BLAZBLUE ~天・下・御・免~   作:レティス

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テストなんて糞食らえだorz
前回のあらすじ フォルドはインベスの群れと戦っている女性・マコトを発見。加勢してインベス達を倒すと、フォルドはマコトとデートすることになった。無事にデートを終えて友情を芽生えたフォルド。
そのころ、レイチェルのいるアルカード城にサガラがやってきた。
以上


侵される世界、反撃の準備

サガラはレイチェルに近づく。その際自身の身体をホログラム化させてからまた実体化させ、DJ服から民族衣装へと服装を変えた。

その様子を見たレイチェルの執事はすぐさま戦闘態勢をとる。

 

「ヴァルケンハイン、彼はお客よ。」

 

レイチェルがそう言うと、ヴァルケンハインと呼ばれた老執事はすぐに戦闘態勢を解く。

 

「すまないわね、私の執事は常に警戒心が強いのよ。」

「いや、気にすることはないさ。俺の世界でも大体こんな感じだからな。」

 

サガラがレイチェルと向かい合うように椅子に座ると、ヴァルケンハインがサガラの分の紅茶をテーブルに置いた。

 

「どうも。」

 

サガラはヴァルケンハインに礼を言うと、再びレイチェルの方に視線を向ける。

 

「そろそろ本題に入ろうかしら。サガラ、用件は何?」

 

レイチェルは用件についてサガラに質問した。

 

「お前は最近、クラックが増大するのを見るだろ?簡単に言えば、この世界にもヘルヘイムが本格的に侵食を始めたってことだ。」

「そう…やはりあの子が来てからクラックの出現率が強まったのね。」

「フォルド=ケンウェイ…いや、平山直人のことか。」

「そうよ。」

 

レイチェルがそう答えるとサガラはうなずきながら、テーブルに置かれているフルーツバスケットからメロンを手に取り、そのまま右手人差し指でメロンを持ちながら左手でクルクルとメロンを回す。そしてサガラはメロンに謎のエネルギーを送ると、メロンは多面体へと変形した。

「…となると、お前は“クロノス”のことも知ってるよな?」

「ええ、フォルドの父親のことね。三ヶ月前に会ったわ。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

三ヶ月前、レイチェルはフォルドの父・クロノスこと平山晃和のいる天界にやってきた。彼女はしばらく歩くと、クロノスがいる場所にたどり着いた。

 

「あなたがフォルドの父親?」

「そうだが?」

 

クロノスは振り返りながら返事をした。前にフォルドを助けた時と同じ白いローブ姿であり、その背中には刀が背負われている。

 

「あなた、前に紫が管理する幻想郷に侵入したわよね?」

「ああ…息子の危険と武神鎧武の出現を見て、神様が地上への出撃を許可してくれたんだ。」

「どういうこと?」

「今の俺は、神様に仕える者ということだ。」

 

クロノスはレイチェルに自身が神の使いであることを伝えた。

 

「フォルドのことを大事に思ってるのね。」

「ああ。フォルドは俺のたった一人の息子だからな。精一杯見守ってやりたい。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「と言っていたわ。」

「あいつは本当に自分の息子を心配し過ぎなんだよな。」

 

とサガラはそう言いながら多面体となったメロンを上に飛ばす。するとまた変形してサガラの手元に落下した。その手には鎧武のものとは違い、色が黄緑色でメロンをモチーフとしたカチドキロックシードが握られていた。

サガラはロックシードをテーブルに置くと今度はオレンジを手に取り、両手で包んでエネルギーを送り、メロン同様オレンジを多面体にさせる。

 

「サガラ、そのインベスが魔素を取り込んだりはしないわよね?」

「ああ…前はな。」

「……?」

「これを見ろ。」

 

レイチェルはサガラの奇妙な発言に首をかしげる。サガラは右手を横に軽く払うと、目の前にウィンドウが現れ、そこに映像が流れる。

 

「フォルドがちょうど幻想郷に行っているときだ。」

 

その映像は黒い霧状の魔素に三体の初級インベスが入り込むものであった。

この魔素は人間にとって有害なものではあるが、微量なら取り込んでも問題はない。しかしそれが高濃度であると、魔素中毒を引き起こすのである。三体の初級インベスは高濃度下の魔素の中に入った。

 

『『『ギギギッ…。』』』

 

すると、三体の初級インベスは身体が黒くなり、両腕の爪が肥大化した。

 

『『『グギャアアアアア!!』』』

 

 

「…インベスが魔素を取り込んで強化した…?」

「ああ、こうなったインベスはさらに術まで扱うことが可能らしい。俺はこいつらを[魔素インベス]って呼んでいるぜ。」

 

レイチェルは多少ながらもインベスが魔素を取り込んで魔素インベスとして強化する映像を見て驚いた。

 

「情報は、こんなところだ。」

 

そう言うとサガラはまた両手で多面体のオレンジを包んでエネルギーを送る。すると、鎧武と同じものであるカチドキロックシードに変化した。

サガラは2つ目のカチドキLSをテーブルに置くと、席を立つ。

 

「待って。最後に聞かせて。」

「何だ?」

「…貴方は…何者……?」

 

レイチェルは表情を固くして質問した。サガラは笑んだ表情でこう答えた。

 

「俺は…戦いの行方を見ている存在……たたそれだけだ。」

 

そう言うと、サガラは透明になって消えた。

 

「(戦いの行方…ね…。)」

 

レイチェルは呟くと、カップの中に淹れられた紅茶に写った様子を見る。

そこには巨大な人形と新たなアーマードライダーに苦戦するフォルドの姿があった。

 

 




ロックシード詳細
カチドキロックシード(メロンver)
番号:KLS-02
鎧武のカチドキロックシードと同型だが、こちらはメロンをモチーフとしており、オレンジ色の部分は全て黄緑色に塗り替えられている。詳しい詳細は後に明かされる。

次回 フォルドは咎追いの少年・カルルと出会い、何故か戦うことに。
カルルは戦極ドライバーとドングリロックシードを用いてアーマードライダー・グリドンに変身して、アークエネミーに生体を組み込まれた姉・ エイダと共にフォルドを圧倒する。
二対一という戦況の中、シュンが駆けつける。
次回[自動人形【オートマトン】]

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