戦姫絶唱、君達は絶版だ。   作:SUN'S

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第2話『ノイズを払う突風』

弦十郎は、檀綺乃の提供してくれた『バグルドライバー』を見ていた。しかも了子と共に考案し合って完成させた自分だけのオリジナルを。彼の手にはクリムゾンレッド色のファイアーパターンが刻まれた『バグルドライバー』とヴァーミリオンオレンジ色のライダーガシャット『BEAT-UP-GROOVY(ビートアップ・グルーヴィー)』が握られていた。

 

コンセプトは脈動する魂鼓動に合わせて対象をぶん殴るソング系ファイターゲームだと聞いた。つまり、男の魂を込めた拳でノイズをブッ飛ばせば良いということだな。避難警報を知らせるスピーカーとノイズ発生を知らせてくる装置を聞き、現場へと向かう。インカム越しに藤尭の声が聞こえてくる。よし、次の商店街を抜けた場所だな。

 

人間を象ったノイズと逃げ惑う人々を守るため、アスファルトを踏みつけて即席の壁を作り出す。

 

「早く逃げろ!!」

 

「あ、あ、ぇえぁ!?」

 

クソッ。人が居るところで初の着装するとは思っていなかったぞ。バグルドライバーを腰のバグスターバックルに装着する、ノイズの攻撃を岩盤返しで防ぎながら右手に持ったライダーガシャットを起動させる。

 

BEAT-UP-GROOVY(ビートアップ・グルーヴィー)!!!

 

「変身…!」

 

『ガシャット!!』

 

バグルドライバーのスロットにガシャットを差し込み。上部のスイッチを押し込んでファイティングポーズを取る。

 

『バグル・アップ!!』

 

俺の目の前にライダーの肖像を持つエネルギーパネルが現れる。

 

『ワン!!ツー!!ワン!!ツー!!』

 

『エンター・ザ・ハート!!!』

 

『ビートアップ・グルーヴィー!!!』

 

エネルギーパネルを突き通ると丈の長い外套をバグスターバックルで押さえ付けた真っ赤な装甲を纏い。その髪は怒髪したように逆立っており、両の拳にはガントレットらしき装甲が着いていた。

 

「今の俺は、ノイズをブッ飛ばす突風(ゼファ)だ。死ぬ覚悟の無ぇ奴らはすっこんでろ!!」

 

後ろで銃器を構えていた軍人達へと怒鳴り付け、眼前に迫り来ていたノイズの触手を叩いて粉砕する。炭素化しない事を確認しつつ、波のように押し寄せてくるノイズを一撃で潰していく。

 

了子君や綺乃君は「無茶厳禁」と言っていたが、民間人を助けるためには無理しないとダメなんだ。説教でも抗議でも受け付けよう。この場に居合わせた人々を守ることは許可してくれ。

 

「ハアァァッ、ドリャアァァッ!!」

 

右拳を腰まで落とし、一気に天を突き破るように放つ。俺の拳圧とライダーの力で倍加されたエネルギーは飛行していたノイズの土手っ腹に大きな風穴を作り、サラサラと灰化させた。俺の後ろのマンホールを伝って現れたノイズを倒すため、綺乃君の言っていた左側のBボタンを押し込む。

 

『キメワザ!!』

 

ノイズと民間人の間に立ち塞がるように割り込み。もう一度、Bボタンを押し込む。

 

「オリャアァアァァァッ!!!」

 

『クリティカル・ストーミー!!!』

 

ヴァーミリオンオレンジ色のエネルギーを放出させている左右の拳を暴風雨のように叩き込み。トドメとして超高速でバックハンドブローを叩き付け、爆発しているノイズをバックにして民間人に振り返るように決まっていた。…他意はないぞ?

 

「了子君、藤尭、終ったぞ」

 

『此方も終わったわ…。見ていた各国のお偉い様方が情報隠蔽だとか騒いでるわ』

 

成る程、早く帰って処理しないとイケないようだな。

 

 





BEAT-UP-GROOVY(ビートアップ・グルーヴィー)

檀綺乃の作成した横スクロール型ソングゲーム。画面の下部に現れるリズム弦を震わせ、強烈な攻撃を繰り出して魔物の倒したり、未開拓の世界を冒険するゲーム。エンディングは魔物も人間も解り合えた世界で最高のショーを開くこと。

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