第1話
やあ。僕はユリウス。転生者さ。
え?「なんで転生者だってわかっているのか」だって?
そんなの神様転生したからに決まっているじゃないか。
なんでも、成人前に死んだ人に、特典をつけて別の世界に転生させてるんだとか。で、その特典っていうのは、転生する世界の生きやすさだとかそういうので増減する(自分で選べるかも含まれる)んだって。俺が転生する世界は、『マギ』の世界、転生特典はそれなりに多い方らしい。ラッキーだね。俺、マギ結構好きだったし。ちなみに、俺が1番好きなキャラはシェヘラザード様です。18巻第177夜の笑顔にやられました。尊すぎるんだよぉ!
あっ、俺がもらった特典は
・金属器をかなり上手く扱えるようにする(
・最初に産まれる年代は、マギ『シェヘラザード』が生きている時にする
・転生後に死んだ時、マギシステムがある間はマギの世界で記憶や特典を持ったまま転生できるようにする
・その時、必ずレームの首都で産まれるようにする
・言語の自動翻訳
というものだ。かなりギリギリだったけど、1つ目の特典がまずは金属器を手に入れなければどうにもならないのと、転生に期限を設けたことで、なんとかなった。
まぁ、そんな感じで産まれたんだけど、見た感じかなり高貴な家っぽい。なんかシャンデリアみたいなのがある。…落ちてきそうで、怖いなぁ。
俺、ユリウス、10歳!
この10年でわかったこと!
・名字はアレキウス
・両親は俺のことを道具としてしか見ていない
・この国既に腐ってる
・現在この国にはシェヘラザード様もティトスくんもいない
・政治の勉強難ちぃ!
・剣の稽古楽ちぃ!
ってくらいかな!いやーもう嫌になっちゃうよね!
ってことで家でしました。こっちは5年くらい前から脱走計画を立ててんだよ!ハハハ!
あっ、家出た後のこと考えてなかった…どうしよ…
とりあえずここから離れよ!
あっれぇ?なんで俺は森の中にいるのぉ?おかしいなぁ、ただ走ってただけなんだけどなぁ…
っとあそこに人影が!とりあえずここがどこか聞いてみよう!
って、あれはシェヘラザード様⁉︎なんかちっさいけど!えっえっどうしよう…
「そこにいるのは誰?」
き、気づかれたッ!
「えっと、ユリウス・アレキウスです!」
「そう、ユリウスはどうしてここに?」
「えーと、その、家出して、何も考えずに家から離れようとしてたら、いつの間にかここに…」
「ダメよ、家出なんかしちゃ。家の人、きっと心配しているわ」
「…確かにしているかもね。でも、それは俺のことをじゃない。政治の道具が無くなることをだ。要するに、俺のことを愛してなんかいないんだ。俺だけじゃない。この国の貴族はみんなそうさ、自分の子供を道具としてしか見ていない。それに、その子どものみんなは貼り付けたような笑顔でしか笑わないのさ。そんなの俺は嫌だ。絶対に変えてやる。…て言っても、今の俺にはそんな力はないから、どうにもできないんだけどね」
「そう…なら、5年経ってもまだその気持ちが変わらなかったら、ここに来ると良いわ」
「えっ?まぁ、わかったけど、どうして…」
「ふふ、あなたのことが気に入ったからよ」
「…ありがとう?」
「どういたしまして。あと、戻る気があるのなら早くした方が良いわ。次に家出するとき、警備が厳しくなっちゃうわよ?」
「あっ、それもそうだね。じゃあ、またね!」
「えぇ、またね」
はぁ、シェヘラザード様めっちゃかわいいんですけど。というか、さっき言ってた5年後のやつって金属器かな?それなら、それまでの5年は身体と剣の腕を鍛えるの頑張ろ。じゃなきゃ死んじゃうしね!
金属器のジンは前作のやつ流用
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