てんこもり平成怪人で行くハイスクールD×D   作:しゃしゃしゃ

4 / 6
進撃の巨人一気読みしてたら遅くなりました。自分雑すぎる正体暴露を本誌で「は?」ってなった勢だけど、面白いわやっぱ。一気読みすると「あー、あー! 」ってなるわ。すごいわ。

 あ、主人公の経歴にアナザーライダー追加しました。バイカイザーさんありがとうございました。
 それではどうぞ。


1 龍、初めてのデートは

“赤龍帝”、

 “セイクリッド・ギア”、

“ジャガーノートドライブ”、

  “二天龍”、

 “ロンギヌス”、

“白龍皇”、

    “化け物”、

“悪魔”、

  “天使”、

  “堕天使”、

“神”…………

 

 

 

 

 

 

………………。

 

「はぁ…」

 

 駄目だ。断片的な情報しか出てこない。

 

 昨日、兵藤一誠から現れた力の塊を封じて作った眼魂。その中に渦巻く怨念を利用しこの世界の情報収集をしようと思ったんだけど、成果はいまひとつ。

 

 あぁ、この世界が異世界であるというのは、ネットで前の世界の有名企業や著名人を検索し、該当する者が存在しなかったことで確信した。

 この世界にはスマートブレインも鴻上ファウンデーションもユグドラシルコーポケーションも幻夢コーポレーションも存在せず、またその痕跡すらなかった。

 財団傘下のフロント企業もなく、エージェントとして活動していた頃の知り合いも誰もいなかった。宇宙飛行士であり、名も功績も民間に知れ渡っていた我望光明ですら何も出てこなかった。

 

 それを確信した俺は「これで財団の追手が来ることはなくなった」と安堵と寂しさをおぼえた。

 

 しかし、少しして「じゃあ、この眼魂に封じたものは何なんだ? 」という疑問を抱いた。

 この世界が何の異常もない、平凡な世界というのなら、いったいこれは何なんだ…?

 

 そう思った俺は眼魂に話しかけてみたが、うんともすんとも言わない。完全にこっちを無視しやがった。

 壊すと脅しても何も話さなかったので仕方なく方法変更。陰陽術による降霊・神憑りでのサイコメトリーを実行した。

 まぁ、有益な情報はまるで手に入れられなかったわけだが。

 

 

 

 

 

「分かってはいたけど、損傷が激しい。怨霊というより残留思念なのか…? 何かを恨んだりする感情が強く焼き付いた思念…魂の欠片でさえないからそもそも蓄積され読み取れるものが存在しない」

 

 読み取れたわずかな情報でさえ、彼ら彼女らのものではないのだろう。あれは、思念と共鳴する龍の記憶だ。

 赤龍帝、

 ドライグ。

 

 セイクリッド・ギアというものに宿る真っ赤なドラゴン。対となる白龍皇アルビオンと並び二天龍と称される者。

 

 

 断片的な記憶を垣間見ただけでもすさまじい力だった。白龍皇の宿主と戦い、ジャガーノートドライブを発動させ、島ひとつを軽く吹っ飛ばす。

 そして、力を出し尽くして命を終える。

 あれだけの…命の全てを力に変えるような戦いをすれば、そりゃあ勝っても負けても強い思いがセイクリッド・ギアに蓄積されるだろう。

 

 戦いの残像となった彼らを解放してやりたいと、思わなくはないけれど(このままだと俺がこの力を利用するときに邪魔になりそうだし)、いかんせん時間がかかる。

 

「そもそも、俺は陰の気を増やしたり集めたりする術しか習ってないからなー…。清める方、鬼の方々から習えればよかったんだけど…」

 

 

 

 

『おい』

 

 ん…?

 

「―――やあ、やっと応えてくれたのか」

 

『聞きたいことがある。貴様と話すことはそれだけだ』

 

「いいよいいよ、質問でも何でもいくらでも。まずは話し合いから始めようじゃないか」

 

 

 

『………お前は何者だ。なぜあのクソガキを殺し、俺を奪った』

『お前は何が目的なんだ』

『お前は、いったい…なんだ』

 

 ふむ。

 

「………まず、一つ目の質問の回答だけど、一息には話せないな…。だから、単純に答えられる方から答えよう。

 “なぜ殺したか”。それは俺がここで生きるためだ」

 

『生きる…だと…? 』

 

「ああ、生きるため。正確には生活するため、かな? お前が見ている俺の姿で察しがつかないか? 俺は他人をコピーできる。そうして化けの皮を被り成り代わって生きることのできる能力を持っている」

 

 殺す必要はない。殺す必要はなかった。

 でも、ね。

 

『つまりお前が奴を殺したのは』

 

「そう。オリジナルに生きててもらったら、コピーが代われないだろう? 俺には仮宿程度でも、ここで生活する立場と家が必要だった」

 

 擬態したワームが殺しをするのと一緒。

 生きててもらっちゃ都合が悪かったんだ。俺にとって、俺のこの先の人生にとって。

 

『それはお前が、別の世界の生き物だったからか? 』

 

「…へぇ、よくわかったね」

 

『ふん…お前の行動を見ていればだいたいの察しはつく。これでも俺は―――』

 

 黙った。

 喋りすぎた、とでも思っているんだろう。なんだ、案外お喋りじゃないか。

 

『………』

 

「あぁ、うん。そうだね…これは言うか言わないか迷っていたんだけど、俺は 彼を 殺すつもりは なかった」

 

『なに…? 』

 

「いや、生かす気はなかったけど、殺す気はなかったんだ」

 

『待て、お前は何を言っている』

 

 

「―――俺が彼に会って、擬態をして、殺そうと思った。でもその時、殺すのは可哀想だなと思ったんだ」

「矛盾してるよな。殺す必要があるのに殺したくないなんて。でもなぜかそう思ったんだ」

「なんでだろうな。………殺戮の経験がなかったからかな。俺が殺した人間はどうしようもない怪物か、怪物のような人間ばかりだったから………」

 

 

 

「だから、殺したくないと思って、彼に使徒再生の処置をした」

 

―――使徒再生は殺人じゃない。

 適合すればオルフェノクとして生まれ変わることができる。つまりは使徒再生は同族を増やす行為であり、言うなれば生殖行動である、と“先輩”は教えてくれた。

 

―――死んだ奴は運がなかったのさ、お前が、俺が、殺したんじゃない。殺したのはカミサマとか運命とかそういった俺らの上にいるやつさ。だから俺たちは悪くない。

 とも言っていた。

 

 

 

 

「彼は、運が良ければオルフェノクとして再誕できた。そうなっていたら俺は彼を適当な場所に歩織り出して見逃すつもりだった」

 

 灰色の化け物になってしまえば、家族や知り合いの前に現れることはできないだろうし、その立場にはもう俺がいる。

 万が一会いに来ても、無理やりオルフェノクとして覚醒させて遠ざけるつもりだった。

 

 

 隣にいる兵藤一誠と、怪物になった兵藤一誠。

 普通なら、怪物が兵藤一誠に化けて近づいてきたと考える。本当は逆なのに。

 そうして化け物と呼ばれることになれば、兵藤一誠は故郷を離れるしかなくなる。

 俺はオリジナルを殺さず生かさず、罪悪感を感じずにいられたというわけだ。

 

 

 

『お前は………』

 

 

「? 一つ目の質問の答えはこんな感じで良かったかな。じゃあ二つ目『なぜ奪った』のか。

 それは、“欲しい”と思ったから」

 

「キラキラして、強そうで、コレを手にしたら俺はもっと強くなるって思ったら、つい…」

 

『…まぁ、先ほどのよりは分かりやすい。力を求められるのは慣れている』

 

「いやっ! 違う! 」

 

『………? 』

 

 

「力が欲しかったのは本当だ、でも今はそれだけじゃない。お前が欲しい、赤龍帝ドライグ」

 

『な』

 

「無理矢理じゃなくて、心を合わせたいんだ。お前と、一つになりたいんだ」

 

『待て待て待て、お前は本当に何を言っているんだ、喜色悪いぞ! 』

 

「あ、ごめん」

 

 しまった、融合してその力を十全に発揮できるようになりたいという願望が、つい口をついて出てしまった。

 勘違いしてくれたようだけど、気をつけないと。

 

 

 

 

 

「それで えーっと、『俺の目的』だったっけ」

 

『ああ、お前は何をするつもりだ。俺をこの目玉に封じたのは戦いに利用するつもりだったんじゃないか?

 お前はこの世界で、なにをするつもりなんだ』

 

 

 

「………さて、難しい質問だな。

 俺は何をしたいのか、何を目的として生きるのか。

 前の世界ではただ生きることに夢中で、それがいつの間にか力を求めて動くようになった。原因ははっきりしている。

 ()()()()()()()を見たからだ」

 

 あの夢を思い出す。

 

「10年くらい前、突然世界が滅びる夢を見た。怪物が溢れ出し、人々は殺され、建物は崩壊した。そして、世界は滅んだ。………誰かがいた気がするんだ。

 誰か、世界を滅ぼした誰かが、世界を滅ぼすような力を持った誰かが………」

 

 夢だったはずだ。だって、目が覚めた後、世界は何ともなかったんだから。

 夢だ、あれは夢だ。もうほとんど覚えていない。ほとんど忘れてしまった。

 だけどこびりついて取れない悔しさと憧れと恐怖がある。

 

 

「俺は何もできなかった。俺も、力を持っていたはずなのに、滅びに流されるだけだった。その時、力が欲しいと思ったんだ」

 

『………』

 

 夢の話なんかをして、怒っているのだろうか。

 

「だからそうだな、やっぱり俺の目的は前の世界と変わらず、力を集めるということになるのかな。あとは個人的に、綺麗なものが見たいな。それと面白いことがしたい」

 

『まるで子どものようだな』

 

「よく言われるよ。財団のエージェントだった頃の同僚にも、もう少し大人になりなさいと言われたもんさ」

 

 

 

 

 

 

 

「で、最後に俺が何者かということだけど、一言でいうと“化け物”“怪物”だよ」

 

『まぁ、だろうな』

 

「うん。正確には、

 グロンギ兼アギト兼ミラーモンスター兼オリジナルオルフェノク兼人工アンデット兼ネイティブ兼イマジン兼ファンガイア兼アナザーライダー兼ドーパント兼グリード兼ワイズマン兼オーバーロードインベス兼眼魔兼バグスターウイルス感染者兼カイザー

 かな」

 

『………』

 

「あれ? おーい」

 

 返事がない。ただのしかばねのようだ。

 しかばねだった。

 

 

 ………気づかれたかな。俺が取り込もうとしているということに。

 ………そりゃあ、まぁ、気づく、よな。

 久々に他人と話せて、楽しくてつい口が滑ってしまったかな。

 まぁいい。同意があれば尚よかったけれど、メガウルオウダーを完成させるまでおとなしくしていてもらえればそれでいい。

 

 

 

 

 さて、夜が明けるまではまだ時間がある。

 

 ふむ。兵藤一誠のエロコレクションとやらでも、見て時間を潰すとしましょうか。

 

 

 

 

 

 

―○★○―

 

 

 

 

 

 

 

「イッセー! 朝ご飯できたから、早く起きてきなさい! 」

 

 “母さん”の声が届く。

 

「分かったー! 今行くー! 」

 

 読んでいたエロ本を元の位置に戻し、洗面台で顔を洗いに行く。

 

 

 沈黙を続けるドライグの眼魂を肉体の一部を変形させて収納。

 

 顔を洗い歯を磨き、擬態が綻びていないことを確認する。

 

 兵藤一誠(おれ)は朝ご飯の待つ兵藤家の食卓に急ぐ。

 

 

「あら、イッセー今日は寝起きがいいわね。ご飯できてるからさっさと食べちゃって」

 

「イッセー、おはよう」

 

「おはよう、父さん母さん」

 

 父親、母親。

 『兵藤一誠の記憶』によれば平凡な家庭、優しく仲睦まじい父母。言葉にはしなかったけれど、俺は二人のことを尊敬していたし憧れていた。大好きだった。

 

 

「…父さん、母さん」

 

「ん、どうしたイッセー? 」

 

「ありがとう。俺を産んでくれて、育ててくれて、愛してくれて、本当にありがとう」

 

 

「………どうした? イッセー、どこか具合でも悪いのか? 」

 

「イッセー…、あなた頭でも打ったの…? 」

 

 

 

 ハッとする。

 やられた。

 

 感情の浸食。自我の混濁。

 擬態して時間が経っていないから境界が曖昧なんだ。

 綻びがないということは、逆に擬態が完成しているということ。記憶もなにもかも。

 ついうっかり、擬態元である兵藤一誠に引きずられてしまった。

 

 

「あ、いや…その、昨日学校で、さ。親孝行とかそういう感じの内容の授業があって、それで…その」

 

 言い訳もだめだ。前の自分ならもっとうまくできていたはずなのに、口がうまく回らない。

 

 

「なんだそういうことか」

 

「いきなりで驚いたわよ。さ、いつまでも突っ立ってないで食べた食べた! 」

 

 切り抜けられた。そうだ、うろたえることはない。少しくらいおかしなところがあっても、俺は今兵藤一誠そのものの外見なんだ。別人かとか、疑うはずがない。

 

 

「はいはい、っと。

 いただきます」

 

 

 兵藤家の朝食。うまく言葉にできないがちゃんとした朝食だ。主食に主菜に副菜…だったか? それに汁物。総評として普通においしそう。

 

 ふむふむ。

 

「おいしい」

 

 いい食感だ。軟らかすぎず、固すぎず、水気もちょうどいい。

 俺は食欲がないし、実際栄養摂取の必要もないけれど娯楽としての食事は楽しいからな。うん、とても楽しい。

 

 

 ひょいひょい、と口に朝食を放り込み、食べ物の感触を楽しんで咀嚼し飲み込む。

 体内に入った食べ物は即座に分解され、魔力やライフエナジーに変換・吸収される。

 

 

 ふう。

 

 

「ごちそうさまでした」

 

 

 

「おいイッセー、そんなゆっくりしていて準備はいいのか? 」

 

 はて?

 

「準備? なんのこと? 」

 

「おいおい、なにを呆けたこと言ってるんだ。お前今日は出来たっていう彼女とのデートだって言ってたじゃないか! 」

 

 彼女…? デート………?

 

 

 

 

 

 

 

「あ」

 

 

 

「あ、じゃないぞイッセー! 母さん! やっぱり今日はイッセーがおかしいぞ! この性に全力な息子が記念すべき初デートを忘れるなんて! 」

 

「そうねあなた! イッセー、なにがあったの? もしかしてあなたフラれたの…? やっぱり、イッセーに彼女ができるなんて夢だったのね…」

 

 抱き合っておーいおいおいと泣き出してしまった…。

 勝手に盛り上がり慌てたり悲しんだり、忙しい両親だ。

 

 

「違う違う、これはその…、そう! 昨日の夜楽しみでそればっかり考えてたから逆に頭から抜け落ちちゃってたっていうか、ともかくちゃんと付き合ってるから! 今日もちゃんとデートだから! 」

 

 そう弁解すると、二人はほっとした様子で「頑張れ! 」とエールを送ってくれた。

 

 胸がほわほわした。

 

 これが親子というものか…。新鮮だ。

 

 

 

 イマジンであった自分には両親なんて記憶ごと存在しなかったし、過去に飛んで契約で肉体を奪った時もすでに母は死んでいたし、父は粛清されていた。

 なんか、いいな。うん。

 

 

 

 

 

 

 

 

―○☆○―

 

 

 

 

 

 ここはデートの待ち合わせ場所。

 ちなみに着いてから3時間が経過している。

 父さんと母さんがやかましいからだいぶ早めに家を出た。本当にやかましくってうっとうしくて、でもなぜか胸があたたかかった。

 まったくもう。まったくもう、まったくもうだよまったくもう。

 

(そろそろか…)

 

 もうすぐ待ち合わせ時間。

 服や髪形を整えつつ、記憶の復習を行う。

 

 

 

 天野夕麻。

 それが兵藤一誠の彼女。黒髪ロングの清純そうな美少女。「絶対いいおっぱいをしている」とは兵藤一誠(オリジナル)談。

 

 突然「付き合ってください」と告白され、彼氏彼女になったらしい。そしてこれが初デート。

 兵藤一誠はこのデートに向けて色々準備をして、デートコースを考えたりもしていたらしい。真面目か、いや割とまじめだったわ。

 記憶では、しっかり彼氏として夕麻ちゃんのことを楽しませようと張り切っていた。エロ方面の期待もしていなかったわけではないけれど、まずは楽しんでもらおうと計画していた。

 やっぱり普通に良い奴だったんだなと、改めて思う。

 

 

 ただ、内心がどうであれ、傍から見た俺―兵藤一誠―は女子から好かれるような評判の人間じゃない。

 記憶を読む限りでは、天野……夕麻ちゃん、うん夕麻ちゃん呼びで。

 夕麻ちゃんが俺を好きになる理由が思い当たらないのだが、何故なのだろう。兵藤一誠の悪名は学外まで轟いているし、他校の生徒がなぜ?

 

 ………一目惚れ、とか? ―――いや、ないだろ。

 わからん。

 

 

 

 

 

「イッセーくん! 」

 

 57人目の眼鏡美少女を視界にとらえた辺りで、こちらに向かって小走りに駆けてくる人影。

 

「ごめん! 待たせちゃった? 」

 

 

「いや、それほど待ってないよ」

 

「そう? よかった…」

 

 

 うん、わかった。

 

 天野夕麻は化け物だ。

 こうして近づけばわかる。人間じゃない、俺と同じ怪物だ。

 “気”が人間のものではない。濁っている感じ…? 清らかだった湖に泥を投げ込み、汚したような…そんな気の流れを感じる。

 何が目的で兵藤一誠に接触したのかはわからないが、恋人になったということは友好的な存在なのだろうか。よくわからないな。仕方ない、いまはとりあえずデートを楽しむとしよう。

 

 

「じゃあ、行こうか」

 

「うん! 」

 

 

 

 

 

 

 それから俺たちはデートの計画に沿って街をぶらついて、洋服店や小物屋に入って色々見て回った。プレゼントもしてみたが…まぁ綺麗な作り笑顔で「ありがとう、イッセーくんからのプレゼント、大切にするね! 」と言われました。

 まぁ、こんなもんです。

 

 種族特性なのか偽りを見抜くことに関しては結構自信があるのだよね。

 

 ちょっと気分が悪くなったような顔をして、コチラが気遣うと「ありがとう、ごめんね」とか言うのだ。

 まったく、ほんとうにまったく…。

 

 

 休憩がてらファミレスに入って昼食。

 俺はオムライスを頼んで夕麻ちゃんはチョコパフェを注文した。

 俺がオムライスを食べようとすると、夕麻ちゃんはケチャップをとってハートマークを書いた。

 

「えへへ、せっかくだから」じゃないんだよ。可愛いじゃん。照れたような表情の裏でこっちを嘲笑ってるのが分かっているのに、綺麗だと思っちゃう。可愛いと思っちゃうじゃん。

 

 美人はずるい。

 笑顔や愛情は作り物でも、そこに味があるように見えてくる。

 

 ずるい。

 

 

 

 

 

 

 

 そして、ファミレスを出てデートを再開し、気づけば夕暮れ。

 夕麻ちゃんに連れられて俺は公園に来ていた。

 

「ねぇ、イッセーくん」

 

「ん」

 

 噴水をバックに微笑む彼女。夕暮れの日が後光のようで美しい。

 

「私達の記念すべき初デートってことで、一つ私のお願いを聞いてくれる? 」

 

「なに? 俺にできることだったら」

 

 お願いが何なのか、予想はつくけれど一応聞く。

 

「死んでくれないかな」

 

 バサッと黒い翼を背中から生やし、夕麻ちゃんは笑顔で言い放った。

 本当の笑顔。本物の、さっきまでは欠片も見せなかった笑顔。美しいとしか言いようのないその表情に少し見蕩れた。

 

「楽しかったわ。あなたと過ごしたわずかな日々。初々しい子供のままごとに付き合えた感じだったわ」

 

 ブゥン。

 見惚れている間に彼女は冷たい口調と眼差しでこちらを見据え、その手に光の槍を生み出し、

 

 ヒュッ。

 と俺に向かって槍を投げつけた。

 

 

 

 やはりこうなったか。

 残念だ。本当に残念だ。好きになりかけていたのに。

 

 

 槍が俺の腹を貫くまでの刹那の間に、今日の思い出が俺の脳内を駆け巡る。

 ああ、泣きたくなってきた。

 

 

 

 

 構えはいらない。

 ただ願うだけでいい。「変われ」と。

 

(―――変身)

 

 

 瞬間、俺の意思に応じて分子レベルで拡散配置されていたオルタリングが腰部に固形物質化して出現。

 賢者の石によって増幅されたオルタフォースが胸のワイズマンモノリスによって制御・供給され俺の姿をアギトへと変えていく。

 

 

「――フッ! 」

 

 気合とともに、槍を手刀で砕き残心。

 

「え…? 」

 

 夕麻ちゃん、いや堕天使は変身した俺と槍を砕いた俺の力に驚き動けない様子。

 槍の感触から、このまま、この“金”の形態で戦っても勝てるとは思うが、一応念のため。

 

 

 両手を前に突き出し、意識を集中。

 

「ハァァァァァ…。―――変身」

 

 左右のスイッチを押し、更なる進化を遂げる。

 

 ベルトにドラゴンズネイルが新たに出現し、ベルト中央部が()()()()()。 

 

 

「な、なんなのよ! お前は! それ、それは! 神器じゃ、ない…! アナタは一体何なのよッ! 」

 

 

 

「俺か? 俺は…アギトだ」

 

 彼女は槍を新たに作り出しいつでも投げられる体勢をとっているが、無意味だ。

 黒く染まった瞳。

 黒く染まった装甲。

 ワイズマンモノリスやクロスホーンなど、所々赤や金で縁取られているのを除けば、全身がほぼ真っ黒の攻撃的で禍々しい姿。

 この姿になった俺に、さっきの槍は全く意味をなさない。

 

 

「そして、この形態を俺は『デモニーアギト』と名付けて呼んでいる」

 

 

 腰を落とし、敵を見据え、装甲を中から突き破る。

 

 バキィ!――――バサッ!

 

 

 

 

 羽が舞う。黒く黒く、誘う様な黒い翼。

 

 悪魔(デモニー)とはいうものの、翼を生やしたこの闇色の姿は、まるで堕天使(キミ)の様だろう?

 

 

 




★キメキメ†堕天使†、限りなく進化する力(方向は怪物の模様)

『進化ってスゴイ! ね、そう思うでしょ、スティンガーくん!』
『う、うん! それに進化って、すっごく気持ちいいよね、コーウェンくん!』

『『進化! 進化! 』』


 魔石くん「あへぇ~、進化って気持ちいい~^」 


 進化した結果まっくろくろすけになった。火のエルはどうしたって? 先祖返りです。先祖の先祖、つまり神テオスの方に寄っただけです。力は当然創造神に敵う訳もないけどね。それでもくそ強い。
 真っ黒アギト。名付けてデモニーアギト。大丈夫? 聖なる泉枯れ果ててない? ←大丈夫。無限の光輝と逆方向に進化しただけだから。←大丈夫。むしろグランドパパンとおそろいだから(色が)。
 姿は漫画仮面ライダークウガの片桐アギトのような刺々しくて、禍々しいアギトを暗闇に染めた感じ。イメージできた?
 できなかったらアルティメットクウガをアギトっぽくして。もうそれでいいや。尖っているのは同じだしね。

 グランドを披露したように、ドラゴンズアイちゃんとあるからストームにもフレイムにもなれるよ! なる機会はあんまりないんだけどね!
 オルタフォースでマシントルネイダーもできるよ! 走った方が早いし、兵藤一誠は免許を持っていないので使えないけどね! 世知辛いね! 無免許で運転すると氷川さんがうるさいからね…。
 ちなみにラストの翼はグロンギとしての翼だよ! ハッタリと演出、それに手間は惜しまないんだぜッ!


☆どすけべ堕天使
 兵藤一誠、本物(意外とナイーブ)じゃないからトラウマにはならない。
 むしろ好かれてるよ! やったね!(ぐるぐる)
 美少女とデートさせてもらって、その最中に笑顔を見せられて惚れないやつがいるだろうか、いやいない(反語)!
 この後どうなるかは次回をお楽しみにだけど、
 ねぇねぇレイナーレさま。
『神器入手して昇進! 』って、「それどこでどうやって手に入れたの? 」って聞かれたら終わりじゃない? 上を騙してとか言ってたけど、じゃあやっぱり神器勝手に抜き取ったりするの駄目なんじゃん?
「すごいよすごいよ! 」って本人を売り込んだ方が出世に繋がるんじゃないかな……。




 次回に続く!
 蔦屋の30日レンタルで返却日間違えて延滞料約4000円やっちまった。とてもかなしい。皆さんもお気をつけて。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。