てんこもり平成怪人で行くハイスクールD×D   作:しゃしゃしゃ

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※前話、夢部分、別物に書き直しました(書き直し前より6000字ぐらい増えた)。



「ミルキ~…! マジカルッ!トラーッンス‼ 」

 フワァッ…ギチィ! ふわっ。

 ビクン!ビクン! しゅるるっ きゅぴん☆

 キラッ☆ばちんっ! ぽんっ ぽんっ☆

 ☆しゃらららら~ん☆


「魔法少女ミルたん! まばゆい魔法で、凶悪魔獣をたくさん消滅させちゃうんだにょ☆ 」

 



魔法少女ミルキー☆ミルたん「それは不思議な出会いなにょ?」

「魔法使いさんッッ! 」

 

――― それは 乙女というにはあまりにも大きすぎた

 

「………はい」

 

「ミルたんに…ミルたんに…! 」

―― 大きく

―― 分厚く

―― 深く

―― そして野太すぎた。

 

「………」

 

「ミルたんにファンタジーパワーをッ! ミルたんを魔法少女にしてくださいにょッッ!! 」

 

―― それはまさに 漢女だった

 

 

「………はい」

 

 セルメダルを手に、かろうじて返事をする。

 目の前の不思議生物から目をそらそうとするのを必死にこらえて、目の前の大きな欲望(ユメ)の持ち主にメダルを投入するゲートを開く。

 

「その欲望(ユメ)、解放して」

 

 チャリン、と抵抗なくすんなりセルメダルが吸い込まれ、卵が産まれる。

 

「にょ………? 」

 

 かくん と気を失ったミルたん。正直次の瞬間にも目覚めかねないので、全力脱出。

 

――キィーン・・・キィーン・・・

 

 戸棚のガラスからミラーワールドに入り、近くのカーブミラーから現実世界に。

 

「ふぅ……」

 一息つく。いやぁ、生きた心地がしなかった。

 あんな迫力の人間がいるなんて…。存在のオーラが半端じゃなかった。住む次元が違う生命体だよあれは。

 

『なんだったんだ、やつは…』

 困惑したドライグの声。

 思えば、この道中は結構饒舌だったのに、ミルたんに遭遇してから一言も話さなかったな。

 

「あぁ、なんだったんだろうな、あの魔法少女(カッコ)(カッコトジ)は…」

 俺は頭を抱えてのっそりと天を仰いだ。インパクトの強い容姿も、溢れんばかりの強大な欲望もそうだが、なによりあの肉体だ。

 

 巨木のごとき太さの上腕、衣装を引き裂かんばかりの見事に分厚い胸板、驚異的なまでに発達し女性の腰回りよりも太いであろう足、ゴツく太い指、目を疑う質量の筋肉。

 財団Ⅹのエージェントとして、様々な特異技術実験素体となる選ばれた人間を見てきた俺からしても、信じられないほどの逸材だ。財団が収集した過去の秘密組織の改造実験体元のデータを見ても彼以上の肉体を持つものはちょっと思いだせない。

 なんとなく適合しそうだったし、バグスターウイルスに感染させたり、ヘルヘイムの果実を食わせたり、使徒再生をしたりしてもよかったかもしれない。

 

『そうじゃない。いや、それも何なんだだが…俺の言っているのはあれだ、あの水色の』

 

「あ、そっち? 」

 

 なーんだ。

 俺は取り出しかけたヘルヘイムの果実をまた体の中に埋め、また適当に街をぶらつき始める。

 

「あれはヤミー。さっき説明したっしょ? セルメダルを増やすためにグリードが生み出す人造生命体」

『あれが…? 聞いていた話ではもっと生物的なイメージだったんだが』

 ドライグさんはどうやらあれがそのままヤミーだと思っているらしい。

「いやいや、あれはただの卵。俺の宿したコアメダルは水棲系で、宿主の家に巣を作って欲望の増幅に伴って成体になるんだ」

 

 財団Xから抜けるときにちょろまかせてもらった特異物品の一つ。コアメダル。単体でもオリジナルのグリードであるメズールを生み出し使役することのできる財団製のそれを俺は自分に取り込み、グリードとなった。

 記載されていた感覚の失調は、理由はわからないが味覚の喪失だけで済んでいる。もともと人がグリードになるために作られたものではなかったから起きた好都合の不具合かもしれない。

 なんにせよ俺は水棲系コアメダルを9枚取り込み、グリードとなった。そしてグリードとなった以上俺はヤミーを生み出せる。ヤミーで稼いだセルメダルを取り込むことで力を強くすることだってできる。

 

 

「―――っと、今産まれた。成長スピードが速いなこれは」

 

 産み主としての感覚で察知する。

 というか、生まれたということはもう意識回復したのか、早すぎだろ。まだ一分もたってないぞ。

 てくてくからすたすたに歩行速度をアップ。

 

『生まれた、というのはその、ヤミーか? 』

「あぁ、イルカヤミー、だな これは」

 意識を集中し、生まれたヤミーの特徴を探る。

 

 ミルたんのヤミーを生んだ欲望は「魔法少女になりたい」というもの。当然ヤミーはその欲望(ユメ)を増大させる力を持って生まれてくる。欲望を満たしつつ、“もっと、もっと! ”と煽るように。

 ヤミーはざっくり分けて宿主に代わって欲望を満たすものと、宿主が欲望を満たす手伝いをするものがいる。

 

 …どうやらこのイルカヤミーは後者のようだ。

 

 

 

 

―○●○―

 

 

「………にょ? 」

 

 むくり、と短時間ながら意識を失っていたミルたんが目覚め、きょろきょろして首を傾げた。

 

「ううん…何か大事なことを忘れているような………」

 

 しばらくうんうん唸っていた彼だったが、

 

「まぁ、いいにょ。今日も魔法少女になるために魔法力を高める特訓だにょ! 」

 

 そう言って、立ち上がりテレビをつけた。

 『魔法少女ミルキー Blu-rayBOX完全版』からディスクを一枚取り出しデッキに差し込む。

 ミルたんがいつものように、魔法力を高めるためのミルキー視聴マラソンを始めようとしていたその時だった。

 

「?! な、なんだにょー! 」

 

 突然部屋の中が未知の光で照らされる。

 とても不思議な光だった。

 不自然なほど不思議な、神秘的な光だった。

 

 初め強く輝いていた光は徐々に穏やかで優しい光へと変わり、ミルたんのもとへ引き寄せられるように下りて行った。

 その不思議な光景にミルたんも、瞑っていた目を見開いて光源を見下ろす。

 

 

 ぱんっ!

 光の中からぬいぐるみのようなかわいらしいピンクのイルカが現れた。

 ぷかぷかと宙に浮くイルカは、どこかふらふらとした印象で、弱っているようにも見えた。

 

 

「イルカさん、大丈夫ですかにょ?! 」

 

「うぅ…、はっ! キュッ! ここは? ここは一体どこキュ? ボクは一体…? 」

 

 イルカはくりんくりんの愛らしい目をしぱしぱさせたと思ったら急に飛び起き、愛らしい少年の声で流暢に話し始めた。

 

 

「イルカさんが喋ったにょ⁉ 」

 

 驚いたミルたんが出した大声に、ビクゥ! と大げさなまでに飛び上がった桃色イルカは ギギギ…と後ろを振り返り、

 

「キューーーーー! 」

 

 と叫び声をあげた。

 

 

 

 

「ごめんなさいキュ。びっくりして大きな声を出してしまったキュ…」

 

 しょんぼり空中に正座(?)する桃イルカ。

 それに対し落ち着きはらった大人の対応をするミルたん。

 

「大丈夫だにょ。ミルたんもミルキーを見てるとよく叫ぶけど苦情が来たことはないくらいここはおおらかな人しかいないから問題ないにょ」

 

 実際のところは、ご近所さんは魔法少女コスの漢女にビビっているだけである。

 

「よかったキュ…。あ、ボクの名前はヤミィ。魔法の国セントガーデンの王子をやっていたキュ」

 

「ミルたんはミルたんにょ。よろしくだにょ」

 

 大人ミルたん。心の中では魔法の国というワードに超興味をひかれているというのに、それを一切表に出さず耐えて見せる。

 ヤミィと名乗った桃イルカの声が幼かったためだろう。ミルたんは見た目と違って? 見た目通り? 優しく純粋で地合いの心を持っているのだ。

 

「ミルたん………あの、突然だけど、お願いがあるキュ」

 

「なんだにょ? 」

 

 (キタにょーーーー!! )というような内心を全く表に出さず満面の笑みで受け答えをするミルたん。

 

「魔法少女になって、ボクらの国をめちゃくちゃにしたナイトメアドリームと戦ってほしいキュ………!

 迷惑だとはわかってるキュ…、でも、でもボクだけじゃナイトメアドリームの悪い奴らを止めることができないんだキュ…ッ! 」

 

 くやし涙をダラダラ流し、桃イルカは頭を下げた。

 それに対しミルたんは顔をあげ、

 

「わかったにょ。ミルたんは、ヤミィさんをお助けするにょ。

 魔法少女としてッッ!! 」

 

 部屋を揺らすほどの大声と迫力で「応ッ!」と言わんばかりに返答した。

 

「――!! ありがとう…! ありがとうキュ! ミルたん! 」

 

「これからよろしくにょ。………ところでミルたんはどうやったら魔法少女になれるにょ? 」

 

 一人と()()は手をつないで喜び合った。

 

 魔法少女ミルたんとヤミィの波乱万丈大冒険。

 出会いと別れの物語。

 二つの世界の存亡、闇と光の最終戦争(ラグナロク)

 

 リリカルマジカル、始まります。

 

 

 

 

―○●○―

 

 

 

 

 始まります、じゃねーよ。

 

 

『どうした、相棒』

 

「いや…思ってた以上に生まれたヤミーが賢くて、ちょっと驚いて………」

 

 なんだあのイルカ…。設定も演技も全部ゼロから考えて、ミルたん(おや)の欲望を刺激しまくってる………あのイルカ自身もちょっと強すぎるんだが? セル一枚を数十分の一して産まれたヤミーに過ぎないはずなのに、もう普通にあの堕天使よりも強いぞ。しかもまだ成長途中というね。

 なんだろうなー………、グリードになって最高傑作ができちゃった感じだな。これからあのイルカは、敵キャラと味方キャラとをそれぞれヤミーで作って、変身願望から発生したメタモルフォーゼでミルたんを魔法少女にして戦ったり、話し合いさせたり葛藤させたりするつもりだ。

 よくある魔法少女ものを、現実で、『劇団イルカヤミー』でやるつもりだ。

 

 やばいな。

 

「めっちゃ優秀だ」

 

『何がだ』

 

「ヤミーを生むとして、俺が正直気にしていたのはヤミーが目撃されて騒がれることだったんだ。そもそもヤミーは欲望を食らって成長するからな、人目に付きやすいし、前の世界ならともかく、化け物が不通にいるこの世界じゃ、セルメダルを回収される恐れもあったし」

 

『見つからないように命令はできないのか? 』

 

「無理―――普通は」

 

 ヤミーは宿主の欲望を煽って増幅させて解放する。

 そうして膨れ上がった欲望はたいてい制御ができなくなって暴走する。そうなったヤミーはこっちの命令より欲望を優先させることがままある。オリジナルなら制御できるかもしれないけど、俺は所詮複製コアメダルのグリードだからなー。

 ただ、

 

「ただ稀に、暴走しないヤミーもいる。理由は、確かなことは言えないけど、日ごろから発散しているからだと俺は思っている」

 

 日ごろから欲望を解放して、要は欲望のガス抜きをしているから暴走しない。力の抜きどころをわかってる社畜みたいな感じ? 働いても潰れない、というか。

 かといって、そういう宿主は欲望が育ちにくい、欲望が膨らまないという欠点もある。欲望が膨らんだら解放するのが習慣づいていて、膨らみきる前に自分で片を付けてしまう。

 しかし、

 

「ミルたんは、違ったみたいだな。欲望を開放し慣れていて、制御ができているのに、鬱屈している。欲望(ユメ)を信じているが、心のどこかに虚無と諦観がある。そのため、ミルたんの欲望は制御されたまま膨らみ続ける」

 

 そして、その膨張は止まらない。

 なぜなら彼は純粋だから。

 魔法少女という幻想(ユメ)を信じて、愛と魔法と恋のパワーはどこまでも無限大と童女のように憧れている。

 だからミルたんの欲望(ユメ)は終わらない。

 

「第2シーズン、第3シーズン、劇場版でもなんでもどこまでも行って、セルメダルを大量に降らせてくれるだろうさ―――人知れず、ひっそりと、ね」

 

『よく分からんな』

 

「なにが? 」

 

『今の話を聞くと、お前は目立ちたくないように思える』

 

「うん、そうだけど? 」

 

『ならばなぜあの堕天使を逃がした。あれが話せばお前のことは筒抜けになるぞ』

 

 ……そこきたかー。

 

「いや、それは、まぁ…ね? 」

 

『………』

 

「あー………、………まぁ、彼女、綺麗だったから、さ」

 

『は…? つまりお前は、堕天使に惚れたから見逃したと…? 』

 

 ばっ! ちっげーし!

 

「違う! えーっと、その! ほら、あれだ! 俺はきれいなものが好きなんだよ! 漢でも女でも、化け物でも人でも! で、彼女は俺の目にかなったから生かしただけ! 美人が死ぬのは世界の損失だってだれか偉い人が言ってたし! 」

 

 

『………あれぐらいなら、人外ではそれなりにいるぞ』

 

「え、まじで? 」

 

 人外ではって、え。

 あれぐらいが堕天使の美の平均? 種族が違うとこうも違うの?

 美人のデフレーションじゃん。 

 

『俺はドラゴンだから正直なところはわからないがな。しかし今までの所有者の周りに集まる美男美女と呼ばれる者たちの特徴は何となくつかんでいる。人間の美の価値観もわかっているつもりだぞ』

 

 ドライグは、昨日話した悪魔・堕天使・天使は人間から見て美しいと呼べるものが多いことを教えてくれた。

 

「まじか………」

 

 まじか。

 あまりの衝撃に、擬態が解けそうになる。俺にとってそれはそれほどの衝撃だった。

 

 思わず3種族征服して家畜にしてしまおうかなとか思うくらいに。

 

 ………冗談だよ。ホントダヨ…?

 

 

「………そういえばなんだが、ドライグさん? 俺の強さって、この世界じゃどの程度のもんだと思う? 」

 

 別に深い意味はない。思ったより弱いならカチコミかけようかなとか、そういう意図はない。ないったらない。

 

『なんだその気持ち悪い呼び方は。………そうだな、お前の上限がわからないことには確かなことは言えん。お前の「最強」はなんだ』

 

 ふむ、「最強」か。

 

『あいまいな言い方をしてしまったが、要はお前の戦闘力を大まかでもいいから知らないことにはどの程度などとは言えないということだ。夕暮れのアレが本気ではないのだろう? 』

 

 それはまぁ、確かに。

 ………別に教えてもいいか?

 

「そうだな、確かにあれが全力というわけじゃない。アギトの力単体でもあれが最強じゃないし。“殺す”だけならそれ用の技をいくつか持ち合わせているし」

 

『“殺す”技? 面白いな、言ってみろ』

 

「えーっと、

 ①ミラーワールドに引きずり込んで消滅。

 ②オルフェノクの記号埋め込んで灰化消滅。

 ③吸命牙でライフエナジー搾り取ってカスに。

 ④グリード体でメダル転換。

 ⑤ヘルヘイムの果実を食わせてインベス化。

 ⑥バグスターウイルス大量投与で消滅。

 

 直接的なのはこれくらいで、あとはクロックアップだったり重加速でってのとか。まぁ、格上には通じないと思うけどね。①と②はそもそも触れられないぐらいの力量の差があったら無理だし、⑤はもしも克服されたら俺のアドバンテージが一つ減っちゃうわけだし」

 

 それに、俺の力は基本的に化け物由来の力で怪人体にならないと真の力を発揮できないから困る。

 ………正体がばれて、騒がれたら、この姿も捨てなきゃならない。

 たった一日だけど、結構気に入ってるんだ、この姿の立場。何より両親が善人で優しくてあったかい。学生というのも楽しそうだし。

 

 

『なるほど、怪物らしく、雑多な人間は殺せても、一握りの英雄は殺すことのできない技というわけか』

 

 上手いこと言うな…。

 

「そうなんだよ。だからまぁ、戦うのは怪人に見えなくもない、アギトかカイザーかアナザーWか、になると思うんだけど」

 

 かくかくしかじか。

 基本スペックや能力をドライグに教える。

 

『なるほど。そうだな、まぁ、上には上がいる、といったところか』

 

「はっきりしないな」

 

 

『ハッ、そうはいっても今の話が確かならお前はお前だけでも十分に強い。上か下かで言ったら上だ。お前にとっての強者より、弱者のほうがこの世界では多いだろう。だがそれだけだ。お前は最強というほどではない』

 

 

 ………わかってる。わかってる。わかってる。

 最強じゃないなんて当たり前のことだ。

 ちょっと圧勝して、ちょっと強い手駒が手に入ったから調子に乗りかけていただけだ。

 俺は最強じゃない。前の世界でも同じことだった。人間からしたらとんでもない化け物で、化け物の中でもそれなり以上に最強で、だけど本当に最強の化け物には勝てないし、ヒーローには――仮面ライダーには勝てない。

 戦ったことはない。ただ、勝てないと思った。彼らがあまりにまぶしくて、きれいに思えて、俺が勝てる道理はないと思った。

 上には上がいる? 知ってるよ、上等じゃんか。

 

 

「お前だけでも、ってのは? こっちも話したんだ。ドライグ、赤龍帝、お前は何ができるんだ? 」

 

『神器としての俺の力は「倍加」と「譲渡」だ。10秒ごとに宿主の力を倍にし、増えた力を別のものに譲渡して強化することができる』

 

 は?

 

「は? 」

 

『それだけだ。単純だろう? 』

 

 いやいやいやいや。

 十秒で倍? じゃあ一分で元の力の64倍…?

 二分で、えーっと…4096倍……?

 

 いや、いやいやいや。

 

「嘘だろ? 」

 

『事実だ。神滅具と呼ばれるわけが分かったか? ただの人にも、人を超え、神を超えるかもしれない力を授ける。それが神滅具だ。まぁ肉体が負荷に耐えきれず、事実上の倍加の上限は存在しているが』

 

 

 ………俺、アンデットなんだが。

 負荷、あるのかな…。なかったら、あれ? やばくないか?

 

 

『と、調子づかせるようなことを言ったが悪いな相棒。俺は今その力を使えない』

 

「なぜ」

 

『相棒のせいだ。こんなわけのわからないものに俺の魂を封じて。

 神器としての機能が外側に出ていかないんだ。どうなってる』

 

 あー………。眼魂という檻に力ごと封じられた感じか。

 

「すまん。読み取り用のデバイスを作る予定だからそれまで待ってくれ」

 

『俺は別に構わないが…お前が力を求めるのなら早くしろよ? 』

 

「ああ」

 

 プロトメガウルオーダーでいいから開発は急務だな。技術知識はあるが資材が足りない。金と仕入れのルート確保を早くしなければ。

 そのためにもまずは自由に動かせる手駒だ。

 イルカヤミーは何が起こるかわからないから下手に動かせない。

 もっと単純な欲望から作るささやかな力だけのヤミーが欲しい。

 情報収集の網を張りたいのだよな。前の世界なら知り合いから仕入れた機材でガジェットでも作るところだが、それも不可能であるし、ヤミーしかない―――のだが、

 

「………結構歩いているのに、いい感じの欲望が見当たらないぞ。どうなってる」

 

 これだけ住宅街を歩けば、人畜無害なぎりぎりヤミー生産ラインの欲望を持った人間が見つかるはずなのに、見つからない。

 

『それはそうだろう。この町は悪魔の領地だ。悪魔は対価と引き換えに人間の欲を叶える。欲望が見つからないというなら原因はそれだろう』

 

「………初耳なんだが」

 

『ん? 相棒は兵藤一誠の記憶を読んだんじゃないのか? 』

 

 記憶? どういうことだ?

 

「全部を読んだわけじゃない。だいたいだ。知り合いとか家族とか、趣味嗜好とか。夕麻ちゃんのことだって記憶を探るまでは気づかなかったし」

 

『そうか…なら相棒の通う学校の記憶を読め。3年生のリアス・グレモリーだ』

 

「リアス…グレモリー………」

 

 

 検索検索。

 …………検索するまでもねぇ。

 

「グレモリーってさ」

 

『ああ、悪魔だな』

 

「グレモリー先輩、めっちゃきれいなんだが」

 

『ああ、悪魔だからな』

 

「同じ部活だっていう連中もキレイどころばかりなんだが…」

 

『おそらく悪魔だろうな』

 

「生徒会長の支取先輩って…」

 

『うむ…』

 

 うむジャねーよ。

 

 まーじーでー。

 

 俺、悪魔の学校に通うの? ばれない? 死なない?

 死なない。俺、不死生物(アンデット)だから!

 

 

 

 

 

「………とりあえず帰るか」

 

 いやになったので帰る。

 魔化魍も作っておきたかったし、ヤミーも作っておきたかったけど、もう萎えた。気力が限界。

 無理。

 帰ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




★人生初の学園生活にルンルンだったのにくずおれた即死攻撃持ち雑魚散らし系エネミー
 味覚消滅系主人公。
 大体こういうので消えるのって味覚だよね。一番ダメージが薄い気がするからかな。でも一生うまいもんをうまいと感じられないって辛くない?
 おにぎりも姉ちゃんの手料理も魚もアイスも全部「なんか…味の抜けたガムみたい」だよ?
 辛くない?
 まぁCV.ゆかなで声出せるようになるならお釣りがくるんじゃない? そうかな、そうかも。
 そんなかんじ。

 前の世界では体重管理のためにセルメダルは貸倉庫に貯めておいたので貯金がパーになった。銀行には一億円があるけど通帳なくして下せなくなったので全財産は財布に入っていた一万円みたいな感じ。
 ミルたんは主人公にとって油田ゲットしたようなもん。金がじゃぶじゃぶ入ってきてうっはうは みたいな? 多分気分は石油王。
 強化の目途がついて、自分がこの世界でゲットしたドライグが想像以上に想像以上でテンション爆上げってたら、学園でテンション急落した。どっちもすぐには力にはならないからね………。
 とりあえずメガウルオーダー早く作りたい。
擬態一誠「材料がねぇ!」



★魔法少女ミルたん
 リリカルマジカル。悪い子はお仕置き(魔法)にょ♡(野太い声)
 物理魔法ではない本当の魔法(欲望)を手に入れた漢の娘。
 出会いは偶然。適当に歩いていたところ強い欲望をキャッチした主人公に話しかけられヤミーの親になった。
 よくわからないが魔法使いになれたのでハッピー。
 魔法少女ミルたんは、世界の平和と友達の未来のため、闇の勢力ナイトメアドリームと戦うのだ!



★イルカヤミー
 お前を消す方法。→ミルたんを殺すor主人公を殺す
 正面から見ても愛らしいマスコットキャラクター()。
 ヤミィを筆頭とした劇団イヌカr……もとい劇団イルカヤミー。ミルたんが気持ちよーく魔法少女をするために日夜勉強中。
 実は単体でも超強い。800年前の王から生まれたクジラヤミーの20%くらいの強さ。
 集団になると…。ちなみに増殖中。



★魔石くん
 うおおおおおおおおおおおおおおお!(コアメダルの肉体浸食・失調を必死に食い止め)
 うおおおおおおおおおおおおおおお!(モーフィングパワー全力で肉体維持)
 うおおおおおおおおおおおおおおお!(とにかく必死)

 ファイト♡





 やっと話が動いた今回。
 次回は学園に通いつつ、魔化魍作って育てます。
 生育場所を決めたら、エサの確保ですねー(暗黒微笑)。
 
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