アズールレーン ―あの素晴らしい海をもう一度、です― 作:ブロックONE
「きっとそれはオロチ違いですね」
加賀は天城に絡み付かれている赤城に向けて冷静に突っ込んだ。
「あらやだわぁ…(しわがれ声)」
目の前の天城はわざと誰かの声真似する。
「姉様…ってちょっと何処触ってるんですか離してください。って、離しなさいっつの!もうっ」
天城の手を払おうとする赤城。
「あらあら…もしや、反抗期!?」
「そんなわけ無いでしょ天城姉様!?つかなんでそうなったし!!?どうして天城姉様に手を回されてるのか誰か説明してよ!?」
「そうだぞ天城さん、もっとこうズバッと!ガバッと行かねば!」
「おい愚妹」
早速突っ込みが炸裂するこの空気。
黒いメンタルキューブのせいで蘇ったとされる天城は、その影響で精神的に解き放たれて上擦っているのか、どこかフリーダムであった。
それにはさすがの加賀も突っ込まざる得ないし、赤城もそこで暴走しかけた加賀にまた突っ込まざる得なかった。
「流石のってなんだ流石のって、それでは私が普段からボケ担当みたいじゃないか」
「第四の壁ぶち破ってる時点でもうそれ説得力ないわよっ」
「うふふ…最初からクライマックスですわね?」
「天城さん、意味わかって仰有っているのでしょうか…」
…
……
「はぁ…出番まだかなぁー」
楽屋で寝そべるピュリファイアー。
出番お預けを食らい早一ヶ月ほど。
待ちくたびれていたのである。
すると、綾波の剣とジャベリンの槍が彼女の脇腹を突っていきた。
「アイテッ…ええっ!?ちょっと!ちょっとやめって…あああっ! ?」
かなり効いている模様。
「な、なんなのよ突然!?」
「出番なのです」
「出番?今から」
「はい」
「ほら、いきますよー」
「え…?え…!?」
困惑する中でピュリファイアーは担ぎ込まれて連行される。
「堂々と楽屋撮してて草」
ラフィーはカメラ目線でそう一言告げると、綾波たちの後を追ってカメラからフケていった。
…………
「あなたは天城のパーツを使ったテセウスの船」
唐突に天城は語り出す。
加賀は飽くまで予備にすらならないことをここで知る
そこにショックを受けるものの附に落ちず…
「天城さんって戦艦でしたよね?私空母なんですけど…」
(引っ掛かるところそこおおお!!?)
「いやいやそうじゃなくてね!?空母に改装されるはずだった私のパーツが貴女に使われてるってことですからね!?カンレキ的には!!」
「テセウスの船ってなんです?あ、ドライブだった竹内さん主演のあれか?」
(もうこの空気…どこからつっこんで行けばいいのやら…)
虚ろな目の赤城は、見上げていた空に向けてそう呟いたのだった。
…………
一方、転職した事になっていた綾波はジャベリンたちとアズールレーンの基地にいた。
しかし、戦況の変化から重桜の事が気になって仕方がない様子。
そこに声を掛けたのはジャベリンたちであった。
「あれです、海に出たら元職場の人に出くわしてしまうんではないかって言う不安です」
「随分リアリティある心理だねそれ…」
「もう草」
「とりあえず、不安なときは踊って元気になろうです。ブリっちゃん、音っ」
\デンッデンッデンッデンッ/
BGMが流れ出して三名は踊る。
前回から時間が開いてしまったのか、少しおぼつかない。
「歌レッツゴー!」
「ないしてるよ…いッつ!?」
脇腹に何か突き刺さりバランスを崩し、あまりの出来事に思わず口を抑えて笑ってしまうジャベリンとラフィー。
そして、脇を抑えて横に向くと、ゆーちゃんを前に構えるユニコーンの姿が。
「ないしてるじゃなくて、あいしてるだよ?…ッ…」
ユニコーンとその後ろで見守っていたイラストリアスまでも笑ってしまっていた。
その頃…
「綾波は転職していくし…赤城は居なくなるし…」
※この時まで、雪風たちは赤城が紆余曲折ありながらも既に戻ってきていた事にまだ気付いてはおりません。
「戦い起こってから悲しい気持ちばっかりなのだ~!」
嘆く雪風。
戦の無情さ。
時雨と夕立もその悲しさを痛感していた。
すると………
「呼んだです?」
カメラの前にひょっこり顔を出した綾波。
「えええ!?綾波いいい!?」
「嘘!?転職したんじゃなかったの!?」
「やっぱりあれか?やっぱりその、ご飯抜きにされたのか!?」
「がっつりとおいしいやつが三食ありましたです」
この時、夕立は「え、じゃあ夕立も行こうかな…」と考えだすも、それを察知した時雨に止められてしまった。そもそもそんな事言っていられない。
眼前にはセイレーン。しかも大量のテスターαたちが上空にいたのだった。
「どれで喋ろうか」「迷ったから」「一斉に喋るわねww」
「出たなセイレーンの上位個体、です」
余分三兄弟を呼ぶ感覚で良い放つ綾波。
が、早速攻撃を始めたのはテスターたちだった。
「雪風、時雨、夕立、綾波!ジェットストリームアタックです!!」
「「「お前誰だよ!?」」」
御決まり。
「あ、綾波は自分自身でしたです」
一先ず雪風を先頭に一直線で滑走。テスターたちの攻撃を掻い潜り応戦。
「おい、一人足りないぞ!」
上空からだとよく見えるために、テスターがツッコミを入り、雪風たちは確認しあうと
綾波が居なかった。
「「「綾波ィィィ!!?」」」
遂に本格的に裏切り始めたか、と思う矢先……
「その時、不思議なことが起こった、です!」
(((…ブラック?)))
「なに?……あっ…」
声がすると、テスターの身体をDX綾波ブレードが貫いた。
テスターの一体を討ち取る。
「おおおー!」
「綾波、お見事」
ジャベリンとラフィーが拍手する。
綾波ブレードの柄には巻き布が確りと巻かれており、いかにもオサレな死神の内なる存在がやってそうに鞭か鎖かたびらがごとく振り回していた。そして、振り回しつつ手元に戻そうとすると、ジャベリンたちの真上を掠める
「「危なっ!?」」
「おい綾波、今の技は何だよ!!?」
「どこのBLEA○Hなのだ!?」
「ねえ…重桜の子ってみんなあの様な技使うの…?」
「使わないわよ!!?」
時雨が通りすがりのオイゲンからの質問にツッコミを入れるも…
「うおおおお!!」
「瑞鶴!!お姉ちゃんも続くわよ!袖の白ゆk____」
時既に遅し。
戦場は色んな意味で無法地帯と化していた。
「これオロチあってもなくても変わらないじゃん……」
オロチの船体から、 加賀は一言。
気が付いたら行方不明の赤城に黙ってオロチを動かしてみたのが数時間前のこと。
ロマンとハイテクな概念溢れるステキな船。加賀は一先ず何故これを他の量産型にもさっさと共通装備として載せないのか、ツッコミを入れたくなった。
そう、ボケ役を一挙に担ってきた加賀は、一個人として重桜の戦力について考えたのである。
こんなにも若本ボイスが似合いそうな艦、単一だけとか勿体無い。
しかし、一つの強力な兵器よりも、幾つもあった方が良いに決まっている。それが天城でなくても分かることなのに、この目の前の天城と来たら、ロマン砲掲げて酔っぱらってるのか、赤城に手を回してキャッキャウフフを………
「してないですからね!!?」
(もう、どうにでもなれ…)
「姉様…天城さん…とりあえず間が持たないから、ブリっちゃん、音ぉッ」
\ジャンッジャンッジャンッジャンッ/
無理矢理繋げるためにBGMを要請し、流れる。
すると、天城たちも一緒になって踊る。すると、天城がマイク片手に前に出てきた。
「ないしてるよなんt イダア!!?」
「え!?赤城姉様!?」
すると、赤城が背後から天城の頭をひっぱたく
「っつぅぅ…赤城、何するの!?」
「天城姉様、『ないしてる』ではなくて、『あいしてる』……です」
「赤城姉様、口調が綾波みたいになってるぞ…?」
「それに、メッチャ痛いと思ったら…それ金装備の流星じゃないですか!?イタタ…私のアカでもまだ出てないのに…」
「メタいな天城さん」
その頃。
「アハハハッ!やっと出番だよー!」
「そのまま控えてろっ!!」
エンタープライズは迷いを捨てつつ駆け付け、無数のセイレーンを撃ち落とした矢先、若干段取りを無視したピュリファイアーがエンタープライズと交戦していたのであった……!!
To be continued…?
閲覧ありがとうございました。
アニメも無事に終わりましたね…。
さてさて、コント(?)こと、『唐突なるオギノメヨウコ作戦編』の顛末はどうなるのか。天城がフリーダムすぎて赤城にツッコミとして流星でぶっ叩かれるのは、恐らくこの作品くらいかもしれません…(オイ
そんなこんなで、また次回のお話で。
by筆者
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