戦姫絶唱、君達は絶版だ。   作:SUN'S

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第34話『最強のゲーム』

なんとも言えない決着だったが、雪音クリスと交代してヘリポートと上がったのは風鳴翼だ。アメリカ陣営からはピンク色のパーカーを纏ったツインテイルが特徴的な女の子だった。

 

「私こそ最速の走り屋です」

 

「私より速い走り屋などいない」

 

二人はライダーガシャットを取り出すとガシャットを一回転させながらスイッチを押し込んだ。

 

TOTSUGEK-BIKE(突撃バイク)!!!

 

BAKUSOU-BIKE(爆走バイク)!!!

 

『ガシャット!!』

 

ライダーガシャットをゲーマドライバーへと装填するとレバーを引っ張るように開け、夕焼けの空へと飛び上がった。

 

『レベル・アップ!!』

 

二人のゆるキャラボディは弾け飛び、

 

『突撃!!急撃!!速撃!!進撃!!』

 

『突撃バイク!!』

 

『爆走!!独走!!激走!!暴走!!』

 

『爆走バイク!!』

 

自動二輪車へと変身した瞬間、ブザーアラートが超大型豪華客船に鳴り響いていた。

 

「「え?」」

 

『当船での乗物持ち込み』

 

『反則行為に該当します』

 

『風鳴翼と月読調は反則負けです』

 

流石の両国の選手も引き吊った笑みを浮かべるしか出来なかった。

 

あんなに格好良くセリフを決めていたのに反則負けで終わるとは思わなかったのだろう。両国の選手が集まっている甲板はどんよりとした空気に満ちていた。

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

風鳴翼と月読調は肩を並べて甲板の隅っこで体育座りで縮こまっていた。それほどまでに反則負けという理由が堪えたのだろう。

 

「あぁ~ッ、天羽奏だ」

 

「マリア・カデンツァヴナ・イヴよ…」

 

「まあ、その、なんだ?」

 

「なによ、ハッキリと言いなさいよ」

 

「まあ、とりあえず死ぬなよ?」

 

天羽奏は言い難そうにポリポリと頬を人差し指で掻いており、マリアはムスッとした表情を浮かべながらゲーマドライバーとライダーガシャットを持っている。天羽奏は見知らぬライダーガシャットを取り出してマリアへと見せた。

 

GANBARIZING(ガンバライジング)!!!

 

天羽奏はライダーガシャットのスイッチを押し込んでゲーマドライバーのスロットに差し込んだ。

 

『レッツライド!!メッチャライド!!』

 

『ムッチャライド!!ワッチャライド!?』

 

『アイム・ア・レジェンドライダー!!』

 

軽快な電子音声は流れたが、天羽奏は変身していなかった。

 

MIGHTY-ACTION-X(マイティアクション・エックス)!!!

 

マリアは怪訝そうな表情を浮かべながらライダーガシャットのスイッチを押し込んでゲーマドライバーへと差し込んだ。

 

 

 


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