アズールレーン ―あの素晴らしい海をもう一度、です― 作:ブロックONE
ある日の重桜寮。
イベントに次ぐイベントという無茶なスケジュールに、文句の一つでも言いたくなる中、指揮官やKAN-SENたちはなんとかこなしつつ過ごすこの頃。
現在は一段落したのか、思い思いにのんびりとしている。
「あ"ぁー五月病かと思って身構えてたらもう六月じゃないか…梅雨じゃん…早くないか?」
「そうね。何だか早いわ…」
一航戦の部屋にて、うな垂れる加賀。隣で季節の変容を感じる赤城。
五月病とは何だったのか。度重なるイベント海域への出撃の影響か。
「ところで、赤城姉様…」
赤城を呼び…
「なぁに?」
首をかしげつつ、微笑みながら返す赤城を見据え…
「デ練度って、何だ?」
「さぁて、今年の水着何にしようかしらねぇ?」
「えええ!?姉様!?」
「なによもう…そんなの簡単よ。あi」
「はいはい愛ですねぇ愛~」
「何その呆れた物言い!?」
「だって~、赤城姉様ってしょっちゅう指揮官にアプローチしてますけど、愛が伝わるどころか、ドン引かれた末に逃げられてませんか?」
「こっこれからよ!これからなのよぉっ!!」
「そんなこんなで、他のみんなに聞いてみようじゃないですか。そうしたら赤城姉様の進展…まぁそれはいっか!ほらいくどー」
「はいはい…」
赤城は加賀を追い掛けていく。
…
……
………
二航戦の部屋。
「デ練度、ですか…?」
「うーん私たちにはあんまりわかりませんねぇ…」
二人もあまりよく分かっていない様子。
「そもそもだ。うちの指揮官に一目惚れする少女漫画の様な奴って母港にいるか?」
その加賀の問い掛けに、暫く考える蒼龍と飛龍。
一瞬赤城を見るものの…
(赤城先輩?)
(いやーあれはむしろ自分からカッ飛んでるし…)
(流石に赤城がそんな少女漫画な性格なわけが…いやもしかして…)
「「ぶっちゃけ、思い当たりません」」
「今の心の声一人多かったわよ!?」
「なに?赤城、図星だったのか?」
「んなわけあるかいっ!!」
「そう言えば、吾妻さんが秘書艦だと、かなり指揮官と良い感じが…」
「なん…だと…?」
「いつもの指揮官の様子からすると、良い感じというよりは旦那不在にマッサージ師やらに掛かる近所のおばちゃん的なのにも見えるがな?」
「流石に生々し過ぎよ!?」
そんなこんなでお礼を言い、瑞鶴と翔鶴の部屋へ。
「あら先輩方、デ練度なんて今更愚問ではないですかぁ~?」
「翔鶴姉…台詞的に煽ってるのかどうか分からないよねそれ…」
「指揮官のこと、どう思う?」
「「普通ですねぇ…」」
「まぁ、指揮力が高くても、厳格でも、それが男女の関係って必ずしも恋愛に関係するとは限らないですしぃ?」
「確かに!これで一々靡いてたら、俗に言われるチョロイン扱いだよね!」
「ふむ、チョロインか…」
土佐が現れる。
「そう言えば、男性に怒られたり負けたりするとすぐ好きになったりする奇っ怪な人柄もいるものよな…」
「土佐、それ以上いけない」
毒が強いので赤城に止められた。
「赤城姉様の場合…あぁ…」
「何よ、ドロップしたら即惚れたら悪いの!?」
「うーん、それでは大鳳ちゃんとかはどうでしょうかねぇ?あの子しょっちゅう指揮官のこと覗いてますよ?」
「それ単にストーカー気質なだけじゃないの…」
赤城は突っ込む。その通り。気がつけば指揮官の後を着けている。秘書艦の時はわりと真面目にやっているらしいが…
「じゃあ、隼鷹はどうですか?指揮官のことを幼馴染みだとか言ってるし…」
「隼鷹とあやつが幼馴染か否かは別として、むしろ指揮官は幼馴染みのよしみをでっち上げた上で書類関係の仕事を押し付けていそうだな?」
「お止めなさいっww」
「そういえば…隼鷹が秘書艦担当の時に見かけたんですけど…」
瑞鶴はふと思い出す。
………
……
…
『あら?指揮官どうしたの?…書類仕事?しょうがないなぁ~。オサナナジミのよしみとして手伝ってあげるっ』
…
……
………
「ウソでしょ指揮官様!?」
「指揮官…隼鷹のオサナナジミの思い込みを利用するとは…策士だな…?」
「え、そういう問題!?…まぁ、アレな子達相手でも指揮官様って大してノリが変わらないのね?」
「赤城もまた随分とアレな…」
「だまらっしゃい!私と指揮官様は純愛よ!純愛っ!!」
「逃げられてるのにか?」
「やかましいわい!照れてるだけよきっと!」
「加賀先輩は…あっ(察し)」
「ぬぅぅん!!」
脱がしに掛かろうとした刹那……
「待て」
「土佐…?」
土佐が立ち塞がった。赤城たちは「お?」とついに翔鶴脱がしの展開が変わるのかと期待感を寄せた。
そして…
「どうぞ」
「えええええ!!?」
「譲っちゃったよ!!?」
「ぎゃっっ!?ちょっと脱がさないでください!?土佐さんもなにしてんですか!?ちょっとポロリといっちゃいますからぁぁぁ!!!」
「翔鶴姉ぇぇぇ!!?」
「スタッフ!ボカシて!早く!」
赤城がスタッフに呼び掛ける。
…しばらくお待ち下さい…
「OYOMENI IKNAI…」
「翔鶴姉…今回も…お約束通りだったねぇ…」
翔鶴の着物の中に着てるTシャツには、『指輪』と二文字の漢字が記されていた。
「何を騒いでおる!?」
長門たちが物音を聞き付けてやって来た。
「長門様、実はこちらの加賀がこじらせまして…」
「はい、デ練度についてです」
「また妙なものに好奇心をくすぐられたのよのう…」
「ふむ!デ練度…って…つまりは好感度か?」
三笠が訊ねる。
「はい」
「…チェッケ「ちょ、ちょっと大先輩、すみません…」え、なに?…なんだ?」
加賀に止められる。
「あの…シリーズが違うので…」
「えええ!?ていうか、前から思ったけどなんか我の扱いひどくね!?ついこの前アンケでも我の企画消えたし!」
「ハーメルンのアンケ、アップしたこの日の時点で項目5つしか記入できないから仕方ないかと…なぁ、赤城?」
「そうね…他意はないと思いますので、ご自愛くださいませ、三笠大先輩…」
「う、うむ…ん?自愛?」
加賀と赤城による説得で引き下がった。地味におばあちゃん扱いである。
「まぁいいか。…しかし、あれだなぁ、水のような関係が良き関係だと良く言うが…」
そして、締めの一言として長門は考えを口にした。
「デ練度、それは即ち好感度越え程よく親しみ愛し合う長さ…というより、"信頼"なりっ」
「長門様、無理して締めてしまった感強いな?」
「だまらっしゃい」
…………その頃。
「指揮官様、まだ書類仕事は終わってませんわよ?いくら電子で早く済む時代とは言えど、届いた数はその分山の様に届くのですから~」
一方、サボろうとする指揮官を止める天城。
その笑顔に秘められた圧力は凄まじい。
「ご心配要りませんわ指揮官様。この天城も一緒ですからねぇ♪……ねぇ?」
迫り来るその圧力に、指揮官は苦笑いしつつも諦め執務に戻るのであった。
結局その後も、なにかと艦船たちが命ゼられるより前から気にかけて進んで手伝いに来て、キーボードを叩く音が執務室を賑わせるのであった。
業務上の立場や下心を除けば、親愛というより、一緒に戦ってきてくれたという信頼というべきだろうか。
それは指揮官の受け取り方に依るのかもしれない。
因みに、赤城が誰よりも多く片付ければ気を引けるかもしれない…そう考えていたのは最早言うまでもないのである。
……………
『結構色々やって来てるセイレーンにも…デ練度実装されませんかねぇ…(チラッチラッ)』
カミはそう溢したとか溢さなかったとか。
To be continued...?
閲覧ありがとうございました。
そんなこんなで、艦船たちの力を借りたいほど多忙で苦笑いが絶えない指揮官様がいらっしゃいましたら、是非ともお気に入り登録したり、ご感想、ご投票をよろしくお願いいたします。
by筆者
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