てんこもり平成怪人で行くハイスクールD×D   作:しゃしゃしゃ

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11月3日、悪夢部分完全書き直し。


2 ―悪夢―

 ●月♪日

 今日は大変な一日だった。素敵な彼女とデートと思ったらその彼女は堕天使で、俺―もとい兵藤一誠を殺すつもりだった。

 異種族なのは出会った瞬間に分かってはいたことだけど、まさか殺しにかかるとはなぁ。神器がどうとか言っていたから、きっと危険視されてとかなんだろう。

 赤龍帝ドライグ様サマサマ の宿っていた神器だ。そりゃあ、なぁ。

 思うんだが、

 つまり、本物の兵藤一誠は俺が殺そうが殺すまいが、どっちみち今日堕天使に殺されていたんではなかろうか。それなら彼は寿命が一日縮んだだけに過ぎないよな。そう考えると気持ちが楽になる。

 

 デモニーアギトの姿を見て夕麻ちゃん、混乱して震えた様子だったので逃がしてあげた。俺って優しい。好きになった相手を殺したくはないしね。

 

 父さんと母さんに彼女にはフラれたと言ったら慰めてくれた。心がポカポカした。

 

 

 

 


 

 

「■■、人間を極めるってのは面白いぞ」

 

「いきなりどうしたんですか? 」

 

「人でなしのお前に、俺が教えてやれる最後のことだ。ちゃんと聞け。

 人間ってのは、自分等が思ってるよりも単純で、残忍で、愚かで、人をだますし裏切るし殺すし、そのくせよく間違える。

 うぬぼれるほどの理性もないし、生き物としての形も不完全で物質的にも大したもんじゃない。

 悲しくて情けなくて頼りない。

 

 でもな、人間はよくやるわけだよ。骨に肉をつけて脳を入れただけのありふれたものが、時たま超然としたものに近づき昇る。きっかけは大したものじゃないかもしれない。そもそもきっかけなんかないかもしれない。ただ、人間は神様の気まぐれなんか関係なく、途方もない高みへ達することがある。

 

 そうなったやつはすげぇぞ。俺やお前なんかまったく相手にならねぇ」

 

「あんた、それ言います? 化け物の俺に一度も勝たせてくれないあんたが」

 

「俺なんて大したことないのさ。ただのちょっとケンカが強い男でしかない。

 

 昔から同じ夢を見ていた。雑多な人の群れをかき分けて、一人になっても歩みを止めず、いつか空までたどり着く夢を。

 

 青空が好きだった。強さを求め続ければ、仙人にでもなれると思ったが、変わらない自分がいた。ショーもないまま死んでいくのが俺という人間だった。いつまでも未熟で達観できずに燃え続ける」

 

「爺さん、どうしたんだよ。…まるで―――」

 

「―――。俺が教えたいのは、人間はお前の想像を超えるってことだ。人とともに、人を見つめて、人を学んで生きろ。それはきっと、お前にとっても楽しいことのはずだ。あばよ、ファンキー坊主」

 

「爺さん⁉ 」

 

 

 

 

 

「ここは、どこだ…」

 

「起きたかクソガキ」

 

「ッ! だれだ!」

 

「誰だはねぇだろうが。俺を襲ったのはお前だろう? 」

 

「俺が…襲った…? 」

 

「記憶にねぇってのか。…まぁ、あんだけ派手に頭を打っちゃあ、そういうこともあるのか? 」

 

「頭………お前が? 俺を? 」

 

「そうだぜファンキーボーイ。おっと、言っておくが俺はただの人間だ。お仲間(カイブツ)じゃあねぇから、変な同族意識はよしてくれよ? 」

 

 

 

 

「………」

 

 

「………」

 

 

「………」

 

「………」

 

 

「………」

「………」

 

 

「………」

「…なぁ、いい加減じゃまだ。帰れ」

 

「帰らない。俺に戦い方を教えてくれ、頼む」

 

 

 

「………帰れ」

 

「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

「………」

 

 

「………」

 

 

 

 

「………」

 

 

「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………お前 ハラ、減らないのか」

 

「減らない。俺は不死身だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………」

 

 

「………」

 

 

 

 

「………」

 

 

「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「~~~~~~~~~~~~あぁ…っ!

 わかったよ! 教えてやる! 」

 

「ありがとう爺さん」

 

「―――待て、だれが爺だ、誰が」

 

「爺さんは爺さんだろう? 」

「俺はまだ40代だ! 世間一般じゃおっさんカテゴリーだ! 」

「40代は爺さんじゃないのか? 」

「あぁ! 」

「………わかった、爺さん」

「わかってねぇ! ファンキーすぎるぜこのクソガキ! 」

「痛い、痛い」

「痛がっても無駄だぞガキ! てめぇの痛覚が機能してねぇのはお見通しだ! まずはそっからだ! 」

 

 

 

 

 

 

「いいか、■■。俺が教えられるのはあくまで人としての戦い方だ。怪物としての全力を出す動きじゃない。人間の戦い方と人間の闘魂をお前に教える」

「おう」

「返事は『はい』だ。まずは自分の内に潜れ。暖かく燃える闘魂を見つけたら、それをもっと燃え広げろ。全身の神経の網に闘魂を巡らせ、手のひらで感じるまで高め、高めた闘魂を爆発させろ」

「何言ってんだ爺さん」

「やれ。できないなら帰れ」

 

 

 

 

 

「先生、なぜ俺は弱いんでしょう」

 

「■■、お前は女を好きになったことがあるか」

 

「………ありません」

 

「それが理由だ。お前はオスとしての力が弱い。だから弱いんだ」

 

「言ってる意味全然分かりません」

 

「オスにとって、メスを手に入れるのはほとんど存在意義と言ってもいい。男にとって良い女を手に入れることはこの世のどんなことよりも大切で、だからこそ女を手に入れる力を持っているかどうかは力の強い齢に直結する。

 お前にはそれがない。だから肝心なところで必ず力が不足する。

 俺のような奴に勝つためには手に入れたいと思ういい女を見つけることだ。オスの力を高めろ。本能の力を引き出して戦えるようになれ。そうすればお前は強くなれる」

 

 

 

 

 

「先生、さっきの白い服の人たちは」

「■■、お前には関係ねぇ。だが、まぁそうだな…俺を雇おうって言ってる連中だ。バットファンキーな連中だぜ。俺を化け物にしようとしてやがる」

「………受けないんですか? 」

「あん? 」

「先生は強くなりたくないんですか」

「強さ? 人を捨てて強くなってそれでどうする。人のままでいるのが俺の美学だ。覚えておけよ■■、てめぇで決めた美学を守れないような男は強くあることなんてできない 自分に嘘をついたクソ野郎だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「先輩先輩、私たちって何するんすか? 」

 

「お前それ知らないで配属されたのか? 」

 

「いやー、自分縁故採用なんで詳しいことも何にも知らずに入れてもらったんすよねー」

 

「はー…。俺の―――俺たちの仕事は新規投資先の開拓、言ってしまえば営業、足で稼ぐってやつだ」

 

「へー……んー? ってことはまさか? 」

 

「ノルマもあるぞ、ガンバレ」

 

「いやー!! やだやだやだー! 私もっと楽な仕事がいいー! ご飯食べて寝てるだけの仕事がいいー! 」

 

「甘えるな、そんな仕事―――あったかな」

 

「え!? あるんすか‼ 」

 

「ああ、うちの姉妹部署の人体実験の被験者ならそういう職務内容だったはずだ。推薦状書いておこうか? 」

 

「それは嫌っす。先輩、ねぇ、ちょっと待ってください。いい笑顔でスラスラ書き始めないでください。ねぇ! ちょっと! 先輩! 」

 

 

 

 

 

『先輩! 助けてください! 』

 

「何があった」

 

『研究所の実験体が…ッ! きゃあッ! 』

 

「わかったすぐに行く」

 

 

「………」

 

「………まぁ、驚くのも無理はないか。別に隠してたわけじゃないが俺は」

 

「か」

 

「か? 」

 

「カッケェー! 」

 

「な」

 

「うわ!すっげ! すごいっす先輩、その羽どうなってるんすか、ふわもこ! ふわもこっすよ先輩! どっちの羽も綺麗でかっけえし、このカラス? 蝶? ちょっと触ってみてもいいすか先輩、いいですよね先輩、やったぜひゃっほい! 」

 

「ちょ、待、お前、このっ! 落ち着けバカ! 」

 

「落ち着けませんよ先輩、あれ? それ触角っすか? うっはー! 触角まである! カワイイ! これはカワイイですよ先輩! 」

 

 

 

 

 

「ひゃー!! すっげーっす!!」

 

「口を閉じてろ! 舌噛むぞ! 」

 

「先輩! 先輩! もっと! もっともっと高く!」(てしてし )

 

「暴れ―――ッ と」

 

「ひゃんっ! 」

 

「ひゃん? 」

 

「いやっ…! ちょ…、先輩っ。どこ触ってんすか! そこはダメっす! どさくさ紛れにセクハラとか見損ないましたよ! 早くどけて! 」

 

「ん? …………………ああ、胸か。すまん気づかなかった」

 

「は?

 かっちーん。先輩、それ私にケンカ売ってるんすか? 売ってるんすね? ハッ! 小さすぎてわからなかったとでもいうつもりですかコノヤロー‼ 小さくて悪かったですね! 先輩のバカー‼ 」

 

「こら、空の上で暴れるな。仕方ないだろ」

 

「仕方ない? 私の胸が小さいのが仕方のないことだっていうっすか⁈ いやそれよりもまずは謝って! ごめんなさいって謝って! 気の迷いでセクシープリティな後輩ちゃんについ出来心でセクハラしましたごめんなさいって謝って! 今ならまだ土下座ともふもふで許してあげますさぁほら早く謝って! 」

 

 

 

 

 

「ほへー、ここが先輩の部屋っすか………殺風景なとこっすねー。………なんもねぇ」

 

「帰っても寝るだけだからな」

 

「うーん、私の夢だった『男子の部屋のエロ本探し』もこれじゃあ張り合いが無さそうっすねぇ…隠し場所も限られちゃうし」

 

「持ってないが」

 

「またまた~、そういう人に限ってむっつりさんだったりするんすよ―――というわけでバーン! 」

 

「そこには何もないぞ」

 

「………先輩、なんで何もないんすか…? 」

 

「だからエロ本なんて持ってないって」

 

「そうじゃなくて! なんで、鍋もフライパンも………まさか! 」

 

「そりゃまぁ必要ないしな」

 

「必要ないって……あぁ、もう! 食品どころか調味料もないし! 冷蔵庫はそもそも電源入ってすらねー!」

 

「食わなくても死なないし、なら食わなくても」

 

「おかしいっすよ先輩! こんなの人間の生活じゃないっす! 」

 

「俺は人間じゃない、化け物だ」

 

「~~~~~~~~もうっ! ちょっと買い物行ってくるから待っててください! 」

 

 

 

 

「しぇんぱ~~い。えへへ えへへ」

 

「まさか酒の一杯で酔うとは……」

 

「あっひゃっひゃ☆ 先輩揺れてる~ おっかしーい♪ 」

 

「揺れてるのはお前だ」

 

「うむー! …すんすん…せんぱいいい匂いしますねー」

 

「そうか? 」

 

「なんかー、やさしいにおいがしますー。好きなにおいー…ぎゅーっ」

 

「引っ付くな。暑苦しい」

 

「ふふ」

 

「おい」

 

「………何もしないんすか」

 

「………してほしいのかよ」

 

「ばか、言わせないでください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「先輩先輩、聞きましたかあれ」

 

「あれか」

 

「そうっす、あれっす。この前投資先検討した先輩の、潰されたって」

 

「まぁ、あれは結構ぎりぎりだったからな」

 

「なんで駄目だったんですか? 確か…えっと」

 

「『水から作る全く新しいクリーンエネルギー開発』」

 

「そうっす。どうして…」

 

「財団的に、完成させるわけにはいかないものだったてことだろうさ」

 

「どういうことっすか? 」

 

「お前は………はぁ。質問、財団はどういう組織? 」

 

「はい! 財団は戦争ビジネスを主とした多目的投資組織っす! 」

 

「まぁそんなところだ。だから、だ」

 

「? 」

 

「あれが完成すれば、世界中で起きているエネルギー関連の戦争がなくなる。そう上は判断したんだろうさ。………そう簡単に今のインフラから切り替わるとは思えなかったんだけどな」

 

「えー? そんなことで投資却下っすか? おじさんの話だと結構ヤバめの所にも投資してたって話じゃないっすか。ミュージアムとか天高とか」

 

「あっちとこっちはセクションが違うんだ。あっちの“上”はある程度は人や国が滅んでもかまわないって考える方々で、こっちの“上”は慎重派の方たちだってこと」

 

 

 

 

 

 

「おかえりっす先輩~…って、ちょ⁉ どうしたんすか先輩! その恰好、ボロボロじゃないっすか! すっげー! 」

 

「相変わらずテンションの上りどころが独特だな、お前は。

 傷は治ってるから問題ない、その救急箱を元に戻せ」

 

「それは何よりっすけど、どうしたんすか? 黒塗りの高級車にでも激突しちゃったんすか? 」

 

「八股がバレて全員に刺された」

 

「え…くっそ! 見たかった! 呼んでくれればよかったのに! 」

 

「呼んでたまるか(呼んだらお前が刺される)」

 

「むー、そんな面白そうな現場に居合わせることができなかったなんてー、くーやーしーいー! 」

 

「じたばたするな。スカートがめくれるぞ」

 

「へっへーん、すけべぇな先輩は気になっちゃって仕方ないっすかー? もー、しょうがないしょうがない。ぱーふぇくとぼでぃの私は罪な女っすよねー。えっへっへ」

 

「………」

 

「あっ! ちょっ、待っ! スカートを引っ張らないで! ただのパンツです! ただのパンツですから! 見ても全然楽しくないですから! それに 」

 

「………」

 

「それに、見てもらうならもっとかわいい下着で」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「むにゃむにゃ」

 

「起きろぐーたら後輩」

 

「ふにゅ? へ? なんで先輩が⁉ 」

 

「なんでってここ俺の家だからな? お前居座って暮らしてるだけだからな? …まぁいい仕事だ仕事」

 

「はい? 仕事? あはは、何言ってるんですか先輩。外はおかしな植物と怪物がうじゃうじゃで危ないんすよ? テレビでも言ってたじゃないっすか」

 

「仕事だ。これから俺たちは沢芽市に向かう」

 

「あはは、なーに言ってんすか先輩。そこ一番やばいとこっすよ? 緑の変なのがいて核ミサイルも通じなかったんでしょ? 」

 

「“上”からの命令だ。行くぞ」

 

「イヤー! 」

 

「安心しろ、俺がいる。お前には傷一つつけさせやしない」

 

「先輩…」(トゥンク)

 

 

 

「それで? なにしに行くんすか? あの緑の変なのと交渉とか? 狙いは連中のテクノロジーっすか」

 

「いや違う。それは別の班が試みて失敗した。連中は俺たちと交渉するつもりはない。今回の俺らの任務は要人救出ということになる」

 

「要人? 」

 

「ユグドラシルコーポレーションが画策していた箱舟計画、その要になる戦極ドライバーの生みの親、プロフェッサー・リョーマこと戦極凌馬を救出し財団に勧誘する。それが俺たちがなすべきことだ」

 

「うえー、そもそもその人生きてるんすか? 沢芽市って奴らもうじゃうじゃいるんすよね。死んでたらどうするんすか? 」

 

「その時は―――だ。そのための俺でもある」

 

「………あぁ~」

 

 

 

 

「う、うーん? この人? っすかねー」

 

「多分な。損壊が激しいが特徴は合致している。こいつが戦極凌馬だろう」

 

「………死んでるっすね」

 

「死んでるな。まぁ問題はない。なんにせよ―――擬態してみればわかる」

 

「おおー………うさんくさいマッドっぽい顔っすね」

 

「それは心外だな。顔で人格を判断されては」

 

「先輩⁈ 」

 

「問題ない。擬態元のキャラクターが濃いとこういうことがままあるんだ。大丈夫すぐに慣れる。さて、戦極ドライバーもヘルヘイムの果実も私の持ち得るすべての知識を手に入れた。これは後で報告書にまとめるとして、帰るよ。これからこの町は戦場になる」

 

「せ、戦場? 」

 

「ああ、駆紋戒斗と葛葉紘汰…光実君は彼を倒したと言っていたが、葛葉紘汰が欠片とはいえ黄金の果実の力を備えているのなら復活程度はやってのけるはずだ。このあとの展開は簡単に想像がつく」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま」

 

「おかえりっす~。今日の夕飯はロールキャベツにオムライスっすよー」

 

「それは美味そうだ。先にシャワー浴びてくる」

 

「どうぞー。今日は朝からどっか行ってましたけど何があったんすか? 」

 

「んー…ほら、この前あれがあったろ」

 

「あれ? 」

 

「沢芽市でまた事件があったろ」

 

「あー、はいはい。ありましたね」

 

「その事件で、今巷を騒がせてるロイミュードの複製が複数手に入ったからって、そのリバースエンジニアリングに付き合わされてた」

 

「はへー、お疲れ様っす」

 

「ああ、疲れた。や、あれ作った奴は本当に天才だよ。ボディも動力源もどっちの開発者も」

 

「ん? 同じ人が作ったんじゃないんすか? 」

 

「別人だな。設計思想っていうか、作り手のこだわりが違う。こだわりというより情熱かな? なんにせよあれだけの機能と将来性を持ったアンドロイドを特別な材料やエネルギーなしの純粋な科学だけで作ったってのは本当にすごいと思うね、俺は」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「先輩、何してんすか」

 

「………」

 

「答えてくださいよ先輩。そんな大荷物を持って、どこに行く気なんですか」

 

「………」

 

「どこに行くのかは知らないっすけど、一人で行くなんてずるいっすよ」

 

「だめだ」

 

「先輩」

 

「だめだ。お前はここにいろ」

 

「ここって、財団にですか? 先輩のいない財団なんてつまんないっすよ」

 

「お前は、危険人物にリストアップされていない。お前はまだここでやっていけるんだ」

 

「いやっす」

 

「聞け。俺は駄目だ。俺は先生の研究も何もかもすべて覚えてる。先生の実験を繰り返す恐れがある。だけどお前はそうじゃない」

 

「そんなの知らないっす」

 

「俺についていくなんて馬鹿なことは考えるな。財団は必ず俺を追ってくる。俺についてくればお前も追われることになるんだぞ」

 

「私は! 」

 

「私は! 先輩と離れたくない! 一緒に生きていきたいんです! 」

 

「私は! 先輩が好き! 好きだから、一緒にいたい! 」

 

 

 

「………俺は化け物だぞ」

 

「それが何か? 」

 

「金もないぞ」

 

「私が先輩を養ってやるっす」

 

「顔は他人の物だ」

 

「中身は先輩でしょ? 」

 

「追手がくるぞ」

 

「守ってくれるって言ったっすよね」

 

 

「………俺は、お前を愛せるか、分からない」

 

「いいですよ。惚れた弱みってやつっす」

 

 

 

 

「俺と来てくれるか」

 

「はい。喜んで」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は、ぁ! うぐぅ…! う、うぅ………ッ! 」

 

「くそ! どうなってるんだ! なんでこんなことに! どうしてどうしてどうして! 」

 

「せん、ぱい…」

 

「大丈夫だ心配するな、原因はわかってる。それを取り除けば問題は解決する、大丈夫だ、俺を信じろ! 」

 

「ううん、私は大丈夫だから…この子を、私たちの赤ちゃんをお願い…」

 

「馬鹿! お前の不調も何もかも原因はその赤ん坊だ―――俺の子が、お前を殺しかけている………ッ! 」

 

「あはは、大したこと、ないっすよ。母は強し、ですよ? 」

 

「強がるな! ちょっと切るだけだ。それで子どもを取り出せばお前は死なずに済む! 」

 

「平気っすよ。この子はおびえてるだけなんです。怖い怖いって言ってるだけなんです。だから、私が守ってあげないと」

 

「俺は! 赤ん坊よりも、お前が大切だ! 大切なんだ! 頼むよ…生きてくれよ…」

 

「うれしいなぁ…うれしいなぁ…先輩が、デレてくれたー…」

 

「なにをバカみたいなこと―――待て、待て、待て! 」

 

「ごめんなさい先輩。…先輩、大好きです。愛してます」

 

「ライフエナジーを…っ! こうなったら腹を引き裂いてでも」

 

「この子を、恨まないで。私と先輩の子、愛してあげて」

 

「………ッ! 」

 

「愛してる、愛してる、九朗さん大好きでした」

 

 

 

 

 

「ぱぱ? 」

 

「愛しい人の、愛しい我が子、俺の…愛した女を殺した子ども」

 

「ぱぱ」

 

殺してやる(あいしてやる)よ」

 

「ぱぱ、ぱぱ」

 

「来いよ、お父さんが遊んでやる」

 

「ぱぱ! 」

 

「シャアァ! 」

 

 

 

 

「墓を作ろう…俺たちの墓を…俺たち家族の墓を」

 

「眠ろう、ここで。ずっと一緒だ」

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 なんだ、夢か。

 

 夢だった。

 悪夢だった。

 でも少しだけ懐かしい夢だった。

 

 

 

 

閑話休題。

 

 

 

 考察タイーム。

 体内からドライグを取り出してシェイク。

 

『うおおおお! やめろぉぉぉお! 』

「ばっ! 声が大きい! 」

 小さく怒鳴り、シェイクを止めるとドライグもおとなしくなった。

 

『ハァ、ハァ…いきなり振りまわされれば、大声も出る…それで、何の用だ』

 

 ごめんなさい。

 

「話が早くて助かる。単刀直入に聞く、あれが堕天使でいいのか? 」

 

『…ああ、そうだ。とはいっても、あれの実力は大したものではなかったがな』

 

 ふむ。

 

「つまりあれが最下級というわけではないが、最上級でもないわけか」

『そうだな。あれはよくて中級の堕天使だ。上級や幹部の堕天使とは比べるのも馬鹿らしい』

「幹部? 種族単位で組織があるのか」

 

『ああ、神の子を見張る者(グリゴリ)といって、神器所有者や人間の異能者を集めたりしている組織だ』

「………ずいぶん素直だな。昨日までのつっけんどんなドライグさんはどこにいったんだ? 」

 

 チカチカと点滅するドライグ眼魂。

 

『………いつまでもこだわるのは馬鹿らしいと思っただけだ。お前が日記に書いていたように、お前が殺さなくても堕天使に殺されていただろう。そうしたら俺はシステムに従って次の宿主に移っていた。お前に縛られるのも宿主に縛られるのも同じことだと思ってな』

 

 なるほど。

 

『だからまぁ、せいぜい俺をうまく使え、相棒』

 

 相棒…。

 相棒かぁ…。

 テンション上がるな。

 

「ああ、よろしくドライグ。俺の生き様見せてやるから、特等席で観戦してな」

 

 

 こうして俺たちは和解した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 *おまけ* 

 

『ところで、あの“デモニーアギト”ってのはなんなんだ? 』

「あれは、神の力の一端…らしい」

『らしいってなんだらしいって』

 

「詳しくは知らないんだよ。ただ、世界を創造した神に仕える天使が人間を哀れに思って力の一部を分け与えたのが力の源らしいの」

『神…お前の世界の神話か』

 

「うん。神テオスが大天使エルロードと天使マラークを作り、マラークとエルロードに似せて動物を作り、自身に似せて人間を作ったって話」

『創造神話か』

「それで、よくある話だけど、人間が驕り高ぶって動物を家畜にしたから天使たち激怒で天使VS人間の戦争が始まったわけ。

 で、人間は40年持ちこたえるんだけど勝ち目は端から存在せず、もはやこれまでというところで、それを哀れに思った大天使、火のエルが降臨。人と交わり人間に神の力を伝えた」

『やってることはグリゴリの幹部どもと同じだが動機がまるで違うな…』

「動機? 」

『ああ、奴らは色で堕ち、人間に天界の技術や知識を教え、その罪で堕天した』

「なるほど。こっちの神話でも火のエルは、神の似姿に不純物を混ぜたとして致命傷を負わされ堕天している」

 

「それで、長い長い時を経て、人類にばらまかれた火のエルの因子が励起した者が“アギト”というわけ」

『なるほどな。それで神の力の一端か』

 

「ちなみに俺はこの力に目覚めかけたことで、一度殺された」

『は? 』

「神さまともども現代に現れた天使にね。いやー、あれは痛かったな」

 

「これとはまた別の力で蘇ったんだけど、その話はまた今度にしよう」

『いや、ちょっと待て! 』

 

 

 

 

 

 




★この後話を打ち切って兵藤一誠のエロコレクションを見たレムレム怪人
 悲しく懐かしい夢を見た。
 二人の遺体の残骸とともに棺に入って埋葬されるつもりだったけど、どっかの通りすがりに起こされた。その時の話はするかもしれないししないかもしれない。後輩ちゃんのこと引きずってないかって? うーん、どうかなぁ…。

 だいたい魔石くんのおかげ。グリードはアンドロイドの夢を見るか。見ないんじゃないかな。見るかも、そうかも。主人公は魔石くんがグリード化を食い止めているので見れる。魔石くん、えらい!
 性欲は薄いが皆無ではないので勃起はする。でも子どもだからよくわからない。
 エロコレクションは全部売って軍資金にしようと思っている。色々するために金が必要なのだ。
 ネット通販でもいいけど、早めに金が欲しいので記憶にある松田・元浜に売りつけようかなとか考えている。
 和解したのでドライグさんを壊して力だけ取り出そうとかはしない。しないといいな。しないかな、どうかな。
 でも神器の中の怨念を魔化魍づくりに利用しようとかそういう悪だくみはある。あるある。



☆まるで駄目なドラゴン
 駄目ではない。
 駄目ではない(二度目)。
 主人公がただの怪物ではなく、誇りを持った強者と認めて歩み寄ってくれた。
 Q.どうしてそんなことがわかったの?
 A.構えを見れば分かる。
 鍛えてますから( シュッ

 デレが意外と早かった赤龍帝。ドライグ君はツンデレ。原作既読の人はみんな知ってるよね。
 ドラゴンだから強い奴は普通に好き。相棒とか呼んじゃう。作者イメージでは孫に頼られた偏屈爺さん。


★ファンキー爺さん
 オーケン。
 ビルド世界のが実験するまでは財団とか関係ないただのファンキー爺さんだったんじゃないかなぁという妄想。
 ライダーの世界には稀によくいる逸般人。達人で素手でビル倒壊とかお茶の子さいさいでやってのけるファンキーパワーの持ち主。鍛えているけど別に鬼でもない謎の人。
 この時のつながり、師弟関係から主人公は成功失敗両方の危険を知りながらエニグマ実験に協力した。


★後輩ちゃん
 ぺちゃぱい。
 ロリではない。身長も低くはない、むしろ高め。どことなくゆるふわのカワイイ子。
 特に改造手術などは受けていないため戦闘力はほぼ皆無。財団に入ったのは親戚のおじさんに紹介されてだが、財団の事業や目的を知っても辞めなかったタフな精神の持ち主。
 なんとなく一緒にいるうちになんとなく好きになってなんとなく最後まで一緒にいた。
 好きな人の腕の中で死ねた彼女は最後まで幸せだった。


★ぱぱ
 ぱぱ。子ども。
 ゴムしろ(手遅れ)

 名無し。生まれついての複合怪人で、母体を無自覚に攻撃していた。
母親のライフエナジーを吸いつくし、腹を引き裂いて生まれた子。母親を擬態して産まれたので元の性別は不明。生まれてすぐに父親に殴りかかってきた。
 父親が変身すると、それを真似て変身。父親が黒いアギトになると、白いアギトになって向かってきた。
 最期は父親の手刀に心臓を貫かれ、果てた。



 

 今回、魔化魍作ったり、ヤミー作ったり、色々する予定だったんだけど、悪夢を挟もうとしたら妙にふくらんじゃって、「ここでやめにしよう…」になった。
 不完全燃焼。
 おのれ低気圧。おのれ台風。
 あと完全に別件だけど、ガラスを割って怪我をしたのでテンションが上がらない。
 おのれガラス。ガムテープを貼ると修理屋さんが困りそうだからそのまんま。
 ぐおおおおお…!(羽虫うぜぇ…ッ! )


 次回、ミルたん魔法少女になる。
 ご期待ください。
 
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