回収しながらゴブリンの死骸の処理を行い、ツカサはゆんゆんと供にアクセルの町へ帰っていった。
ちなみに、早朝の農家での野菜達との激闘?にツカサはすでにレベル3となっており、この初クエストによりレベルは5まで上がった。
まだまだキーブレード使いとしては若輩者すぎるなと密かに思いながら、コツコツ頑張ろうと誓うツカサであった。
最後まで読んでいただきありがとうございます!!
ちなみにですがレングスの見た目は転スラのカイジンさんをもう少し老けさせた感じで、ツカサの双剣はテイルズのカストールです。