はい、ということで特に問題もなくレマーノに帰ってきました。
え?ティトスはどうした、だって?
そりゃあ置いてきましたよ。ああいう時は、ほっといた方がいい。追って話そうとしても、話が余計にややこしくなるだけだからね。
それに、ティトスはシェーラと通信できる魔法道具を持っている。だから、何か聞きたいことがあればシェーラに直接聞けるし、それができないのなら、ティトスの想いはその程度だったってことだ。というか、2人はちゃんと話しあった方がいいと思う。いや、マジで。上司と部下としてではなく、親子として。そうすれば、ティトスも気持ちの整理がつくんじゃないかなぁ…
あと、もう一つ理由を言うとすれば、煌帝国と戦争が始まりそうだったからだ。マグノシュタットが(レーム以外となら)どこと戦争しようとどうでもいいけど、在国中に戦争になって、レームに帰れなくなるとか嫌だからね。モガメット候のあの感じなら、何か策があるみたいだし、ティトスもたぶん大丈夫だろう。…大丈夫だよね?
報告を済ませてきました。
うん、やっぱティトスに話を聞かれたことを怒られました。で、罰として戦争に関わらないギリギリの位置でマグノシュタットと煌帝国の戦争の行方を見てこいと。…キツくない?たしかにファナリスは目も良いけど、それでも5キロくらいまでしかハッキリと見えないよ?えっ?それでも行くの?
マジかぁ…
ハァ、仕方ない。元はと言えば俺が原因なんだし、頑張るかぁ…
まぁ、それはそれとして、1人は暇だから、誰か連れて行こうかな?ファナリス兵団のヤツらは…ダメだな、戦闘してるとことか見たら、絶対突っ込んでく。うーん………あっ、そうだ!アリババくん連れてこ!なんか前にマグノシュタットに友達がいるとか言ってたし、ちょうど良いでしょ!…それに、アリババくんならレーム人じゃないし、たとえ問題を起こしたとしても、しらを切れるし…
「ということで、行くぞ、アリババくん!」
「チョッ⁉︎待って!どういうこと⁉︎ムーさん⁉︎」
「どういうことも何も、マグノシュタットに行くってだけだよ?いやー、マグノシュタットと煌帝国が戦争するみたいだからね。マグノシュタットに友達がいるんでしょ?もしかしたら、助けられるかもしれないよ?」
「ッ!……行きます。ちょっと待っててください。今から準備してきます」
「ん?あっ、焦らなくてもいいよ。まだ余裕あるし。別に今すぐ戦争が始まるってわけじゃないからね。そうだね…明日の昼出発するから、それまでに荷物をまとめたり、挨拶しといてね」
「わかりました!」
っと、俺も会いに行かないとね。もしかしたら、もう会えなくなっちゃうかもしれないんだから。
久しぶりに来たな、ここ。普段はあんまり行かないように、というか行くなって言われてるからね。…でも、今日は特別だ。だって、これで最後になっちゃうかもしれないんだから。最後くらい、直接シェーラと会いたいからね。
「久しぶり…で、いいのかな?それとも、さっきぶりかな?あぁ、無理はしないで。聞いてるだけでいいからさ。
今日は、別れを言いにきた。もしかしたら、もう会えないかもしれないからな。
今まで、本当にありがとう。俺は、シェーラがいたからやってこれた。シェーラには、感謝してもしきれないよ。
…ダメだな、言葉がでてこない。言おうと思ってたこといっぱいあったはずなんだけどなぁ…
………………別れたく…ないよ。いつまでも側にいてほしい。もっと話したいし、行きたい場所だってある。なのに…どうして……どうして……」
「…ユリ……ウス………愛し……て………いる…………わ……」
「ッ⁉︎…………俺も愛しているよ。……そろそろ行くよ。またな、シェーラ」
「……また………ね……」
俺は、シェーラの神殿から出て行く。これ以上ここにいると、出て行けなくなってしまう気がするから。
彼が出て行った後の神殿には、999本の青色に輝く薔薇が咲いていたという。
薔薇の花言葉
999本「何度生まれ変わってもあなたを愛する」
青色「神の祝福・奇跡」