第1話『始まりのゲーム』
あらゆる現代兵器を無効化する超常的生命体「ノイズ」の襲撃は世界各国の諜報機関の最新技術を用いようと特定することは不可能だと断定された。
しかし、櫻井了子の発表した「シンフォギアシステム」によって活路を開くことに成功した。だが、シンフォギアを纏うには適合する者が必要であり、適合しなければ人間の限界値を越えて人体を内部から崩壊させる恐れがあった。唯一、そのシステムを克服してみせた。女が現れるまでは……。
その女の名前は檀綺乃。日本随一という評判を持つ「ゲンムコーポレーション」の若き女社長だ。綺乃は自由奔放であり、世界各国を巡ってはゲームに使えそうなネタを探求している。櫻井了子と風鳴弦十郎はチベット地方へと旅立ったという檀綺乃を追い掛けてチベット最深部へと潜入していた。
そこには降り注ぐ豪雨の中を傘を構えて優雅に歩いて回るスーツ姿の女性と、彼女に付き従うように付いて回る青年の姿が在った。
「……我が社の敵だな…」
了子達には檀綺乃のポツリと呟いた言葉は聞こえていなかったのか。そのまま彼女へと駆け寄っていった。
「檀綺乃、君に頼みがある」
「…ふむ、なにかな?」
「我々と共に世界を救ってくれ…!」
「……それは、この腹に宿っている子供を捨ててまで行わなければイケないのかな?」
檀綺乃は優しい笑みを浮かべて自身の下腹部を撫でながら弦十郎へと問い掛けていた。弦十郎と了子は「子供…ッ!?」と驚き。付き従っていた青年に確認するように視線を移す。すると、彼女から預かっていたのか。スーツの内側ポケットから「檀綺乃」と書かれた母子手帳を見せてきた。
彼女には世界を救う──。そんなモノよりも我が子を優先しているのだ。同じ女である了子は自身の子供と世界を天秤に賭けた。…恐らく自分も子供を優先してしまうだろうと思ってしまい。諦めたような表情を浮かべていた。弦十郎は母体である檀綺乃を責めることは出来ず。適合者を探すように部隊へと指示を送った。
振り出しだな。等と悲観している弦十郎の目の前でチェーンソーのような突起物が特徴的な玩具を取り出し、二人に見せる。
「九条君、見せてあげなさい」
「承知しました」
九条と呼ばれた青年はスーツのボタンを外し、機械的な装着装置のようなベルトを腰に巻いていた。
『ガッチャーン!!』
九条はスーツの内側ポケットからライトブルー塗装の施された『
『
『ガシャット!!』
腰に装着した玩具に装置を装填すると玩具にも付いていたボタンを押し込んだ瞬間、パネルのようなモノが目の前に現れた。
『ブラッド!!ブラッド!!』
『デッド・オブ・フォート!!』
『トーテムストーリー!!』
パネルを突き通って現れたのは、ヴァイキングのような中世甲冑を纏う九条だった。
「櫻井了子君、君の考案したシンフォギアシステムを改良して作り上げたモノだ。尤もシンフォギアよりも数十段ほど劣っているがね…。どうだ、コレは使えるか?」
弦十郎と了子は顔を見合わせ、檀綺乃に向かってニヤリと笑ってみせた。
「「御協力、感謝します!」」
『
檀綺乃の作成した横スクロール型ロールプレイングゲーム。ヴァイキングの長となり、あらゆる魔物から村や国を守るゲーム。エンディングは魔物の王を討伐した後、主人公のトーテム(銅像)を村(もしくは国)の中央に建てれば完全な終了となる。