2人目のIS人生   作:ゴリラの天使

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主人公の専用機は次話で登場予定です


第5話

中国のとある場所、女権団の研究施設があると情報を得て俺達は飛空挺<エンタープライズ>(名前をつけようとなって灰色の亡霊の元ネタの名前にした)ごと中国上空までステルス機能を使い侵入し研究施設がある場所の上空で待機していた。

 

「みっくん作戦内容は覚えてる?」

「殲滅」

「オッケーいってみよう!」

「落ち着いてください湊様、束様」

 

俺と束博士の発言に待ったをかけるクロエ、そしていつも通りクロエから確認のために説明がはいる。

 

「束様のハッキングで施設内を混乱させますのでその間に侵入、研究データの奪取及び施設の破棄をお願いします」

「了解、いつもありがとなクロエ」

「そう思うなら悪ふざけも程々にして下さい」

「束さんとみっくんは至極真面目だよー!」

「ごめんなクロエ」

「みっくんが裏切ったぁ?!」

 

いつものように会話を交わしながら俺はエンタープライズの後部ハッチを開放、出撃準備を整えた。

 

「みっくん1分後に出撃!」

「了解」

 

そう言って束博士はハッキング作業に入った。

 

「ねぇみっくん」

「なんですか?」

「束さんの家族になるつもりはない?」

「…急に何ですか……」

「みっくんには帰る場所は今のところないでしょ?だから家族になればこれからもここに帰ってこれるでしょ?」

 

急な何を言い出すかと思えばそんなことか。

 

「家族になる必要はないですよ」

「え…?」

 

悲しそうな顔をする束博士とそれを聞いていたクロエ。

 

「もうとっくにここは俺の帰る場所です。テストパイロットとしてだとしても俺のことを必要としてくれた、それだけで充分です」

「みっくん…」

「湊様…」

「いつも通り帰ってきます」

 

そう言い残し俺は後部ハッチから飛び降りた。身体は自由落下を始め研究施設目掛けて落ちてゆく。

 

「行くぞグレイゴースト」

ーリョウカイデスー

 

暫く落下したあとグレイゴーストを展開する。

女権団につけられた名前だが少し気に入っていた。名前を考えていたのだがグレイゴーストが俺の思考を読んでこれでいいと登録してしまったのだ。

グレイゴーストも気に入ってるからいいとしよう。

 

そしてグレイゴーストは改修を繰り返し装備を変えていた。

射撃武装に対物ライフル、足についた5連装ミサイルポッドが2つ。

格闘武装に大剣と折り畳み式のブレードを左腕に装備している。

そして試作型の大型ビームブラスターを拡張領域にしまってある。

 

ー「リンケージ」ー

 

俺とグレイゴーストとのリンクを確立させる。

これは操縦者とISを一心同体にすることで脳のマルチタスクをサポートし処理速度を向上させ戦闘能力を最大限引き出す能力だと束博士が言っていた。

世界でみてもこれが出来るのは極小数でISに認められなければできないのだとか、ちなみにこの上位互換<エンゲージ>が存在する。

あれは操縦者の脳をもう一つのISコアと見立てISのコアと同じ処理をさせ擬似的に2つのコアによる演算で最適解を叩き出しそれを実行し戦闘を行うというもの。

だがこれはそもそも操縦者の脳が耐えきれず焼き切れるので出来ないらしいがどうやら俺は情報を叩き込まれたときに脳もいじられたらしく出来るそうだ。人間やめました。

そのまま研究施設に突っ込んでいく、ハッキングの効果だろうか今のところ研究施設の防衛行動は見られない。

 

「正面からいくぞ」

 

正面の入り口を派手にぶち破って室内に侵入する。そのままサーチ機能で施設内の人間と施設マップを作り出したのだが…。

 

「反応無し?」

ーコアノハンノウモアリマセンネー

「とりあえずデータだけでも取りに行くか」

 

俺はそのままマップを頼りに地下のメインサーバーへと向かっていく。

進んでいっても人の気配はなくあっさり目的の部屋に到着した。

 

「破棄されたあとなのか?」

ーワカリマセン、シンチョウニイキマショウー

 

そのまま目的の部屋の扉を開け中に侵入する。

だが人はおらずただ役目を終えたであろうIS整備用のハンガーが数個あるのみだった。

とりあえずメインサーバーであろう機械に遠隔ハッキング用の装置を設置しあとは待つだけで束博士が勝手にデータの抽出をするだろう。

 

ーコアハンノウカクニンー

「上!?」

 

反応確認からすぐ後ろの天井が崩れて何かが落ちてきた。

それは全身装甲の黒い身体に馬鹿みたいに巨大化した腕、腕の先にはビームの発射口らしきものが見える。そして何より驚くのは…。

 

「コア反応はあっても生体反応は無し…隠してるのかはたまた本当にいないのか…」

 

生体反応がない事だ。ISならば人が乗っていなくてはならないだがもし無人機が開発されたというなら…まだ俺の仕事は終わりそうになさそうだ。

 

「無人機だろうが人が乗ってようが関係ない」

ーテキIS、キマスー

 

無人機がこちらに両腕のビーム砲を向けて砲撃してきた。

 

「潰すだけだ」

 

俺はそのまま前に瞬間加速、身体を少し捻り紙一重でかわす。そのまま突撃し大剣を振りかぶって叩き切る。

しかしその攻撃は腕によって防がれ火花散らすだけにとどまった。

 

「硬いなデカブツ!!」

 

今度は体制を戻しながら対物ライフルを放つ、だが同時に無人機もビーム砲を放っていた。

結果的に無人機の頭部に対物ライフルが直撃、こちらは左肩に当たってしまった。

 

「ーーっ!こんなの生身の人間に撃ったら跡形ものからねぇぞ!!!」

 

威力が頭がおかしい、ISでさえまともにくらえば瀕死手前までもってかれるだろう、もし瀕死のISがくらえば絶対防御を突き抜けて操縦者を殺すだろう。

 

「左腕がきっついな…。それとその武器いいなそいつよこせよ!」

 

床に足をつき床を蹴ってもう一度突っ込む、同じく迎撃にビーム砲を撃ってくると思ったがそうではなく身体を回転させ全方位にビームを放ってきた。

ビームの合間を縫うように移動し、あるいは大剣を盾のようにして突き進みながら肉薄する。

そして左腕に組みつき腕の付け根の装甲が薄そうな部分に大剣を突き刺す。ギチギチバチバチと機械が引きちぎれる音をたてながら腕を強引に切断する。

無人機は引きちぎれてすぐ残った右腕で殴ってきた。それをくらい大剣を手放してしまった。

 

「痛みを感じないってのもいいもんだな…腕切れても反撃する余裕あるんだからな」

 

こっちは大剣損失、左腕か動かしづらい。相手は左腕損失、頭部が軽く破損。

 

「問題無しだ、行くぞグレイ」

ー「エンゲージ」ー

 

グレイとエンゲージを行い最高稼働の状態にもっていく。

 

「シズメ」

 

瞬間加速を何回も行いながら複雑な軌道で攻撃を仕掛ける。室内でこんなことをすれば壁に衝突するのだが壁を蹴り床を蹴りながら無理やり方向転換を行っている。

無人機は翻弄され的を絞れず射撃が当たらない。

左腕のブレードを展開して手に持ちすれ違いざまに切り裂く、方向転換しまた切り裂くそれを数回繰り返し無人機がよろけた所に両足のミサイルを一斉発射、対物ライフルを展開し頭部を狙う。

ミサイルをくらいさらによろけた所に対物ライフルで頭部を撃ち抜き頭部を完全に壊す。

無人機は目である頭部を潰されたことで出鱈目にビームを乱射し始めこちらが見えていないことが丸わかりだった。

 

「オワリダ」

 

大型ビームブラスターを展開両手で構えながらスライディングの要領で足元に滑り込み銃口を腹部に押し当て最大出力で砲撃した。

無人機は腹部から融解し胴体と下半身が2つに分かれた。

 

「はぁ…はぁ…」

 

短時間とはいえエンゲージを使用したことによりかなりの疲労がどっときた。

 

「さてと」

 

胴体の残った部分にブレードを突き立て切り開きISコアを露出させ、コアを摘出する。束が作ったコアには違いないからな本人に返すのが1番だ。

そのあとハッキング装置を回収し無人機の残骸を回収しようとした時無人機から電子音が鳴っていることがわかった。

 

「自爆かよ!?」

 

慌てて腕でも回収しようとしたが腕からも鳴っているのがわかり急いで施設を脱出した。

 

 

 

 

「大丈夫?!みっくん!!」

「大丈夫なんであんま抱きつかないで下さいよ」

「えーーー」

「本当に大丈夫ですか?湊様」

「大丈夫、医療ポッドに少し浸かればすぐ治る」

 

多少怪我はしたが束博士お手製の医療ポッドとナノマシンのおかげでこのくらいならすぐ治るのだ。やはり天災は腐っても天才といくことだ。

 

「それよりもみっくん大変なんだよ!あいつらの目的がわかったの!」

「どうしたんです?」

「抽出したデータを見たらあいつらIS学園に襲撃をかけるみたいなの!専用機が目当てみたい!」

「戦力を更に増強するつもりのようです。そこには束様の妹様、と親友のちーちゃん様と弟のいっくん様がいますので束様は大慌てなのです」

「そうなんだよ!このままだといっくんが危ないんだよ!」

 

確かにいっくん…織斑一夏には倉持に残してきた束が少し手を加えて完成させた白式を倉持からの専用機ということで渡してきたらしいのだが一夏は初心者なので無人機の相手は辛いだろう。

 

「でも学園には他にも専用機持ちはいるだろ?1機なら問題ないはずだが」

「4機…」

「え?」

「4機の無人機が向かってるの!」

 

それは不味い、あの強さが4機だと最悪死人が出る可能性がある。

 

「束博士、すぐにIS学園に向かってくれ。俺がやる」

「もう向かってる!みっくんは医療ポッドで少しでも身体を癒して」

「それじゃ間に合わないんじゃ…」

「運がいいことに今日のクラス対抗戦で消耗したところを狙うみたい、だから時間は少しだけどあるんだよ」

「わかりました、しばらく篭ります」

 

そう言って俺は医療ポッドにはいりに行った。

 

 

 

 

「やっぱりこれを使うことになっちゃうのか…」

「ですが、こうなってしまったのではもう…」

「わかってるよクーちゃん…使わないのが1番なんだけどね…」

 

そう話す2人の前には1つの灰色のIS、全身装甲のISがそこにあった。

 

「戦闘用IS…使い方を見誤らないでねみっくん」

 

 

 

 

簪視点

 

今日はクラス対抗戦の日、私も4組の代表として出る。

今は1組と2組の試合をモニターで観戦している。

 

「湊に見て欲しかったなぁ…」

 

高校生になっての初試合、緊張もあるが好きな人に見てもらいたいという気持ちが大きい。

 

「まずは勝つ、そうしたら湊は褒めてくれるかな」

 

だがその前にやることがある。

 

「返事…だよね」

 

そう、それが問題なのだ。そもそもいつ湊が戻ってくるかもわからない、もしかしたらこのままずっとということも…。

 

「ないない絶対ないうん」

 

そんな思いをしながら試合開始を待っていた。

 

 

 

黒い影が迫っているとも知らずに…。

 

 

 


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