お母さん達を怖がらせるノイズは一匹残らずブッ潰してやる。そのためなら僕は檀綺乃さんの力だって利用してやる。隣で戦っている男の人はエンチャントした右足に驚いてたけど。
なにかに納得したのか、僕へと近付こうとしていたノイズを殴り飛ばして盾役を引き受けるようにノイズと僕の間に立ち塞がり、肉体強化系統の魔法をエンチャントしていき、鉞杖の刃部分と刀身の付け根部分に在るAボタンとタップする。
『ズ・バーン!!』
頭を覆うように被っていたフードを払い除けると鉞杖をノイズ共の腹や肩口に叩き付けるように放ち。もう一度、鉞杖のAボタンをタップする。
『ズ・ドーン!!』
鉞の部分は小さくなり短かった柄の部分が長くなった。杖を剣の様に振り上げ、そのままノイズを引き裂いて鉞の刃を巨大化させて大空を舞っていたノイズを切り落とし、一塊になっているノイズへと向かおうとした時、突風さんがバグルドライバーのBボタンを叩くように指示してきた。言われるがままBボタンをタップする。
『キメワザ!!』
突風さんは一瞬でノイズの眼前へと迫り、先程と同じ様にBボタンをタップして強烈なラッシュを叩き込んで裏拳を叩き付けて此方を向いていた。
『クリティカル・ストーミー!!!』
あの人と同じことは出来ない。それでも自分には自分なりのやり方がある。
空中へと飛び上がりながら「火」「水」「風」「土」「雷」の五属性で作ったバインドでノイズが一塊になるように拘束する。
『クリティカル・グレイス!!!』
突風さんと同じようにバグルドライバーのBボタンをタップして、エネルギーを放出させる両足をドロップキックの様にノイズ共に叩き付けてバク転しながら着地する。
…生身だとバク転なんて出来なかったけど。このスーツが有ると生身の時には出来なかった事が出来るようになるのか。
『『渾身の一撃!!』』
街中に鳴り響いていた警報アラームは止まっており、家屋やビルの中から逃げていた人達が出てきた。…周りには炭化した物は見当たらない。良かった…。今日は、ノイズに殺された人は居なかったんだ。
安堵の溜め息を吐き出しつつ、変身を解除すると突風さんも同じように変身を解除しながら歩み寄ってきた。
「御協力、感謝します」
「…僕は家族を守っただけですので……」
突風さんは頭を下げてお礼を言ってきたけど。本当に、僕は家族を守るためだけに戦ってるんだ。世界平和とか大それた願いは持ってない。
突風さんは頭を上げ、僕の左肩に手を置いてから「今後とも宜しくな!」と言って去ってしまった。
…烏合の衆とは言うけど。集まってきた見物人を掻き分けて遠回りで家へと向かう。身バレは困る…。会社とかお母さん達にも迷惑が掛かる可能性だってあるんだ。