2人目のIS人生   作:ゴリラの天使

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第10話

真耶「今日は転校生を紹介します!」

 

場所はIS学園1年1組、2組に引き続き1組にも転校生が来たことにより1組の生徒はざわついた。織斑先生到着までしばらく続くだろう。

その時廊下では…。

 

???「…………」

???「あはは……」

湊「空気が重い」

グレイ「ドイツの冷氷と呼ばれるだけはありますね」

 

ドイツの転校生の放つオーラによりピリピリした空気だった。

 

???「えっと…初めまして、僕はシャルル・デュノア、フランスの代表候補生で3人目の男性操縦者です。君が2人目?」

湊「ああ、2人目の高見沢湊だ」

シャルル「高見沢君は何で僕達と一緒にいるの?」

湊「湊でいいよ、入学手前にストレスとかで身体崩しちゃってな…入学が今更になったんだ」

シャルル「ごめんね、知らなくて…」

湊「気にしないで大丈夫だデュノア、クラスメイトにも聞かれるだろうしな」

グレイ「おそらくデュノア様に人気が流れるでしょうから大丈夫でしょう」

シャルル「僕の事はシャルルでいいよ……所でさっきから気になっていたんだけど…それは?」

 

肩に乗ってるグレイを指差しながら聞いてくる。

 

湊「こいつはグレイ、俺のISだ」

シャルル「えええ!?ISぅ!?」

???「……ほぅ」

 

これにはシャルルだけではなくドイツの転校生も反応したようだ。

 

グレイ「湊の日常のサポートを行うために試験的にこのような身体を与えられました。試験No.01コード名グレイと申します」

 

ここで予め決めておいた設定を説明する。

まず、このある身体は試験的に人のサポートをどこまで出来るか?という実験の元作られたということにして、話せるのも人工的なAIを搭載しているということにしてある。

簪のジャベリンも同様で試験No.02コード名ジャベリンということにして貰っている。今頃クラスで可愛がられてるだろうさっき可愛いって歓声聞こえたし。

因みに名前はグレイゴーストだと色々不味いのでグレイという事にしている。

この事情を知っているのは専用機組と織斑先生と山田先生と束博士とクロエだけだ。

 

シャルル「へぇー凄い技術力だなぁ…ここまで流暢に会話もできて思考も出来るなんて…」

???「くだらん…ISは兵器だ。そのようなものは不必要だ」

 

ドイツの転校生が初めて口を開く。

 

湊「まぁ間違ってないな」

???「ほぅ…少しは話がわかるようだな」

湊「実際そうだしな…、できればそう扱って欲しくはないけど」

 

グレイの頭を撫でながら話す。

 

???「ISは絶対的な力だ、他者を屈服させ蹂躙するものだ」

湊「ISで力を示せばいつか身を滅ぼすぞ、女権団みたいに」

???「私はあのような弱者のようにはならん」

 

ドイツの冷氷…その通りだ。付け入る隙がない。

 

湊「所で名前は?まぁ後でわかるだろうけど」

???「ラウラだラウラ・ボーデヴィッヒ」

 

ラウラね、シャルルと一緒に調べとくか。

そんな話をしていると織斑先生が廊下の奥から歩いてきた。

 

千冬「待たせたな、とりあえずクラスを静かにさせてくる。その後呼ぶから入ってくれ」

ラウラ「はっ!わかりました教官!」

千冬「ここでは先生と生徒の立場だ、織斑先生と呼べ」

ラウラ「了解であります!」

千冬「はぁ…」

 

生徒の前では威厳を保ってる織斑先生でさえため息をつくとは…、ラウラ…相当やばいのでは…。

 

シャルル「軍人…なのかな…やっぱり」

湊「そんな雰囲気だったしな…おそらくそうなんだろう」

千冬「高見沢、デュノア、ボーデヴィッヒ入ってこい」

 

織斑先生から呼び出しがかかりラウラが先陣をきって入っていく、命令と勘違いしているのでは?

 

シャルル「僕達も行こうか…」

湊「だな」

グレイ「行きましょう」

 

シャルルに続いて俺も入る。

 

1組生徒「「「「「えっ!?」」」」」

 

ん?どうした?

 

グレイ「シャルル様のせいでしょう、美形の貴公子の様な男性がくれば女子校の生徒は一目惚れしてしまうでしょう」

湊「男ってことなんかスルーしてたわ…あーそういうこ「「「「きゃーーーー/////」」」」」

 

まさにソニックウェーブともいうべき波動が俺を襲った、隣のシャルルもびっくりしてフラフラしている。

 

千冬「静かにしろ!グラウンドを走らされたいか!!」

 

織斑先生の一喝によりすぐに静かになる教室、流石です。

 

千冬「高見沢から自己紹介しろ」

 

そして飛んでくるキラーパス、というか…緊張してきた…。

 

湊「えと…2人目の男性操縦者の高見沢湊です。入学前に体調を崩してしまったので今更の入学になりましたがこれからよろしくお願いします。それと、こいつはグレイ、俺の専用機でISの実験の一環でこのような形の待機形態になっています」

グレイ「紹介に預かりました、試験No.01コード名グレイと申します。同じく4組のジャベリンと同じコンセプトで作られております。因みにこの声はAIによる会話による自動翻訳音声となっておりますので悪しからず」

 

グレイが直接頭に文章を送ってくれたのでなんとかなった。ありがとうグレイ。

 

その後はシャルルが自己紹介をし、嵐が起き、その後ラウラを自己紹介をした。ただ…。

 

ラウラ「貴様が!!」

 

ラウラが一夏を平手打ちしたのは驚いたけどな。

 

 

 

 

朝のホームルームが終わり1限目の少し前、1組と2組の合同実習が行われるグラウンドに来ている。一夏とシャルルが女子生徒を引き付けてくれたので楽々と来れた。

 

???「ねーねータカミー」

 

さて少し時間があるからラウラとシャルルのことを調べるか…。

 

???「タカミーってばーー!!」

湊「耳元で騒ぐな誰だ!」

???「やっと気づいてくれた〜」

 

え?マジで誰?赤みがかかった髪で巨乳でポヤポヤした子なんか知らないぞ?

 

湊「どちら様でしょうか…?」

???「わたし〜?布仏本音だよ〜かんちゃんの従者〜」

湊「布仏…虚さんの妹か、簪にもいたんだな」

本音「うん!あの時は会えなかったからしっかり挨拶しときたくて〜」

湊「すぐに出て行っちゃったからな…、よろしくね本音さん」

本音「本音でいいのだ〜タカミー」

グレイ「あだ名が増えましたね」

湊「まぁ変ではないしいいだろう」

本音「他にあだ名があるの〜?」

湊「みっくんってのがあるが…」

本音「うーん…タカミーがいい!」

湊「任せるよ本音」

 

その後遅れてきた一夏とシャルルが合流した後授業が開始された。

 

 

 

 

湊「で、なんでこうなった」

グレイ『なんででしょう?』

 

俺はセーフティモード(束が新しく搭載したグレイゴーストにリミッターをかけた状態)でみんなから少し離れた上空に浮遊している。

グレイゴーストは肩を含めた腕全部と膝から下とバックパックだけを装着した普通のISっぽい見た目で右手に剣、左手にロングライフルを展開し、バックパックのブラスター2基に追加装備として脚部にミサイルポッドが追加された状態である。

 

千冬「入学試験の実技テスト代わりだ、担当も山田先生だったしお前の実力を見せとくのに丁度いいからな」

湊「だからって急すぎませんか?」

千冬「さっき思いついた」

真耶「織斑先生!!そういうのはやめて下さい!!」

 

見せ物か。

 

ラウラ「……」

 

ラウラはラウラで戦いを見ようとしてるし…。

 

一夏、セシリア、鈴、シャルル「ジーーー」

 

専用機組も興味津々だし…。

 

1組2組生徒「ワクワク」

 

味方がいねぇ…。

 

千冬「味方はいないぞ諦めろ、ルールはシールドエネルギーが先に半分を下回ったら負けとする」

湊「了解しました、グレイ行くぞ」

グレイ『リンケージで?』

湊「勿論だ、山田真耶…銃央矛塵(キリング・シールド)の二つ名を持つ織斑先生に次ぐ実力者だからな!」

真耶「か、過去の事には触れないでくださーい!!!!」////

 

山田先生的は恥ずかしい過去なのだそうだが実力があるのは確か、機体スペックを同じくらいまで下げてあるから勝敗を決めるのは操縦者のテクニック、なら手を抜くなんて出来ないか。

 

湊、グレイ「『リンケージ』」

 

今回は前回の様にリンケージできないということはなくしっかりグレイと繋がれた。

 

グレイ『同調率安定…問題ありません』

湊「準備完了です」

真耶「同じく」

千冬「双方準備は整ったな?では…模擬戦開始!!」

 

その合図とともに俺と山田さんは同時にロングライフルとアサルトライフルを放った。

それは双方にも当たらず横への加速で避けられるそしてお互いに回避を読んでの偏差射撃も行っていた。

それもお互いに避ける、偏差射撃を更に予測しその一手一手に対応していく。読み負ければ即被弾、そこから負け筋に繋がる高度な戦いそんな戦いが1組生徒の前で繰り広げられた。まだ戦いが始まって1分も経ってないのにである。

 

1組2組生徒「何…あれ…?」「国家代表クラスの動き…」

一夏「すげー!すげーな湊!」

セシリア「いいえ…おそらくまだ全開ではありません…」

鈴「お互い射撃武器は持っていたもののみ使ってる…まだギアが上がるわよ」

箒「これ以上にだと!?」

シャルル「グレイのスペックは詳しく知らないけど山田先生はラファールの機体性能を上手く…いや完璧に引き出してる」

千冬「当然だな、山田先生は現役時代私と唯一張り合えた操縦者だからな」

一夏「千冬姉が!?アダっ!!」バシンッ

千冬「織斑先生だ、負けはしなかったが隙を見せれば食われるそんな存在だ」

鈴「じゃあなんでみんな知らないんですか?」

千冬「それはな…」

一同「それは?」

千冬「極度のあがり症なんだ…山田先生は…」

一同「あー…」

千冬「訓練や模擬戦などでは強いのだが…本番となると途端に凡ミスをしてな…」

セシリア「それでは何故今は動けてるのでしょうか?模擬戦とはいえあがり症であればそうなる状況だと思いますが…」

 

セシリアの言う通り、そうなってしまってもおかしくない状況のはずなのに機体を縦横無尽に動かしトップレベルの戦いをしている。

 

千冬「高見沢のせいだな」

シャルル「湊の?」

千冬「最初の一射と次の偏差射撃で本気を出さないと勝てないと悟ったのだろう、あがり症を忘れるくらいに」

一夏「すげぇ…」

 

そして試合は動いた。

 

湊、真耶「つっ!!」

 

お互いに被弾したのだ。ただし湊はアサルトライフルの一発が足に当たり、山田先生はロングライフルのビームをシールドで防ぎきれずに漏れ出たのが被弾、お互いに極小威力であり数%シールドエネルギーが減ったのみである。

何故被弾したのか?それは2人は射撃戦をしながら距離を詰めていたのだ今100m以上離れていた距離が50mも無いくらいになっている。

 

グレイ『セーフティモードではこの反応速度が限度です、これ以上は捌き切れません』

湊「剣がある!」

 

直撃弾を正確にガードし被弾を減らす。それでも少しずつ被弾はしていく。

 

真耶「こんな凄いだなんて…流石は灰色の亡霊ですね!!」

 

山田先生も負けておらず恐ろしい正確さでビームを捌く。

そして2人の距離は更に近づき遂に…。

 

湊「はぁ…はぁ…」

真耶「はぁ…素晴らしいですね…高見沢君」

 

2人は互いにロングライフルをアサルトライフルを突きつけていた。

互いのシールドエネルギーは60%前後、直撃なら半分を下回る。

 

真耶「どうしました?撃てば勝ちですよ?」

湊「山田先生こそ…」

 

しかし2人は撃たない…否、撃てない。

 

弾切れだ。

 

そして2人は同時に動き出した。

湊は持ってた剣を上段から振るい、山田先生はいつの間にか展開してたブレードを下段から振るう。

 

ガキインッ

 

二つは火花を散らしながらつば競り合う、そしてその拮抗を破ったのは…。

 

湊「グレイ!」

グレイ『ミサイル!』

真耶「!!」

 

脚部のミサイルを発射し…。

 

真耶「読んでます!!」

 

寸前のところでその場で回る様につば競り合いをやめ、湊を前に体制を崩す。勿論脚部のミサイルも発射が安定せず山田先生の下を通過してしまう。

 

真耶「貰いました!」

 

アサルトライフルはとうに捨ててあり既にショットガンを呼び出していた。ショットガンを振り向きざまに湊は向ける。

 

真耶「え?」

 

そこに湊はいなかった、いやいる。咄嗟に山田先生は上を見上げた。

 

湊「俺も読んでた!!」

 

目に映ったのは右足のかかとだった。

ミサイルを打つ瞬間足のPICを解除、ミサイルを撃った反動で身体を回転しそのままかかと落としをしたのだ。

 

真耶「きゃあああぁぁぁぁ!!!」

 

右肩に直撃し落とされる。だがシールドエネルギーは半分をきってない。

 

湊「ブラスター!」

 

バックパックのブラスターを脇の下から回し展開。発射。

山田先生はバランスが崩れてるにも関わらず回避行動を行い1つは避けたがもう片方が足に直撃した。

 

千冬「そこまで!2人とも素晴らしい戦いだった!惜しくも負けてしまったが山田先生の実力がわかったはずだ。あまり教師を舐めすぎない様に、いいな!」

一同「はい!!」

湊「なるほどね、山田先生の為でもあったわけか」

真耶「うう…負けてしまいました…」

グレイ『今まで戦った誰よりもお強い方でした』

湊「流石は銃央矛塵ですね」

真耶「やめてくださーい!!」

 

こうして模擬戦は終わり、合同授業のISの装着訓練では模擬戦に触発されたのか気合の入った生徒ばかりでスムーズに終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

箒「強い…あれほどの力があれば…一夏は私を見てくれるだろうか…?」

 

 

ラウラ「高見沢湊…なるほど……奴が…」

 

 

 

 


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