仮題名『ラクガキ王国 ― Delete』   作:蜜柑ブタ

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デリトの潜在能力(現時点で)である、色の破壊能力が発動。


第2話  カラー石の破壊

 

 ラクガキを描くためには、カラー石が必要だ。

 

 カラー石を得るには、ラクガキファイトをしてラクガキにカラー石を作ってもらうしかない。

 また、カラー石は、帝国が発行している銀行券(お金のこと)と交換ができ、物を売り買いするのに必要でそれで社会が回っているらしい。

 

 ヒバナから教わったことだ。

 

「じゃあ、ペンジェルがない奴はどうすんだよ?」

「それは…、別に働いたりしてお金を稼ぐとかするわよ。」

「ふーん。」

「まっ、私達は町の人にペンジェルを借りて、それでラクガキ描いてるの。それで生活費稼いでるわけ。」

「そうだろうな。ガキが働けるわけねーもんな。」

「ガキって言うな。あんただってそんな歳変わんないじゃない。」

「覚えてねー。」

 デリトは、耳を指でかっぽじりながらとぼけた。

「喧嘩しないで。」

「別に喧嘩なんかしてない。」

「コイツが口悪いのよ。」

 心配するタローに、デリトはヒバナを、ヒバナは、デリトを指さしあった。

「ねえ、デリト。次の予選大会じゃ、2対2だけど、新しいラクガキ描くの?」

「カラー石が足りねぇ。」

「じゃあ、海ギャラリーに行こうよ。あそこなら、税金が安いし、色んな人達がファイトしてるよ。」

「そうか。どこにあるんだ?」

「そこの階段を降りたところだよ。

「案内してあげようか?」

「じゃあ、頼む。」

 タローとヒバナの案内で、空き地の近くの階段から海ギャラリーへ向かった。

 

 

 フリーバトルが毎日開催されており、誰と当たるかはランダムだ。

 基本的にここでラクガキファイトをして、カラー石を稼ぐのが普通なようだ。

 

「町の人に、ファイトを申し込んでここで戦うことも出来るわよ。でも、相手にも予定とかあるから応じてくれないときもあるけどね。」

「ふーん。」

「デリト、順番来たよ。」

「おう。」

 

 

 デリトの順番が来て、フリーバトルに参加している子供と戦いが始まった。

 

 子供だから攻撃が読みやすく、順調に勝ち抜く。

 そうやってカラー石を稼ぐ。

 税金として憲兵にカラー石を持って行かれるが、予選会場での取られ方に比べれば少ないものだ。

 だが、それでもカラー石を取られることには、皆あまり良い感情を持っていないらしい。

「憲兵って嫌われてんのな。」

「うん…。だってみんなに偉そうにしてる悪い奴らだもん。」

「税金さえ無ければもっとたくさんカラー石取れるのに…。」

「……人ってめんどくせぇな。」

 

 

 ーーーー面倒くさいのに、そこまで人に拘るのか、お前は?

 

 

「……?」

 自分が呟いた言葉に、脳裏を知らない言葉が過ぎりデリトは、頭を抑えた。

 

 

 ーーーー神が作った二つの形のひとつだからさ。君は……、人が嫌いかい?

 

 

「…っ!」

「デリト?」

「ああ!」

「タロー?」

 ギャラリーの試合ステージでキラキラと輝いていたカラー石が3分の1ほど、突如ひび割れ、砕け散って消えた。

「カラー石が!」

「なに? なにが起こったの!?」

 だが、デリトはそれどころではなく、頭を抱えて、膝をついた。

 ステージに出ていたデリトのラクガキが、黒い闇のような物を纏っているように見えた。

「…うぅ!」

「デリト! だいじょうぶ?」

「…だ、だいじょうぶだ。」

 やがて頭痛が治まり、デリトが顔を上げると、ラクガキから黒い闇が消えた。

 試合を見守っていた憲兵も先ほどの現象に驚いており、戸惑っている様子だった。

「ねえ、何がなんだか分からないけど、カラー石が無くなったから、税金安くしてよね。」

「……仕方ないな。」

 海ギャラリーの憲兵は、そう言ってくれた。

「一旦、空き地に戻りましょう。休んだ方が良いわ。」

「だいじょうぶだって。」

「顔色悪いわよ。肩貸してあげるから、立って。だいじょうぶだから、ギャラリーは逃げないわ。」

「そうだよ。」

 二人に心配され、デリトは、仕方なくヒバナの肩を借りて、立ち上がり、階段を登って空き地の大きな木の下に座った。

 穏やかな潮風と、木陰の涼しさがちょうどよく、デリトは、そのまま横になった。

「それにしても…、あんたのラクガキ…ちょっと変だったわね。なんか、黒い物が…。」

「ああ…、そうだな。この黒いペンジェルのせいか?」

「それは分からないけど。ねえ、本当に名前以外覚えてないの?」

「覚えてねぇ。本当だ。」

「そう…。」

「お水持って来たよ。」

「あんがとな、タロー。」

 タローが持って来た水を貰い、それを飲んでデリトは一息ついた。

 その後、しばらく休み、稼いだカラー石を使ってラクガキを描いた。

 

 

 

 




次回は、デンカと戦うけど、パパッと終わる予定。

あくまでストーリー重視で行こうと思うので、ファイトとかラクガキは二の次です。
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