「挑発」の効果によって現れたノイズは豪雨のようにマリアとセレナへと注がれていき、その振るう剛拳にて一撃粉砕されていた。
風鳴翼と天羽奏は日本では仮面ライダーとして活動しているが、世界には知られていないのだ。
二人はギリッと歯を噛み合わせ、マリア達の凄まじい乱打殴打の攻撃を見ていることしか出来なかった。マリアとセレナはノイズをキメワザを使うことなく消し去り、舞台に立っていた風鳴翼と天羽奏へと拳を突き付けるように構えた。
「「日本の仮面ライダー、お前達にバトルを申し込む!我々の所有しているライダーガシャットとお前達の持っているライダーガシャットを賭けて真剣勝負だ!!」」
二人は宣戦布告とばかりに格好良く決めていたが、一人の男の逆鱗に触れてしまった。
『ライダーガシャットはゲームマスターである!!この私のみに所有権を許されたモノだあぁぁ!!お前達のような者達では私の天羽奏や風鳴翼には手も足も出ずに終わるだろぉ!!君達はライダーガシャットを置いて家にでも帰りたまえ!!ブゥエァーハッハッハッハッハッハッハッ!!!』
スクリーンに映し出されたのは檀黎斗であった。やはり、この男は場を乱す行為が多くなりつつある。
「とりあえず、その提案は受けてやるよ」
「ならば私も賛同しよう」
天羽奏の肯定の言葉に続き、風鳴翼も賛同すると答えた。つまり、日本の仮面ライダーVSアメリカの仮面ライダーによるバトルが行われるのだ。どちらが勝つのか、誰が最強の仮面ライダーなのか。
見てみたいと世界中の視聴者達の心は一つとなり、大喝采となってホール内に響き渡った。
◆◆◆◆
檀綺乃の部屋には白衣を纏ったフィーネが居座っており、その手には自身を主人公としたライダーガシャットを持っていた。
なにより調べていた未知のウィルスの正体は電子状のバグだと教えられ、自身も電子状のバグとなった事を告げられれば困惑もするだろう。
「…フィーネ・バグスターか……」
フィーネは自身の手を見ながら呟いていた。未だにゲームに登場するキャラクターと変貌したことに馴れていないのだ。しかし、世間では「フィーネさんグッズ」として老若男女から支持されている事には喩え様の無い高揚感を感じていた。
「檀綺乃、私の次作はまだなのか?」
「今現在、黎斗は風鳴翼達のゲーム配信に同行している。新たなゲームとしての企画が欲しければ黎斗に交渉すると良い」
「分かった。そうさせてもらう」
今のフィーネには「あの人」や「バラルの呪詛」を考えている余裕など在りはしない。何故ならば「バグスター」としての本能で「人間」達とゲームで遊びたくて仕方無いのだ。