次の作品を考えていると社長室の硝子扉の前に立っていた黎斗が扉を押して社長室へ入ってきた。その後ろには見知らぬ二人の対照的な女の子を引き連れてだ。幼くても外見だけで分かるな。「天羽奏」と「風鳴翼」の二人だと断定することが出来た。
「母さん、僕の友達だよ!!」
「こんにちは、黎斗のお友達さん」
「オバサン、こんちは!」
「こ、こんにちは…」
やはり、対照的な女の子だな。活発な女の子と内気な女の子、黎斗はどちらを射止めるのか。…そうだ、恋愛シミュレーションをしよう。そんなことを考えていると社長室の隣に設備された「テストプレイ用ゲームルーム」へと二人を招き入れていた。ふむ、どのようなゲームを行うのか。見に行くとしようか。
テストプレイ用ゲームルームの壁に取り付けられた大型テレビの画面には『
その年で廃車製造姫になるつもりなのか?
風鳴翼はバイクを作るセレクト画面でスピードを速くするジェットエンジンや緊急停止用バーニア・ジェットを後部や側面に取り付けていた。そのやり方には黎斗も天羽奏を頬を引き吊らせており、ランプがオレンジからグリーンに変わった瞬間、風鳴翼の作り上げた魔改造バイクは二人を置き去りにした。
コンセプトとしては「突撃」を体現しているが「突貫」と例えた方がしっくりと来そうな走り方だった。結果的に言えば風鳴翼のバイクはエンストを起こし、天羽奏の原付バイクが1位通過した。黎斗のバイクは仕掛けられたトラップの数々に嵌まっており、破損寸前の状態で走っていた。
幾ら天才的な頭脳とクリエイター技術を持っていようとクリアする技術を持っていないと、このような事態を引き起こすのだな。
「…おば様、このゲームは楽しいですね……」
「クロト、ツバサが笑ったぞ!!」
「えっ、ホントだ!?」
三人の笑い声を聞きながら思い付いた。ゲームを制作するためにテストプレイ用ゲームルームを退出すると、弦十郎と了子が社長室に来ていた。…なにやら深刻そうな問題を抱えているような表情を浮かべた状態でだ。
「どうした?」
「あの二人は…シンフォギアの適合者なんだ」
知っていたとは云えどハッキリと伝えられると胸に来るものがあるな。…了子は悩んだ末の報告だと分かるほど窶れている。弦十郎も少しだけ痩せていた。
「私個人としての意見を言わせてもらおう。…子供を戦場に出すことは許さない」
ギロッと弦十郎を睨み付けると分かっていたと言わんばかりに顔を背けていた。ふん、そのような態度を取るならば来なければ良いものを。
「……綺乃、どうにか出来ない?」
……仕方無い。原作開始と同時に発売する予定だった作品を発表するとしよう。テーブルの棚に仕舞っていた『
「さあ、終わり無きゲームを始めよう」
『
檀綺乃の作成したネット対戦型バイクレースゲーム。様々なアイテムや装備を付け替えることで突撃するようなバイクを作り、世界中のプレイヤーと競って最速のレーサーになるゲーム。エンディングは音の壁を越えて世界最速のレーサーになること。