ライダーバトルから二日ほど経過した頃。マキナビジョンではアリーヤ・マキシマの引き起こした未知のウィルス事件について暴動のような騒ぎが起こっていた。
日本でもアメリカと同様の事件が起こっている。
この事件は世間では「ゼロデイ」と呼ばれており、テレビやラジオでは凡そ二千人以上の人間が消滅したと発表されている。
ゲムデウスを倒すためには人材を要するな。日米合同では足りない、レベルも上げなければダメだな。
「ブゥエァーハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!!!完成したぞぉぉぉ!!タドルレガシーレベル100だあぁぁぁぁぁ!!!!」
「さ、流石に二徹はキツいですね…」
「ウェルウゥゥゥゥ!!君のぉぉおぉ!!ライダーガシャットとのおぉぉ相性は抜群だぁぁぁ!!!」
「分かりました、分かりましたから!寝かせてくださいよ!?」
黎斗の隣では皺だらけの白衣と真っ黒な隈の出来たウェル博士が眠ることを黎斗へと懇願していた。
ボロボロのセレナ・カデンツァヴナ・イヴとマリア・カデンツァヴナ・イヴは客室で絶対安静の状態を維持するために眠っており、暁切歌と月読調はテレビゲームに集中している。
老年の女性───ナスターシャ教授はフィーネと話し合っている。時折、二人の方から笑い声が聞こえてくる。だが、アリーヤ・マキシマの事を話している時は重苦しい空気に満ちてしまう。
あの女は、私や黎斗のゲームを利用したんだ。それ相応の罰を与えるつもりだ。
私も仮面ライダー達にライダーガシャットを贈呈するとしよう。しかし、彼女達の性能を継承することが可能なゲームなど片手で数えるほどしか存在しない。
公式設定では「ゲムデウス」を倒せるのは「クロノス」だけだ。
今現在、クロノスに変身することが可能なのは私だけだ。黎斗や弦十郎達が変身出来たとして十数秒が限界だと言えるな。
「母さん、このガシャットを」
黎斗の渡してきたガシャットのゲームロゴラベルを確認する。
「ドクターマイティ?」
たしか、仮面ライダーエグゼイド原作では「九条貴利矢と檀黎斗」が作成したゲムデウス専用ワクチンだったか?感染していない筈なのに、作成することに成功しているんだ?
「これはアリーヤ・マキシマの放っていたバグスターウィルスを採集して作ったモノです。そして、このガシャットには抑制と沈静が付与されており、使用すればゲムデウス対抗薬として…!!」
黎斗の長々としたライダーガシャットの説明を聞きつつ、対策として九条と緒川にバグスター化した一般人の拘束とバグスター切除手術を許可する。出来ることならば無事に終わらせてくれることを願おう。