今現在、私達は完全聖遺物「デュランダル」を護送する特殊任務を請け負っている。
立花達は櫻井女史と共に護送車に乗車しており、私は「
…もう少しだけ、速度を上げたい。この程度の速さでは足りない。
そんなことを考えていた瞬間、前方から道を塞ぐようにノイズ達が現れた。
ふっ、致し方ない───。
櫻井女史達の乗っている護送車へと接近していき、窓を開けている立花達の座していた後部座席に振り落とす。
「ちょ、翼ァ!?」
「黎斗君、キメワザだ!!」
「むうぅかあぁあかせえぇろおぉぉ!!」
助手席に座っていた黎斗君の傍らに近寄り、ガシャットをスロットに装填してもらう。
『キメワザ!!』
全身にエネルギーエフェクトを纏わせ、溜めていた鬱憤を晴らすようにノイズへと突進する。
『突撃クリティカル・ストライク!!』
護送車を死守することを優先とする。
「直線を穿つのみだアァァ!!」
感じる、感じるぞ!今、私の後ろには道が出来ている!!何人も私の走りを邪魔することは赦さん!!さあ、このままノイズを轢き殺してやる!!
「フハハハハハハハハ!!」
黎斗君のような笑い声を上げながら前へ前へと走り続ける。
やはり、速さとは最高のことだな!!
◆◆◆◆
アタシの親友は「スピードドラッカー」と呼ばれる加速中毒者だったようだ。とりあえず振り落とされたイライラから原因のクロトの首を後ろから締め付けていると「フハハハハハハハハ!!」という翼の笑い声が聞こえてきた。
もう、完全にクロトと一緒じゃねぇか!?
「くぅーろぉーとぉー!!」
「ぐっ、ぐぉお!?」
「お前か、お前のせいか!?」
「わ、私ではない!?あれは母さんの作ったゲームなんだぞ!改良版や最新作を作った事は有っても初代よりはマシだ!?」
…言われてみればそうだった。クロトの首から手を離して隣で苦笑いを浮かべている響とクリスを見る。なんだよ、そこまで酷いことはしてないと思うぞ?
そんなことを考えているとオジサンから翼一人では対応すら出来ない程のノイズが待ち構えていると知らされた。
チッ、仕方ねぇな……。
ゲーマドライバーを装着しようとしたが、クロトに止められた。なんだよ、打開策でも思い付いたのか?次の瞬間、クロトのヤツが護送車のアクセルを踏み抜きやがった。
「ブゥエァーハッハッハッハッハッハッ!!私の最新作を翼で試してやるうぅぅ!!櫻井了子オォ!!君もドライバーならば速さを惜しむナァァ!!」
「「安全運転ですよ!?安全運転!?」」
「…どっちでも良いから早く帰らせてくれ……」
アタシと響は運転している了子さんに懇願するように近寄ろうとするがシートベルトによって阻まれる。その後ろで面倒臭そうに携帯用ゲーム機をポチポチと音を立てながら遊ぶクリスだった。