アズールレーン ―あの素晴らしい海をもう一度、です― 作:ブロックONE
夜の重桜寮の一角。
そこに複数名が屋敷に侵入する。
「ウォォォォォォアア!!」
懐からお箸を取りだし、ボウルに落ちた卵をかき混ぜ……
その隣で…
「ウオオオオオオオオッッッ!」
二刀流の包丁を取り出し、交互に葱と肉を切り刻む音。
そして、最後の仕上げとして…
「てえええああああああッッ!!せえいっ!!ていっ!!ほああっ!!ほあああああっ!!」
すると、背後のふすまが開き…
「てええいっ!ほわあ!おおお!!」
「人んちで何やってんだぁぁぁッッ!!!」
「ごわあああーーーっっ!!?」
加熱した中華鍋に頭を突っ込まされている正体は綾波。
そして電気がつけられると、葱と肉を刻んでいたのがラフィー、卵をかき混ぜていたのがジャベリン。
「なに夜中に人んち忍び込んでスタイリッシュにチャーハン作ってるでござるかテメエら!!?オイ消せ!うるせえからその曲消せ!近所迷惑だろーがっっ!!!」
口調を崩壊させつつ必死で突っ込みどころを突っ込んでいく部屋の主こと暁。すると、いつの間にかジャベリンの手にラジカセがあり、ラフィーが再生停止を押す。
「ちょっと待って!?それはそれがしの所の食材…っていうか、こんな夜中に何しに来たでござる!」
「いやほら、この前見たジャンプに、夜中に友達のお家でチャーハン作ってるのを見たら、どうせお世話になるし早速恩を着せておいて、最後にお釣り返してもらおうとか考えてた訳…です」
「なんでござるかその動機!?っていうか薄情どころかむしろ下心まで言葉に出ちゃってるじゃんそれ!?」
「お邪魔しまーす」
ドガンッ
壁に大穴が開いて、Z23と指揮官がやって来た。
「ニーミ殿までなにしてんの!?玄関から普通に入れでござる!! ……え?なに?もしかしてこの部屋収録スタジオのセットだと思われてるの!?」
綾波たちは「え、違うの!?」と言いたげに驚いている。指揮官は損害の補填を悟ってか、どこか遠い目である。
「ニーミちゃん、指揮官、チャーハン出来てますよ!」
「わあ~美味しそ~!頂きましょうよ指揮官!ささ、暁も!」
「って話聞けコラーっ!!!」
数分後。
「それで…それがしに何の用事でござる?」
綾波たちに訊ねる暁。さりげにチャーハンを戴くことにした。
「実は、セイレーンの海上の要塞が見つかりまして…もぐもぐ…」
「海域に忍び込んでドンパチするです…もぐもぐ…」
「カチコミ…もぐもぐ…」
「フタリトモそれを言うなら夜襲でしょ…もぐもぐ…」
指揮官もうんうん、と頷いている。
「そこで、暗所恐怖症と方向音痴なところを除けば忍者っぽい暁のノウハウを盗めば、作戦が有利に働くかもと思って、です」
「そうだったのですねー…もぐもぐ…」
「なるほどね!これが犯行準備と飯テロってやつなのね!もぐもぐ…」
「暗所恐怖症と方向音痴は余計でござる……そういう事ならそれがしに…って雷と電まで!?」
しれっとお皿に装ってもらったチャーハンを頂いている雷と電の二人がいた。
「もぐもぐ」とはまたベターな擬音。そこに突っ込もうとするも、キリがなくなるのでここは見逃しておくことにした。
「暁ちゃん、ここは教えてあげようよ~」
「出し惜しみは良くないですよ暁ちゃん。それに、夜襲ですよ?暗所恐怖症と方向音痴ってそれもう忍んでる癖に真っ暗闇のスリルと恐怖に耐え忍べてない時点で、綾波さんたちに任せた方が良いと思いますよ?」
心配そうな面持ちなのに、何気に毒を吐いている電。
「地味に刺さること言ってくるよね電!?ていうか、スリルってなんでござるかスリルって!!」
「ということで…ここは一つ、よろしくお願いいたします、です」
指揮官も一緒に頼み込む。
「し…仕方ないでござるなぁ…」
「なるほどね!これが御都合主義とパクりってやつなのね!」
「むしろ暁ちゃんがめんどくなって無理矢理折れてあげた感じもしますよ?」
そしてニーミが自分の登場を華やかにするためにわざわざ開けた壁の穴は、後日饅頭たちにより修復されるのであった。
そして…
「第1回 アズールレーン―あの素晴らしい海をもう一度、です―
チキチキ 真の忍者は誰じゃろな?風雲・暁城~!!」
忍び装束の綾波たち。
「そこは色取り忍者じゃないのです?」
綾波のツッコミが入るが、暁はどうしてもこれをやりたかったそうで、何故だか…
「私も参加します」
黒潮も参加者になった。
「黒潮殿まで参加でござるかっ!?」
………
その切っ掛けはこの日だった。
「さて、主にご報告を…」
地面に着地しようとした瞬間、黒潮の尻に暁のオートバイの尖端部が刺さった。
「あっ」
運転していたのは綾波。
「いっだぁぁぁあ!!?え?なに!?私あなたの親でも殺したって言うんですかねえ!?」
「いやぁごめんです黒潮、クリーブランドさんからお借りしたスクーターが黒潮の肛門に吸い込まれていっただけなのです」
「人のケツの穴を立体駐車場みたいに言うなッッッ!!!」
…………
「しっかり史実再現(意味深)されてて草」
「何時あったのよそれ!?そんなやり取りなかったよね!?普通にチャーハン作っただけだよね綾波ちゃん!!?」
「ていうかどこに出演の切っ掛けになる事象があったでござるか!?何かの冗談!?」
「し、暫くボラギノールが手放せませんでした…私のお尻は呪われてしまったのかもしれませんね…」
おしりを撫でる黒潮。
「ええええええ!!マジであったの!?ていうか何時だよ!?時間軸おかしくないそれ!?」
突っ込む暁。
(クリーブランド、今朝も普通に乗ってた…)
……
「あれ?なんだこの赤いの…うーん…あ!もしかして綾波が剥げてるところ塗装してくれたのかな?さーてジャンプ買いに行こうっと」
……
(クリーブランド…ご愁傷さま…)
(なるほどね!これがタイムトラベラーってやつなのね!)
(めっちゃくちゃになってて流石に読者さんが困ってますよ…?)
「忍者なんて簡単です。バレなきゃ良いのです…バレなきゃ立件はされませんから…ふふふふ……」
「怖いよ黒潮殿ォ!?」
「殺しは何処からともなくマリコさんに全部調べられてしまうので、控えましょう。それか見たやつはオールマストダァイ…」
「怖いから!!忍のイメージ覆っているからぁっ!!つか全部殺してる時点でもう捕まえてくださいって言ってるようなもんじゃんそれェェ!!?目に写ってねぇやつに通報されんだろぉぉ!!?」
暁のツッコミが冴える。
「海からマリコさんは草」
「なにせ、かの有名な忍者戦隊だってこうおっしゃっています……
……『忍なれども忍ばない』と…」
「どこのカクレンジャーだよ!!?」
「「「「「「そうなんだ…メモメモ」」」」」」
「あああ!!もう浸透してるぅぅぅぅ!!?しかも雷と電までメモってるし!?」
時既に遅し。
「カメラワークを意識してスタイリッシュに決めていけば自然なアクションができます」
「カメラワーク!?あれか?これスーツアクター向けのアドバイスでござるか!?」
「さて、それでは実戦経験を詰むのが手っ取り早いですね…主、的(テキ)の座標を教えて下さいますか?」
「『的(テキ)』って何だよ『的(テキ)』って!!?」
すると指揮官は、懐から巻物を取り出した。
「巻物…?変なところに力入ってるでござる…」
「一先ず、敵のエリアにカチコミ掛けましょう。では皆さん、カワバンガッッッ!!」
場所は変わってセイレーンの要塞のある海域。夜間だけあって静かだった。人型の下級セイレーンたちが居眠りして、潜水艦型が要塞に座礁している。
(かなり士気低くないですか?)
(セイレーン、寝てる…)
(絶好のチャンスですよねこれって…)
(カチコミも焼き討ちもヨユーのよっちゃんです)
(どちらも隠密じゃないでござるよ!?)
(時にはド派手にドンパチ決めてやるのも忍です)
(だから黒潮殿、それもう忍じゃないでござる…)
すると、指揮官からの通信が入った。
(U-47さんが一人で偵察に行ったきり帰ってこないから探してきて…って指揮官が言ってるです)
(え!?幾らなんでも単身で偵察は無茶ですよ…)
(あぁ…あの人静かなところ大好きだからなぁ…)
(この海域にシグナルが出てるそうなのです)
(あ、そこに座礁してるのがその方では?)
黒潮の指す方向を見ると、何時も乗ってる艤装を抱き枕にして寝ているU-47が居た。しかも腕にはセイレーンががっつりヘッドロックされており、苦しそうにしている。
寝相だけで静かにセイレーンを沈めた暁には武勲が着くことだろう。それはまもなく達成されようとしていた。
(なに一緒になって休んでるのあの人ぉぉぉ!?)
ニーミが突っ込み始めた
(つか寝相わっるぅぅ!!?離してあげて!流石に可愛そうだから!!セイレーンさん今にも死にかけてっから!!ってどうすんだよ、セイレーンのやつ目ェ覚めてこっちに助け求めてきてるし…!?)
(とりあえず、一斉に魚雷叩き込んでさっさとトンズラする、ですっ)
(え!?U-47さんを助けないの綾波ちゃん!?)
(きっと爆発の衝撃で起きてくれるです。…生きていれば)
(要塞もろとも吹き飛んじゃうよ!?)
「ん…」
U-47が起きた。
「いっけない…長時間依託サボれると思ったらこんなところで寝…ん?」
「ぐっ…くぬっ…」
表情が固まるU-47。
「うわっ…!?」
すると咄嗟にセイレーンを締め上げ、止めを刺した。力尽きるセイレーンはサムズアップして海底へと沈んでいった。
「あー危なかった…っべーわ…まじっべーわ…」
(マジでやっちゃったよあの人ぉぉ!?)
(居眠りから起きてからの即とどめです…これが鉄血のUボートの力…です?)
きっと違う。
「ふぅ…あれ、母港の皆じゃん…何してんだろう?」
U-47が綾波たちに気づきサインを送る。が、途端に他の居眠り勢だったセイレーンもタイミング悪く起き始めていた。
「あ!ヤバイよ!?」
「セイレーン起き出した」
目を擦る仕草をするセイレーン。
「随分人間臭い動き、です」
「ふふふ、こうなりゃ火遁の術(武力行使)ですね…」
「案の定最悪な事態が来てしまったでござる…」
「ん?なに?…えっ」
セイレーンが動き出しているのに漸く気付いたU-47。すると、綾波たちの方からなにかが水面を這っていくこを確認した。
「やばっ!?」
魚雷の束。
即座に急速潜航。すると背後で大爆発が引き起こる。
それは綾波たちのであった。間一髪爆発に巻き込まれずに済んだ。
一先ず最大船速で距離を取り、周りをよく確認すると…
「いやー焦ったぁ…え、何なのよあれ…」
この時、停泊した所が意匠からセイレーンのものだと理解した瞬間だった。
海上要塞は音を立てて崩落し、沈んでいく。
「っぶねー…巻き込まれるとこだったよ…」
「U-47さん発見です」
「もう、危うく当たり掛けたよ…!?なにあれ?新しい寝起きドッキリ!?」
「早朝魚雷は草」
そんなこんなで艦船たちはワイワイ仲良く帰投したとさ。
(あれ?『風雲!暁城』はどうなるでござるか…?)
………
その後日。
「今回の訓練は、この先の部屋でお昼寝してるU-47さんに気付かれぬように、巻物を持ち帰るっていうものです」
黒潮により企画は再開していた。
「なんかそれがしのより企画っぽいでござる!!?」
…………
さらに別の場所にて。
『全員寝てるってそれ淘汰どころか戦闘する前に先制攻撃くらって壊滅してどうすんのさ』
『『『……』』』
カミは戻ってきたセイレーンたちに突っ込みを入れたとかなんとか…。
To be continued…?
閲覧ありがとうございました。
北方連合編はクリアしたので、まったりとpt稼ぎしてます。
それでは、また次のお話で。
by筆者
『あの海』においてのKAN-SENたちの印象は?
-
女芸人
-
可愛いKAN-SENたち